本研究では,愛知川扇状地を一つの容器とみなした場合の年間地下水貯留量変化を推定し,本地区のマクロな・地下水循環特性を検討した。
まず,地下水流動シミュレーションおよび潅滅終了後の地下水位逓減状況の分析によって,地区を代表する透水量係数,貯留係数,(逓減時の)時定数を推定した。さらに,潅概期と非潅漉期の地下水位の差を,Kriging法を用いて内挿し,地区の平均値を得た。以上の結果から,本事例地区では,年間約1,400万m
3の地下水貯留変化が生じていることが推定され,多量の地下水が,潅概期に形成された地下水体から流出していることがわかった。
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