低コスト化を目的とした大型で屋根裏利用の暖地向き牛舎の, とくに屋根構造について, 結露回避の条件を探るため, 環境設計論的側面から検討した。まず, 室内実験により, 事例牛舎の屋根材料の自然対流熱伝達率として2.3W(m
2・K)
-1を推定し, これを援用して, 事例牛舎の結露回避のための低コスト屋根構造を提案した。
次に, 結露が生成, 発達中の事例牛舎の環境調査から得たデータを用いて, 牛舎の定常状態で成立つ熱・水分収支式および建築学上の手法三者による換気量を求めた。その結果, 三つの推定値はオーダ的に一致した。
結露対策を確立するための条件として, 上記提案屋根の導入, 換気口の取付け位置の見直しなどを指摘した。
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