農業土木学会論文集
Online ISSN : 1884-7234
Print ISSN : 0387-2335
ISSN-L : 0387-2335
1991 巻, 156 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 開水路の変動吸収特性 (II)
    山本 徳司, 三野 徹
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 1-7,a1
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本論文では, 前報での手法を用い, 平均滞留時間を水管理問題への展開の中で位置づけ, 開水路のストック機能を考慮した水管理について検討した。
    その結果, 変動吸収機能に影響する要因としては周波数効果と水深効果があり, 両者は相互に関連した効果を持つこと。また, 流れのフロー性, ストック性の強さもこの2つの機能の相互関連によって決定されることが判明した。これらの特性を整理し, 水路を連続エレメントにモデル化することによって, 相対平均化時間を指標として, 開水路での需要主導型水管理の可能性が展望できるとともに, エレメント間での供給主導と需要主導の水管理の条件を決定することが可能となった。
  • 開水路の変動吸収特性 (III)
    山本 徳司, 三野 徹
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 9-16,a1
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    土地利用の高度化による流出機構の変化に対応した排水施設の再編整備において, 従来のフロー機能中心の排水対策からフロー機能とストック機能とのバランスのとれた排水対策への転換の必要性が迫られている。
    そこで, 本論文では, 地域排水ストック機能のうち, 幹線排水路のストック機能の評価について検討した。
    その結果, ストック機能とフロー機能の分離評価の指標として取扱われる平均滞留時間およびそれを入力周期で除した値である相対平均化時間が, 排水計画において最も基本となる計画諸元であると考えられ, 幹線排水路のストック機能の再検討が排水問題の基本的解決策として, 今後重要な糸口となり得るという結論が導かれた。
  • 島田 正志
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 17-22,a1
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    パイプラインでの緩やかな過渡的流れの解析法である剛性モデル理論・接続解析は集中定数モデルであり, 状態空間で制御理論を応用したパイプラインシステム解析に大きな可能性を有する。しかし, 状態空間法を適用するには, 常微分方程式系はシステムの動的挙動を記述できる最小個の変数(状態変数)でなければならない。本論文では, 接続解析における状態変数, 状態方程式の一般的な誘導理論を展開し, 樹枝状, 管網システムに対しても, 接続行列に基づいてコンピュータで自動的に状態変数, 状態方程式を決定する方法を与えた。
  • 島田 正志
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 23-31,a1
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    水撃解析(特性直線法)でパイプライン定常流を求める時間進行法が, 大規模系の設計計算に使用できるような実用的手法として改善される。第1に, 摩擦損失に関して, 水理設計上は経験式であるヘーゼンウィイリアムズ式を使用した場合の基本的考え方と計算アルゴリズムを明確にする。第2に, 収束性を決めるスペクトル半径の近似法とそれに基づいた時間ステップの制御アルゴリズムの一般化・改善を行い, 時間ステップのロバストな劇御法を提案する。第3に, 典型的な管網システムに対して種々の時間進行法による定常流解析を行った結果から, 提示した手法の検証と問題点について考察する。
  • 大野 研, 近藤 武
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 33-40,a1
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    筆者らは, ファジィ理論を利用した土構造物内の浸透流の逆解析手法を開発してきているが, 定常浸透流を対象としていたために, 情報化施工や施工後の挙動管理にはなじみにくいという欠点が存在した。そこで, 赤井らが開発した飽和一不飽和浸透流解析の手法に上記逆解析手法を組込み, 非定常浸透流を対象とした逆解析手法を開発した。観測されるのは水頭であり, 同定される変数は, 飽和透水係数および不飽和浸透特性である。
    この解析にファジィ理論を用いる理由は, 多くの種類の不確定性を考慮に入れることができること, 観測データの少なさをカバーするために他の情報を利用することができることなどである。
  • 福島 晟
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 41-50,a1
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    流出特性に関与する流域地形の評価に, 地図縮尺および河道網に取込む細流の評価方法がどの程度影響するかを検討した。河道網の次数化方式として, Strahler方式とN1方式を適用した。1/5万, 1/2.5万, 1/1万地形図に記載の中小流域の河道網を基準にした地形解析により, 地図縮尺によるu次河道数, 最高次数の差異ならびに河道数, 集水面積等の地形則の適応性を検討した。一方, 地図縮尺と等高線の幅奥行比を用い, 地形図上には明示されていない細流を含めた河道網評価法を適用した場合の水文地形量の特性を明らかにした。自然丘陵山地流域のモデル化のための水文地形量の評価には, N1方式が好都合であることが推察された。
  • 楊 朝平, 長谷川 高士, 内田 一徳
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 51-57,a2
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    土の締固め機構を考察する目的として, 標題装置で砂質土の標題試験を行った。主な結果は次のようである。(1)繰返しK0圧密時の主応力径路は, 制御方式に大きく影響される。応力制御の場合では, K0除荷時の主応力径はやや上に凸な形となる。(2)試料の初期状態や繰返しK0圧密における載荷・除荷終了応力条件が異なっても, 繰返しK0圧密の主応力径路の形は相似する。(3)繰返しK0圧密による圧縮量の多くは正規圧密段階で生じる。(4)粒子間摩擦に起因する強度成分φfは, 試料の初期状態や総(載荷+除荷)回数によって変化していない。(5)均等粒径の試料を用いるため, 総(載荷+除荷)回数の増加とともに内部摩擦角φ'はいったん減少してから増大する。
  • 酒井 俊典, 田中 忠次, 宮内 定基
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 59-65,a2
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    軸対称問題である円形アンカーと, 平面ひずみ問題であるストリップアンカーの関係を, モデル実験・有限要素解析から求めた。実験は, アンカー径5cmの円形アンカーと, ドア部幅5cmで上昇過程のトラップドア装置を用い, 密詰め地盤において積上げ高さを変化させて行った。試料は豊浦標準砂を用いた。有限要素解析は, 剪断帯・ひずみ軟化を考慮に入れた弾塑性解析を行った。その結果, 円形アンカーとストリップアンカーとのピーク荷重値の無次元値(σ/ρdh)の比は, 一定値とはならなかった。また安定解析との比較では, ストリップアンカーでは本研究結果と比較的よい一致を示したものの, 円形アンカーではよい一致を示さなかった。
  • 清水 英良, 仲野 良紀
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 67-72,a2
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は, 一自由度系非線形ランダム振動の解にマルコフベクトル法と等価線形パラメータを組入れたハイブリッド解法を提案することにある。すなわち, 構造材料が双曲型の非線形性を示す場合, その応答確率特性をフォッカー・ブランク方程式から導き, 履歴特性を等価線形パラメータで表すものである。最初に, 入力加速度, 継続時間と系の非線形パラメータの3つの要素が応答に及ぼす影響を検討した。次に, 模擬地震波を作成し, 等価線形化法とマッシング則を適用したヒステリシスループを追跡する方法によるシミュレーションを実施した。その結果, 本解法は両シミュレーション解の中間に位置し, 妥当な結果を与えることがわかった。
  • 藤井 克己, 大塚 嘉一郎, 中野 政詩
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 73-79,a2
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    粘土懸濁液における粒子移動を, 粒子に働く重力, 流体との粘性力, 粒子聞の弾性力を考慮してモデル化した。さらに, 粒子と流体との相対移動という観点から, 懸濁液の透水性を粒子の沈降特性と関連づけた。
    固相率2~4%という希薄なベントナイト懸濁液について, 沈降時の固相率の経時的変化を測定し, これから透水係数を求めたところ, これらはKozeny-Carman式に基づく計算値を3~6オーダーも上回った。その原因として, 粘土粒子が集合化することにより, 間隙が不均一なものになると考え, これをモデル化し, Kozeny-Carman式との差異を説明できることを明らかにした。
  • Shigeyasu AOYAMA, Sylvester OKWACH
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 81-92,a2
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    穀物貯蔵用サイロの簡便設計法は, 断面力の算定において風方向張力を膜理論から求め, 貯蔵物の内圧による軸方向曲げモーメントは無視されている。本論では, 円筒シェルの方程式を中点差分によって解く手法を採用し, サイロ断面力の厳密解を求めた。すなわち, カントリーエレベータを構成する1つのRCサイロを抽出し, 断面力の算定から配筋計画までを行った。さらに, これとほぼ同容量の鋼製サイロを取上げ, この断面力の解析を行った。この場合には発生応力度の安全性調査を行った。
    結果として, 簡便設計法ではホッパ取付部や頂部における周方向力の算定に問題のあることが判明した。
  • 河地 利彦
    1991 年 1991 巻 156 号 p. 93-100,a2
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ガレルキン法を基礎とした, 流れと塩分輸送の連成による密度成層流の非定常三次元解析手法を提示する。基底関数として水平方向には通常の線形二次元関数を, 水深方向にごは流速と塩分濃度の連続分布が求解できるチビシェフの多項式関数を用いる。逐次時間積分では, 流れ系に対してKawachiスキームを, 塩分輸送系に対しては前進差分スキームを用い, 簡略化した基礎式に対するスキームの安定条件を導出する。仮想水盆の吹送循環流を解析し, 解の鉛直分布に着目してモデルの基本性状の理解とその有効性の検証を行う。同種の既存モデルに比べて多くの利点を有し, 高い汎用性, 柔軟性および効率性を備えた優れたモデルであることを強調する。
  • 1991 年 1991 巻 156 号 p. e1
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top