本研究では,カオリナイトの荷電状態,吸着カチオン種,粒径をコントロールして,塩濃度がNaカオリナイト・水系の塑性粘度にどのように影響を及ぼすのかを調べた.試料濃度100kg/m
3,pH10の条件においてNaカオリナイト・水系の塑性粘度は,塩濃度が1.0×10
-2mol/
lに達するまでは指数関数的に増加するが,1.0×10
-2mol/
lを超えると塩濃度に依存しない.この結果は,粒子の形状や構造を定性的に把握するのに有益な極限粘度の結果とほぼ一致することから,塑性粘度がフロックの成長と密接な関係にあることが確認された.さらに,Naカオリナイト・水系の流動特性は,凝集領域において2段階の変化を示すことがわかった.
抄録全体を表示