農業土木学会論文集
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2000 巻, 210 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 滝川 哲夫, 尾崎 益雄, 彰 永臻
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 717-722,a1
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    回分式活性汚泥法 (SBR) におけるDOの曝気制脚パラメーターとしての可能性について実験的検討した。実験ぽ本実験条件範囲のもとで, 曝気量初期MLSS及びCOD濃度を変えることによって行い, それらが基質分解速度及びDO濃度の変化に及ぼす影響を検討した。その結果, 一つの曝気過程において, DO濃度が一定値 (“平衡DO濃度”) を示す時間領域と急激に変化する時間領域がそれぞれ存在し, 反応糟基質中の易分解成分が完全に分解され, 基質のCOD濃度が難分解成分を表すと, DO濃度は “平衡DO濃度” から急激に増加することを明ら魁こしtCeこのDO濃度変化の特性を曝気制脚パラメーターとして用いることが可能であり, 信頼性も高いことが確認された。また,“平衡DO濃度” は原水のCOD濃度, 曝気量及びMLSS濃度と相互関係があり, その濃度の測定結果をSBRプロセス制御に用いること力河能であることが示された。
  • インドネシア国チリウン川を対象として
    吉田 貢士, 久保 成隆, 相良 泰行, 島田 正志
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 723-728,a1
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    現在インドネシア国首都ジャカルタでは毎年の河川氾濫による被害軽減のため、下流氾濫域とその洪水の原因となる上流域において総合的な排水事業を計画している。本研究では集水域から河川への流出をタンクモデルにより、河川ネットワークにおける水移動をプライスマン型非定常モデルにより解析を行った。上流の渓流河川においては複合内部境界条件を用いて河床を階段状に近似し、同一スキームでの非定常計算が可能なモデルを構築した。構築したモデルによる実洪水の再現性は良好であり、計画されている事業効果についてシミュレーションにより検討した。
  • タイ国東北部塩類集積土壌の事例を基として
    遠藤 明, 原 道宏
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 729-734,a1
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    毛管上昇水を作土層に侵入させない事を目的としたカットオフ層を有するタイ国東北部の高畝は, 毛管上昇水の侵入を阻止することができたものの, 上方からの浸透水が上下層境界面付近に停滞し, 塩分除去効果が小さかった。筆者らは, 塩分除去効果の小さい原因が, カットオフ層が水平構造を有していることにあると考え,“傾斜カットオフ層” を着想するに至った。筆者は, 傾斜角度0°~10°の5つの角度において, 2次元流れの浸潤試験・塩水灌漑試験およびリーチング試験のモデル実験を遂行した。その結果, 傾斜角度の増加に伴い, 排出水の塩化ナトリウム濃度が少ボアボリュームで置換濃度に到達した。80%の塩分除去に必要なボアボリュ-ムは, 水平な場合では約1.2であったのに対し, 10。では約0.8と小さかった。2次元流れを1次元流れとして単純化した破過曲線の相当遅延係数は, 傾斜の増加に伴い, 1より小さくなる線形の減少傾向にあった。
  • 成岡 市, 駒村 正治
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 735-743,a1
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    関東ローム表層黒ボク土を採取し, 固相配列と排水特性に注目して粗間隙の構造的特徴を検討した.その結果, pF水分分布曲線群から, 有機物含有量の多少および粗間隙径の変化特徴が類型化された。黒ボク土基質の軟X線透過影像から, 固相率が大きく緻密化し団粒が発達している型は細・粗間隙の分化程度が大きく, 透水経路の屈曲度が小さいことが考察された.団粒構造が発達している黒ボク土は, 乾燥密度や間隙率の大小にかかわらず, 団粒間間隙 (粗間隙) が飽和透水の主要経路になり得ていることが明らかにされた.自然構造の黒ボク土を締固めると飽和透水係数が低下する理由について,「透水経路の縮小化, 不連続化, 屈曲度の増加, 広狭差の増加」によることが説明された.以上より, 乱していない関東ローム表層黒ボク土の粗間隙は, 等方的な固相配列と排水特性に寄与していることが明らかにされた.
  • 石川 奈緒, 嵯峨 美由紀, 藤井 克己, 藤崎 浩幸
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 745-751,a1
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    粘土懸濁液の粘性率は, 系が定常状態にあっても時間とともに減少もしくは増加し, 一定値を保っことは少ないとされている. この時間依存性について, Moore (1959) は懸濁液の粒子構造をリンクの形成と破壊によってモデル化し, 粘性率の変化を定量的に表すことを試みた。このモデルに基づけば, 粘性率は時間とともに変化が減少し, 一定値に収束すると予測される。
    本研究はカオリナイト懸濁液について粘性率の時間依存性を実験的に検討するものである. すなわち20%~35%というやや濃厚な固相率のカオリナイト懸濁液にっいて, 長時間にわたり一定回転数、温度で粘性率を測定することにより, 各因子の影響を検討し、そのモデル化を試みた. その結果、求められた粘性率の時間経過グラフをMooreのモデルを含む3パターンの回帰式に当てはめ類型化することができた. このうち, Mooreモデル以外の2種類のグラフパターンについては、リンクの形成と破壊というモデルでは説明不可能であり, 温度や回転数 (勢断速度) の土影響が予想以上に大きいことが明らかになった.
  • 中野 拓治, 北尾 高嶺, 糸井 徳彰, 堀込 英司
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 753-761,a1
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    嫌気ろ床接触ばっ気方式の農業集落排水施設について、接触ばっ気槽流出水の循環操作がなされているデータを用いて、非超過確率分布へのあてはめ等を通じてBOD濃度の分布特性とBOD除去性能を把握した。嫌気ろ床槽のBOD除去率と流出水BOD濃度は、循環比、流入水のBOD濃度、流出水のSS濃度に影響されていることを確認できた。また、嫌気ろ床槽のBOD除去性能の安定を図るためには、嫌気ろ床槽流出水のSS濃度を管理することが重要であり、BOD除去率は循環比、流量調整槽流出水のBOD濃度、嫌気ろ床槽汚泥堆積厚によって推定できるとが示唆された。接触ばっ気槽のBOD除去率と沈殿槽流出水のBOD濃度は、流入水のBOD濃度、水量負荷量、沈殿槽流出水のSS濃度、沈殿槽流出水のATU-BOD濃度に影響されており、これらを説明変数とする重回帰式を用いて推定できることが分かった。接触ばっ気槽の滞留時間と接触ばっ気槽流入水/沈殿槽流出水BOD濃度の関係について検討を加えた。さらに、沈殿槽から流出するSSには接触ばっ気槽の水量負荷が影響しており、流出水のSS濃度は水量負荷によって推定できることが示唆された。嫌気ろ床槽と接触ばっ気槽においては、槽内に蓄積された物質等の溶出作用によりBOD除去性能に限界が存在しているとともに、流入水のBOD濃度が減少するのに伴ってBOD除去率の低下を生ずることが確認された。
  • 西村 伸一, 池内 審嗣, 藤井 弘章, 島田 清
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 763-770,a2
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 軟弱地盤における過去の施工による沈下量データより, その地点または近隣での新たな施工による沈下量を適切に予測する手法を提案するものである. 第一に, 過去の施工時の沈下データに逆解析を適用し, 地盤の体積圧縮係数と透水係数を同定する. 今回は, 問題を一次元圧密に絞っている. 次いで, 次の施工に対してその結果を利用する際, 地盤のi) 初期間隙比分布, ii) 初期間隙比-体積圧縮係数関係, iii) 応力分布を用いて補正を行うというものである. 初期間隙比と体積圧縮係数との関係は, 過去の施工時の標準圧密試験結果より統計的に求める. 補正手法は, 近隣サイトでの施工における沈下予測を行う場合と, 同一サイトでの更なる施工による沈下予測を行う場合とに分けて提案されている. また, 手法の検証を精密に行うため, 模型による圧密試験を実施し, この沈下挙動の予測を行っている.
  • インドネシア国ワイスカンポン灌漑地区を例にして
    永代 成日出, 佐藤 政良, 平島 安, 柴田 三郎
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 771-783,a2
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    灌漑情報システムの改善が大規模灌漑地区の水管理に与える効果を, インドネシア国ワイスカンポン灌漑地区の事例を基に分析した。大規模灌漑地区の場合, 小規模灌漑地区と比較すると水管理状況の全体像を把握することがより困難であり, そのことが効率的な水管理を妨げる要因の一つとなっている。このような状況を改善するために, ラジオモデムを利用したパーソナルコンピユーター・ネットワークシステムがインドネシア国におけるパイロットプロジェクトとしてワイスカンポン灌漑地区に導入された。このシステムの導入によって, 地区全体の水管理状態の把握が可能となり, 水管理が改善された。その効果はさらに, 管理事務所スタッフ及び現場スタッフの効率的水管理に対する意識の向上という面にも波及した。これは, 灌漑管理情報の開示ならびに中央管理事務所, 現場事務所, 現場スタッフ及び農民間の情報フィードバックシステムの確立を通してより開かれた水管理が実現した結果, もたらされたものである。
  • 宜保 清一, 中村 真也, 江頭 和彦
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 785-790,a2
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, 地すべり土の残留強度定数φrと物理的・鉱物学的性質との関係について, これまで著者らが発表してきたデータを用いて検討した.
    φrとく2μm粘土含有量CFおよび塑性指数Ipの間の相関は希薄であり, φrとスメクタイト (St) 含有量 (<420μm試料) との関係もSt<20%領域では明瞭でない. 一方, φrと配向性粘土鉱物総量との関係は全領域にわたってかなり良好であり, その関係は椅子型状曲線で示され, φrの支配が非配向性鉱物から配向性鉱物へと交代する遷移域が鮮明に認められた.φrと配向性粘土鉱物総量の関係図を活用することによりφrの類推が可能であることが示唆された.
  • 藤原 洋一, 田中丸 治哉, 畑 武志, 多田 明夫
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 791-798,a2
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    Nearest-Neighbor (NN) 法は, 時系列予測のためのノンパラメトリック手法であり, とくに大標本の時系列問題に適している. NN法による流出予測では, 現在の事象に類似している過去の降雨流出事象を過去のデータから選び出し, それら過去の事象に連続する流量の標本平均を予測流量とする. 本研究では, 積雪の多い大河川である信濃川流域および石狩川流域を対象として, NN法を1-3日先の実時間流出予測に適用した. 水文データを積雪融雪期と無雪期に分け, 各期間に対して1-3日先の各予測日数毎に最適なモデルを同定し, 予測計算を行った. その結果, NN法はとても単純であるにも関わらず, いずれの流域でも1日先流量の予測精度はかなり良好であることが分かった.
  • 石黒 覚
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 799-804,a2
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    コンクリート用混和材として籾殻灰の利用に着目し, 種類および粒度の異なる籾殻灰を対象としてそれらの基本的な物性を調べた。さらに, これらの籾殻灰を結合材質量の内割で10および20% 混入したモルタルの圧縮および曲げ強さ試験を実施し, シリカフューム, フライアッシュおよび高炉スラグ微粉末を混入した場合と比較した。これらの結果から, 籾殻灰混入モルタルの圧縮強さは, 籾殻灰の種類および粒度により相違したものの, いずれの籾殻灰を混入した場合においても無混入モルタルに比べて圧縮強さが増加し, 籾殻灰のポゾラン効果が認められた。また, 籾殻灰混入モルタルの強度発現は, シリカフュームを混入した場合と同程度であり, フライアッシュおよび高炉スラグ微粉末を混入した場合に比べて良好であった。
  • 灰色低地土水田への還元
    福井 真一, 山西 昇, 吉田 勲, 三崎 岳郎
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 805-810,a2
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    鳥取県の日吉津村, 大山町, 西伯町は共同で汚泥のコンポスト化による農地還元を目指し, コンポストの農地施用の研究を1995年から行い, 灰色低地土水田における実験の結果, 次の点が明らかとなった.(1) コンポストの上乗せ施用により水稲, チューリップの収量, 収益が向上した。(2) チューリップ栽培では, コンポスト施用量の増加とともに球数出荷率の比が向上した.(3) 作物中の重金属含有量について, コンポスト施用による含有量の増加は見られていない.(4) 土壌中の重金属含有量について, 4年間のコンポスト連用での蓄積量の増加は見られていない。
  • 小林 範之, 斉藤 悦郎
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 811-817,a3
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    情報化施工の利用価値は広く認識され, 適応する工事も増加している. 情報化施工の特徴は, 施工前の設計 (事前設計) における不確実性を積極的に認めた上で, 施工中に得られる計測データから最適な設計変更 (事後設計) を行うことにある. しかし, 一般的に建設工事は現場における単品生産であるため,「最適な設計」であったかどうかを判断するのが困難である. このため, 情報化施工は「工事の邪魔になるものである」とか「金の掛かるものだ」という評価を受ける場合が少なくない. 本研究報文は, 非観測施工と情報化施工との比較によって, 情報化施工の安全性. 経済性における有効性を客観的に評価する. 評価の方法は, 信頼性設計で用いられる期待総費用の考え方を用い, 情報化施工の最大の特徴である事後設計によってどの程度の優位性が現れるかを解析するものである.
  • 谷川 寅彦, 木原 康孝, 福桜 盛一, 矢部 勝彦
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 819-825,a3
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    この研究はフィルム被覆栽培条件下における造成農地の土壌水分消費機構を解明するために行われた. トンネル栽培やマルチ栽培のフィルムにより作物や土壌が被覆されたとき, 降雨は被覆のない表面に集められる, そして浸潤は主に被覆の無い外側やウネ間から生じることになる. そこで, 土壌水分動態と水分消費の実態をフィルム被覆下とその外側やウネ間において, 土壌の物理性, 水分状況から検討した. 調査期間は1991年と1992年の2年間であり, 作物と耕種概要はトンネル・マルチ栽培メロン, スイカ, マルチ栽培カンショである. 結果は以下に示す.
    ほとんどの地点・土層において, 土性は砂質土であるが一部では壌土と判定され, 生長有効水分は0-80cmの土層に対して, 35-75mm程度であった. 一方, 土壌水分状況は明らかに降雨浸透と土壌面蒸発両方に対するフィルムの遮蔽効果により影響を受けていた。さらに, 水分消費はフィルム被覆下が小さくなる傾向であり, 水分消費割合には浅い土層で違いが見られた. 全般にフィルム被覆の効果により土壌水分消費は抑制され, フイルム被覆下にある根群への降雨による水分補給は水平や斜め方向の水分再分配機構に依存していることがわかった.
  • 諌早湾奥部で採取した不撹乱試料の場合
    東 孝寛, 高山 昌照, 肥山 浩樹, 永田 和成
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 827-834,a3
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    諌早湾奥部で採取した不撹乱有明粘土試料の強度特性について, 圧密定体積 (CU) 一面せん断試験と等方圧密非排水 (CU) 三軸圧縮試験の結果をもとに検討した. その結果, 一面CU試験の場合, 段階載荷による圧密試験から求まった圧密降伏応力の1.5倍以上の圧密圧力で圧密すると, 強度増加率や内部摩擦角がほぼ一定となる正規圧密状態に移行することが分かった. 一方, 三軸CU試験の場合, 等方圧密試験から求まった圧密降伏応力の3倍以上の圧密圧力で圧密すると正規圧密状態に移行した.
    正規圧密状態における強度増加率は, 一般的な有明粘土の強度増加率 (0.3~0.4) の下限値に近かった. また, 両試験から求まった正規圧密状態における内部摩擦角は, 同一標高においては比較的よく一致した. さらに, 一面CU試験および三軸CU試験から求まる強度増加率や内部摩擦角と塑性指数との間には, 固有の関係は認められなかった.
  • 安養寺 久男
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 835-842,a3
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    我が国の畑地灌漑計画は, 間断灌漑が基本となっている. スプリンクラー灌漑の灌漑ブロックを構成するローテーションブロックは, 間断日数で, 遅滞なく, 過不足なく灌漑を完結させるための最小の単位である. したがって, ローテーションブロック内では, 1本の散水支管に沿ったスプリンクラーの吐出流量がなるべく等しくなるように, 散水支管を設計するだけでは不十分である. ローテーションブロック全体としてみて, スブリンクラーの吐出流量がなるべく等しくなるように, 管路を設計しなければならない. 先に, エミッターの流量の変動係数を指標として, 点滴灌漑の散布ブロックの管路を設計する方法を提案した. 今回は, スプリンクラーの吐出流量の分布を指標として, 給水管と散水支管を設計する方法を提案する.
  • 秋吉 康弘
    2000 年 2000 巻 210 号 p. 843-844,a3
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    現行の溜池やダム洪水吐の設計指針では「洪水吐は安全上堤体内の設置を避け良質な地山上に施工すること」また,「放水路は直線が望ましく, 長方形断面を原則とし, 極力わん曲の少ないものとする」となっている. しかし, 狭小な敷地内においては, 移行部や放水路部等の連結部分で, 屈曲する構造としなければならない場合が発生する. よって, 上記の基準に基づいて洪水吐を計画すると, 施工が非常に困難となり安全性に問題が生じる. そこで, 本論では改修中の溜池洪水吐を事例に, 洪水吐放水路をらせん流水路構造に改良して, 実験的解析を行った.
    実験の結果, 安全に流水制御ができる新しい洪水吐構造の開発が可能になったので報告する.
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