TDR (Timc Domain Renectometry) 法の校正式として用いられるTopp式は, 有機質土, 粘土分の多い土壌, 高い比誘電率を示す鉱物を含む土壌では適用できない.本研究の目的は, 九州の代表的な畑土壌 (黒ボク土, 赤黄色土, 褐色森林土) の体積含水率一比誘電率関係を求め, それらについて混合誘電特性モデルであるMaxwell-De Loorモデルとαモデルの適用性を検討することである.キャリブレーシ藁ン実験は, 粒径組成の異なる2種類の黒ボク土, 赤黄色土, 2種類の褐色森林土, 豊浦砂を用い, 供試土をアクリル容器に入れ十分給水した後, 脱水過程で行った.その結果, Topp式は乾燥密度が小さい土壌では水分量を過小評価すること, また, 混合誘電特性モデルは乾燥密度の影響を反映し, Topp式より土壌水分量をよく推定できることが確認された.さらに, 三次関数で実験式を求め, 較正式間で比較すると, 実験式, α モデル, Maxwell-De Loorモデルの順に実測値への適合度がよい結果となった.しかし, Maxwell-De Loorモデルは, 実測値がない場合でも, 異なる土壌の体積含水率一比誘電率関係を推定できるほど柔軟性があることも明らかとなった.
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