農業土木学会論文集
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2000 巻, 206 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 原口 暢朗
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 137-148,a1
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    野外における土壌物理性の不均一性の適切な評価に資するため、土壌の間隙構造を毛管状の粗間隙と緻密な土壌マトリクスの2つの領域に分け、粗間隙の本数と土壌マトリクスの間隙率を確率変数とみなして、乾燥密度など5項目の土壌物理性の分布のサンプル断面積依存性及び吸引圧による変化を理論的に検討した。検討結果と飽和透水係数に関する既存の結果から、粗間隙径と等価な吸引圧の範囲で、1) 飽和透水係数、飽和からの脱水率及び二つの吸引圧の間の脱水率の分布は、サンプル断面積もしくは吸引圧の小さいとき右へ歪んだ分布となるが、これらが大きいとき正規分布に従う2) 乾燥密度、体積含水率及び含水比の分布は、サンプル断面積もしくは吸引圧の変化によらず正規分布に従う、ことを明らかにした。
  • ダス ショモレス, 日下 達朗, 深田 三夫, 西山 壮一
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 149-154,a1
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    埴壌土と砂壌土を対象に、単位幅当たり0.93cm3/(s・cm) および1.86cm3/(s・cm) の表面流を作用させた場合の選択的侵食機構を明らかにした。侵食の初期には、対象とする土壌では粘土粒子が多く流出した。砂粒子は全体の侵食量が大きくなる期間に多くの侵食量を記録し、シルト粒子は侵食過程の上であまり顕著な現象を示さなかった。植壌土の場合、侵食土壌中のシルトと粘土粒子は、それぞれ元の土壌の割合よりも多い事が分かった。砂壌土では侵食土壌中の砂粒子の割合は、表面流量が大きい場合、元の土壌の成分よりも多い事が分かった。本実験の条件下では、Rillは元の土壌と侵食後の土壌の砂粒子の割合が0, 64程度になると形成される事が分かった。
  • 森井 俊広, 井上 光弘, 竹下 祐二
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 155-163,a1
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    圃場飽和透水係数梅を測定する試験法として, プレッシャーインフィルトロメータ (PI) 法が広く用いられている.梅を計算するための式は, 単一リングから土中へ向かう定水頭浸潤の理論から誘導される.本研究では, 砂地を対象に, PI法で展開されている測定理論の妥当性を圃場試験と数値計算により調べた.まず, 試験中の浸潤量と土壌内の水分挙動を測定し, 有限要素法を用いた数値計算により分析した.数値計算にはPI法の理論式から算出したKfsを用いた.土の不飽和水分特性は試験中の測定値と既往研究の結果から決定し, これらより, 土の不飽和透水係数と圧力との指数関数を表す土壌パラメータαを求めた.浸潤量と土壌内水分挙動のいずれについても, 測定値を良好に再現できた.次に, PI法により圃場のαを測定した.細粒分をあまり含まない砂に対し, α=0.06cm-1程度が適することを示した.
  • 田中 忠次, 中村 康明, 菊地 雅義
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 165-173,a1
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    アーチ型地中構造物が地盤を介して上載荷重を受ける際の崩壊に至るまでの一連の現象のメカニズムを模型実験における画像計測と幾何学的非線形性を考慮した有限変形解析によって検討した.地中構造物の座屈問題には, 材料非線形性のみを考慮した微小変形解析ではなく, 幾何学的非線形性をも考慮した解析が不可欠であることが分かった.境界面の摩擦角を地盤の内部摩擦角と仮定した解析では, 崩壊荷重を過大に評価してしまう傾向があるため, 境界面摩擦角としては, アーチ部材と地盤材料間の摩擦角を考慮した解析が必要である.有限変形解析から得られる最大勢断ひずみ分布において, 模型実験の画像計測結果と同様に, アーチ上部から側方部にかけて, 剪断帯が卓越することが確認された.
  • 花山 奨, 粕渕 辰昭, 中野 政詩
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 175-181,a1
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    Ca2+が細胞のイオン環境の恒常性を維持する作用に注目し, Ca2+が高濃度NaCl溶液におけるダイズ根のNa+およびCl-吸収および出液量におよぼす体を調べた.その結果, 50mmol/l NaCl溶液に05から2.0mmol/lになるようにCaCl2を添加した場合, Na+の吸収およびK+の流出が大きく抑制された。この現象は, Ca2+による細胞膜のK+チャネルの制御がNa+吸収およびK+流出を抑制するものと推察された.加えて, 高濃度NaCl溶液においてもCa2+による膜透過性が維持される場合, 地上部へのNa+およびCl-輸送を担う出液量は溶液と根内の間に生じる浸透圧差によって調整されることが示された。
  • 乾燥地における二次的塩害防止のための水管理研究 (II)
    北村 義信, 矢野 友久, 安田 繁, 大庭 達哉
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 183-192,a1
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    アラル海流域のシルダリア川下流域において, 重大な問題となっている二次的塩害の発生メカニズムを解明するため, 広域塩分収支と圃場湛水に伴う土壌中の水・塩分挙動について現地実験を行った。得られた主な結果は, 次のとおりである。1) 塩分収支調査から塩分の残留がブロック内およびその周辺で認められ, 年々累積している。また, 作付パターンの前年に対する変化が, 塩分収支に大きく影響することが明らかになった。水稲区からの塩分の除去はほとんどが地表排水による。2) 下層に塩類集積層, あるいは高塩性地下水が存在する圃場での水稲作 (湛水栽培) は, より深い層の塩分を上方へ拡散させ, 浅い層の塩分濃度を高めるため, リーチング効果は期待できない。また, 湛水の塩分濃度の上昇を抑えるため, 掛流し状態での水補給が必要となり, そのことが大量取水・排水の主な原因となっている。3) 排水路への地下排水がほとんど機能していない。これは, 排水路の両岸が農道として利用きれ, 締固めが進んだことによる。水稲区からの浸透水は, 排水路の下を通って畑作区へ移動し, その地下水位を高めている。そのことが畑作区への塩分集積を加速させていると考えられる。したがって, 現整備水準のもとでは, 灌漑ブロック内での8圃式輪作体系の適用は望ましくない。
  • 宮本 輝仁, 筑紫 二郎
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 193-198,a2
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    TDR (Timc Domain Renectometry) 法の校正式として用いられるTopp式は, 有機質土, 粘土分の多い土壌, 高い比誘電率を示す鉱物を含む土壌では適用できない.本研究の目的は, 九州の代表的な畑土壌 (黒ボク土, 赤黄色土, 褐色森林土) の体積含水率一比誘電率関係を求め, それらについて混合誘電特性モデルであるMaxwell-De Loorモデルとαモデルの適用性を検討することである.キャリブレーシ藁ン実験は, 粒径組成の異なる2種類の黒ボク土, 赤黄色土, 2種類の褐色森林土, 豊浦砂を用い, 供試土をアクリル容器に入れ十分給水した後, 脱水過程で行った.その結果, Topp式は乾燥密度が小さい土壌では水分量を過小評価すること, また, 混合誘電特性モデルは乾燥密度の影響を反映し, Topp式より土壌水分量をよく推定できることが確認された.さらに, 三次関数で実験式を求め, 較正式間で比較すると, 実験式, α モデル, Maxwell-De Loorモデルの順に実測値への適合度がよい結果となった.しかし, Maxwell-De Loorモデルは, 実測値がない場合でも, 異なる土壌の体積含水率一比誘電率関係を推定できるほど柔軟性があることも明らかとなった.
  • 森井 俊広, 立石 卓彦, 佐田 豊和, 小林 孝至
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 199-207,a2
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ロックフィルを通る流れは非線形な水頭損失特性をもち, 動水こう配と流速の関係は二次式や累乗式の関数形となる.礫を用いた室内一次元透水試験により, 非線形流れの水頭損失特性を調べた.理論背景が明確な二次式タイプのForchheimer式を用いて, 動水こう配と流速の関係を定量化した.水頭損失式に, 粒子のサイズや形状, 間隙構造の大きさの影響を統一的に表現できる水理学的平均径を導入することにより, 室内規模から実規模まで広範な規模の構造物における流れの水頭損失特性を, 一貫して説明できることが可能となった.水の動粘性係数を介して, 流れに及ぼす水温の影響も考慮できる.累乗式タイプの水頭損失式は経験的にしか定めることができない.代表的なIzbash式を取りあげ, これをForchheimer式とすり合わせることにより, 累乗式タイプの水頭損失式の式構造を明らかにした.
  • 森井 俊広, 佐田 豊和, 立石 卓彦
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 209-217,a2
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    室内水路実験と数値計算により, ロックフィル構造物の通水性能を調べた.水頭損失式には, 一次元透水試験にもとついて決定したForchheimer式を用いた.流れに及ぼすロック材粒子のサイズや形状, 間隙の大きさの影響を統一的に表現するため, 水頭損失式に水理学的平均径を導入した.まず, ダルシー則にもとつく定常浸透流解析法に逐次近似法を取り入れ, 非線形FEM計算法を展開した.次いで, 室内水路を利用した模型堤体実験をおこない, その測定結果にもとづき, 水頭損失式および数値計算法の適用性を調べた.水理学的平均径をキーパラメータとすることにより, 小型の模型規模から実規模大にいたるまでのロックフィル構造物の通水性能を, 一貫して評価することが可能となった.数値計算により通水性能に及ぼす水温の影響を調べ, 水温を設計因子として取り込む必要がないことを示した.
  • 直播稲作に関するソフト面の研究 (2)
    牧山 正男, 佐藤 洋平, 山路 永司
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 219-226,a2
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    直播稲作 (「直播」) の導入に関する根本的な課題として, 大規模稲作農家が新技術としての直播の導入を判断する過程を考究し, 実際の事例を用いて検証した.農家が新技術導入を判断する過程は, 必要性を前提として,「発想段階」「可能性判断段階」「経済的評価段階」の3段階に分けられる.これを直播に適用すると, 1) 春先の省力化によって所得機会が増大できる場合に直播を必要だと発想する (発想段階), 2) 地域条件を踏まえて導入が可能であると判断する (可能性判断段階), 3) 直播の経済性を評価し, 特に最大のリスクである「収量が激減する危険性」が回避可能と判断する (経済的評価段階), の各段階がすべてクリアできたとき, 直播は導入される.このうち最大の障壁は直播技術の困難さによる収量激減の危険性と考えられ, 農家がこれを回避するためには指導機関の確保が重要である.
  • 野口 寧代, 長坂 貞郎, 堀野 治彦, 三野 徹
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 227-234,a2
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    京都府京田辺市にある農業用ため池集水域において, 水一底泥界面の栄養塩類の交換と池水質形成への影響を解明するために, 水質・底泥調査, 溶出試験を行った.底泥調査から, 対象とした両池の底泥間隙水中で, 窒素がNH4-NとOrg-Nの両態で存在することがわかった.溶出試験から, 窒素溶出速度は有機汚濁化した下流側の池で大きく, 特に, 夏から秋の初めにかけて増大することが示された.原因として, 底泥上層水から底泥表層に連続的に供給されるデトリタスが, 水-底泥界面で分解され直接溶出する量が増大したことが推察された.さらに, 両池で, T-N, T-Pに関して, 底泥調査期間全体では, 底泥からの溶出が認められた.但し, 少なくとも上流側の池ではNH4-N溶出の池水質への影響が少なく, これは主成分分析結果からも推察された.
  • 池浦 弘, 山本 太平, 井上 光弘
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 235-243,a2
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究は砂質圃場における小区画ボーダー灌漑の適用効率の向上とボーダーストリップ (ストリップ) の長辺長の増加を目的としている.まず鳥取大学乾燥地研究センターの砂質圃場において基礎実験を行い, 畦によるストリップ末端の閉鎖と圃場勾配の効果について検討した.従来の水収支式に末端の余水項, 水足の前進式と退去式に勾配項を導入して解析を行った結果, 浸透プロファイルの計算値は実測値と概ね良い一致を示した.末端を畦で閉鎖した場合に適用効率は末端開放条件下よりも増加し, 長辺長も長くなった.また勾配によっても長辺長は増加した.中国毛烏素砂地の砂質圃場に末端の閉鎖と勾配を適用する場合について検討した結果, 末端開放時よりも適用効率と長辺長を共に増加できると推定された.
  • 緒方 英彦, 服部 九二雄
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 245-252,a3
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, コンクリートの熱伝達係数の評価方法について検討した.評価方法は, 逆解析手法を活用し, 施工現場における簡便な温度計測の結果を用いて熱伝達係数を評価するものである.まず, RCボックスカルバートで計測した実測温度を用いて逆解析手法で利用する目的関数について検討した.次に, 検討した目的関数を寸法が異なる2種類のコンクリート供試体に適用し, 施工現場で温度計測をおこなう際の条件について検討した.そして, 同定した熱伝達係数をコンクリート供試体と同配合のコンクリートで作製したマスコンクリートの温度解析に適用し, 同定値の有効性を検証した.一連の研究の結果, 本研究で提案する熱伝達係数の評価方法の有効性を確認することができた.
  • 曹 豊, 豊田 勝, 三沢 眞一
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 253-264,a3
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    豪雨時において今後発生すると予測される流出量や水位を数値的に推定することが望まれる。特に低平地では, 湛水や氾濫による被害を極力回避するための情報として必要性が高い。この論文では, 低平地における的確かつ迅速な洪水予測システムを確立するために, 実時間予測法に用いる流出モデルについて比較検討する。典型的な集中型モデルとして, 並列型貯留モデル, 直列型貯留モデルおよび抑制型貯留モデルの3種のタンクモデルを取り上げ, カルマン・フィルタリング・予測システムを構成する。そして, 新潟県新川流域における複数の機械排水区を対象に2回の豪雨記録時の実時間予測を試みた。すなわち排水機場内水位を3時間以内のリードタイム別に予測し, 洪水終了までの全時間帯, および洪水ピーク付近の時間帯での予測精度を分析した。その結果, 比較対象モデルのうちでは, 抑制型貯留モデルが全時間帯の予測精度, 特に長いリードタイムの精度がよいこと, また洪水ピーク付近でも予測精度がよいことが確認された。抑制型貯留モデルは, 大雨が降ると排水抑制が働く機構を有するので, 湛水が発生する低平地の機械排水区においては実時間予測精度が向上すると判断できる。なお, この抑制型貯留モデルは自然排水区にも適用できた。しかし, 使用した洪水時データの範囲では抑制効果を必要とせず, 結局は直列型タンクモデルと同じ結果となった。
  • 陳 菁, 水谷 正一, 後藤 章, 松井 宏之
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 265-277,a3
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究では、中国の現代農業水利施設の管理運営と水利用の実態を明らかにすることを目的とし、長江流域と黄河流域に対象地区を一つずつ選定し、現地調査に基づいて検討を行った。その結果、1) 両地区における水管理形態、水利用形態、水利費負担方法の特徴が整理され、2) 両地区とも統制的な水管理が主流であること、3) 水利用の公平性に重点が置かれていること、4) 自然村管水員は末端水管理において大きな役割を果たしていること、また、5) 統制的な水管理形態は平水時・豊水時には契約的な水管理形態に転換する可能性を有していること、などが明らかとなった。
  • 小倉 力, 古谷 保, 根本 清一, 余田 康郎
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 279-284,a3
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    開発農地などでは一般に法面保護のため緑化工が施工される.法面緑化工は近年技術開発が進み, 多様で複雑な法面の条件に応じながら目的とする植生を短期間に実現する技術が普及してきている.一方, 開発農地などでは, 外来牧草を利用した種子散布工だけを施工する方法など比較的低コストの緑化工法が採用されてきた.この場合, 施工後の気象条件等によっては法面被覆が十分達成できなかったり, 目的とする植生の形成に長い年月を要している事例も見られる.
    筆者らは, 法面緑化工における簡易な保護管理法の開発を目的として, 植生工施工当年に追加施肥試験を開発農地の団地で行った.この試験を実施した法面は施工後10年を経過し, 団地外縁部の山林と接する法面を中心に木本の侵入が進んできた.この木本の侵入状況を調査することにより, 外来牧草により緑化された法面における10年経過時の樹林への遷移状況を調査するとともに, 追加施肥実施の影響が木本の侵入にまでみられるかについて検討を行った.その結果, 農地開発事業等に適した法面緑化工法開発のための知見が得られたので報告する.
  • H用水路における調査と簡易水質モデ
    森 保文, 中村 貴彦
    2000 年 2000 巻 206 号 p. 285-292,a3
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    用水路の水質管理に必要な情報の蓄積を目的に、7年間に及ぶ水質調査を実施した。また調査結果に基ついて水質予測モデルを検討した。調査した用水路はパイプライン、トンネルおよび調整池からなり、富栄養化した湖を水源としていた。
    富栄養化関連の物質濃度は、用水路の流下方向に向かって低下したが、濃度が低下した区間や低下量は物質によって異なった。原水と水路末端の物質濃度の比、すなわち流達率は、年および物質によって異なり、年々上昇した。流達時間を説明変数とする簡略な濃度予測モデルを構築した。モデルはよく濃度を推定した。
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