稲わらのリサイクルシナリオ (燃料ガス化, メタノール化, 発電, コンポスト化, 廃棄) を対象に, ライフサイクル分析の考え方を援用して, エネルギー収支, CO
2排出量を試算した.水田1ha当りの稲わらを原料とした燃料ガス化, メタノール化, 発電の各エネルギー生産シナリオの‘純エネルギー生産量’は, それぞれ455 GJ, 15.4 GJ, 4.5 GJとなった.肥料投入を含む各シナリオのエネルギー収支は燃料ガス化とメタノール化がそれぞれ40.2 GJ/ha, 10.1 GJ/haの生産, 発電, コンポスト化, 廃棄がそれぞれ0.8 GJ/ha, 6.1 GJ/ha, 53 GJ/haの消費と試算された.生産されるエネルギーの消費までを含めたCO
2排出量はメタノール化が最も小さく (11,614kg-CO
2/ha), エネルギー化はいずれもコンポスト化, 廃棄より小さかった。これらの結果は農業副産物リサイクルの計画・評価において, 多面的視点が必要なことを示していると考えられた.
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