小貝川上流域の環境の属性が異なる5つの谷津で非灌漑期 (1~2月), 灌漑期 (5~6月), 移行期 (8~9月) に生息魚類の分布調査を行った. ヌマムツ, タモロコ, シマドジョウ, ドジョウ, ホトケドジョウの分布は期別で異なった. 生息密度を目的変数とした数量化1類解析では, ホトケドジョウでは三期とも谷頭と谷尻から各調査区までの水路距離が環境因子として抽出され, シマドジョウでは灌漑期で谷尻から各調査区までの水路距離, 最大水深, 流速, 水路床に対する砂被覆率が, ヌマムツでは非灌漑期で谷尻, 谷頭から各調査区までの水路距離, 最大水深, 流速, 岸辺下部のえぐれ面積率, シルト被覆率, 砂被覆率が, タモロコでは非灌漑期でえぐれ面積率が, ドジョウ1歳以上魚では移行期で谷尻, 谷頭から各調査区までの水路距離, 流速, 垂下植物被覆率が抽出された。以上から5種の生息場を期別で示した.
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