情報知識学会誌
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15 巻 , 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
Preface
特集論文
  • 徐 一斌, 山崎 政義, 八木 晃一, 藤田 充苗
    2005 年 15 巻 3 号 p. 3-10
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     我々は, XMLやRDFなどの技術を用いて, 複合材料の熱物性に関する材料科学の理論知識を管理, 編集, およびWeb上で表示する知識ベースシステムを開発した.概念ネットワーク知識モデルを利用して, 従来, 非構造化データ形式で記述されてきた材料知識を, XMLとRDFフォーマットの構造化データとして整理・記述し, 各概念間の関係を表示するコンセプトマップ, および各概念の内容を説明するWebページをコンピュータにより自動生成することを実現した.さらに, 本システムは, 材料熱物性データベースと複合材料熱物性予測システムと連携されており, 材料知識の表現ページから材料の物性データを参照したり, 方程式を利用して新しい材料の物性を計算したりすることができる.
  • 山崎 政義, 徐 一斌, 藤田 充苗, 浅田 雄司, 飯室 茂, 松尾 宗次, 八木 晃一
    2005 年 15 巻 3 号 p. 11-18
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)の材料基盤情報ステーション(MITS)は平成15年4月から構造材料関係(4データベースシステム), 基礎物性(4DBシステム), 超伝導(2DBシステム)および高分子(1DBシステム)の11種類のデータベースをWebsite(http://mits.nims.go.jp/)で公開している.さらに, 英国のケンブリッジ大学およびGranta Design社と共同で, 同社が提供する材料データベースネットワークMatData.net(http://matdata.net/)と接続して欧米の主要な材料データベース発信サイトの各種材料データベースを横断検索できるシステムを開発した.
事例報告
  • 芳須 弘, 藤田 充苗, 細谷 順子, 原田 幸明, 芦野 俊宏, 中田 毅
    2005 年 15 巻 3 号 p. 19-30
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     膨大な材料情報がインターネット, 機関内や個人のPCのWebシステムで提供されている.情報の種類もテキスト, 数値, 画像など多岐にわたり, しかもソフトウェアを用いてデータの解析・加工を行うと新たな情報となる.利用者はこの膨大な専門情報から, 目的に応じたより的確な情報を獲得しなければならない.そこで, 材料分野の高温材料特性のクリープ, 材料加工プロセスの溶接, および一般の材料データベースでは考慮されることのない物性への同位体効果の特殊な3つの高度技術領域の材料特性に関して, 利用者が希望する情報収集をより的確に支援するための検索方法を検討した.4種類の材料辞書を作成し, その語彙をキーワードとして自動選択し活用するため, まず検索ユーザーインターフェイスを数種類作成し, 種々の情報検索を試みた.その結果, いずれの特殊領域の情報検索でも, 材料オントロジに依拠した検索手順を活用すれば技術の高度化に対応したきめ細かな検索サービスが可能であることを示した.
  • 吉田 健司, 真下 忠彰
    2005 年 15 巻 3 号 p. 31-35
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     インターネット上に分散している様々な材料設計用データベースを有機的に統合するシステムを開発し, その機能を実証した.本システムは, 統合検索対象のデータベースの検索条件項目, 検索結果項目を分類・階層化し, 定義した仮想データベースを利用して統合検索を実現している.本システムは複数のデータベースを同時に検索, 一覧表示できるため, 本機能を利用したデータベース一次検索, データの俯瞰的表示という活用が期待される.
解説
  • 時実 象一
    2005 年 15 巻 3 号 p. 36-41
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     文献, 化学物質, 反応, 物性・スペクトル, 参考図書の各カテゴリーについて, 化学分野のデータベースの現状と動向をまとめた.
  • 国沢 隆, 岩田 修一
    2005 年 15 巻 3 号 p. 42-47
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     Committee on Data for Science and Technology (CODATA, http://www.codata.org/)は1966年にInternational Council for Science (ICSU)の常設委員会として発足した.その使命は大量の複雑化した科学技術データを使い易くすることであり, 自然科学の分野や国境を越えて組織されている.現在では, 23ヶ国と14国際学術連合がCODATAに参加している.発足当時は, 科学や技術の進歩は人々の生活の改善を自動的にもたらすという暗黙の了解があり, 各国の政府は科学や技術が定常的に成長するような政策を展開した.しかしながら1990年代になると, "持続的成長"に象徴される環境問題が提示するように倫理的な視点を欠いた科学・技術の進歩や大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした工業化社会に対しての反省と議論があり, さらには競争の激化, 格差の増大等の経済状況の悪化や科学技術データの経済的価値の増大などから, 各国とも科学技術データについての知的所有権強化の動向が生じた.CODATAは行き過ぎた知的所有権強化策は科学・技術の進歩に好ましくない影響を与えることになることを懸念し, この方面でもいろいろな活動を展開してきた.ここではCODATAが行ってきた"Open Access"という原則の普及活動について解説を試みる.
一般論文
  • 森山 賀文, 飯村 伊智郎, 中山 茂
    2005 年 15 巻 3 号 p. 48-58
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm : GA)が探索空間内から唯一の大局解を求めることを目的としているのに対して, 複数の局所解探索に適するという優れた性質を持つ免疫システムがある.この免疫システムは, 近年GAと融合する試みが行われており, その一つとして免疫システム型GAが提案されている.しかし, この免疫システム型GAには, 長い世代進化を続けると唯一の大局解に収束してしまうという現象が起こり得る.本論文では, 免疫システムにおけるサプレッサT細胞がリンパ球前駆細胞から分化したB細胞の産生を抑制する機構を模倣して類似した個体が増え過ぎないようにする抑制機構と局所探索を免疫システム型GAに導入し, 対象画像内から2次元的な姿勢自由度を持つ複数の部分画像領域を探索する手法を提案する.提案手法における抑制機構は, 個体の多様性を維持し, 長い世代進化を続けても唯一の大局解に収束することなく, 大局解を含めた複数の局所解を探索できる効果がある.
  • 岡田 吉史, 澤井 政宏, 楠 芳之, 長島 知正
    2005 年 15 巻 3 号 p. 59-70
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     Web上のオンラインショップの増加に伴い, ユーザの嗜好性に基づいて商品や情報を推奨するシステムが提案されている.しかしながら, それらは個々のユーザが, 商品や情報のどの特徴や性質に着目して好んでいるか, すなわち"嗜好理由(こだわり)"を考慮するものではなかった.
     本研究では, 音楽アーティスト推奨を例に, ユーザの"好きなアーティスト"と"その嗜好理由"に基づき, ユーザの好みに合うと思われるアーティスト推奨法を提案し, その実装システムの開発を行った.本システムは, 同時に好まれるアーティスト(と, それらに対する嗜好理由)の関係を表す相関ルールを格納したデータベースを持つ.本論文では, テストクエリを用いた評価実験をとおして, 1)嗜好理由の導入がアーティストのランキング精度に効果的に働くこと, 2)従来の相関ルールに基づく推奨手法に比較して高い推奨精度を持ち, 3)少ない計算量で推奨可能である, ことを示す.
  • 草野 秀明, 田畑 孝一
    2005 年 15 巻 3 号 p. 71-86
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     現代社会においてWebは重要な情報源であるが, 同時にこれらの情報を扱える人と扱えない人の間に, 情報格差を生じている.特に視覚障害者の場合は, 音声ブラウザという専用ブラウザを用いてWebを閲覧するが, 音声の聞き取りを頼りに操作するので, 晴眼者と比較すると, 入手できる情報量が圧倒的に少ない.そこで, 本研究ではDTB(Digital Talking Book)と呼ばれる電子録音図書のコンテンツ形式を利用して, 視覚障害者用のWeb閲覧を支援するシステムを提案した.これは, 閲覧するWebページをDTB構造に変換して, ユーザに提供するものである.視覚障害者にとってDTB方式の操作は定形的かつ容易なので, 音声ブラウザによるWeb閲覧に比べて, 煩わしさを軽減させた操作環境を提供できる.実装したDTBシステムを用いて測定した, 対象内容に到達するのに必要なキーボード操作回数は, 音声ブラウザのそれと比較してかなり減少した.
  • 芝 浩二郎, 西 省吾, 森 邦彦
    2005 年 15 巻 3 号 p. 87-97
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     我々は囲碁の対局状況を撮影した画像から棋譜を自動的に生成するシステムの開発を行っている.棋譜生成のためには碁盤上の19×19の罫線の交点(以後, 碁盤座標と呼ぶ)に置かれた碁石の位置を正確に検出しなければならない.我々のシステムでは使いやすさを考慮し碁盤をCCDカメラで種々の方向から撮影する.この場合, 画像中の碁盤座標を直接的に検出することは困難である.しかしながら, 碁盤の領域を精密に認識できれば, 碁盤座標を精密に求めることができる.従って, まず最初に碁盤と無関係な物も含む画像から碁盤の領域を認識する必要がある.本論文で, 我々は精密な碁盤座標を抽出するための遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)を用いたパターンマッチングアルゴリズムを提案する.提案するアルゴリズムを組み込んだ試作システムを用いて提案するアルゴリズムを評価した.その結果, 試作システムで正しい棋譜を生成できることを確認できた.
  • 石川 大介, 石塚 英弘, 宇陀 則彦, 藤原 譲
    2005 年 15 巻 3 号 p. 98-106
    発行日: 2005/09/16
    公開日: 2016/12/22
    ジャーナル フリー
     我々は, 類推を利用する発想支援システムの構築を目指して研究している.そのシステムの類推でベースとして用いる知識の抽出源として, 特許文献を用いる.その理由は次の2点である.(1)特許文献は発明の手段とその効果の因果関係が記述されているため, 因果関係を抽出できる可能性がある.(2)特許文献には様々な産業分野が含まれるため, 抽出された因果関係は産業に適用できる可能性がある.そこで, 繊維工学の分野の特許文献から因果関係の抽出を試み, 化合物とその性質の因果関係を得た.次いで, 薬学分野を対象に特許文献から因果関係を抽出し, 得られた因果関係をベース知識として用語の類似性を用いる類推方法を考案した.本稿では, これらの結果を報告する.
追悼
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