情報知識学会誌
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18 巻, 2 号
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第16回(2008年度)研究報告会論文集
  • 堀田 久貴, 野條 浩亮, 真栄城 哲也, 中山 伸一
    2008 年 18 巻 2 号 p. 83-86
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    特定の対象に対する知識は,様々な説明の仕方で表現されている.本研究では,そのような表現の仕方の体系化を目的とし,国語辞典と生物教科書から用語についての説明文を取り出し,その仕方を分類した,その結果,20 の表現の仕方の類型を抽出した,さらに,国語辞典と生物教科書でその類型の出現回数を調べ,類型により偏りがあることを明らかにした.
  • 村川 猛彦, 山中 克真, 宇都宮 啓吾, 中川 優
    2008 年 18 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    聖教において,奥書や,所蔵・書写年などの情報は,その形成や当時の人間関係を知る手掛かりとなる.既にその全文検索システムを構築してきたが,本研究では,そこに含まれるキーワードの機械的抽出を試みた.年代情報は,和暦年を生成して,全文インデックスに存在するものを見つけた.寺院情報は,「寺」の文字に着目してテキストマイニングを行った.文字単位のトライ構造を用いて,キーワードをデータベースに登録し,検索結果にリンクとして付与するよう,検索システムを改良した.
  • 研谷 紀夫
    2008 年 18 巻 2 号 p. 93-98
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    インターネットを中心とするデジタルネットワーク空間においては、電子化された歴史資料など多様な文化資源情報が格納されている。これらの情報内には様々な歴史的人名・組織情報が含まれているが、各人物に関する参照情報を提供することによって資料情報のより深い理解を促進させることが可能となる。本研究では、現在のインターネット上の人名・組織情報の現状を調査した上で、デジタルネットワーク上で共用可能な主に明治以降の近代期を対象とした歴史的人名・組織典拠情報の可能性について検討する。
  • 堀 幸雄, 今井 慈郎, 中山 堯
    2008 年 18 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    近年科学技術の専門化が進み,また技術進歩の大規模化等に伴い,多くの研究分野において研究者が共同して研究を進める必要性が生じてきた.本研究は国内の論文データベースにおける共著関係パターンから協調フィルタリングを用いて大学内の研究者にとって効果的な共同研究者を推薦するシステムを提案する.本システムにより研究者は自分の研究分野における共著関係パターンと類似した組織内の共同研究者を知ることができる.
  • 西田 正, 植松 利晃
    2008 年 18 巻 2 号 p. 105-116
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    文献データベースに搭載された書誌情報を計量的に分析するビブリオメトリックスを用いた研究では、手動による分析のため限られた対象件数にとどまっていることが多い。今回、科学技術振興機構が開発した解析可視化ツールを利用して、手動での分析では困難であった大量の対象件数による分析や、機関名の名寄せ、複数項目による共出現マップの作成など、可視化技術がビブリオメトリックスに与える影響について考察する。
  • 孫 媛, 柿沼 澄男, 西澤 正己, 根岸 正光
    2008 年 18 巻 2 号 p. 117-122
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    学協会刊行の学術雑誌(学会誌)は研究成果の発信,流通に重要な役割を果たしており,わが国の学会誌についても,研究成果の海外発信,国際的な共有という観点から,その国際化が求められている.近年,日本の学会誌への海外からの投稿が増えているといわれるが,その実態は必ずしも明らかではない.本研究では,国立情報学研究所の「引用文献索引データベース」(CJP) を用いて,海外からの投稿論文が多いわが国の学会誌を抽出したうえで詳細に分析し,日本の学会誌の国際化の現状の一端を明らかにする.
  • 西澤 正己, 孫 媛, 柿沼 澄男
    2008 年 18 巻 2 号 p. 123-130
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    学術研究においては、個人研究のみならず共同研究が数多くなされている。その中でも複数機関にわたる共同研究は分野による違いが大きく現れる。我々は、日本の学術論文のデータベースであるCJP データベースと科学研究費補助金成果概要データベースを用い、共著および研究分担者の組織間の繋がりを可視化するソフトウェアを開発した。分野や年度、地域性等の状況を可視化し、主に分析のための補助となる機能を多く盛り込んでいる。
  • 根岸 正光
    2008 年 18 巻 2 号 p. 131-142
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    筆者はこれまで,本会年次報告会や朝日新聞社刊「大学ランキング」誌等において,ISI データベースを用いた,わが国の大学別の発表論文数,被引用数に関する統計指標を提示してきた.政府財政逼迫のおり,最近ではこうした成果指標を国立大学運営費交付金や私大補助金の配分に反映させるべしとの論調も強まり,財務省によるこの種の試算も公表されている.本報告では,大学別の論文の被引用数に着目し,これに基づいた交付金・補助金の配分額を試算し,現行の実績額との増減を明らかにし,またその年次的進行をシミュレートする.その結果を踏まえつつ,こうした成果主義的配分の影響度,問題点について分析,考察する.
  • 福永 征夫
    2008 年 18 巻 2 号 p. 143-152
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    人間の営みが依存している科学という『知』の探究には、必然的な推論の観点に重きを置くところの分析的な『貫く知』のプロセスの研究と蓋然的・構成的な推論の観点に重きを置くところの統合的な『連ねる知』のプロセスの研究がある。サステイナブルな生存には、それらが対立し相克しないでバランスよく進展しなければならない。『知』の部分への分析と全体への統合を調和させる『融合学』ともいうべき、科学の知の構造化を目差して探求し続けなければならない。
  • 原田 隆史, 江藤 正己, 高柳 知世
    2008 年 18 巻 2 号 p. 153-160
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    近年,感性に基づいて小説を検索できるシステムが開発され実用化されてきている。著者らも児童書を対象としてオンライン書評から感性を示すパラメータに値を設定し,検索できるシステムを構築してきた。しかし,人間が付与するパラメータの値と書評中の語との関係の分析は十分に行われておらず,書評中の語を元として感性パラメータの値をどのように設定することが適切であるかは明らかとなっていない。本研究は,書評中の「人の感情や本の雰囲気を表す語」を元に機械学習の手法を用いて人間の判断と一致する感性パラメータの値を付与する実験を行ったものである。図書1605 冊分の書評を使って自動設定実験を行った結果,(1) 自動設定において書評中の語を使うことに有用性がある,(2) 書評中のすべての語を用いるよりも,出現回数が多い30語程度を用いた方が効果的である,(3)書評中から抽出する語の品詞はほとんど再現率に影響しないことなどを明らかにすることができた。
  • 宇陀 則彦, 伊藤 宏美, 松村 敦
    2008 年 18 巻 2 号 p. 161-168
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    電子図書館サービスは様々な情報資源や情報探索支援ツールを提供する図書館サービスの一つである。筑波大学附属図書館でも様々な情報探索支援サービスを提供している。なかでも、複数の情報資源を横断的に検索できるMetaLib と書誌事項から論文本体にリンクを生成するSFX は、情報探索の効率を上げるサービスとして期待されている。そこで本研究ではSFX のアクセスログを分析し、MetaLib/SFX の利用実態を明らかにするとともに、電子図書館利用の傾向について考察した。また、電子図書館の利用方法を説明したチュートリアルを作成し、利用促進を図った。その結果、MetaLib/SFX の利用数は緩やかな増加傾向にあること、チュートリアルによって新たな利用者を得ることはできなかったが、電子図書館を既に利用している利用者に対しては、より効果的なサービスに案内する効果があることがわかった。
  • 松村 敦, 末次 美央, 宇陀 則彦
    2008 年 18 巻 2 号 p. 169-176
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    辞書を読み物として活用することを目的として,語の関連性に着目した辞書リーディングシステムを構築した.本システムは,1 つの語を引くと,同音異義語,反義語,有名フレーズに共起する語など7 種類の関連語を提示する.これによって,利用者は興味を持つ語をたどることが可能となり,辞書を読み進めることができる.実際にシステムを利用してもらい,アンケートを実施したところ,辞書を面白く読み進めるためには,未知の語・未知の関連の発見が重要であることが示された.
  • 梶川 裕矢
    2008 年 18 巻 2 号 p. 177-180
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    本研究では,学術論文からの因果関係抽出におけるオントロジー利用の効果を検討する.まず,既存の概念モデルを統合した人工物オントロジーを提案し,妥当性の検証を行なった.結果,技術文書中の技術用語の90%以上が記述可能であった.次に,得られたオントロジーを用いて,学術論文からの因果関係抽出実験を行なった.抽出に用語間の共起関係のみを用いた場合に比べ,オントロジーを用いた場合,精度は有意に改善した.
  • 高久 雅生, 寺井 仁, 江草 由佳, 齋藤 ひとみ, 三輪 眞木子, 神門 典子
    2008 年 18 巻 2 号 p. 181-188
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    著者らは,大学生11 名を対象として,Web 情報探索行動の理解のためのユーザ実験を行った.情報探索タスクとしてInformational 指向およびTransactional 指向の探索課題を2 つ与え,それぞれ15 分間の課題遂行を行う探索実験を設定した.本稿ではとりわけ,課題遂行中の眼球運動計測装置による視線データの分析手法および予備的な分析結果について述べる.分析手法として,検索結果一覧ページに着目したものと,全探索プロセスに対してのおおまかな注視領域を設定したものとの2 つの方式を採用し,それぞれでの分析結果を報告する.
  • 武田 善行, 梶川 裕矢
    2008 年 18 巻 2 号 p. 189-194
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    共引用や書誌結合を用いたクラスタリング手法は学問領域の構造を分析する有力な手段であるが, クラスタリング時の閾値設定の恣意性が問題となる. 本研究では, 複数の学問領域に対し, 引用ネットワークのモジュラリティを追跡した. 結果, 引用ネットワークのクラスタリングは3つの段階からなり, その構造は対象分野によらないことが分かった. 第一段階では, 分野のコアとなるクラスタが形成し, 成長する. 第二段階ではコアクラスタの成長と並行して, 周辺的なクラスタが形成される. 第三段階では, 再びコアクラスタが成長する. このようにクラスタリングの素過程に着目することで, 最終的なクラスタリング結果からは見ることのできない, 学問の階層構造や各論文の位置づけを判断することができる.
  • 芳須 弘, 原田 幸明, 藤田 充苗, 芦野 俊宏
    2008 年 18 巻 2 号 p. 194-199
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    セマンティックWeb技術を用いて,材料問題解決支援システム構築の問題点抽出を進めている.本報告は,材料の力学問題解決に必要な材料特性データやデータ解析に用いる解析モデル式などの収集を行い,データ解析で数式を取扱う場合のXML記述の問題点について検討した.その結果,数式をXML形式であるMathMLにより記述する場合,材料分野において数式で使用する文字や記号の統一と数式の理解を共通化することで円滑なデータ解析作業が可能である.そこで,統一した文字や記号を提案し,その活用例を示した.
  • 甲田 彰, 森田 歌子
    2008 年 18 巻 2 号 p. 200-203
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    科学技術振興機構(JST)では,知的財産推進計画2006 に基づき,特許技術情報と科学技術文献情報を統合検索するためのデータベース「JSTPatM」を構築し,2007 年3 月から大学等向けに無料で提供を開始した。本稿では,特許技術情報と科学技術文献情報を一つのファイルに統合した際のデータ構造,画面インタフェース,特許文献原文リンクにおける創意工夫についてご報告する。
  • 時実 象一
    2008 年 18 巻 2 号 p. 204-208
    発行日: 2008/05/23
    公開日: 2008/09/08
    ジャーナル フリー
    電子付録
    人文・社会科学系分野の学術雑誌と紀要の発行状況を調査したところ、論文誌とみられるもの 1436 誌、大学紀要が 4156 誌、その他が 2188 誌であった。このうち NII-ELS に電子化されて収録されているものは論文誌が 279 誌、大学紀要が 2236 誌であった。国立国会図書館の WARP からリンクされている電子ジャーナルは論文誌 37 誌、大学紀要が 64 誌であった。
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