情報知識学会誌
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23 巻 , 2 号
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特集 第21回 (2013年度) 年次大会 (研究報告会&総会)
  • 石塚 英弘, ニザムッディン
    2013 年 23 巻 2 号 p. 127-134
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     著者は,インドネシアのアチェ州の津波からの復興工程で生成された地理情報を収集し,その地理情報を有する統合 情報システムを開発してきた.本稿では,その復興工程が国際協力と情報共有によって実施されたことを紹介する.次いで,同システムを適用して,復興の進め方とその結果を示し,得られた知見を述べる.また,将来の発展のための資源を示し,得られた知見を述べる.
  • 中渡瀬 秀一, 大山 敬三
    2013 年 23 巻 2 号 p. 135-140
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     近年,ソーシャルメディアの普及が広く進み,その豊富なデータ資源の活用方法が模索されている.本稿ではミニブログ中のメッセージからQ&A 型の知識を抽出する方法について検討した結果を報告する.提案手法では対話的なメッセージの中からそれを発見することを試みる.1 日分の日本語ツィートを用いて抽出実験を行った結果,千数百件程度のQ&A 獲得が見込まれることが判明した.
  • 沢 恒雄
    2013 年 23 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     政治・経済・社会の諸相でグローバリゼーションへの遷移が著しい。国境を横断したグローバルスタンダードを推し進め,国籍や民族も維持しつつ本来は国の専管事項である通貨や社会保障,教育,就労,司法,政治的統合など域内統合し標準化しようとする目論見である。例としてEU やTPP がある。結果として,年齢,疾病,能力,学歴,美醜,性差等の多様な文化的差異を生みだしている。この多様な差異のなかで唯一言語だけが,人種・民族に直結していて多言語主義として積極的な保存がなされている。組織活動の効率と効果の向上を指向した経営日本語教育システムについて考察した。
  • 福永 征夫
    2013 年 23 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     「ラティスの構造モデル」は,脳を含む自然の非平衡開放系が,臨界点におけるエネルギーの均衡から逸脱し,均衡へ回帰する<恒常的な循環>の動態を,数理的な四本のシンプルな式で表現している.これを脳の情報処理に適用する「脳の情報処理の動態モデル」は,情報の自己組織化がダイナミックに達成される脳のネットワークの相補的な臨界性の機序を構成的に示すものである.人間の知識の形成と活用は,この相補的な臨界性の動態と共に実現される.
  • 安平 哲太郎
    2013 年 23 巻 2 号 p. 153-160
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     20 世紀を通して、人類はナチズム、軍国主義、共産主義という3 つの悲劇的な全体主義体制を経験した。他方、20 世紀後半、日本における池田内閣の時代に日本は自主的に自由に所得倍増政策を実行する事によって、短期間に高度経済成長に達した。環境問題と安全保障についての時代の要求を考慮しながらこれらの全体主義を比較する事によって、人類は環境保全を維持する事を目的としながら、持続的な経済活動に向けて出発しなければならないという世界観を、人類の一部を排除することなく、革命を起こすことなく、大量殺戮兵器に依存した安全保障でなく、個人の主権を無視することなく、共有し、実現する巨大な社会変革の入口に立っている事が分かった。さらに、北朝鮮の行動はこれらの時代の要求に逆行している事がわかった。
  • 桑名 杏奈, 長谷川 直子, 小田 隆史, 水野 勲
    2013 年 23 巻 2 号 p. 161-165
    発行日: 2013/05/20
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     防災シミュレーション教材開発に向けての取組みを紹介する。震災時にはしばしば複合的な災害が発生し、しかも日常とは異なる判断・行動がさらなる問題を発生させてしまう。震災時における諸現象のつながりを理解するための教材が開発できれば、震災に対して日ごろから行っておく「思考実験」として、さまざまな状況に対応できる事前準備となりうると思われる。
  • 山島 一浩
    2013 年 23 巻 2 号 p. 166-171
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     歴史における日本の城の配置を,経緯度や時間の軸で,Web上に配置する.時間を制御することで,城の生成から消滅までを,地図上で配置する.これで,新たな視点を開くことができるのではな いか,知ることはないかという目標で作業を開始した.Web上でつくる上で参考にしたものに,例えば,文化遺産オンラインがある.これは現時点で文化遺産となるものを掲示したものである.ここでは城とをいう歴史的建築物を経緯度や時間軸で保存している.Webで表現するために,このコンテンツを HTML5,CSSとJavaスクリプトを使用して記述した.モニターの出力サイズに対応して,レスポンシブWebデザインで表現を行った.
  • 池田 佳奈子, 桑名 杏奈
    2013 年 23 巻 2 号 p. 172-178
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     テーマ「情報共有」「情報や知識の構造/蓄積/分類/検索」に関連して、LMS利用の一例を紹介する。「お茶の水女子大学Moodle」は、主に講義を担当する教員に、講義資料の配布、出欠確認、レポート提出などの目的で利用されている。本稿では、30人程のスタッフ間の情報共有を目的とした、Moodle利用の一例を紹介する。教育・学習の支援という本来の目的とは異なった授業外の場面における、情報の共有・蓄積・検索という点でのLMS利用の可能性、またその問題点、対応策を延べる。
  • 狩野 芳伸, 神門 典子
    2013 年 23 巻 2 号 p. 179-184
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトでは、最初の課題として大学入試センター試験の自動解答を目指している。本稿では、そのうち歴史系科目を対象とした解答器作成の試みを報告する。我が国の大学入試は、基本的に高校教科書の範囲内から出題されることになっている。しかし、人工知能が機械的に解くという観点でみると、範囲内というのは曖昧さがあるうえ、潜在的に人間の常識や知能を前提にしている。我々はあくまで教科書内の知識のみを用いるアプローチで、どこまで自動解答が可能かを試みた。歴史系科目とセンター試験の特性を鑑みて、解答にあたってはあえて論理的な構造や解析を排除し、教科書内の表現が肯定的であることを前提に単語を基本とする知識でどこまで解答可能かを探った。
  • 時実 象一
    2013 年 23 巻 2 号 p. 185-192
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     図書館情報学志望の学生を対象にウィキペディアの作成実習を行なった. 5-6名のグループで作成したい記事を選定し, ウィキペディアのアカウントを取得して記事を作成した. 2007 年以降, 25記事 (うち2記事は既存記事の補足) 作成した. そのうち4記事は削除され, 追加記事のうち2記事は編集を取り消されたが, 残りは今も生きている. 実習を受講した学生にアンケートを実施したところ, 「自分でも編集できると知って驚いた」「簡単に編集できるので驚いた」との感想が合計半数を超えていた. 教員に対するウィキペディアの利用についてのアンケート結果についても述べた.
  • 堀 幸雄, 西森 友省, 今井 慈郎, 中山 尭
    2013 年 23 巻 2 号 p. 193-198
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     大学では多数の知識を学ぶことができるが,膨大な開講科目からどれが自分に向いているのかを知るのは困難である.本研究は学生の科目履修履歴と成績が,これから履修する科目の成績にどのような影響があるのかを調べ,今後履修する科目の成績の推定に利用可能であるかどうかについて考察した.学生の科目履修履歴と成績には分野ごとの特徴があり,履修履歴から今後受ける科目の成績を推定することが可能であることがわかった.
  • 川井 優里, 板垣 舞, 芳須 公美, 竹田 宏美, 由良 敬
    2013 年 23 巻 2 号 p. 199-204
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     ウェブ上で動く数学・理科教材の開発に向けての取組みを紹介する.多くの自然現象は数理的に理解することが可能だが,この数理は簡単ではない.この数理式を映像やグラフで可視化すれば,理解を促進することができるはずである.そこで高校生や数学が苦手な学生,あるいは大学で数学を履修しなかった学生を対象としたウェブ教材の作成を試みた.このような教材があれば,学生の理科離れの深刻化が問題となっている昨今では特に,生物学を含む理科に対して興味をもってもらうきっかけとなることが期待できる.ここでは,大腸菌の増殖の様子を視覚的に理解できる教材を開発 する.本教材ではウェブ上で様々なパラメータを変化させることができ,その結果大腸菌の増殖過程にどのような変化が起こるかをシミュレーションすることができるようにする.この機能は,バイオテクノロジーの初歩を理解することにも貢献できると考えている.
  • 堀 智彰, 益子 博貴, 村尾 真由子, 大曽根 美奈, 渡辺 雅子, 辻 慶太, 松村 敦, 宇陀 則彦
    2013 年 23 巻 2 号 p. 205-212
    発行日: 2013/05/20
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     われわれは学生に文献探索の重要性と知ることの楽しさを伝えるため,文献探索の実習用教材として,図書館の探検的学習を目的とした電子教材の開発を行った.教材はiPadとEPUB3で作成された電子書籍から成り,学生に目的意識を植えつけるためゲーム仕立ての内容となっている.学生に異なる内容を与えるため,シナリオから半自動で電子書籍を生成するツールを開発した.また,教材の各ステージはパスワードでロックされ,前のステージをクリアしなければ次へ進めないようにしている.本稿では,授業で使用した結果と明らかになった問題点について報告する.
  • 袁 雪, 新保 茜, 柿木 彩香, 浅本 紀子
    2013 年 23 巻 2 号 p. 213-218
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     LMSのひとつMoodleを利用する環境での学習者教師双方への支援をめざし,いくつかの機能拡張の提案と実装を行った.授業動画の利用,評価情報の収集と処理の自動化等の他,数式処理システムを利用したオンラインテストシステムであるSTACKがMoodleと連携して動作することに着目し,ポテンシャル・レスポンス・ツリーの可視化,作成用GUI補助ツールの導入,問題バンクの構築を行った.
  • 田辺 浩介, 高久 雅生, 江草 由佳
    2013 年 23 巻 2 号 p. 219-228
    発行日: 2013/05/20
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     本研究では,FRBR のWork・Expression のエンティティを,既存の運営母体によって作成・管理された書誌・所蔵データと連動して扱える,疎結合構成の実装モデルを提案する.この提案手法は,Work・Exprsesion の記述のためのシステムを,Web 上で提供されている既存の目録システムと独立して運用することを可能にしている.本研究では既存の目録システムとしてCiNii Books を用いたシステムを試作し,その実現可能性を示した.
  • 遠藤 淳一, 村川 猛彦
    2013 年 23 巻 2 号 p. 229-234
    発行日: 2013/05/20
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     Web検索の履歴や検索中のユーザの行動を分析することで,ユーザの検索目的や行動特性を把握し,Web情報推薦に役立てようとする研究が盛んである.これまでの研究でも検索活動にかかった時間やWebページ閲覧時間について調査したものは存在するが,それらに影響を与えると思われるユーザの知識経験やページの質との関連を調べたものは見られない.そこで本研究ではユーザの特性やページの質と,Webページ閲覧時間の関係に焦点を当てて個人のWeb情報検索の過程を取得・分析した.本稿では実施した実験及びその結果について述べる.
  • 徳田 由佳子, 関本 英太郎, 工藤 純一
    2013 年 23 巻 2 号 p. 235-240
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    ロシア国内で発行される新聞に掲載された日本関連記事を分析し,報道量や報道内容から現在の日露関係に無視できない影響を与えている潜在的な要因の考察を試みる.報道の量も内容も地域によって大きな差があり,日本との関係を強く反映していることが明らかになった.
  • 李 東真
    2013 年 23 巻 2 号 p. 241-246
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     フィルムアーカイブに限らず動的映像資料を製作, 収集, 保管する機関では, 過去の事象を記録した資料の組織化が課題となっている. 資料の活用を促すには, 文献の場合にそうであるように, 各々の組織が主体的に資料へのアクセスを改善するような仕組みを構築することが求められる. 本稿では主題アクセス, とりわけ動的映像用のシソーラスに着目し, 主に海外における取り組みについて考察し, その適用可能性を検討する.
  • 上田 祥代, 笹倉 理子
    2013 年 23 巻 2 号 p. 247-252
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     お茶の水女子大学附属図書館は全学的な教育改革と連動して2007年に学修用の情報機器を充実させたラーニング・コモンズを設置し,全館で個人所有のパソコンを接続することができる有線/無線の認証ネットワークを利用できるようにするなど新しい学びの空間を創出してきた.さらに,学生の情報リテラシーの活性化に役立つことを期待して,2010年に情報基盤センターと協同して,館内で自由に利用できるノートパソコンをPC自動貸出ロッカーで貸し出すサービスをはじめた.
     ロッカーの設置からこれまでの約3年間の運用について,附属図書館内のラーニング・コモンズでユーザ支援や情報機器の管理を担当する学生スタッフ,ラーニング・アドバイザの視点から,日常の保守やロッカーの利用状況,および,ここで貸出される端末の利用状況について報告する.
  • 當間 亜紀子, 池田 佳奈子, 桑名 杏奈
    2013 年 23 巻 2 号 p. 253-258
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     テーマ「情報教育」「情報リテラシー」として、お茶の水女子大学附属図書館にあるラーニング・コモンズ(コンピュータ等を使える自習スペース)における学生支援の取り組みの紹介と実践報告を行う。ラーニング・コモンズには大学院生が支援者(ラーニング・アドバイザ)として常駐している。筆頭著者はラーニング・アドバイザを2年務め、現在はラーニング・コモンズの機器の管理をする情報基盤センターにて勤務している。利用者、支援者(ラーニング・アドバイザ)、管理者(情報基盤センター職員)を順に経験してきたそれぞれの視点から、ラーニング・コモンズにおける情報教育支援について実体験・実例を交えながら報告する。
  • 小野 永貴, 德光 亜矢子, 下山 佳那子, 佐藤 翔
    2013 年 23 巻 2 号 p. 259-264
    発行日: 2013/05/20
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     近年、学校図書館の連携に関する実践が盛んである。特に高等学校の場合、公共図書館が学校を支援したり、大学図書館が高校生向けに開放する等の事例も増え、高校生が複数館種を相互に活用できる機会も多い。しかし、実際に生徒が各館種をどう使い分けているか、実態は明らかでない。 そこで本研究では、高校生28人を対象としたフォーカス・グループ・インタビュー調査を実施した。全発話内容の書きおこしと分析を行い、高校生が複数の館種を使い分ける際の基準となりうる要素を 抽出した。
  • 石塚 夏実, 時実 象一
    2013 年 23 巻 2 号 p. 265-272
    発行日: 2013/05/20
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     子ども新聞とは, 新聞社等が子供向けに発行している新聞である. 日本最初の子ども新聞は, 1876 年創刊の「童蒙新聞」といわれる. 日本新聞博物館の所蔵紙等を調査し, 子ども新聞の歴史を調査した. また日本新聞博物館 (横浜) 所蔵の戦前戦後期の 16 紙 (写真撮影した) と, 独自に収集した現在発行中の子ども新聞 23 紙について, 各記事を, 「ニュース」, 「学校紹介」, 「娯楽」, 「学習」, 「広告」, 「戦争関連 (戦前の新聞のみ)」に分類し, 各記事の割合を調査した. 過去の子ども新聞と現在の子ども新聞を比較してみると, 記事の種類や構成, スタイル, ルビが付いているところなどは基本的に変わっていないが, 現在発行中の新聞については, 学習記事の割合が増加し, 娯楽記事が減少している傾向がある.
  • 本田 正美
    2013 年 23 巻 2 号 p. 273-278
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     自治体における電子化の進展に伴い,地方議会の会議録の電子化も進められている.例えば,多くの都道府県議会のWebサイトにおいては,過去の会議録のデータベースを利用することが出来るのである.本研究では,全国の市議会に着目し,公開されている電子化された会議録の現状について確認する.この現状分析をもとに,地方議会の会議録の電子化の課題を議論する.
  • 西澤 正己, 孫 媛
    2013 年 23 巻 2 号 p. 279-285
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    大学等の研究成果はどのように一般に報道されているのかを、研究機関別や分野別に調査する。今回は、プレスリリースされた発表と全国紙の新聞記事の関係を中心に、採用率や新聞社の対応の違いなど、調査した結果を報告する。
  • 戸嶋 真弓, 石川 哲朗, 神門 典子
    2013 年 23 巻 2 号 p. 286-291
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    ディジタルネイティブとは,生まれた時からインターネットやパソコンが身近に存在しており,それらを利用することに抵抗がなく,それ以前の世代とは行動特性の異なりが見られる世代のことを指す.本研究では,この世代に属する日本人の大学生が,授業において課題を行う場合,Web検索を用いる情報探索を促すことによって,知識の獲得にどのような特性を示すのかを,課題遂行前と課題遂行後の連想単語の変化に焦点を当てて調査し,検討した.調査参加者を「Web検索を用いて学習することを毎授業時に明示的かつ継続的に指示」したW(Web)クラスと「主に図書館を用いて学習することを,毎授業時に明示的かつ継続的に指示」したL(Library)クラスに分け,課題に関しての学習を行 った.この結果,両者の間には,課題遂行前後での連想単語の種類と数(平均 : W事前6.9個,事後13.2個; L事前5.8個,事後9.7個)に違いが見られた.
  • 林 正治, 堀井 洋, 堀井 美里, 高田 良宏, 山地 一禎, 上田 啓未, 古畑 徹
    2013 年 23 巻 2 号 p. 292-297
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     文献資料およびモノ資料を含む学術資料の共有化を目的とした学術資源リポジトリ構想がある.これまでにDublin Core Metadata Element Setを拡張し,学術資源情報の記述を実現してきたが,ハーベスティング時の情報欠落に課題があった.一方,国外では博物館資料を対象とした国際的なハーベスティング・スキーマLIDOへの注目が高まっている.本稿では,学術資源リポジトリにおけるLIDO の可能性を検討する.
  • 堀井 洋, 林 正治, 堀井 美里, 高田 良宏, 山地 一禎, 上田 啓未, 古畑 徹
    2013 年 23 巻 2 号 p. 298-302
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     地域学術資料の分野・組織の垣根を越えた横断的な情報共有を目的として、合同会社AMANE・金沢大学・国立情報学研究所・その他の研究者が中心となり学術資源リポジトリの構築を進めている。その一環として、明治~昭和戦前期の技術教育に使用された科学実験機器資料情報の蓄積と共有を目指しており、本報告では それらを事例として、学術資源リポジトリの機能・人的・社会的な位置づけや課題等について論じる。
  • 白松 俊, 大囿 忠親, 新谷 虎松
    2013 年 23 巻 2 号 p. 303-307
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     地域社会が複雑に絡み合った社会問題に直面する昨今,公的討論を通じた住民参画の重要性が増している.齟齬や見落としの少ない建設的な議論のために,議論のコンテキストを共有化する技術が重要である.我々はこれまで,地域の社会問題に関するコンテンツを構造化したLODデータセットSOCIA (Social Opinions and Concerns for Ideal Argumentation) を構築してきた.本稿ではこれを更に拡張し,参加者間あるいは複数の討論の間で共有すべきコンテキストを検討し,設計した試作オントロジーを示す.
  • 村井 源
    2013 年 23 巻 2 号 p. 308-315
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     物語の構造をデータ化し,データベース等に実装する上で,物語研究で古くから用いられてきたプロットを一つの構成の単位とすることは有望と考えられる.しかし,プロットの構成要素である物語の機能の粒度については一意的には定まりにくいという問題があった.そこで本論文ではプロットを含む物語構造を多層的,再帰的なデータ構造として定義することを提案した.また,物語における複数の登場人物間の複雑な関係性をよりパターン化して記述するためにアクタントセオリーを用いて人物の目的ごと,プロットにおける機能ごとにそれぞれアクタント間の関係性を記述することで,より詳細かつ 汎用的な物語の構造の記述ができる可能性を指摘した.
シンポジウム「東北大震災と地籍情報」
  • 西本 孔昭
    2013 年 23 巻 2 号 p. 316-321
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     土地家屋調査士は、他人の依頼を受けて、土地や建物がどこにあって、どのような形状か、どのように利用されているかなどを調査、測量して図面作成、不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う国家資格者である。また、土地・建物・道路・地域など生活の場や生産拠点において、困りごとや、近隣とのトラブル時の相談相手としても気軽に相談を受けることができるという国民に身近な資格者であるが、土地家屋調査士という名前が分かり辛いなどの理由から、国民の認知度は、それほどは高くないというのが現状である。ゆえに、本稿では、歴史や諸制度を振り返りながら土地家屋調査士の役割や変遷について述べる。さらに、司法制度改革という潮流の中で生まれた、弁護士恊働型土地家屋調査士会ADR(境界問題相談センター)の概要や展望についても述べる。
  • 鈴木 修
    2013 年 23 巻 2 号 p. 322-326
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     不動産は国土の狭い日本において重要な財産であり、その利活用はあらゆる産業の基盤となる。 であるから地籍の管理と活用は国家としても、個人としても重要な課題である。地籍情報とは測地的数値情報と法的権利情報とそれぞれの履歴情報など複合的な情報を含んでいる。過去日本の大学において伝統的な学問は、理科系と文科系に大別されており、地籍に関する研究も本来複合的な要素を持ちながら、これまでは法律的アプローチと測地的アプローチとの二元的な研究をされていた。また阪神淡路大震災や一昨年の東日本大震災を経て、地籍情報は新たな課題も得た。 一方では筆界移動と権利の客体の問題であり、もう一方では防災減災という観点からの問題である。土地家屋調査士は不動産の表示に関する専門家であるが、近年は地籍情報を扱う法律と測量の専門家としての役割がクローズアップされている。日々フィールドに出て調査し、法律問題を考える土地家屋調査士は、この法学と測地学の間をつなぐ役割を担うと考える。今回の東日本大震災では、地殻が最大5.85m 東南方向に、−1.14m 下方に移動した。測地的数値情報としては、基準点の再測をして移動方向と移動量を把握して、その変動を管理できるし、筆界移動についての方針が法務省から出されている。しかし、その土地の上に生じ始めている権利の問題には今だに明確な答えはない。またこれまで地籍情報としては重要視されていなかった歴史的地物や字名などの地名情報や民間伝承も、地籍情報として重要な情報だったことがわかった。過去日本の学会は、地籍情報としてほんの一部を取り扱っていたようだ。今後想定されている新たな災害に対する備えのためにも、新たな国土構築のためにも、地籍研究はもっと広い範囲を取り扱うべきだと考える。そしてこれらの複合的な地籍情報は、情報知識学の分野からも取り扱うべきと考える。
  • 大槻 明, 川村 雅義
    2013 年 23 巻 2 号 p. 327-332
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     本稿で取り上げる地籍情報とは,土地の位置,形質および所有関係などを明らかにするための各種情報のことであり,我々国民における不動産(財産)の権利の客体化に係る重要な情報を多く含んでいる.ゆえに,これらの情報を利活用することは,我々国民への多大な寄与を期待できると考えら れる.したがって,本稿では,筆者らのビッグデータ分析手法について述べたうえで,地籍情報の利活用に係る一考察を行う.具体的には,地籍情報ビッグデータを引用分析したうえで,Newman法によってクラスタリングを行った結果を地図上にマッピングすることにより,新たな知識発見が行える可能性や展望について述べる.
  • -オントロジー工学およびLinked Open Dataによるアプローチからの一考察-
    古崎 晃司
    2013 年 23 巻 2 号 p. 333-338
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     本発表では,地籍情報を有用な知識として様々な利活用を促進するための基盤知識として構造化する手法について,オントロジー工学およびLinked Open Data(LOD)によるアプローチから考察 する.オントロジー工学は,対象とする領域の知識を,人間と計算機の双方が一貫性をもって理解できるような形で体系化する手法を提供する.よって,地籍情報やそれに関わる様々な専門知識を対象としたオントロジーを構築することで,地籍情報に関する理解の共有や,異なる手法で作成された地籍情報の相互運用性の向上などに貢献することが期待される.一方,Linked Open Dataは,Web 上にオープンな形で公開されたデータを相互に連結させる(linkする)ことによって,新たな価値を創出しようとする取り込み/技術である.この技術を用いて地籍情報を他のオープンなデータと連係させることで,その有用な知識としての活用が促進されると思われる.
  • 藤井 十章
    2013 年 23 巻 2 号 p. 339-344
    発行日: 2013/05/20
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     あらゆる分野の専門家知識は、構造化がなされ、実用化に向かっている。近年、私たちはシマンテックウェブの技術の発展で、人工知能を身近に感じることができる。たとえばスマートフォンの音声検索機能のように。
     地籍情報とは、国土管理する上での、土地財産情報(境界の位置情報、面積及びそれに付随した過程情報)と権利関係情報(所有権または、占有及び抵当権利、規制など)である。日本の地籍は、陸での国境がないなどで固有の土地管理により特化してきた。
     世界測量者連盟(FIG)の土地管理のモデル化(LADM)の2012年11月1日ISO標準化から、地籍の分野で専門家による日本の地籍情報のオントロジー工学による構造化により、特化された情報分析が専門家の英知を通すことで、広く一般的な国土基盤情報となり、震災からの国土開発と日本の財産管理を容易にするねらいことが求められている。専門家が人口知能を支える時代は来ている。
  • 山元 貴継
    2013 年 23 巻 2 号 p. 345-352
    発行日: 2013/05/20
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
     本報告は,沖縄県のとくに宮古・八重山諸島などに残る,1899(明治32)年頃からの「土地整理事業」で整備された地籍図および土地台帳において,1771年の「明和の大津波」などの自然災害のこん跡がどのように記録されているのかを検討するものである.そして多良間島については,これらの地籍図・土地台帳が,「明和の大津波」の浸水域における計画的な集落構成や,「抱護」林と呼ばれる集落・農地周囲の林帯をもつ集落の構造を示していた.さらに,浸水域の土地所有者の多くは,居住地付近の農地に加えて,居住地から遠く離れた丘陵地にも不自然に農地を維持していたことも確認できる.こうした林帯整備については「防風」機能が,不自然な農地所有については,沖縄独自の集落移動の歴史が背景として挙げられることが多いが,こうした集落構造が「明和の大津波」への記憶と対策により築かれた可能性も想定される.
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