情報知識学会の創立30周年記念の年を迎え,記念事業への取り組みの経過とその実行について整理して紹介した.また,学会創立20周年以降の10年間の経過について社会全体のデジタル化の進展と学会を取巻く研究環境の変化や新たな役割について検討した.学会創立30周年を期して今後の在り方について考察し,私見を述べた.
材料は社会を構成する基本的な要素のひとつであると位置付け、材料に関するデータ・情報・知識は基本的な要素を組み合わせて社会を構成するための「言語」と考えて、将来の材料データシステムに関する基本仕様を検討した。本論文ではこの原点からの検討の第一報として、これまでの当該分野の研究開発の経緯を総括し、将来の材料データの流通と情報ライフサイクルを想定しながら、システムとしての基本仕様の考え方と実現するための主要な検討項目を今後の30年のアジェンダとして提示した。
情報知識学会創立30周年記念号への寄稿というので、改めて「情報知識学会誌」への筆者の論稿、記事の掲載履歴を調べてみたら、28件程あった(「研究報告会講演論文集」を含む。1993年の第1回年次大会から2003年の第11回大会まで、大会予稿集は学会誌とは別に「研究報告会講演論文集」として刊行され、その後「情報知識学会誌」の特集号に組み入れられて現在に至る)。論稿等の主題はいろいろだが、ここではSGML、コンテンツ、大学ランキングという三題噺仕立てで回顧を試みたい。
米田幸夫初代会長、藤原鎮男第2代会長、藤原譲初代副会長についての私的な思い出を記す。
地籍情報は土地の戸籍とも言うべきものであり,我々国民の不動産(財産)の権利の客体を具体化できる唯一無二の情報である.登記申請された情報を基に法務局に備え付けられる地図のことを不動産登記法第14条第1項地図(法第14条地図)といい,これは地籍情報の一つに位置づけられる.しかし,平成27年度の時点で,全国の法務局において法第14条地図が整備されているのは約51%にとどまる.例えば,災害が起き,災害復興復興(現場復元など)をする時に,法第14条地図が無い地域では自治体による区画整理が行われてしまう可能性があり,現状の法第14条地図の整備状況は極めて由々しき状況にあるといえる.ゆえに,本稿では,まず地籍情報の重要性について述べ,次に,情報知識学の一つと位置付ける地籍情報学について述べる.具体的には,地籍情報の蓄積,管理及び利活用に関して,技術的及び法的な観点など様々な要因から体系的に議論する形で,地籍情報を国民社会に活用する将来に向けた一考察を行うことの重要性を説く.
紙媒体の機関誌『ニューズレター』は,学会設立趣旨を高らかに謳い上げた創刊号から13年後,インターネットの時代に即応してその役目を「メルマガ」に手渡した.『ニューズレター』を通して読み,メールマガジンが受け継いだもの受け継がなかったものを顧みることで,「温故知新」を試みた.情報の基盤技術の発展の生々しい歴史と,社会・人間についての洞察と未来への予感が読み取れた.それは現代の問題状況に対処するヒントを探す試みでもあった.
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