慢性関節リウマチに対するNK-19 (プラトニン) の有効性, 安全性および有用性を再検討し, 本試験における試験方法を確立する目的で, 乳糖偽薬を対照とする二重盲検法にて予備的検討を行った.
ARA基準によるclassicalまたはdefinite RAを対象として, 全国33施設において実施した.症例は非ステロイド性抗炎症剤を必ず併用し, 薬剤投与1カ月前より治験期間中はその投与量および種類を一定にした.NK-19は1日量100μgとし, 12週間連続投与し群間比較を行った.
(1) 回収総症例は175例であったが, 実施要項の基準に従い最終全般改善度および全般有用度については165例, 概括安全度については173例を解析対象とした.最終全般改善度は中等度改善以上でNK-19群に有意傾向 (P=0.080) , 概括安全度でもNK-19が有意 (P=0.030) に優れていたが, 両者を加味した全般有用度ではNK群が勝ったものの有意差は認められなかった.
(2) 臨床評価項目では, Lansbury indcxで両群とも前値に比して2~4週以後有意な改善をみたが, 群間では有意差は認められなかった.各評価項目においても, 両群とも前値に比べ有意な改善を示し, 群間比較では血沈, Lansburyの活動性関節点数および疼痛関節数で有意差が認められた.
(3) 副作用 (随伴症状) の出現率はNK群11.6%, P群26.4%で, NK群が有意に勝っていた.
(4) RA因子, RAHA, CRPおよび免疫グロブリンでは投与前後で有意な変動はなかった.
(5) 各要因による層別解析の結果は, 併用した非ス剤の種類および前治療歴による影響が認められた.
以上の結果から, NK-19の慢性関節リウマチに対する有効性, 安全性が再確認され, また臨床評価の方法に対する今後の問題点が指摘された.
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