目的:本研究の目的は,当院での人工膝関節再置換術(re-TKA)の手術方針を紹介し,成績を報告することである。
方法:症例は25例(25膝)で,経過観察期間は平均73カ月(12~218カ月)であった。
我々の手術方針での工夫はステムをすべてのインプラントに追加し,mega-prosthesisでは早期の強固な固定を期待し,また感染例では抗菌薬の徐放を期待してセメント固定としているが,それ以外の症例ではステムはセメントレスとするhybrid stem fixationとしている点である。
以上の症例で,実際に使用したインプラント・骨欠損への対応を調査し,臨床・画像評価を行い,Kaplan-Meier法による生存率を求めた。
結果:感染のため再手術を行った症例が3例あった。10年生存率はend-pointをすべての理由による再手術とすると64.1%,再々置換術とすると64.1%,感染以外の原因による再手術とすると100%であった。
考察:我々が行ったre-TKAでは感染以外にゆるみや不安定性による再々置換はなく,手術方針は適切であったと考えられる。ただ感染が25例中3例12%に生じており,今後対策が必要である。
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