発酵乳製品におけるビフィズス菌の利用にはまだ多くの課題が残されている。本研究では、ビフィズス菌を
Lactococcus lactis 菌株と混合発酵することにより、ビフィズス菌の増殖が著しく促進され、冷蔵保存中での生残性も大幅に改善することを見出し、高菌数・高生残性を有するビフィズス菌含有発酵乳の製造技術を確立させた。その作用機序として、
L.lactis 菌株は、保有する細胞壁結合性タンパク質分解酵素(PrtP)により産生されたペプチドやアミノ酸をビフィズス菌に提供していること、ならびに冷蔵保存中に溶存酸素を効率よく消去しビフィズス菌を酸化反応から守っていることを明らかにした。
Bifidobacterium longum BB536 を中心に取組んだ結果として確立された高生残性BB536 を含有する発酵乳の製造技術およびその作用機序を紹介する。
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