筆者と共同研究者らは Lactococcus lactis subsp. cremoris H61 について、加熱処理をした菌体を老齢期に骨粗鬆症を発症する老化促進モデルマウスに投与すると、老化の進行に伴う大腿骨骨密度の減少の抑制や皮膚の劣化を軽減するなどの老化抑制作用を有することを見出した。ヒトにおいては、H61 株で製造したヨーグルトや加熱処理菌体の摂取による肌の状態の改善を報告している。本稿では H61 株の前述の機能について、詳しい作用、メカニズム解析の進捗状況に加え、今後の展開について述べる。
Galaxy は、ウェブブラウザ上でマウスを操作して行う GUI ベースの(Linux コマンドを覚える必要のない)データ解析環境である。前回は、Galaxy の概要と公共サーバ Galaxy Main の基本的な利用法について述べた。第 12 回は、前回 Galaxy Main 上で行った解析結果(ヒストリー)の他の研究者との共有や、以前行った解析手順(ワークフロー)を他のデータに適用する手段を中心に述べる。また、ヒストリー間のデータのコピーや、自身の PC を経由しない Galaxy Main へのデータの取り込みなど、関連した便利な機能についても紹介する。今回の内容は、ウェブブラウザの違いに起因する不具合を避けるため、Google Chrome または Firefox(Internet Explorer は非推奨)を用いてほしい。ウェブサイト(R で)塩基配列解析(URL: http://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html)中に本連載をまとめた項目(URL: http://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html#about_book_JSLAB)が存在する。ウェブ資料(以下、W)や関連ウェブサイトなどを効率的に活用してほしい。