日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
Print ISSN : 1344-8668
ISSN-L : 1344-8668
45 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文
  • 根本 彰
    原稿種別: 論文
    1999 年 45 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    戦後占領期にアメリカの図書館専門家が何人か来日し, 図書館政策の策定や近代的な図書館運営, 図書館員の養成などに貢献した。本稿は, とくに占領初期の政策決定期に来日してそれぞれの業績を残したカーノフスキー, キーニー, グレアム, バーネットの派遣, 人選やそれらの人々とのやりとりを示す資料の分析を通して, 国際関係特別委員会 (IRB) 東洋委員会委員長ブラウンが中心となったALAの対日図書館政策の考え方を検討する。その結果, 第一次教育使節団派遣の時点では, ブラウンは公共図書館や学校図書館を通じた教育改革に意欲を示していたが, 初代GHQ/SCAPのCIE図書館担当者キーニーが共産主義者の疑いで解任されて以降, 制度改革よりも図書館員養或などのより間接的なものに重点を移すようになった点を明らかにした。これは直接的に占領行政を担当していたGHQ/SCAPが冷戦期の反共産主義に政策転換したことに加えて, キーニーその人とALAとの間にあった確執にも根ざしたものであった。
  • 森山 光良
    原稿種別: 論文
    1999 年 45 巻 1 号 p. 17-34
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    わが国の公共図書館の都道府県域総合目録ネットワークは, 参加館の関与や負担をあまり求めないゆるやかに結びついたネットワーク構造である。その点で, 学術情報センター等の書誌ユーティリティが構築する総合目録ネットワークと対照的である。その理由は, 公共図書館の目録データの大半が, 民間MARCの直接購入によってまかなわれ, 総合日録ネットワークに依存しないためである。このため, 1990年代に構築されている都道府県域総合目録ネットワークの目的は, 相互貸借が中心となっている。これらの総合目録ネットワークにおける目録データ処理方式の主流は, 参加館がバッチ処理で抽出した所蔵データをセンターに送付する方式へと移行しつつある。総合目録ネットワークの今後の課題として, (1)目録規則の調整, (2)予算の確保, (3)民間MARCの著作権問題の検討の3点がある。
研究ノート
  • 源 昌久
    原稿種別: 論文
    1999 年 45 巻 1 号 p. 35-43
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は, 英国(UK)の多数の地図専門図書館・室において採用されている地図分類法(表)である Manual of map library classification and cataloguing (以下, MODと略す。作成機関 Ministry of Defenceに因む) を取り上げ, 内容を紹介し, 考察を試みる。はじめに, 地図分類法と図書分類法との相違点について述べ, 前者が対象地域に基づき分類を行うことを強調する。MODの分類法の基本構造は, 主分類地域コード, コロン・数字コード(小地域を示す), 特別のコロン・数字 (方位・都市を示す) から構成され, 9つの階層レベルを有している。二次的分類として, 地図では縮尺, アトラスではサイズ (高さ) を使用している。MODでは主題をいかに取り扱っているかについても言及している。最後に, MODの有効性および限界について論じ, 筆者の見解を記す。
feedback
Top