日本図書館情報学会誌
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45 巻, 2 号
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論文
  • 谷口 祥一
    原稿種別: 論文
    1999 年 45 巻 2 号 p. 45-60
    発行日: 1999/07/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    書誌的記録が対象とすべき事象を構造化して捉え, かつ表現するために提案された二つの概念モデル(「三層構造モデル」とIFHA『書誌的記録の機能要件. 最終報告書』で示されたモデル)について, 書誌的実体の設定における観点の相違を基軸に据え, その相違の意味および波及する範囲, 加えてこの点の相違を越えた実体統合化の可能性について検討した。得られた主な結論は, 以下の通りである。1)三層モデルは各層(書誌的実体に対応)を相互に排他的なものとして並置的に捉えているのに対して,IFLAモデルは各実体を上位実体を包摂したものとして重層的に捉えている。2)両モデルは主要な属性の位置づけおよび既存書誌要素との対応づけに関して異なる考え方を示しており, それは基本的に実体設定における観点の相違と基盤とする実体の相違とが混合した結果と解釈できる。後者の相違についてある前提を置いた上で, 一つの統合化案を示した。
  • 小山 憲司
    原稿種別: 論文
    1999 年 45 巻 2 号 p. 61-73
    発行日: 1999/07/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    1920, 30年代のアメリカの大学図書館において, 実際にどのような利用教育が展開されていたのかを, 当時の調査研究と雑誌論文から考察した。その結果,まず1926年のALAの調査研究によって, 図書館利用教育の定義が明確化され, それには3つの類型が存在することが示された。また, 一般に講義と実習というラボラトリー・ワーク形式を基本とした利用教育が行われており, その際には, 図書館利用案内やテキストブック, 映画等のツールが利用されるようになったことも明らかとなった。このように, 大学図書館の利用教育は, 1920年代には主要な図書館サービスの1つとして見なされるようになっており, そこには, 今日の利用教育の原型と呼べるものを見出すことができた。その意味で, 1920, 30年代は, 図書館利用教育史において, 重要な時期であると考えられる。
研究ノート
  • 山口 洋, 石川 巌
    原稿種別: 研究ノート
    1999 年 45 巻 2 号 p. 74-82
    発行日: 1999/07/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    図書目録における標目の問題として、漢字表記されたチベット人名の扱い方について検討した。はじめに中国語図書におけるチベット人名漢字表記について現状を分析し、チベット語の漢字転写は音訳であり、漢字からはチベット文字が復元できないことを指摘した。次にチベット語がローマ字転写される際の問題点を考察し、音訳より字訳の方がよいこと、チベット文字のローマ字転写(字訳)には、主にワイリー方式とLC方式があり、前者の方が普及していること等を指摘し得た。また、日本の図書館におけるチベット人名標目を考察し、その結果、学術情報センターの目録データに拠るものの、チベット人名の実態を考慮しない事例を見いだした。以上より、チベット語のローマ字転写は字訳に拠るべきで、学術情報センターの目録データにおいても、この点が考慮されるべきであること、転写が不可能な場合は、漢字形十ピンインで表記すること、これらの処理を可能にする適切な典拠ファイルの構築が必要なことを提示した。
文献紹介
学会記事
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