日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
Print ISSN : 1344-8668
ISSN-L : 1344-8668
46 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
  • 深谷 順子
    原稿種別: 論文
    2000 年 46 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 2000/03/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    視覚障害者サービスでは, 直接サービスを行う図書館だけでなく, 関係機関と連携し, 全国レベルのサービスを提供する中心機関の役割が重要である。本稿の目的は, スウェーデンの国立の録音点字図書館を取り上げ, その成立過程と背景, 利用者層や公共図書館との業務分担等の中心機関としての特色について明らかにすることである。そのため, 図書館の歴史, 諮問委員会の報告, 社会福祉の基本理念等について考察した。その結果, 次のことが明らかになった。1)録音点字図書館は, ボランティアによる図書館として設立され, のちに視覚障害者団体の図書館となり, 事業の一部の国費負担を経て国へ移管され, 教育省管轄の国立機関となった。2)国の諮問機関の調査・報告を受けて, (1)録音図書の利用者層の拡大, (2)図書館の国への移管, (3)録音図書の製作・貸出の業務分担が行われた。3)社会福祉の理念や制度が視覚障害者サービスに大きな影響を与えている。
  • 芳鐘 冬樹
    原稿種別: 論文
    2000 年 46 巻 1 号 p. 18-32
    発行日: 2000/03/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    計量書誌学が扱う現象において, 偏った分布がしばしば観察される。例えば, 著者の発表論文数の分布では, 少数の著者が非常に多くの論文を発表している一方で, ほとんどの著者はごく少数の論文しか発表してない。つまり, 少数の著者に論文が「集中」している。そのような分布の「集中度」を測る指標が数多く提案されているにも拘わらず, 集中度の概念そのものは必ずしも明らかになっていない。そこで, 本論文では, 「絶対的集中」と「相対的集中」という2つの観点から, 集中度の概念の定義を試みた。そして, その定義に基づいて集中度の指標を分析し, 指標の特徴を明らかにした。
  • 歳森 敦, 北原 夕里歌, 植松 貞夫
    原稿種別: 論文
    2000 年 46 巻 1 号 p. 33-45
    発行日: 2000/03/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    市区立図書館中央館を対象とした標本調査により, ブックディテクションシステム(BDS)導入の動向と, 設置館・非設置館の蔵書紛失率を明らかにするとともに, それらの結果をもとにBDSの設置効果を試算した。BDSの設置状況として, 1割弱の館にBDSが設置されていること, 最近数年間の新築時BDS設置率は4割強であること, 一部のコーナーに限定する形で導入する部分設置館が2/3以上であることを明らかにした。年間蔵書紛失率の平均は1.33%となった。BDSを全館を対象に設置した場合には蔵書紛失率が有意に低く, 不正持ち出しの防止に一定の効果があると判断できる。最後に, BDSを設置した場合に必要な費用とBDSを設置しない場合に必要な費用の差としてBDSの設置効果を定義し, 一定の条件を与えて設置効果の試算をおこない, 設置効果を得られる館は一部であること, 部分設置の効果が限定的なことを示した。
学会記事
feedback
Top