日本図書館情報学会誌
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50 巻, 1 号
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論文
  • 川村 敬一
    原稿種別: 論文
    2004 年 50 巻 1 号 p. 1-25
    発行日: 2004/07/07
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では一般分類法の主類の選定と順序に関して,その哲学的および社会歴史的背景を考察する。このため1870年のHarrisの体系を起点に,現在までに考案され,単行本形式で出版された28の一般分類法(内訳は,普遍分類法11,統一分類法15,一館分類法2)を研究対象とする。一般分類法の主類は現実世界で確認される学問分野を基礎にしているが,世界観の相違と記号法の制約により,主類の数と順序は一様でない。さらに,一館分類法は自館の蔵書構成を反映し,国家の統一分類法はその社会歴史的背景を考慮している。普遍分類法だけが哲学的原理を保持している。筆者は体系の中心部が自然科学から始まるBrownのSC(1906), RanganathanのCC(1933), BlissのBC(1940), BCA/CRGのBC2(1977),およびUnesco/FIDのBSO(1978)が,進化論的発想に基づく普遍分類法の新しい系譜であると考える。これらは一般分類法における脱デューイの歩みでもあり,その歩みは1876年のDDCから数えて百年後に完結したのである。
研究ノート
  • 藤谷 幸弘, 前田 博子
    原稿種別: 研究ノート
    2004 年 50 巻 1 号 p. 26-37
    発行日: 2004/07/07
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    1つの都市における図書館網,いわゆる図書館ネットワークをモデル化し,そのモデルを計量化する簡潔な方法を提案した。日本で図書館ネットワークが最も発達している東京23特別区を事例研究した。計量化の指標として蔵書冊数をとりあげ,中央館・分館別にそれらを簡単な数値に簡略化しそれらを区別に合計することにより統合化する方法を提案した。この合計値をN'値とし,N'値を各区の面積で割った値をN値とした。束京23特別区の図書館ネットワークの計量化でわかったことは,各区の図書館ネットワークの整備水準を示すN'値やN値が,区の居住人口や貸出冊数と比較的高い相関を見せている点である。これらのN'値やN値の検討を通して,現在の各区の図書館ネットワーク自体がかなり充実した段階にきていることが明らかになった。
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