国内のみならず世界中に点在している対象資料を可能なかぎり収録した和古書総合目録の構築は, その全体像を把握することを可能にすると共に, 日本文化研究に資する学術情報流通の基盤整備促進の意味において, 極めてその意義は大きい。和古書の総合目録として『国書総目録』などがあるが, 協同分担目録方式が一般的になった現在, 従来方式の構築には限界がある。その一方で, 協同分担目録方式による総合目録の構築には, 標準的な書誌記述基準が不可欠である。和古書は, 近現代刊行資料とは, 資料の成立方法や製作過程が様々に異なる。従って, それらの点に留意した書誌記述基準を考慮する必要がある。この書誌記述基準の基本的な問題点を指摘し, その解決策の考察を行う。問題点として, 対象とする資料の範囲, ISBDの適用, 書誌レコードの作成単位, 規定の情報源, 書誌的巻数を取り扱う。
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