日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
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53 巻, 4 号
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論文
  • 荻原 幸子
    原稿種別: 論文
    2007 年 53 巻 4 号 p. 193-215
    発行日: 2007/12/25
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    行政学における行政・住民関係論の近年の動向である「協働」の観点から,公共図書館経営論における図書館・住民関係の,特に図書館側の住民に対する考え方とその変化について検討した。まず,近年の行政・住民関係論において,「参加」から「協働」への転換期という認識が高まっていることを指摘した。次に,『公立図書館の任務と目標:解説』の分析を通して,図書館側の住民に対する規範的な考え方が,九つに類型化されること,及び,そのうち三つの類型以外には「協働」「参加」の概念は含まれていないことを明らかにした。すなわち,その内容は「非住民参加」による運営を指向するものであり,住民との関係という側面では,公共図書館経営は行政学との整合性に乏しい状況にあるといえる。しかしながら,『公立図書館の任務と目標』策定以降の図書館・住民関係の議論においては,現状の再検討や新たな可能性を追究する必要性が指摘されており,そこに「協働」指向が内在することも見出した。最後に,これらの結果をふまえて,「協働」指向の図書館・住民関係への展望を考察した。
  • 春田 和男
    原稿種別: 論文
    2007 年 53 巻 4 号 p. 216-235
    発行日: 2007/12/25
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    日本図書館協会では,1980年の定款と役員選挙規程の改正により,個人会員と施設会員がともに役員の選挙権と被選挙権,会議の議決権を持ち,個人会員選出と施設会員選出の役員数の比率を3:2に設定している。本稿の目的は,この両者の権利の関係をめぐる議論がどう集約され,その結果が定款や役員選挙規程の改正に反映されているかを明らかにすることである。協会に関する資料やデータ,公益法人と職能団体に関する文献を基に,議論の経過を明らかにしたのち,議論の分類を行い,各主張の内容とその理由の妥当性を検討し,議論の問題点と課題を指摘した。その結果,(1)個人会員中心運営論に対して,個人会員・施設会員共存運営論が実現したこと,(2)その理由としては,施設会員にとって会費と全国図書館大会等の開催の負担が大きいこと,(3)役員数の比率と個人会員中心の職能団体の可能性については,会員による広範な議論が行われていないことが明らかになった。
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