本稿の目的は,図書館サービス建設法(LSCA)から図書館サービス技術法(LSTA)への改正に焦点をあて,連邦図書館政策の形成に影響をあたえる要因を明らかにすることである。全国情報基盤構想とLSCAの関係を整理し,法改正に向けて図書館界が作成したLSTA草案と連邦議会での法案審議を対象に政策形成過程を分析した。その結果,第一に全国情報基盤構想に示された図書館の役割が連邦図書館政策の情報通信技術活用支援への方針転換に影響を与えたこと,第二に図書館界から連邦と州および地方の政府間関係継続への働きかけがあったこと,第三に連邦議会での議論において,公共・学校・大学図書館を支援する連邦図書館政策の一元化と,図書館行政と博物館行政との連携が決定されたことが明らかになった。
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