日本図書館情報学会誌
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論文
  • 大場 博幸
    2018 年 64 巻 3 号 p. 83-98
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/30
    ジャーナル 認証あり

     図書館所蔵が書籍市場に与える影響を検証した。古書市場を対象とし,サンプルとして 2004 年の4 月から6 月にかけて発行された234 点の教養新書を採りあげ,図書館における所蔵数の違いが古書価格の差と関連があるか否かを調べた。方法として,古書価格は需要と供給で決定されると仮定し,供給のうちに図書館所蔵数を含めて重回帰分析を施した。 従属変数となる古書価格の指標として,Amazon.co.jp のマーケットプレイスとほか二つのオンライン古書店の価格を用いた。独立変数には,需要としてAmazonのランキング順位を,古書の供給数としてオンライン古書店での出店数を,図書館による供給数として日本全国の公共図書館の所蔵冊数および大学図書館の所蔵館数を合計した数値を用いた。このほか図書館所蔵数とAmazon ランキングの交差項も加えた。結果として,図書館所蔵数単独での価格への影響はプラスとなることが明らかになった。しかし,所蔵も需要もともに多い書籍については価格へのマイナスの影響がある可能性も観察された。

  • 江竜 珠緒
    2018 年 64 巻 3 号 p. 99-114
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/30
    ジャーナル 認証あり

     本研究は,英語学習法の1 つである英語多読について,その方法論の特徴と課題について整理し,それを踏まえて英語多読における学校図書館活用の意義,英語科教諭と司書教諭との連携について考察することを目的とする。

     研究方法は文献調査である。1990 年代以降の日本の英語多読教育に多大な影響を与えたDay,Richard R.とBamford,Julian,酒井邦秀らの学習原則および指導原則を比較し,その上で,日本の中等教育における英語多読の実践に関する文献を時系列に整理した。その結果,日本における英語多読の実践では,酒井が提唱した多読三原則の影響が非常に大きいが,多読三原則は指導の側面に欠け,生徒が自由に本を選ぶことを重視していない点に課題があることを指摘した。中等教育における英語多読では学習の側面を疎かにすることはできないため,英語科教諭の指導が欠かせない。司書教諭は英語科教諭と連携して読書と学習の両側面を支援することが重要である。

  • 宮田 玲, 矢田 竣太郎, 浅石 卓真
    2018 年 64 巻 3 号 p. 115-131
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/30
    ジャーナル 認証あり

     授業に関連した資料提供は,学校図書館による教員サポートにおいて重要な位置を占める。本研究では過去の実践事例を分析することで「どのような授業に対し,どのような資料が,どのように提供されてきたか」を明らかにする。まず定性的な分析として,資料提供に関するレファレンス事例279 件のテキストから,実践を構成する要素を抽出・類型化した。この類型は,教員との打ち合わせ,資料選定,資料提供に関する参照点となりうる。また定量的な分析として,実際に提示された図書集合の教科・学年ごとの傾向を,主題(NDC),鮮度(出版経過年数),分量(ページ数)の観点から観察した。その結果,(1)教科とNDC は緩やかに対応しながらも,各授業では多様な分類の図書が使われること,(2)提示された図書の過半数は出版から10 年以内であるが,教科による差が一部あること,(3)提示された図書のページ数は,小学校と中学校の間で大きく異なることが明らかになった。

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