片仮名は基本的に漢字の一部を取って作られた文字であり,当然のことながら,漢字と共通のストロークを含んでいる。たいていの場合は片仮名を指導する際にそれぞれの片仮名文字がどの漢字からどのようにできたかということを紹介するが,その後漢字を指導しはじめる際には,もうその共通性に注意を促さない。むしろ,日本語教育では片仮名とひらがなの音の同一性を重視し,そこに学習者の注目を促している。しかし,漢字指導においては,そ
の形の類似点をぜひとも利用すべきだと考える。
漢字指導では,階層的な漢字学習アプローチ「ストローク→片仮名→漢字」を導入する意義があると思われる。そのような考え方に基づく指導法は3つの段階を含んでいる。それは①ストローク②片仮名③漢字の指導の段階である。
①ストロークの書き方を教えるために練習シート及び片仮名文字の構造,筆順をわかりやすく示す表を作成して実際に使った。
②片仮名を「アイウエオ」の順番ではなく,学習者に達成感を与えるために興味のある片仮名語彙,同級生の名前,国と町の名前に入っている仮名方文字を教えた。
③片仮名学習が終ってから漢字を導入する際に漢字は怖くないという考えも導入するため先に片仮名と同じ形をしている漢字を教えることにする(例えば エ,カ,タ,ニ,口)。
さらに片仮名を組み合わせた漢字(例えば 左,江,外,加,多,名,伝)を紹介すると学生は努力せずにいくつかの漢字の形と書き方を既に知っていることに喜んで,漢字に対する恐れが少し減る。最後に連想記憶法に基づいた自作の初級Ⅰ,Ⅱ用の漢字教材『漢字物語』を導入する。
「ストローク→片仮名→漢字」という指導法は効率的であると思われる。
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