文字は本来空間的存在である。日本語の文字は,象形文字・会意文字を含む複数の文字体系を有し,面を基本とした構成を持ち,縦横に書ける,とりわけグラフィック性が強い文字である。そのため,日本では,文字と絵が同じ空間にあっても違和感を感じない。文字のグラフィックな表現は「デザイン理念」と言い換えてもいいかもしれない。Eメディアによって未曾有の文字と絵の混交が,大衆レベルで可能になり,リテラシーそのものの概念の見直しが迫られている今日,文字と絵の親密度の意味するものとその応用範囲は計り知れない。本発表では,日本の文字とアルファベット文字のデザイン面に注目しつつ,ビジュアル・リテラシーについての私見を述べる。
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