日本語には同音語が多く存在する。さらに,それらの同音語に長音や濁音,促音,撥音が付くか付かないかによるだけの違いの類音語も多量に存在する。このような語は特に漢字語彙に多い。日本語教育における漢字教育では発音も注意が必要である。特に学習者に拍(モーラ)の意識が定着していない場合,モーラ音素(長音・促音・撥音)の持続時間が不安定で,類音語との区別がつきにくくなる傾向がある。本研究ではこのようなモーラ音素の有無による類音語を調査し,漢字語彙の発音練習の資料となる類音語の資料を作成した。これはモーラ音素が付くか付かないかによるだけの違いの類音語の組を一覧表にしたものである。調査には『EDR電子化辞書』の「日本語単語辞書」の普通名詞約124,000語を用いた。
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