日本レーザー医学会誌
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13 巻, 1 号
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  • 鈴木 荘太郎
    1992 年 13 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 石田 武之
    1992 年 13 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    光力学的治療効果の向上を目指すために, より効率の良い光感受性物質の研究開発が必要であり, そのために各種光感受性物質の分光学的検索を行なった。現在臨床応用中のPhotofrin IIを基準として, 我が国で合成開発されたヘマトポリフィリンのオリゴマー (HpO; 平均分子量: 3000, 5000, 12000) とPhotofrin I'を蒸留水, 界面活性剤 (cetyltrimethyl ammonium bromide; CTAB) 水溶液および3%入血清アルブミン水溶液に溶解し, 吸収および蛍光スペク下ルと蛍光寿命をそれぞれ測定した。吸収スペクトルの変化から, HpOはPhotofrin IIに比較して会合体を形成し易いと考えられた。これら光感受性物質の各種濃度溶媒中における蛍光減衰曲線の変化から, 2種の蛍光寿命成分の存在が推定された。特に0.1mM CTABミセル溶液では, 短い方の蛍光寿命成分 (平均0.21ns) の比率が80%以上であることから, この溶液系では光感受性物質は80%以上が会合状態をとっているものと考えられた。また, 3%入血清アルブミン水溶液中では, 短い方の寿命成分 (平均0.14ns) 比率が70%以上であったことから, 腫瘍組織内でも光感受性物質分子は会合状態で取り込まれる可能性が推定された。以上より, Photofrin IIより分子量の大きいHpOは, より多く会合状態を形成し, 高い腫瘍組織集積性を示すことが推定された。さらに, 会合状態の光感受性物質から, より大きな光増感効果を示すとの従来の報告に基づくと, HpOはPhotofrin IIよりもより有効な光感受性物質と考えかれた。
  • 光学顕微鏡および電子顕微鏡的研究
    真瀬 智彦, 遠山 稿二郎, 佐藤 勝彦, 井出 千束
    1992 年 13 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    エキシマレーザーの脳神経外科領域への応用の可能性を検討するため, エキシマレーザー (Kr-F: 248nm) 照射後のラット脊髄後索の組織修復について光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて形態学的に観察し, これまで既に臨床応用されているCO2レーザー, Nd: YAGレーザーなとによる照射時の組織変化の報告と比較した。照射後3日目の照射部には, 広い組織間隙が見られ, ここには多くの貧食細胞が観察された。また, 少数ながら星状膠細胞の突起に包まれた無髄軸索も観察された。7日を経過すると, 照射部位の貧食細胞は減少し, 星状膠細胞の突起が組織間隙を埋めるようになり, 多くの新生血管が観察された。これらの新生血管の周囲には, 星状膠細胞の突起に囲まれた多くの無髄軸索も存在していた。14日目には, 神経膠性表層限界膜が修復され, この時期になると照射部位に見られた軸索は, 稀突起膠細胞やシュワン細胞による髄鞘再形成がされていた。28日目, 照射部位およびその周囲には空洞形成は全く認められず, 形態学的には中枢性の神経組織としてほぼ修復された。
    以上のことを総合して考えると, エキシマレーザーは脊髄後索の切開, 切除法として, これまで使用されている他のレーザーと比較し, 空洞形成が的いこと, 照射部への血管の侵入が良いことなど極めて優れていることが明らかとなった。このことはエキシマレーザーは中枢神経系の手術に有用群あることを示唆していると考えられる。
  • 河内 賢二, 土井 信, 長田 一仁, 石丸 新, 古川 欽一
    1992 年 13 巻 1 号 p. 27-35
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    心臓血管外科領域におけるレーザーの応用は1980年代に臨床応用の段階に入った。著者らも1987年よりHottip接触法によるレーザー血管形成術の臨床応用を開始したが, この方法では熱効果を利用して動脈硬化病変を焼灼するため, 正常組織への熱の影響は避けられない。そこで熱発生の少ないパルスレーザーであるHolrnium-YAGレーザーによるレーザー血管形成術を施行し良好な結果を得たので報告する。閉塞性動脈硬化症10例12肢15病変における初期成功率は80%で, Ankle Brachial Pressure Index (API) は平均で0.62から0.84まで改善した。再開通に失敗した3例はすべて完全閉塞例でガイドワイヤー先行によるレーザー照射が不可能な症例に限られた。血管内視鏡は術前後の病変の評価およびレーザー照射部位の決定に有効であった。
  • 小林 正美, 仲里 正孝, 大工園 則雄, 小宮山 真
    1992 年 13 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    光増感色素としてフェオフォーバイドaを用いると, 可視光照射によってプラスミドDNA pBR322が極あて効率よく切断される (Form I→Form II & III) ことを見い出した。まし, フェオフォーバイドaがプラスミドDNAと強く相互作用していることが吸収スペクトル変化より確認された。フェオフォーバイドaに特有な環VのCl32位水素の脱離が光照射によって促進されることから, フエオフォーバイドaがラジカル的に直接DNAを攻撃・切断していると点推定した。
  • 佐藤 信一, 井戸 健一, 礒田 憲夫, 大谷 雅彦, 川本 智章, 大田 由己子, 木村 健
    1992 年 13 巻 1 号 p. 43-51
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    胃癌における光線力学的治療 (PDT) の抗腫瘍効果に及ぼすH2受容体拮抗剤の影響について検討した。
    in vitroにおいては, 株化ラット肝細胞癌 (JTC-16) を用いた。Cimetidine, Ranitidine, Famotidineを各々35μg/mlづつJTC-16細胞4×104/wellに添加し, 24時間後にHematop orphyrin derivative 10μg/ml( HpD) と金蒸気レーザー (GVL, 5mw/cm2, 3min) によるPDTを行った。効果判定における細胞数の測定はMTT法を用いて検討した。
    対照群に比べ, Clmetidine, Ranitidine, 及びFamotidine投与群では, 腫瘍細胞生存率が有意に高く, PDTの抗腫瘍効果の抑制がみられた。
    in vivoにおいて, ヒト胃癌を背部中央に移植したヌードマウスの腹腔内に, Ranitidine 1mg/kg, Famotidine 0.4mg/kgを投与し, HpD 10mg/kgを腹腔内に注入して, 48時間後にGold Vapor Laser; 以下GVL (280mw/cm2, 3min)によってPDTを行った。H2受容体拮抗剤非投与の対照群では, 腫瘍容積は著しく減少したが, Ranitidine, Famotidineの投与群では, むしろ腫瘍容積の僅かな増大がみられた。
    以上より, H2受容体拮抗剤には, 胃癌に対するPDTの抗腫瘍効果を減弱させる作用があると推測された。
  • 三浦 学
    1992 年 13 巻 1 号 p. 53-64
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    我々は1.O6μm (連続発振型, 以下1.06cw YAG) をPercutaneous Transluminal Laser Angioplasty (PTLA) に使用しているが, 1.6μm (Q-スイッチパルス型, パルス幅約500ns, 以下1.06 Qsw YAG) および1.32μm (連続発振型, 以下1.32cw YAG) のレーザーもPTLAに使用可能である。これら三種のレーザーの正常および石灰化を伴う動脈硬化壁に対する焼灼効果の比較をcoreの直径が0,4mmの石英ファイバーを用いて行った。37.0℃の生食中で正常および動脈硬化壁に圧迫法で三種のレーザーを照射し, 生じたholeのサイズの計測および貫通部周囲 (照射部より1mm離れた位置) の温度測定を行った。また25℃の空気中での震通時間と貫通部 (レーザーの照射方向と対向する位置) の温度測定を行った。実験の結果、生食中での貫通部周囲の最高温度Tmaxは41.4-62.0℃. 空気中での貫通部近傍のTmaxは72.5-103.0℃であり, 組織の蒸散可能な温度と比較し低く, レーザーの焼灼・蒸散効果は極めて限局していることが明らかになった。またレーザーの焼灼効果は1.32cw YAG. 1.06cw YAG. 1.06Qsw YAG (10kHz, パルス幅約500ns), 1.06Qsw YAG (5kHz, パルス幅約500ns)の順に強く, 1.32cw YAGは1.8mmの石灰化層を持つ厚さ2mmの動脈硬化壁にも焼灼・貫遍できた。1.32cw YAG (圧迫法) を応用することにより, 高度の石灰化を伴う閉塞性動脈硬化症に対するより良い治療効果の得られることが期待される。
  • 1992 年 13 巻 1 号 p. 65-68
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 13 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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