Ga-Al-As半導体レーザーは近年除痛の目的で用いられることが多くなってきた.しかし, その作用機序については未だ不明な点が多い.そこで我々は, 培養三叉神経節を用いて神経線維の伸長に対するレーザー照射の影響について検討した.三叉神経節はステージ50から53のアフリカツメガエルから摘出し5日間培養した後使用した。
レーザー照射は, 連続波のGa-Al-As半導体レーザーを30分間三叉神経節上に照射した。その結果、照射直後より神経線維成長円錐部の縮小及び伸長の停止がみられた。また, いくつかの神経線維の消失も認められた。しかし照射7時間後には再び伸長を開始し始める神経線維も確認された。また培養単離神経細胞においても同様の結果が得られた。3時間あたりの神経線維の伸長は, レーザー照射群では-2.37μm, コントロール群では39.82μmであった。上述のようなレーザーの神経線維伸長に対する抑制効果がレーザーによる除痛のメカニズムの一端を担っているのかも知れない。
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