日本レーザー医学会誌
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15 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 橋本 康男, 阪田 功将
    1994 年 15 巻 4 号 p. 1-7
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    ヌードマウス移植可人食道癌(扁平上皮癌)(Es4)に対するエキシマ色素レーザーと新しい腫瘍集積性光増感剤ATX-S10による光力学的治療の効果を検討した。ヌードマウスの皮下に入食道癌細胞(Es4株)を移植し、5週間後に腫瘍の直径が7mmに達したとき,25mg/kgのATX-S10を腹腔内に注射し,波長670nm.4,0mJ/pulse,40Hzのエキシマ色素レーザーを5分間,又は10分間腫瘤に照射し。48時間後に各群の半数のマウスを屠殺し腫瘍の病理標本を作成し、更に残りの半数のマウスに関しては照射後7日間腫瘤消失の有無を観察した。ATX-S10投与とエキシマ色素レーザー5分間及び10分間照射群の半数のマウスの48時閤後の病理組織所見では出血を伴った腫傷梱胞壊死が著明で傷害されていない腫瘍細胞は見られず,7日後には残り単数のマウスの腫瘤は全例消失した。
  • 上浦 祥司, 佐治 文隆
    1994 年 15 巻 4 号 p. 9-16
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    レーザーを用いた腹腔鏡下手術は,侵襲が少なく術後の癒着形成も少ないことから,妊孕性温存を図る婦人科手術には最も適した手術法である。本稿では各種レーザーの特性を比較し,婦人科手術の中でも特に腹腔鏡下手術のメリットが大きいと考えられる子富外妊娠手術及び多嚢胞卵巣症候群に対する卵巣蒸散についてKTPレーザー及びCO2レーザーを用いた当科での症例も交えてその有効性を検討した。
  • 穂垣 正暢
    1994 年 15 巻 4 号 p. 17-19
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    婦人科領域でも腹腔鏡手術の急速な普及は目覚ましいものがある。その背景には,術後癒着が少なく予後良好,入院期間の短縮,社会復帰の早さが理解され,さらに,テレビカメラによる鮮明な術中画像によって,在来の基本的な外科手術の手技が,CCDカメラ,光ファイバー,レーザー,マイクロマシン,高速画像処理など多彩な高度技術と結合して可能になったことが周知されたからである。しかし,一方で公正な医学情報とくに副作用の公表,在来術式との比較成績など,社会的な貴任も重く,専門医の教育.養成.技術開発など今後の課題が山積している。
  • 戸沢 秀夫, 深谷 孝夫
    1994 年 15 巻 4 号 p. 21-24
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    われわれは1990年より腹腔鏡手術にレーザーを応用している。この項では卵巣嚢腫の手術について解説する。腹腔鏡手術の適応となるのは画像診断(CT,MRI,超音波断層)や生化学検査(腫瘍マーカーなど)を含む術前検査により診断された良性の卵巣嚢腫である。手術は通常3・4箇所の腹壁穿刺で行われる。基本術式は卵巣嚢腫核出術と付属器切除術である。前者は嚢腫内容を穿刺吸引後,レーザーで卵巣被膜を切開し、鉗子を用いて被膜から嚢腫壁を剥離摘出する。剥離面からの出血に対しレーザーによる凝固は有効な止血法である。剥離後の卵巣被膜はフィブリンのりを用いて形成する。後者にはいくつかの方法があり,嚢腫茎をループ結紮糸で結紮して切断する方法やEndo GIAを用いる方法を主に用いているが,他にバイポーラー鉗子で血管・靭帯を凝固したうえで,その箇所をレーザーで切断して卵巣を切除する方法もある。現在使用しているのはKTP/YAGレーザーで,2種類のレーザーを切開・凝固で使い分けることにより手術操作は簡略化され安全確実となる。今後その適用は拡大していくものと思われる。
  • 堤 治, 武谷 雄二
    1994 年 15 巻 4 号 p. 25-29
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡下手術は開腹を回避し患者への侵襲が少なく嬬人科治療においても有用性が大で多くの婦人科疾患へ適応される。特にレーザーの応用は癒着剥離等が多い婦人科手術においては不可欠なものとなっている。子宮内膜症治療においては腹腔病変の燒灼, チョコレート嚢腫の核出術, 根治術の子宮全摘術ともに応用され, 開腹手術と比較して単に開腹を回避するだけでなく出血量を減少させる等の点からも良好な成績を挙げている。
  • 脇田 邦夫, 後 賢, 山本 宏実, 岩永 久美, 蔵本 博行, 西島 正博
    1994 年 15 巻 4 号 p. 31-37
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    婦人科良性病変計70例に対し, 腹腔鏡下で治療を施行した。使用機器は, レーザー (Nd: YAG, KTP/YAG, Ho: YAG), 高周波電気メス (モノポーラー, バイポーラー, Argon beam coagulator), 超音波切開/凝固システム (Harmonic scalpel) だった。卵巣腫瘍には, 内容吸引洗滌, エタノール固定, 内腔焼灼術, 切除術, 核出術, または付属器切除術を施行した。癒着は, 剥離術を行い, 可能な限り仙骨子筥靭帯切断術を施行した。また, 癒着を伴った子宮筋腫などには, LAVH (Laparoscopically Assisted Vaginal Hysterectomy) を行った。
    治療成績では, 月経痛の改善で, 治療前の50%以上改善したものが43例中29例, 67.4%, さらに消失したものが8例, 18.6%と良好だった。卵巣腫瘍では, 術後再腫大したものがチョコレート嚢胞で20例中11例, 55.0%, 嚢腫で6例中1例 (傍卵巣嚢腫), 14.3%に認められた。これらの大部分は内容吸引洗滌したものだった。LAVHを施行した7例は, 全て術後の経過は良好だった。
    本法は, 副作用は軽微で治療効果も高く, 保存療法として極めて有用と思われた。
  • 小島 謙二, 杉並 洋
    1994 年 15 巻 4 号 p. 39-45
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    産婦人科領域ではレーザーは主として腹腔鏡手術においてよく利用されている。手術が腹水の貯留した閉鎖空間で行われるという特殊性ゆえに, チップ冷却装置を必要とせず水による減衰が少ないという特性が導入するレーザーに求められる。われわれはKTPレーザーを用いているが, 腹腔鏡下子筥内膜症手術, 子宮外妊娠手術, 癒着剥離術などに非常に有用である。KTPレーザーは腹腔鏡手術以外の臨床応用が可能であり, われわれは膣式子宮全摘術などに利用している。われわれがKTPレーザーを用いて行っている嬬人科手術について簡単にその方法を述べ, KTPレーザーの利点および欠点について考察し, 最後に簡単な治療成績を紹介した。
  • 1994 年 15 巻 4 号 p. 47-51
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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