日本レーザー医学会誌
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16 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 石井 彌
    1995 年 16 巻 4 号 p. 1-5
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    著者らは. 1975年 (昭和50年) から炭酸ガスレーザーの臨床応用に関する研究をかさねてきた。さらに著者は, 外来で肛門外科手術を行う目的のために, 1982年からコンパクトタイプの炭酸ガスレーザーを医療機器の一つとして導入し, 以後13年間にわたって内痔核, 痔瘻, 仙骨部嚢種, その他の疾患を含めて2,154例を外科で治療してきた。炭酸ガスレーザーは, ある程度の経験をっめば, レーザーのフォーカス位置を変えることにより切開・止血・凝固を自在に使い分けることが出来るようになり, 安全確実な手術が短時間のうちにおこなえる。術後不良肉芽の形成, 機能障害を呈したものはなく. また10年後の手術瘢痕もきわめて満足すべきものであった。著者の経験したこれらの臨床成績からみて, 肛門部疾患の大部分のものに対しては, 炭酸ガスレーザーによる外科手術が日帰りで可能であると考えられた。
  • 岡崎 辰也
    1995 年 16 巻 4 号 p. 7-15
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    黄色ブドウ球菌をはじめとするブドウ球菌, 大腸菌, 緑膿菌や他の細菌についてのレーザーによる殺菌効果に関する報告はいくらかみられるが, レーザーによる殺菌効果のメカニズムに関しては明らかではない。本実験において著者は, アルゴンレーザーによる殺菌効果のメカニズムについて次のような方法を用いて調べた。
    a. アルゴンレーザーによる殺菌効果について増殖阻止域の形成の有無を観察することにより調べた。
    b. MRSAをはじあとする5種類の細菌に対してレーザーを照射し, 殺菌に有効な照射出力と照射時間との関係を調べた。
    c. レーザー照射後のMRSAの形態学的変化について透過型電子顕微鏡を用いて観察した。その対照として, レーザー非照射菌, 紫外線を照射した細菌, 熱処理した細菌もあわせて観察した。
    d. アクリジンオレンジにより細菌を染色し, レーザー照射群と非照射群との間の蛍光性の違いを蛍光顕微鏡を用いて観察した。
    e. レーザー照射後のMRSAのDNA変化をアガロースゲル電気泳動を用いて観察した。
    以上の実験より
    a. アルゴンレーザーによりすべての細菌について増殖阻止域の形成を認めた。
    b. 照射出力と照射時間とを変化させたところ殺菌効果の出現と照射出力との間には深い関係があり, また緑膿菌では他の細菌と比べてアルゴンレーザーにより殺菌され易かった。
    c. アルゴンレーザー照射後, 細菌の細胞質および核様体付近では電子密度が上昇していた。その変化は細菌を熱処理したものと非常に類似していた。
    d. レーザー照射前後で細菌のアクリジンオレンジの蛍光性に変化はなかった。
    e. レーザー照射前後で電気泳動上, 細菌のDNAのバンドパターンに変化はなかった。
    以上よりアルゴンレーザーによるMRSAに対する殺菌効果は, 光化学的作用よりも熱作用が主体であると考えられ. またアルゴンレーザーは細菌のDNAのバンドパターンには直接影響を及ぼさないことがわかった。
  • 藤正 巖
    1995 年 16 巻 4 号 p. 17-21
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    医学は光技術と共に発達してきた。光技術の歴史は, 20世紀の後半になって, 3世紀ぶりの新しい光学の技術の登場により-変することになった。ルビーレーザーが発明され, 量子光学が始まったのは1960年代で, 医学では. 主にエネルギーとしてのレーザー利用が盛んだった。最近では, 生物細胞の光感受性の利用により波長依存性の利用が漸く盛んとなってきたが, これに加えて導光路としての光ファイバーの技術や, 光情報処理の技術, さらには光子計測のような極微弱光計測の技術や超高速光計測が加わり, さらには光を加工プローブとして取り扱う技術も登場し始めている。どの技術もそのキーワードはレーザー技術であり, さらに光技術のみで完成する技術ではなく, 光と電子の複合化された領域を作り出している。このような技術の主な対象は, 主に生物が持つ微小機構やその機能の計測・解析と操作で, それは丁度, 医学の微小技術指向と低侵襲性に見事に適合している。この小特集では, 微小機構とその機能を対象とするレーザー技術を取り上げることとしよう。レーザー共焦点顕微鏡と, レーザーピンセットの技術は, それぞれ専門家に解説を依頼し, その他の微小機構関連の技術の現状と未来像を眺めてみることとしよう。生物の機構は微小な要素から成り立っているから, 人工物をそれに対応させるには微小機構の造形技術も重要になる。小さな部分から全体を構成しようという考えは, どこか生物のセルフアセンブルの仕組みにつながることがあり, マイクロマシンを初めとして, 微小な物体の加工についても書及することとしよう。
  • 松浦 弘幸
    1995 年 16 巻 4 号 p. 23-32
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    Ashkinにより開発されたレーザーマニュピュレーション技術は, マイクロマシン・マイクロ化学の領域, さらにDNAや細胞の操作, 細胞融合, 筋肉の分子の生み出す力の測定等に応用されている。レーザー補足の原理は, 光の屈折の際の光子の運動量変化を利用している。この時, 発生する力の大きさは, pN (ピコニュートン) のオーダーであり. マイクロメータ寸法の物体に作用する力の大きさに匹敵している。また. 最近, この技術は, 筋収縮のメカニズムの解明に, 大きく貢献している。
  • 岡 浩太郎, 谷下 一夫
    1995 年 16 巻 4 号 p. 33-39
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    レーザー共焦点顕微鏡法(CLSM)は生物医学分野で広く使われるようになってきている。ここでは, 主に著者達が行った仕事を中心に, 細胞または生体組織での物質輸送へのCLSMの応用について述べる。まず簡単にCLSMの原理を説明し, それからCLSMで利用できる色素について簡単に触れる。次に実際の例として, 血管内皮細胞への生体高分子取り込みとミミズ巨大軸索でのカルシウムイオン動員メカニズムについての著者達の研究について述べる。また将来的なCLSMの物質輸送への適用方法についても示す。
  • 1995 年 16 巻 4 号 p. 41-48
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 16 巻 4 号 p. 49-51
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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