アトピー性皮膚炎を通常の対症療法に加え睡眠, 糖分の減量, アルコール等のライフスタイルおよび低出力レーザー療法にて治療した. GaAlAs 半導体を使った出力1000mW, 波長830nmのレーザー光を出す半導体レーザー照射装置 (Mochida LUKETRON Medilaser soft Matsusita Osaka) を使用した. 照射方法は頚部の星状神経節近傍に片側1分で両側に計2分間照射 (SG-LLLT) した. 照射は原則として1日1回とし, 週1~2回の頻度で実施した. 症状の観察項目は?痒, 紅斑, 乾燥および総合的に見た症状である総合的症状の4項目とし, 評価方法は初診時を10, 症状のない状態あるいは理想的な状態を0とし, その時の症状を患者自身が判断し数値化した, その結果, スコアが5点以上低下した改善症例は?痒が100例中75例 (75%), 紅斑が96例中71例(74%), 乾燥が89例中47例 (52.8%) および総合的症状が101例中72例 (71.3%) であった. 睡眠と各々の皮膚症状との関係は SG-LLLT 後5≧に改善した症例数で
X2 乗検定にて検討した. その結果, 睡眠の改善が5≧の症例数はそれぞれの症状が5≧の症例数と比較すると, ?痒 (p<0.0005), 紅斑 (p<0.00001), 乾燥 (p<0.001) および総合的症状 (p<0.000001) できわめて有意な一致をみた. SG-LLLT の照射日数 (n) と睡眠との関係は睡眠の改善が5≧の症例数は1<, 2<, 3<, 4< および5< の症例数に比べそれぞれ1≧(p<0..05), 2≧(p<0.05), 3≧(p<0.01), 4≧(p<0.01) および5≧(p<0.05) で有意に少なく, 睡眠の改善には SG-LLLT が5日以上が望ましいと考えた.
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