再生医療において治療前診断,再生組織の品質管理,術中モニター,術後経過観察を一貫して評価できる非侵襲的評価・計測技術は必要不可欠な技術要素である.我々は非侵襲的力学特性評価法である光音響法を提案し,生体ファントムを用いて,光音響波の緩和時間が伝搬する組織固有の粘性と弾性の比に一致することを示した.今回,我々は光音響法がレーザーを導光する光ファイバーと高分子圧電素子からなる音響波のセンサーを同軸に配置した
in vivoでも使用可能な反射型プローブを開発した.また,組織工学的手法を用いて作製した再生軟骨を対象にした光音響法実験では,培養期間の変化に伴う細胞外マトリックスの構築を反映した粘弾性特性を評価可能であった.関節軟骨全層欠損モデルに対する軟骨再生医療施行時の光音響法実験では,本法が
in vitroでも
in vivoでも有効に測定できる方法であることが実証でき,再生医療の評価法として有用な候補の一つであることが示された.
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