昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
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47 巻 , 5 号
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  • 小堀 正雄
    1987 年 47 巻 5 号 p. 617-620
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 笠原 多嘉子, 大槻 彰, 坂本 浩二
    1987 年 47 巻 5 号 p. 621-627
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 副島 和彦, 神田 実喜男
    1987 年 47 巻 5 号 p. 629-632
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 三浦 宜彦
    1987 年 47 巻 5 号 p. 633-648
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    本研究は, 老人保健法に基づく健康診査の対象者の把握が, 疫学的研究および健康診査の評価等にきわめて重要であることに鑑みて, すでに調査し推計式を提案した研究調査に新たな調査結果を加えて, 推計式の改良とその信頼性について検討したものである.全国の4県7市町において実施した住民調査の結果をもとに, 回帰分析を用いて推計式を考案・改良した.それを実際に某県下の15市町村において応用し, その信頼性を区間推定によって確かめた.老人保健法では健康診査の対象者を40歳以上の男女 (子宮がん検診は30歳以上) とし, その中から職場等でこれらに相当する検診を受けられる本人および家族を原則として除くこととしている.そこで, 最初に本人および家族として職場等の検診を受けられる者を検診事業別・性別・年齢階級別・医療保険 (国保とその他) 別等に検討し, 検診事業問, 男女間, 医療保険問および年齢階級間で検診対象者率に差があることを示した.これを基礎として, 年齢階級別人口および国保加入数から, 人口構成をも考慮して推計できる下記の検診事業別・性別検診対象者数推計式を考案した.
    T=Σ {K (A+BK/P) + (P-K) (A'+B'K/P) }
    ただし, K: 年齢階級別国保加入数
    P: 年齢階級別人口
    A, B, A', B': 定数
    次に, この式の誤差は区間推定により95%の確率をもって, 一般診査では男0.2±11.3%, 女0.5±9.1%, 胃がん検診では男0.3±13.5%, 女0.1±6.8%, 子宮がん検診では-0.1±7.2%の中にあることを示した.さらに, 現に医療を受けている者を除く場合は前記の式に (1-地域の有病率) を乗ずることによって推計できる式を考案した.この推計式の応用として, 某県下の15市町村のデータをもとに, かりにその有病率に全国値を用いての推計を試みた結果, 対象者の推計には地域の有病率の差異が反映するとはいえ, おおむね正確なものであることを証明した.これらの推計式は容易に入手できる国保加入数を, また医療中の者を除く場合にはそれと有病率を, 用いることにより, 各市町村の人口構成を補正しつつ算出でき, その誤差も約10%以内に収まることから有効な推計法であり, 疫学者研究および健康診査の評価等に役立つものである.
  • 丸茂 健治, 青木 良雄
    1987 年 47 巻 5 号 p. 649-657
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    臨床細菌同定におけるgas-liquid chromatographyの応用を広範囲にするために, 抗酸菌の同定法であるTisdallらの方法 (J.Clin. Microbiol., 10: 506, 1979) のmodificationを行なった.本実験で使用した菌種はMoraxella catarrhalisATCC 25238である.本菌は日和見感染症を起こすことで現在よく知られている.本菌の全細胞脂肪酸をgas-liquid chromatographyで分析するには, 菌量が湿菌量で約30mg, 乾燥重量で約6mg必要であった.ケン化時間は70℃で30分から5分に短縮し, メチルエステル化は50%三弗化ホウ素メタノール錯塩液で70℃, 5分行い, クロロホルム: ヘキサン (1: 4) 混合液で1回だけ抽出した.一方, 培養条件の実験結果は次の通りであった.Trypticase soy寒天培地および6%ウマ血液加寒天培地を用い, 好気的に培養したところ, 培養温度35℃と30℃とでは細胞脂肪酸成分にt検定 (P<0.01) で有意差があった.しかし, 18-24時間の培養時間ではそれらにほとんど有意差がなかった.また, trypticase soy, Mueller Hinton, heart infusion, brain heart infusion寒天培地, さらにそれらの6%ウマ血液加寒天培地およびchocolate寒天培地を用い, 好気的あるいは5-10%炭酸ガス下で30℃および35℃, 20時間培養したものを比較したところ, 脂肪酸成分, 特にC10: 0, C16: 0, C16: 1, C17: 1, C18: 1に有意差があった.この簡易法による前処理の所要時間は1検体で約1時間, 6検体で約2時間であった.したがって, 臨床検査室での臨床細菌同定に著者らの方法はgas-liquid chromatographyの応用を実用的にする上で有用であることが本実験で示唆された.
  • 丸茂 健治, 青木 良雄
    1987 年 47 巻 5 号 p. 659-664
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    Moraxella catarrhalisは呼吸気道, 特に鼻腔内に常在している正常細菌叢の一員であり, 時々日和見感染症として, 慢性呼吸器感染症, 中耳炎, 細菌性髄膜炎などを起こす.この菌を他の類似菌と区別するため, 前報で報告した筆者らの前処理法に従い, gas-liquid chromatographyを利用した同定検査法の検討を試みた.その結果, M. catarrhalisATCC 25238と類似菌 (Neisseria gonorrhoeaeIID 828, N. meningitidisIID 850, 851, 852, 853, N. perflavaIID 856, N. srrbfiavaIID 857, Gemella hemolysansATCC 10379, Acinetobacter anitratrrsATCC 15308, M, lacunata ATCC 17967) に関する細胞脂肪酸プロフィールは異ったパターンとなり, 視覚的に判別できた.さらに, 臨床分離株を加えた各細菌の脂肪酸成分と比較するために, 相対面積百分率および共通ピーク比 (ほとんどの臨床細菌に存在する脂肪酸16: 0に対する各脂肪酸成分比) で表わしたところ, M. catarrhalisは脂肪酸18: 1が類似菌と比べて最も多く含まれており, 特徴的な成分であることが定量的にもわかった.これらの成績を基にして, 多変量解析法の一つである判別分析法 (discriminantanalysis) によってM. catarrlaalis (n=22) , Neisseria属 (n=21) , Acinetobacter, 属 (n=11) の3群間の判別を行ったところ, 判別は容易であった.このことはgas-liquid chromatographyとpersonal computerの連動による自動システムが細菌検査室での同定にかなり有力な方法であることを強調できる成績であった.また, M. catarrhalisの同定検査法については本菌が染色によりグラム陰性双球菌であり, 他のsubgenus.Branhamellaと区別する為に非溶血性であることを確かめてから, gas-liquid chromatographyによる同定を行うことが必要であった.
  • 岡崎 雅子, 坂本 浩二, 柿本 雅範, 広瀬 由美, 高杉 直之, 不破 亨
    1987 年 47 巻 5 号 p. 665-668
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    加熱処理した田七を30%エタノールで抽出し, 凍結乾燥して得られたエキス (HK302) を用いて経口投与による抗炎症作用を検討した.カラゲニン足蹠浮腫では, HK302の500, 2000mg/kgで抑制の傾向が認められたが用量依存性は認められなかった.毛細血管透過性については, 同用量のHK302で抑制作用は認められなかった.対照薬として用いたIndomethacin 30mg/kg経口投与では, 両者共著明な抑制作用が認められた.以上の結果から, 経口投与によるHK302の抗炎症作用は, ほとんど無いか, あってもきわめて弱い作用であると推察された.
  • 中山 貞男, 坂本 浩二, 今田 修, 兼澤 敦, 隈岡 功, 中川 静紀, 不破 亨
    1987 年 47 巻 5 号 p. 669-676
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    田七エキス (HK302) の脂質代謝に及ぼす影響を調べる目的で, 6週齢の雄性Wistar系ラットに, 高コレステロール飼料 (HCD) 飼育下, HK302の200および1000mg/kgを30日間経口投与した.その結果, 血清脂質については, β-リポ蛋自 (β-Lipo) , 中性脂肪 (TG) , 総脂質 (TL) , 総コレステロール (TCH) , リン脂質 (PL) および遊離脂肪酸 (FFA) の抑制または抑制傾向と高比重リボ蛋白 (HDL) の増加傾向がそれぞれ認められ, 結果的に動脈硬化指数 (AI) の低下もみられた.比較対照薬として用いたclo丘brate (CF) では, 特にFFA, TCHおよびTLの抑制または抑制傾向, β-Lipoの増加がそれぞれ認められた.一方, 肝脂質については, TGがHK302投与群において抑制傾向にあったが, CF投与群では著しく抑制した.肝TCHの変動はいずれの薬物投与群にも認められなかった.以上のように, HK302に脂質代謝改善作用のあることは明らかであるが, その作用機序はCFと異なり, 主として腸管における脂質の吸収阻害に基づくものと考えられる.また, 実験成績から考え, HK302の作用が薬用人参のそれと類似するものであることが示唆された.
  • 田中 正明, 五十嵐 治, 久光 正, 武重 千冬
    1987 年 47 巻 5 号 p. 677-683
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    経穴でない部 (非経穴) を経穴を刺激する時と同じ条件で刺激しても鎮痛は出現しないが, 鎮痛抑制系の視床正中中心核外側部 (L-CM) や視床下部後部の一部 (I-PH) を破壊すると, 非経穴の刺激で鎮痛が出現する.同様の鎮痛はD-phenylalanine (DPA) を投与した後にも現われる.鎮痛抑制系は, 非経穴の刺激で鎮痛を発現する経路の一部にあたる中脳中心灰白質外側部 (LPAG) でこの経路に抑制をかけているが, DPAは鎮痛抑制系を直接抑制するのか, 鎮痛抑制系がL.PAGで抑制作用を現わす伝達物質に拮抗するのかは明らかでない.ラットの尾逃避反応を痛覚閾として, L-CM, I-PH, L-PAGにカニューレを挿入し, DPAを微量作用し, この問題に検討を加えた.DPAの84μ9をL-CMやI-PHに適用すると, 非経穴部の刺激で鎮痛が出現したが, L-PAGへの適用では鎮痛は出現しなかった.Cholecystokininの拮抗剤のproglumideは, モルヒネ鎮痛を増大すると報じられているが, この増大はproglumideが鎮痛抑制系を抑制して出現する可能性が考えられる.Proglumide 20μ9/kgを腹腔内投与すると, 非経穴部の刺激による鎮痛が出現した.DPAと同じ様にL-CM, 1-PHにproglumideを微量 (5~8ng) 適用すると, 非経穴部の刺激による鎮痛が出現したが, L-PAGへの適用では鎮痛は出現しなかった.以上の結果から, DPAやproglumideは直接鎮痛抑制系に抑制を加えて非経穴部の鎮痛を発現し, L-PAGで鎮痛抑制系の伝達物質に拮抗して鎮痛を発現するのではないことが明らかとなった.したがって, cholecystokininは鎮痛抑制系における伝達物質となる可能性が示唆された.DPAとcholecystokininとの関係はまだ明らかではない.
  • 杉山 喜彦, 光谷 俊幸, 塩川 章, 九島 巳樹, 斉藤 司, 大塚 敏彦, 広本 浄子, 鈴木 孝
    1987 年 47 巻 5 号 p. 685-688
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    日常の病理組織学的な検査方法では時にHodgkin病のMixed Cellularity type (Ho-MC) とImmunoblastic Lymphadenopathy (IBL) とは鑑別がむずかしい.今回われわれはHo-MC 14例とIBL 8例とのリンパ球におけるATPase活性をそれぞれのリンパ節スタンフ.標本を用いて比較した.個々の症例によっては極端なATPase活性の差異がみられたが, 二つの疾患群として比較した場合ATPase-positive cellの平均値はHo-MCが45.71%, IBLは52.25%とあまり差は認められなかった.この結果はIBLがPlasma cell seriesの増加を来す疾患でありHo-MCと比較した場合にかなりATPaseが上昇していると思われた当初の予想に反するものであった.リンパ節疾患の組織学的鑑別には単なる酵素化学的検索にとどまらず臨床所見や検査結果等による総合的判定が症例に応じて必要であることを忠告している現象であった.酵素細胞学的なリンパ球および形質細胞の反応が病理組織学的診断の補助手段として有用であることをわれわれは今まで悪性リンパ腫その他のリンパ節疾患について報告してきた.今回は口常の検索法では組織像の鑑別が時に困難であるHodgkin病のMixed Cellularity (Ho-MC) とImmunoblastic Lymphadenopathy (IBL) との二疾患についてATPase活性の相違を比較した.若干の知見を得たのでここに報告する.
  • 杉山 喜彦, 光谷 俊幸, 塩川 章, 九島 巳樹, 斉藤 司, 大塚 敏彦, 広本 浄子, 鈴木 孝
    1987 年 47 巻 5 号 p. 689-692
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    18例のHodgkin病におけるAdenosine-Triphosphatase (ATPase) およびAlpha-Naphthyl-Acetate-Esterase (ANAE) 活性をリンパ節スタンフ.標本を用いて検索した.以前に報告したBcelltypeのChronic lymphocytic leukemia (CLL) と異りATPaseとANAE活性とは逆相関を示さず, 症例により両染色の活性はまちまちであった.検索対象となった症例のほとんどがMixed Cellularityであり小リンパ球, Hodgkin細胞およびReed-Sternberg細胞ともいずれも症例の違いに伴い活性の強弱が認められた.最近のいちじるしい免疫学の進歩にかかわらずHodgkin病は依然として細胞起源の不明な悪性リンパ腫といえる.
  • 西片 光, 足立 満, 清水 慶一, 野田 雅行, 小林 英樹, 飯島 正之, 国分 二三男, 丸山 繁, 水野 雅夫, 美田 俊一, 岡田 ...
    1987 年 47 巻 5 号 p. 693-698
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    気管支喘息における最も重要な病態は気道の反応性充進であると考えられている.現在その測定方法には種々のものがあるが, いずれの方法においても所要時間, 経費, 安全性などの点で一長一短がある.今回われわれは喘息患者に超音波ネブライザーを用いて蒸留水を吸入させ, 前後のFVC, FEV1.0, PFRなどの変化により気道過敏性を検索し, その有用性を検討した.当科通院中の気管支喘息患者22名 (年齢17~58歳, 男性10名, 女性12名) および正常人男子11名 (年齢25~35歳) に対し超音波ネブライザー (AcomaEM12) を用い, 0.9%生理食塩水15mlを5分間吸入させ, その後注射用蒸留水15mlを5分間吸入させた.検査前, 生理食塩水吸入後, 蒸留水吸入後にチェスト社製オートスパイラ498を用いFVC, FEV1.0, PFR, V50, V25を測定しその変化を観察した.またチェスト社製アストグラフを用い, メサコリンに対する気道過敏性の指標としてdoseminimum (Dmin) を算定した.気管支喘息患者群では前値と比較し蒸留水吸入後の肺機能の各指標は有意に低下した.喘息群におけるFEV1.0の%Fa11は平均32.4%だった.また生理食塩水の吸入前および後の肺機能は, FVC, FEV1.0, PFR, V50, V25のいずれにおいても有意な低下を認めなかった.正常人では生理食塩水, 蒸留水のいずれの吸入後においても, 肺機能の変化は認められなかった.メサコリンを用いたアストグラフによる気道過敏性の指標であるDminと蒸留水吸入によるFEV1.0の%Fa11との関係は, 気管支喘息患者群において, メサコリンに対する気道過敏性 (D min) が高くなるほどFEV1.0の%Fallも大きくなる傾向を認めたが有意ではなかった.気管支喘息における気道過敏性を検出する方法として, 超音波ネブライザーを用いて蒸留水を吸入させると, 喘息患者では肺機能の有意な低下を認めたが正常人では全く反応しなかった.本法は簡便かつ安全に行える定性的気道過敏性検出法として有用であると考えられた.
  • 伊藤 純治, 呉 中立, 三丸 修, 芳田 敬子, 猪口 清一郎
    1987 年 47 巻 5 号 p. 699-705
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    骨格筋の機能解剖学的研究の一環としてヒトの腰方形筋の筋線維構成を検索し, 他の骨格筋と比較した.材料は本学学生実習に用いた10%ホルマリン固定の成人の腰方形筋13例 (男性7例, 46歳から74歳, 女性6例, 57歳から94歳) である.各筋は剖山後, 重量を測定し, 組織標本作製のためにセロイジン包理, H・E染色を施した.それらの組織標本より当教室が従来行ってきた方法で, 筋の横断面積, 筋線維総数, 1mm2中の筋線維数, 筋線維の太さ, 密度および筋線維総断面積を計測, 算出し, これらの成績を他の骨格筋と比較検討した.結果は次の通りである.筋重量は平均で男性23.9g, 女性9.6gで, 男性は全例が女性よりもまさり, 女性の約2.5倍であった.筋腹の横断面積は平均で男性244.3mm2, 女性101.2mm2で, 筋重量と同様男性は女性の約2.5倍であった.筋線維総数は平均で男性182, 970, 女性57, 636で, 男性は女性の約3倍であった.筋線維の太さは男性945.2~1346.6μm2に対して, 女性では一般に936.0~1179.3μm2で, 1例のみ2222.7μm2であり, 性差はみられなかった.そのヒストグラムでは頂点25%以上の高い正規分布型を示すものはすべて60歳以上の筋線維小の例であった.1mm2中の筋線維数は平均で男性752, 女性578で, 男性が女性よりも多く, 筋線維の密度は男性85.1%, 女性68.9%で, 女性は男性に比べてやや粗であった.筋線維総断面積は男性207.3mm2, 女性69.8mm2で, 約3倍の性差があった.以上の結果より, ヒトの腰方形筋は筋線維構成で, 男女の差が著しく年齢的に60歳代から明かな退縮が認められたが, 女性ではさらにその前からの退縮があることが考えられ, 老年期の退縮は個体差が著しいことが考えられた.
  • 田代 善久
    1987 年 47 巻 5 号 p. 707-722
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    足関節果部骨折の固定法には種々の方法があるが, 強固な固定で早期可動訓練が可能なものでなければならない.そこで骨折型別に最良の固定法を見い出すことを目的として, 2次元光弾性実験並びに自由体法解析により, 各種固定法の生体力学的検討を行った.方法: 実験モデルは正常成人下肢骨標本の正面X線像をトレースした原図を元に厚さ6mmのエポキシ板 (E=240.3kg/mm2, α=0.979mm/kg) で作製し, 骨折線に沿って糸鋸にて切断し, 各モデルに対応した固定法を施行した.骨析線・固定法および荷重方法: 内果: 1) 距腿関節裂隙レベル以下の横骨析を (1) K-鋼線固定, (2) K-鋼線固定+Zuggurtung, (3) 螺子固定を施行し, 外転荷重を行った.2) 下関節面内側の“肩”部より斜上方に走る斜骨折を螺子斜位固定し, 内転荷重を行った.3) 下関節面内側の“肩”部より垂直に走る垂直骨折を螺子横位固定し, 内転荷重を行った.外果: 1) 距腿関節裂隙レベル以下の横骨折をK-鋼線固定+Zuggurtungし, 内転荷重を行った.2) 脛腓結合部以上の斜骨折を (1) Plate固定, (2) 螺子2本固定を施行し, 内転および外転荷重を行った.両果: 内果は距腿関節裂隙レベル以下の横骨折をK-鋼線固定+Zuggurtungし, 外果は脛腓結合部以上の斜骨折をPlate固定し, 内転および外転荷重を行った.解析方法: 2次元光弾性実験の等色線写真および等傾線より周辺応力分布・骨折面応力分布および主応力線を作成し, 各モデルとControlのこれらの比較から, 各種固定法の安定性と骨折面の圧迫力の分布を調べるとともに, 主応力線から得られた骨片に作用する力の方向から骨片に作用する力の関係を自由体法でベクトル的に解析した.結果: 1) 内果横骨折のK-鋼線固定では, わずかな外転荷重で骨折部に離開を生じ, 固定性は不良であった.これにZuggurtungを加えると固定性は非常に良好となり, 骨折面の圧迫力は全面に作用しその値は関節面に向かって大であった.2) 同型モデルの螺子固定では, 骨折面の圧迫力が螺子を軸とする回転モーメントとなるため, 螺子より関節面側には作用するが, 反対側はむしろ離開が見られた.3) 内果斜骨折の螺子斜位固定と垂直骨折の螺子横位固定では, いずれもContro1に近い安定性を示すが, 骨折面の圧迫力は螺子より上部には作用するが関節面側にはない.この結果, 螺子は2本で固定しその内1本は出来る限り関節面に近く刺入すべきである.4) 外果横骨折のK-鋼線固定+Zuggurtungでは, 固定性は安定しており, 骨折面の圧迫力は全面に作用し, その値は関節面に向かうほど大となる.5) 外果の斜骨折またはラセン骨折のPlate固定では, 内・外転荷重のいずれに対しても安定性がよく, 骨折面の圧迫力も全而に作用している.螺子2本固定も同様で, 安全性・骨折面の圧迫力とも良好であった.6) 両果骨折では, 内転・外転荷重のいずれの場合にもZuggurtungを十分にしめることで安定性もよく, 骨折面の圧迫力も全面に作用していた.以上の結果より, K-鋼線固定+Zuggurtungの固定性が優れている事・螺子固定は2本用いて内1本は関節面近くに刺入すべき事・外果斜骨折にはPlate固定・螺子2本固定のいずれに対しても過度の荷重を避けるならば良好な結果が得られる事が分かった.これにより, 骨折型別の内固定法の選択基準を定め良結果を得た.
  • 神田 良樹
    1987 年 47 巻 5 号 p. 723-737
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    自己身体毀損の7症例 (男子4例, 女子3例) の臨床所見を描写し, 体系的考察が可能かどうか検討し, 以下の結果を得た.1.自験例では食道気管瘻の想定される頸部損傷そして外性器切断さらに手関節内側の皮膚切傷にいたるものまで, その程度と質は様々であり, 失血死の可能性をもつ症例を含んだ.診断も多岐にわたり, ICD9に準拠して整理した.2.これら症例は自傷でまとめられるところで, 邦語としての, そして外来語としての意味の検討がなされた.さらに成書, 事典での引用と説明について紹介した.3.外来語のSelfmutilationは「自ら四肢を切断」することであり, この語義認識は従来きわめて浅薄だったのであり, 自傷論の展開に際しこの等閑視されていたことを詳述した.4.自殺との関係で, 自傷は多くの場合その前駆現象ととられていた.しかし失血死の可能性を条件に配することで, すなわち類自殺Parasuicidの概念を挿入することで理解は深められ, 別個の独立事象であると結論した.5.症例で「痛み」の訴えられないことは特徴的事実で, これは皮膚表面の知覚の病理でとりあげるのは困難で, 受難の心性とでも形容される側面が推定された.6.自己身体毀損行動は自己攻撃性Autoaggressivittの表出であり, この行為による利得は心情の負担軽減であり, 精神力動的にみて犠牲のメカニズムが働いていると想定した.7.この行動は知覚を止揚し, 死への不安すら消失していて, さらに言語的交渉を欠く直接的表出であった.この身をもって表現するという意味で, 「身体言語」K隸rperspracheが自己身体毀損に読みとれるといえる.この多寡, 軽度はその表出の度合いであって, 身体性の病理は身体損傷を介して深められるのではないかと, 結論した.
  • 瀬戸 明
    1987 年 47 巻 5 号 p. 739-747
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    アルコールは膵虚血を惹起することが知られている.今回覚醒家兎を用い, アルコール投与後の膵血流の変化を病理形態像および生化学的変化との関係で検討した..血流測定には水素クリアランス・Height-Area法を用い, コンピュータによる自動計測を行った.また水素電極を予め膵内に挿入し, 覚醒後, 無麻酔にて血流をモニタした.家兎の胃内に40%エタノールを15ml/kg注入したものを多量群 (n=21) , 2.5ml/kgを少量群 (n=6) とした.また経時的に膵血流, 血中アミラーゼ・リパーゼ・ビタミンE・過酸化脂質, 膵組織中アミラーゼ・リパーゼ・活性酸素・RNA/DNA比を測定し, 光顕および電顕固定を行った.投与期間は1回投与, 連日連回投与4週まで, および同8週までの3群をもうけた.1同投与後少量群では膵血流, 組織アミラーゼ・リパーゼ・RNA/DNA比が上昇し, 多量群ではいずれも低下した.したがって膵はアルコールの投与量に関し二相性の反応を示した.また多量群では, アルコール投与後30分から45分で膵は著しい虚血を示すが, 90分から血行が回復し始め, 120分でほぼ回復した.虚血期に膵は, 粗面小胞体の拡張およびミトコンドリアの膨化を伴うが, その程度は血行再開時にさらに著しくひどくなり, 腺房細胞の基底膜側でミトコンドリアの崩壊による空胞化が進行した.なおこの変化はその後もしばらく持続する傾向にあった.一方血行再開時に, ラジカル捕捉剤であるビタミンEとコレステロールの低下が目立ち, 反対に活性酸素ラジカルと過酸化脂質の上昇が認められた.したがって虚血後の再流時に, 膵にラジカル過酸化傾向が生じていることが予想され, ミトコンドリアの崩壊はこの活性酸素ラジカルによる障害と思われた.多量投与ではアルコールの投与同数が増すにつれ, 膵組織中のRNA/DNA比は低下し, 過酸化脂質は上昇する傾向にあった.組織学的には腺房周囲のコラーゲンが次第に束ねられ太くなっていき, 8週投与したものでは電顕的にも明らかにコラーゲン線維の成熟が認められた.本実験系の線維化はいずれも壊死を伴わなず, したがって1次的線維化と判断された.活性酸素ラジカルは幼若コラーゲンの重合を促進すると考えられるので, 腺房細胞周囲の毛細血管網にラジカル環境が波及するにつれ, 血管周囲のコラーゲンの成熟が加速され, 腺房周囲に細線維化状態が発現されると考えられる.慢性アルコール投与状態下におけるコラーゲン線維の重合・成熟・積過程, および1次的線維化の機序には, これら虚血に起因するとみられる活性酸素ラジカルの関与が示唆され, 本実験系による線維化は主にこのコラーゲンの蓄積によるものと推定された.
  • 中嶋 真, 安井 昭, 西田 佳昭, 熊谷 一秀, 新井田 修, 加藤 貴史, 村田 升, 鈴木 孝
    1987 年 47 巻 5 号 p. 749-755
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    今日なお胃粘膜下腫瘍様形態を示す疾患の正確な診断は上部消化管レ線検査, 胃内視鏡検査および補助検査法としての超音波断層法, CT, シンチグラム, 腹部血管造影法を駆使しても困難であることが多い.今回は胃粘膜下腫瘍様形態を示した3症例を示し, 各々の診断能について検討を加えた.症例1; 胃嚢腫, 18歳女性.胃体上部の隆起性病変, X線所見.胃内視鏡所見にて術前正診は得られなかった.症例2; 肝左葉の海面状血管腫, 44歳女性.胃穹窿部の粘膜下腫瘍形態を示す隆起性病変.上部消化管X線および内視鏡検査, 超音波, CT, シンチグラム, 腹部血管造影検査を施行し胃肉腫あるいは肝腫瘍 (血管腫) を疑い手術施行.上記診断は術中に得たものである.症例3; 胃平滑筋腫, 59歳男性.胃体上部の典型的粘膜下腫瘍形態.ルーチン検査に加えてUS, CT, 血管造影などにより筋層内発育型の平滑筋腫と診断された.
  • 小倉 享子, 飯田 善樹, 九島 巳樹, 杉山 喜彦, 田代 浩二
    1987 年 47 巻 5 号 p. 757-760
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    虫垂原発のカルチノイドには粘液産生性をもちmucinous carcinoidと呼ばれ, ときに病理組織学的に腺癌と鑑別が困難なものがある.今回われわれは, 急性虫垂炎で切除された虫垂にmucinous carcinoidを認めた症例を経験したので報告する.症例は38歳男性, 主訴は右下腹部痛, 諸検査にて, 虫垂炎の診断で順行性虫垂切除術が施行された.切除標本先端は腫大, 割を入れると膿が漏出した.虫垂全長の組織標本を作製し検鏡した.先端2cmから根部切除断端約1.5cmの範囲に粘膜から漿膜下層まで粘液産生を有する比較的小型の細胞集団の浸潤を認めた.これら細胞はPAS, アルシアンブルー, グリメリウスが陽性であった.本症例が肉眼的に典型的な虫垂炎であったことを考えると, 虫垂切除材料は根部を含め, できるだけ多数の切片を作製し, 組織学的検査を行う必要がある.
  • 加藤 博久, 宇佐美 信乃, 国井 紀彦, 数馬 博, 土居 浩, 水島 秀勝, 桑沢 二郎, 丸岡 義史, 劉 弘文, 松本 清, 松井 ...
    1987 年 47 巻 5 号 p. 761-767
    発行日: 1987/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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