昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
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63 巻, 1 号
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  • 上島 国利
    2003 年 63 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 中込 和幸
    2003 年 63 巻 1 号 p. 3-6
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―産業精神医学の立場から―
    田中 克俊
    2003 年 63 巻 1 号 p. 7-8
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 三村 將
    2003 年 63 巻 1 号 p. 9-13
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
  • 大坪 天平
    2003 年 63 巻 1 号 p. 14-20
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 尾鷲 登志美
    2003 年 63 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 平島 奈津子
    2003 年 63 巻 1 号 p. 26-29
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 小泉 美佐子, 神田 晃, 川口 毅
    2003 年 63 巻 1 号 p. 30-42
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    老人医療・介護施設での入院ないし入所高齢者の半数以上に尿失禁があると報告され, 入所者のQOLに関わる健康問題として重要である.高齢者に多い機能性尿失禁の行動療法の一つに排尿パターンにそったスケジュールでトイレ誘導を行う習慣化訓練がある.しかしながら, 現実には, 失禁の時刻や頻度に関する客観的なデータの把握は困難であり, 尿失禁患者の排尿パターンの有無も明らかにされていない.そこで, 本研究では, 尿漏れセンサーを用いて排尿パターンの確認とそれを利用した排尿習慣化訓練プログラムの可能性について検討した.対象は4か所の老人病院ならびに老人保健施設の尿失禁患者41名である.このうち, 25名を対象に尿漏れセンサーを用いて排尿時刻と排尿量を2~3日間モニターした.また, 老人保健施設ならびに療養型病床群に入所中の6名の尿失禁患者の排尿パターンを把握し, Collingらによる排尿習慣化訓練プログラムを参考に, 9~17時の時間帯にトイレ誘導を試み, 結果を評価した.さらに, 延べ22名の尿失禁患者の24時間排尿モニターから, 時間毎の排尿頻度を調査した.その結果, 2~3日間の観察で同一1時間のブロックに2日以上の排尿集積を認めた25名中9名は一定の排尿パターンがあると判定された.11名は, 1日に10回以上の頻尿を伴っていた.3日間とも同一1時間のブロックに収まる排尿回数の一致率は42.2%であった.2日間の観察では, 23.5~85.7%であった.排尿パターンの把握をもとに, 老人保健施設等で6名の尿失禁患者にトイレ誘導を試みた結果, 3名がトイレ誘導に成功した.うち2名は排尿パターンを認め, 3日間の排尿パターンの一致率は31.6%であった.他1名は大便が混入し測定不能であった.これら3名の排尿間隔は日中約2時間であった.なお, トイレ誘導を実施しなかった3名はいずれも頻尿であった.介護老人保健施設の22名の排尿時刻の分布を調査した結果, 7時, 13時, 15時, 17時の時間帯に50%前後の排尿の集積を認め, 施設の生活リズムの排尿への影響が考えられた.以上の結果, 高齢尿失禁患者に効果的なトイレ誘導を行うには, まず, 排尿間隔が平均2時間以上ある対象を選定し, 次にそれらの排尿パターンを把握することが重要であり, そのための尿漏れセンサーの有用性を確認した.そして, 日中のトイレ誘導時間の設定は, 起床, 食事, お茶, 就床等の施設の生活時間を基準に個人の排尿パターンを考慮したスケジュールを計画し, プログラムに基づく習慣化訓練を行う必要があると考える.
  • 大柳 文義, 秋田 英貴, 太田 秀一, 塩川 章, 九島 巳樹
    2003 年 63 巻 1 号 p. 43-53
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    我々は1993年から1997年の5年間に昭和大学病院にて手術された非小細胞癌のうち他病死を除き予後の評価可能であった62例 (年齢42-82歳, 平均66.7歳, 男性43例, 女性19例, 組織型は, 腺癌38例, 扁平上皮癌19例, それ以外3例) の肺癌組織を用いて免疫染色 (LSAB法) を行った.特にFas/Fas Ligand (以下FasL) 分子群に着目し, その発現率や分布とアポトーシスが誘導されているかをTerminal Deoxynucleotidyl Transferase-mediated dUTP-biotin Nick End-labeling (以下TUNEL) およびsingle stranded-DNA (以下ss-DNA) などの免疫染色により検討し, さらにp53, bcl-2と併せて, これらの遺伝子異常が予後判定因子となりうるかどうかについても検討した.Fasの発現は, 腺癌が有意に多く, 特に高分化腺癌に多かった.また女性に多く発現する傾向が見られた.Fas陽性腫瘍では, 増殖因子発現の低下を認めた.FasLの発現はFasと同様な局在性を示したが, 陽性群と陰性群に有意差を認める因子は見られなかった.また, FasおよびFasLの組み合わせの検討では, FasL発現の有無によらずFas陽性の群はFas陰性でFasL陽性群よりT因子が有意に低かった.Fas陽性でFasL陰性の群は, Fas陰性の2群よりも有意にリンパ節転移が多く見られた.FasL発現の有無に関わらずFas陽性群は, Fas陰性でFasL陽性群よりも有意なMIB1の発現低下を認めた.本研究でFasおよびFasLの発現は生存率に明らかな影響を及ぼすとは言えなかったが, アポトーシスを誘導する事で腫瘍径, リンパ節転移および増殖因子に関して抑制的に作用することで, 間接的に予後に関わる可能性が考えられた.
  • 加藤 高裕, 篠田 淳子, 中込 和幸, 上島 国利, 岡島 由佳, 岩波 明
    2003 年 63 巻 1 号 p. 54-65
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    統合失調症患者の認知障害について, 精神生理学的方法と神経心理学的方法を用いた報告が多くみられる.精神生理学的指標のうち, 事象関連電位のP3成分の振幅低下は最も多くみられる異常の一つである.P3成分のうち, 意識的な認知文脈の更新を反映するP3bと自動的な注意の喚起を反映するP3aは異なる脳基盤をもつことが知られ, 区別して扱われている.また, 神経心理学的検査のうち遂行機能を反映するWisconsin card sorting test (WCST) およびTower of Hanoi test (HANOI) , 記憶機能を反映するWechsler memory scale, revised (WMS-R) については, いずれも統合失調症患者で成績が低下していることが知られている.しかし, P3成分の異常と神経心理学的指標の異常に共通する認知的側面があるのか, あるいは独立したものであるのかについては明らかでない.そこで, 本研究では両指標の関連性について検討する目的で, 精神生理学的指標としてP3a, P3bの各振幅, 神経心理学的指標としてWMS-Rの言語性記憶, 視覚性記憶, 遅延再生記憶, 総合評点, WCSTの達成カテゴリー数, 保続エラー率, セットの維持障害数, HANOIの試行回数, 第1試行に要した時間, の各指標について, まず健常者20名と統合失調症患者24名との群間比較を行い, 各検査で差異がみられた指標を抽出して, 相関解析, 因子分析などを用いてその関連性を検討した.その結果, WCSTのセット維持の障害数以外の全指標において統合失調症患者で有意な振幅の低下あるいは成績の低下を認めた.精神生理学的指標と神経心理学的指標との関連性については, 視覚性記憶, WCSTの達成カテゴリー数, 保続エラー率とP3a, P3b振幅が相互に関連し, 言語性記憶, HANOIはそれぞれ比較的独立した認知機能を反映することが示唆された.また, WCSTの達成カテゴリー数, 保続エラー率とP3b振幅は精神症状との間に関連性が認められたのに対して, P3a振幅, WMS-R, HANOIの各指標は精神症状との間に関連性が認められなかった.すなわち, P3b振幅とWCSTとの間に強い関連が示され, 共通する認知的側面である“認知文脈の更新”が精神症状に関連する可能性が示唆された.
  • ―断面分析と3年間のフォローアップによる予防因子と改善因子の検討―
    柳生 あけみ, 神田 晃, 川口 毅
    2003 年 63 巻 1 号 p. 66-78
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    わが国の小児肥満の出現率はこの30年間増加傾向が続いており, 肥満児における動脈硬化や2型糖尿病などの発症が明らかにされ, 小児期における肥満の予防や改善が強く望まれている.本研究では, 子どもの肥満の程度に関わる検査指標の異常および生活習慣要因を明らかにすることにより肥満に対する方策を提言することを目的とし, 小学4年生を対象に小児生活習慣病予防検診および同時期に行った食習慣, 運動習慣を中心とした生活習慣に関する調査結果をレコードリンケージし疫学的に分析した.併せて3年後の中学1年時において同様の検診と調査を実施し, 生活習慣の変化と身体検査値の変化とのかかわりを疫学的に分析した.研究の結果, 肥満度の上昇, 特に肥満度30%以上で収縮期高血圧, 高コレステロール血症, 低HDLコレステロール, 動脈硬化指数高値, 肝機能異常, HbAlc高値の合併リスクが有意に高かった.肥満の予防因子として, 「課外スポーツをする」, 「テレビゲームの時間を減らす」, 「ゆっくりと食べる」, 「よく噛んで食べる」ことが有用であった.また, 肥満度30%以上の群の保護者は「食事の内容には気をつけていない」傾向, また子どもと保護者の間に肥満の問題意識のずれが認められ, 両者が同じ認識を持って生活習慣の改善に取り組むことが重要であると思われた.3年間のフォローアップ研究において動脈硬化指数の改善には「課外スポーツの頻度が増えた」および「食べすぎといわれなくなった」が有意に関与していた.肥満の予防や改善に対して異常検査指標の合併リスクを念頭におき, 一次予防である小児の正しいライフスタイルの確立を学校や地域を含め家庭全体を支援: する体制作りが必要である.
  • 早川 佳彦
    2003 年 63 巻 1 号 p. 79-88
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    雑種成犬を対象に, プロポフォールと亜酸化窒素により麻酔の維持を行い, その際の呼吸・循環動態, 臓器血流量および組織酸素分圧などの推移について検討した.麻酔導入後, 循環諸量測定用カテーテルを挿入し, 臓器血流量は肝臓 (LBF) , 膵臓 (PBF) , 腎臓皮質 (RCBF) , 腎臓髄質 (RMBF) などの4カ所で, 組織酸素分圧の測定は肝臓 (PLO2) と腎臓 (PRO2) の2点とした.実験準備が終了してから60分以上が経過し, その上呼吸・循環動態が安定した時点において, 各パラメータの測定を行い, 対照値 (S0) とした.対照値採取後, プロポフォール単独投与群 (A群) , 亜酸化窒素併用群 (B群) では吸入ガスに亜酸化窒素を用い, 吸入酸素濃度をA群と同様に40%とした.A群, B群のそれぞれにプロポフォール3mg・kg-1・h-1 (S3) を持続投与し, 45分後に2回目の測定を行った.次いでプロポフォールの投与量を5mg・kg-1・h-1さらに10mg・kg-1・h-1と増加させ, それぞれ投与量変更後45分 (S5, S10) に測定を行った.亜酸化窒素併用群 (B群) ではS10においてmAP, CI, LVdp/dt max, LBF, RCBF, RMBF, PLO2, PRO2はプロポフォール単独投与群 (A群) に比して有意に減少した.またB群でPBFはS5とS10においてA群に比して有意に減少した.以上の結果より, プロポフォールで麻酔を維持し, 鎮痛を目的として亜酸化窒素を用いる場合は, 循環抑制作用の発現を回避するためプロポフォールの投与量は5mg・kg-1・h-1までにすべきと思われる.
  • 藤元 流八郎, 諸星 利男, 河村 満
    2003 年 63 巻 1 号 p. 89-96
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    中枢性顔面神経麻痺 (以下, 顔面麻痺) において随意運動と情動運動が解離する場合があり, 脳内にそれぞれ別の経路が存在するためと考えられている.しかし, その詳細については不明な点が多い.その理由の一つは, 従来の研究がほとんど一例での症例検討であることにある.われわれは, 顔面麻痺を呈した自験複数症例について, 脳内に存在すると考えられている随意性表情筋運動経路 (以下, 随意経路) と情動性表情筋運動経路 (以下, 情動経路) の分布を検討した.対象は, 1999年3月から2000年11月までに昭和大学神経内科を受診した, 急性期脳血管障害患者69例のうち, 顔面麻痺をきたし, かつ脳MRIで病巣の明らかな39症例である.これら症例の顔面の随意運動, 情動運動を観察し, 麻痺の病型を, 随意運動時, 情動運動時ともに麻痺をきたす“連合性麻痺型”, 随意運動時のみに麻痺をきたし, 情動運動時には麻痺をきたさない“随意性麻痺型”, 随意運動時には麻痺をきたさないが, 情動運動時に麻痺をきたす“情動性麻痺型”の3型に分類した.次に病型と病巣との対比を行い, 表情筋の随意経路と情動経路の中枢における分布を検討した.病型別では, 連合性麻痺型32例, 随意性麻痺型4例, 情動性麻痺型3例を認め, 随意性麻痺型, 情動性麻痺型の責任病巣は, いずれも内包に限局した梗塞病変であった.随意性麻痺型の責任病巣は4症例とも内包後脚にみられ, 情動性麻痺型の責任病巣は3症例とも内包膝であった.以上から, 随意経路と情動経路は, 内包で分離し, 随意経路は内包後脚, 情動経路は内包膝を通過していることが示唆された.
  • 丸岡 直隆, 太田 秀一, 九島 巳樹, 内藤 英紀, 津田 祥子
    2003 年 63 巻 1 号 p. 97-105
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    卵巣表層上皮性・間質性腫瘍の迅速診断と最終診断の比較検討を行い, さらにLaser Scanning Cytometer (LSC101, オリンパス社製, 以下LSCと略す) が迅速診断に応用できるか検討した.術中迅速診断が行われた卵巣表層上皮性・間質性腫瘍82例の卵巣摘出材料の術中迅速標本および永久標本を検鏡し比較検討した.迅速診断時の塗沫細胞標本を用いて, 良性腫瘍10例, 中間悪性腫瘍10例, 悪性腫瘍10例の腫瘍細胞核のDNA量をLSCを用いて測定し, DNA ploidy patternを判定した.迅速診断と最終診断の比較では, 82例中10例で診断の不一致がみられた.7例は迅速診断で良性とされ, 最終診断は中間悪性とされた.残り3例は迅速診断で中間悪性とされ, 最終診断で悪性とされた.LSCにおけるDNA histogramでは迅速診断で良性, 最終診断で中間悪性とされた7例中LSCが測定できたのは5例で, うち2例はaneuploid patternを呈し, 3例はdiploid patternを呈した.良性腫瘍10例はいずれも, diploid patternを呈し, 診断の一致した中間悪性腫瘍8例中5例でDNAploidyの判定が可能で, 4例がaneuploid pattern, 1例がdiploid patternを呈した.悪性腫瘍10例中7例はaneuploid pattern, 3例はdiploid patternを呈した.卵巣腫瘍の迅速診断において, 凍結切片によるHE染色標本の観察が一番重要であることは変わりないが, LSCによるDNA ploidyの測定は卵巣中間悪性腫瘍の迅速診断の感度を上げることが可能であり, 迅速診断に補助的に応用することは有用と考えられた.今後は予後の推定や治療方針の決定にも臨床応用が期待される.
  • 丸山 正詩, 瀧川 宗一郎, 稲垣 克記, 福島 一雄, 平原 博庸, 永井 隆士, 宮岡 英世
    2003 年 63 巻 1 号 p. 106-110
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は34歳女性.睡眠薬を大量に内服し, 右前腕部が体の下に入った状態で15時間程度圧迫されていた.初診時, 右手の腫脹は強く, 手関節および手指の運動制限も著明であった.患肢挙上を指示したが守られず, 正中神経領域のしびれ感増強してきたため, 手根管開放術を施行した.その後可動域訓練を行わずにいたため十分な可動域が得られず, しびれ感も残存したので腱・神経剥離術を施行した.術後2日目よりContinuous Passive Motion device (以下CPMと略す) 補助下の積極的な自動可動域訓練を開始し, 入院中の18日間これを行った.術後2ヶ月の現在, 可動域制限はなく, 筋力低下も回復し, ごくわずかなしびれ感が残存するのみである.前腕筋群の壊死を免れたことは幸運であり, また腱剥離術後の早期のCPM使用は有用であった.手指の循環障害については, 原因が動脈性虚血, 静脈性鬱血いずれにしても早期に血流障害の原因を取り除き腫脹を軽減させることが重要である.
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