下腿開放骨折の治療に関し, 当院ではGustilo分類type I, II, III A症例では即時内固定術, Gustilo分類type III Aのうち関節近傍骨折や骨折線が骨幹端から骨幹部までおよぶ症例, Gustilo分類type III B, III C症例では創外固定を用いた治療を行ってきた.今回, 下腿開放骨折29例 (Gustilo分類type I: 2例, type II: 9例, typeIIIA: 5例, type IIIB: 10例.type IIIC: 3例, AO分類type A: 9例, type B: 6例, type C: 14例) の治療成績につき検討した.治療法はプレート固定3例, 髄内釘固定8例, 創外固定18例であった.骨癒合は29例中24例, 82.8%で得られた.遷延治癒・偽関節例が5例, 17.2%, 深部感染例が2例, 6.8%にみられた.臨床成績はPaleyの評価を川いて行い, Bone results: excellent 20例, good 1例, fair 1例, poor 7例, functional results: excellent12例, good 12例, fair 4例, poor 1例とほぼ満足できる結果であった. Gustilo分類type I, II, IIIAに対する即時内固定術は安全に行える手術法である.Gustilo分類type III Cに対する創外固定を用いたBifocal compression distraction法は有用な方法である. Gustilo分類type III B, AO分類type Cでは治療成績が悪く, 今後治療法に関し, 再検討が必要である.
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