昭和医学会雑誌
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68 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 塩沢 英輔, 矢持 淑子, 瀧本 雅文, 太田 秀一
    2008 年 68 巻 6 号 p. 307-309
    発行日: 2008/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 八木 秀文, 緑川 武正, 蒔田 勝見, 相田 邦俊, 藤原 康朗, 坂本 道男
    2008 年 68 巻 6 号 p. 310-323
    発行日: 2008/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    当院では2006年8月よりCD-DST法 (collagen gel droplet embedded culture drugsensitivity test) 用いた化学療法を施行しており, 検査成績およびその有用性について検討した.対象は抗癌剤感受性試験を施行した胃癌11例 (19検体) , 大腸癌17例 (21検体) で, 患者背景検査成績について検討した.また, 癌性腹膜炎4例 (胃癌2例, 大腸癌2例) に対して臨床経過を検討した.胃癌, 大腸癌のCD-DST評価可能率は手術材料で60.0%, 69.2%, 腹水で75.0%, 100%であった.胃癌の不成功例は手術材料の4検体で, 3検体が腫瘍細胞数の不足だった.腹水の2検体は腫瘍細胞数不足と細胞増殖能低下であった.大腸癌では手術材料の4検体で全例細菌汚染であった.評価可能であった胃癌8例のCD-DST結果で高感受性は5-FU (5-fluorouracil) 50.0%, CDDP (cisplatin) 42.9%, PTX (paclitaxel) 57.1%, SN-38 (irinotecan hydrochloride活性代謝物) 42.9%であった.大腸癌12例では5-FU33.3%, LOHP (oxaliplatin) 90.9%, SN-3816.7%, PTX57.1%であった.癌性腹膜炎4症例の検討より腹水によるCD-DSTは抗癌剤の耐性化時に再検査が可能で, 使用抗癌剤の感受性の変化がみられた.CD-DSTを参考に選択した抗癌剤は臨床的効果がみられた.CD-DST法は抗癌剤の選択の際に有用であった.
  • 江林 明志, 吉汲 宏毅, 丸岡 直隆, 小川 修, 橋本 裕輔, 五味 邦代, 竹越 淳, 澤田 普, 安田 宏, 遠藤 豊, 井上 和明 ...
    2008 年 68 巻 6 号 p. 324-333
    発行日: 2008/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    膵管破綻によって惹起された各種病態症例に対する経乳頭的膵管ステント留置術 (Endoscopic pancreatic stenting: EPS) の有効性と偶発症について検討する.対象は2002年1月から2008年5月までの6年間に昭和大学藤が丘病院でEPSを施行した患者10例.患者年齢の平均は55.8歳 (35~79歳) で, 性別は男性7例に女性3例であった.病態症例の内訳は膵嚢胞6例, 膵性胸水2例, 膵性腹水 (術後内膵液瘻) 1例, 膵管損傷1例であった.4種の病態症例に対してEPS施行後の治療結果より, EPSの有効性と偶発症について検討した. (1) 膵嚢胞症例6例中3例は嚢胞内に, 3例は嚢胞手前の膵管内にステントを留置し得, その結果は嚢胞内にステント留置した2例と膵管内に留置した1例は嚢胞が消失し, 嚢胞内にステント留置した1例と膵管内に留置した2例は嚢胞が消失せず他経路のドレナージによる追加処置を行った. (2) 膵性胸水症例は1例膵管狭窄部位手前の膵管内で, 1例は破綻部位以深の膵管内にステント留置して共に胸水は消失した. (3) 膵性腹水例は残存膵管内に留置して腹水は消失した. (4) 膵管損傷例は破綻部位以深の膵管内にステント留置し膵液の膵外流出を防いだ.10例とも外科的処置を必要しなかった.偶発症は3例にEPS後感染を認め, 2例はステント交換で改善され, 1例はCTガイド下経皮ドレナージで改善した.主膵管と交通性ある膵嚢胞は, 嚢胞腔内でも嚢胞腔より乳頭側の主膵管内にステント留置しても治療効果はある.胸腔ドレナージだけで治療効果のない膵性胸水症例に対し, EPSは主膵管と胸腔の瘻孔閉鎖に有用である.EPSは嚢胞への感染を起こす危険があり, 感染徴候出現時には早期かつ頻回のステント交換が必要な場合がある.膵性腹水 (術後内膵液瘻) , 医原性 (内視鏡操作) による膵液の膵外への漏出に対して, EPSは膵液漏出停止に有効であった.EPSは簡便で大きな合併症を認めない処置であり, まずは試みるべき治療と考えられる.
  • 城丸 瑞恵, 伊藤 武彦, 下田 美保子, 仲松 知子, 宮坂 真紗規, 堤 千鶴子, 久保田 まり
    2008 年 68 巻 6 号 p. 334-344
    発行日: 2008/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    本研究は, 腹部の手術を受ける患者の手術前後のコーピングの実態と構造を包括的に明らかにすることを目的とした.調査対象は, 腹部の手術をした患者113人中, 回収ができた103人である.手術前後において対応する各58項目を調査内容に設定して数量的に分析を行った.その結果, 手術前は手術後と比較してより多くの種類のコーピング方略を用い, また活用度も高い (p=038) 58のコーピング方略を研究者間で考慮して16領域に分類後, 多次元尺度法により布置図を作成した結果, 距離関係から4群に分類ができ, 「援助希求行動」と「積極的覚悟と行動」, また「緊張緩和行動」と「回避」がそれぞれ近い距離にあることを示した.LazarusとFolkmanを参考にして前者を問題焦点型コーピング, 後者を情動焦点型コーピングと位置づけた.この4群の中で手術前後にもっとも活用されたのが「積極的覚悟と行動」であり, 手術への覚悟と不安というストレスフルな課題に対する問題解決的援助の必要性が示唆された.一方, 「緊張緩和行動」は, 手術後に有意に増加しており (p<001) , 情動焦点型コーピングへの看護援助も相対的に重要になることがうかがわれた.悪性腫瘍群と非悪性腫瘍群の間では, 悪性腫瘍群は手術前「情緒的回避 (p=002) 」「成長期待 (p=002) 」.手術後「計画立案 (p=030) 」が, 非悪性腫瘍群より有意に高く, 苦痛緩和に対して回避のコーピング方略が有効である可能性が示唆された.手術前の患者の問題解決型コーピングの援助, 特に情報提供を十分に行うことが, 看護の重要課題の一つであることが明らかになった.また, 手術前だけでなく, 手術後のコーピングに対する援助も看護的援助の課題であることを問題提起した.
  • 城井 義隆, 水間 正澄, 川手 信行
    2008 年 68 巻 6 号 p. 345-349
    発行日: 2008/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    高位頸髄損傷患者の人工呼吸器離脱アプローチに際し, 夜間呼吸時の呼吸状態や終日離脱の可能性を評価する方法に関して詳細に記された報告は見当たらない.今回, 人工呼吸器離脱目的で入院した高位頸髄損傷患者2名に対し, 睡眠ポリグラフィを用いた離脱評価を試みた.脳波による睡眠段階胸腹に装着したセンサーに基づく呼吸状態の観察などに重点を置いて実施した.各症例で横隔膜透視など日中施行される簡便かつ短時間に行われる検査のみでは得られなかった夜間離脱に関する有益な評価が得られた.睡眠ポリグラフィが夜間人工呼吸器離脱の評価として有用な方法と考えられた.
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