昭和医学会雑誌
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71 巻 , 4 号
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特集:最近の弁膜症外科治療
特別講演
図説
原著
  • 本江 朝美, 高橋 ゆかり, 副島 和彦, 田中 晶子, 伊藤 マモル
    2011 年 71 巻 4 号 p. 398-407
    発行日: 2011/08/28
    公開日: 2012/03/09
    ジャーナル フリー
    本研究では,補完代替医療(CAM;Complementary and Alternative Medicine)のみを単独で利用する人々とCAMと西洋医学を併用する人々の健康状態やSense of Coherence(SOC)について明らかにすることを目的に,研究同意の得られた西洋医学の病院・医院や東洋医療の施術院に受診している人々でCAMを選択・利用している327名を対象に質問紙調査・分析を行った.その結果,以下のことが明らかとなった.
    1.CAM単独利用群は,痛みやだるさなどの身体症状の緩和を目的に,鍼,灸,按摩等のCAMを利用していた.
    2.CAM単独利用群は,CAMによって約9割で症状の改善を認め,CAMに対する期待度と満足度がCAM・西洋医学併用群より有意に高かった.
    3.CAM・西洋医学併用群は,精神的要素に関わる症状の緩和と老化の防止を目的に,栄養補助食品等のCAMを利用していた.
    4.CAM単独利用群とCAM・西洋医学併用群のSOC得点に差は認められなかった.
    5.CAM・西洋医学併用群において,SOCが強いほど,健康管理の情報を得る意識が高く,無気力や不眠などの精神的要素が関わる症状は少なく,健康状態が良かった.
    6.CAM・西洋医学併用群において,SOCが強いほど,CAMに対する期待や満足が高かった.
    以上より,CAMを単独で利用している人々は,おおよそ効果が得られて満足を得ていたが,CAMと西洋医学を併用している人々においては,CAMに対する期待や満足,さらには健康問題への対処に,SOCが重要な役割を担っている可能性が示唆された.
  • 保坂 尚志, 斉藤 光次, 阿曽沼 邦央, 高野 祐一, 落合 康雄, 北山 武良, 諸星 利男
    2011 年 71 巻 4 号 p. 408-415
    発行日: 2011/08/28
    公開日: 2012/03/09
    ジャーナル フリー
    大腸癌の多くは早期癌として発見され,その予後も大いに期待できるが,表在癌であっても予後不良な症例も存在する.そこで,日常経験する大腸早期癌の特徴を俯瞰的に把握する目的で,臨床病理学的検索を加えた.全結腸内視鏡観察がなされ,病理組織学的に早期癌と診断された413病変(401症例)を材料とした.臨床病理学的事項を精査し,内視鏡的所見から発症部位,肉眼分類を試みた.病理組織学的には組織型,分化度,壁深達度,脈管侵襲について検索し,比較検討した.平均患者年齢は64.5歳で,男女比は2:2であった.発症部位はSR領域に62%(257病変),次いでCA領域に21%(86病変),T領域に10%(42病変),D領域に7%(28病変)の順であった.肉眼型は,隆起型が61%(251病変),平坦型が31%(130病変),陥凹型が8%(32病変)の順であった.組織型は,ほとんどが高分化腺癌(96%:398病変)で,中分化型腺癌(4%:15病変)も存在したが,低分化型腺癌や未分化癌を含むその他の癌(Miscellaneous carcinomas)は認められなかった.全対象病変に対し腺腫内癌,腺腫併存癌および純粋腺癌は,ほぼ同率に認められたが,陥凹型の全ては純粋腺癌であった.隆起型粘膜内(pM)癌が最も多く192病変(46%),次いで平坦型pM癌が101病変(同24%),隆起型粘膜下層浸潤(pSM)癌が59病変(同14%),平坦型pSM癌と陥凹型pSM癌は各々29病変(同7%),陥凹型pM癌は3病変(1%以下)であった.隆起型と平坦型病変では腺腫成分と腺癌成分の混在病変が高率に発現する傾向にあり,脈管侵襲はpM腺癌病変では確認できなかったが,pSM腺癌病変ではリンパ管侵襲が12%(51病変)に,静脈侵襲は8%(33病変)に認められた.早期大腸癌において隆起型・平坦型病変は,腺腫内腺癌および腺腫併存腺癌の確率が高く,粘膜内癌で発見され,予後が期待でき得るものが多い.しかし陥凹型病変は全例純粋腺癌であり,de novo癌とし発生し,速やかにpSM癌に進行し脈管侵襲を伴う割合が高く,粘膜内癌の段階での発見・治療が重要であり,更なる診断法の進歩が期待された.
症例報告
  • 鈴木 慎太郎, 松浦 崇行, 木村 輝明, 福田 充, 本間 哲也, 松倉 聡, 黒川 真嗣, 足立 満
    2011 年 71 巻 4 号 p. 416-421
    発行日: 2011/08/28
    公開日: 2012/03/09
    ジャーナル フリー
    症例は18歳,男性.既往に喘息がある.中距離走の直後に喘鳴,呼吸困難,顔面浮腫,意識混濁を認めた.運動の直前にクラッシュゼリー状サプリメントを摂取しており,それにはローヤルゼリーが含まれていた.アナフィラキシーの原因として疑い生ローヤルゼリーの経口負荷試験を施行したところ,喘鳴と呼気ピークフロー値の低下を認めた.運動負荷のみでは症状は再現されなかった.ローヤルゼリーによるアナフィラキシーと診断し,運動や喘息の合併は症状の重症化に寄与したものと考えた.本邦で広く普及・販売しているにもかかわらず,今日までクラッシュゼリーの形態をした食品によるアナフィラキシーの報告は稀少であり報告した.
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