昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
最新号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
原著
  • 尾又 弘晃, 西山 嘉信, 三雲 仁, 逸見 範幸, 川崎 恵吉, 大下 優介
    2012 年 72 巻 6 号 p. 615-619
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    高齢化社会を迎え,糖尿病や長期透析患者,がん患者で化学療法をうけているいわゆるcompromised hostの人口が急増中である.それに伴い化膿性脊椎炎の患者も増加している.発熱を伴う腰痛を化膿性脊椎炎とは気付かずに他科で不明熱としてないがしろにされ,整形外科に腰痛の精査依頼とされ化膿性脊椎炎が判明するケースが増加している.当院では2001年から2009年までの9年間における化膿性脊椎炎患者100例の症例を経験した.それらの症例に対し(1)罹患高位,(2)既往歴,合併症の有無,(3)年齢分布,(4)発症から当科受診までの期間を以下の4群にわけた.A群;1週以内,B群;1週から1か月,C群;1か月から3か月,D群3か月以上とした.(5)起因菌,(6)手術症例について,(7)退院までの期間,(8)治療成績および再燃の有無について検討した.
  • 吉武 理, 村上 雅彦, 加藤 貴史, 遠井 健司, 大塚 直樹, 田中 雅輝
    2012 年 72 巻 6 号 p. 620-627
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    ペリトネアルアクセス(PA)手術では臍上部から下腹部までにおよぶ範囲に麻酔効果が要求される.しかしカテーテル先端留置に際しては患者の感覚に基づいて位置を決定するため,腹腔内への麻酔効果は必要としない.腹壁のコンパートメントブロックである腹直筋鞘ブロック(RSB)や腹横筋膜面ブロック(TAP block)は内臓痛を温存しつつ腹壁の体性痛に有効な麻酔であり,PA手術に適しているのではないかと期待できる.われわれはこれらの手技に着目し,2010年よりPA手術の標準麻酔として超音波ガイド下腹壁ブロックを導入し,今回PA手術における腹壁ブロックの有用性につき局所浸潤麻酔(局注)法と比較検討した.2002年3月から2012年6月までに行われた98症例(カテーテル挿入PDI/カテーテル抜去PDR/同時PDRIそれぞれ68/22/8)を対象とした.それぞれにおける麻酔はPDIでは局注56,ブロック麻酔12,以下局注/ブロック麻酔はそれぞれPDRで17/5,PDRIで5/3であった.麻酔方法:局注では術者が疼痛に応じて局所麻酔薬を追加しながら深層へ進む.腹壁ブロックでは麻酔医のもとに超音波ガイド下にRSB,TAP blockのいずれか,または両者を併用する.局注症例の麻酔薬使用量はPDI,PDR,PDRIで各々32.5(10-50)ml,24.8(7-67)ml,50.8(27-105)mlで,58症例(74%)において20mlを超えていた.各術式における麻酔薬使用量はPDRIにおいて有意に多かった.腹壁ブロックではロピバカインと1%メピバカインが使用され,RSBとTAP blockの併用が16(80%),局注を要した症例が14(70%)であった.ブロック麻酔における麻酔時間20分未満と以上で局注を必要とした割合は各々75,67%と20分以上の麻酔時間で低い傾向であった.麻酔方法により手術時間と術後鎮痛処置要求回数に有意差を認めなかった.PA手術時における超音波ガイド下腹壁神経ブロック麻酔は,RSBとTAP blockの併用法により,限定された麻酔薬量のもとで十分な麻酔領域を網羅する事が可能で,かつ安全に寄与するものと思われた.腹壁のブロック麻酔はPA手術において有用で最適な麻酔法であることが示唆された.
  • 平沼 直人, 藤城 雅也, 佐藤 啓造
    2012 年 72 巻 6 号 p. 628-636
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    医療訴訟においては,いかにして適切な医学的知見や意見を取り込むかということが重要な課題である.従来,医療過誤を理由とする損害賠償請求訴訟においては,裁判所の選任した鑑定人による裁判上の鑑定がその中核をなしてきた.ところが,近年,裁判上の鑑定に代わり,訴訟当事者すなわち原告ないし被告の提出する,いわゆる私的意見書が重要な地位を占めるようになった.本研究では,医学的意見を訴訟に反映させる方法として,鑑定,私的意見書,専門委員,付調停,事故調査報告書,死体検案書,後医の診断書,ドクターヒアリング,聴取書を取り上げ,その運用の実態と優劣を検討する.筆頭著者が医療側被告訴訟代理人として一審判決を受け確定した直近の12件につき,事案の概要・争点,診療科目,裁判所所在地・医療集中部と通常部の別,判決年月日,患者側原告代理人の有無,患者側原告私的意見書提出の有無・有の場合の意見書作成者に対する証人尋問実施の有無,医療側被告私的意見書提出の有無・有の場合の意見書作成者に対する証人尋問実施の有無,鑑定実施の有無,判決結果,控訴の有無,特記事項をまとめて表にした.わが国の民事訴訟制度は,利害の鮮明に対立する当事者が主張・立証を闘わすことによって真実が明らかになるという当事者主義の訴訟構造をとっている.裁判上の鑑定が白衣を着た裁判官とも言うべき鑑定人による職権主義的な色彩を持つのに対し,私的意見書は当事者主義の訴訟構造によく適合している.また,鑑定には,公平・中立性を十分に担保する仕組みがない,時間がかかるといった問題があり,これを解決すべく創設された複数医師によるカンファレンス方式鑑定にも法律上の疑義が呈されており,やはり私的意見書を審理の中心に据えることにより解決すべきであることが12件の実例の検討により明らかとなった.このように訴訟は私的意見書を巡る攻防となるべきであるから,原告患者側は訴状提出の際は私的意見書を添付すべきであり,これに対し,被告医療側はまず,反論と医学文献による反証をなし,それで不十分な場合には私的意見書の提出を検討すべきである.双方から私的意見書が提出された場合,裁判所はこの段階で心証に従って和解を試みるべきであるが,和解不成立の場合には集中証拠調べに移行し,原・被告本人尋問に加え,原告側協力医の証人尋問を実施すべきである.鑑定はこうして万策尽きた際の伝家の宝刀たるべきである.このような私的意見書の役割に即して,今後はこれを当事者鑑定と呼称すべきことを提言する.
  • 小田 丈二, 高橋 寛
    2012 年 72 巻 6 号 p. 637-648
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    病理組織学的に食道SM癌と診断された53例を対象に,食道表在癌の発育進展について検討を行った.はじめに,過去2年以内に検査歴を有する食道扁平上皮癌11例について,過去のX線像または内視鏡像を見直し,粘膜癌から粘膜下層癌への発育進展形式および発育速度について検討を行い,それらを推定したところ,大きく3型(パターンA,B,C)に分類することが出来た.パターンAは上皮内進展を伴わずに深部浸潤するタイプ,パターンBは上皮内進展を有し,側方への発育を伴うタイプ,パターンCは0-IIb型から0-I型の隆起型SM癌となるタイプである.パターンBの中でも,0-IIc型病変内で深部浸潤よりも側方発育傾向が強く,発育速度も比較的緩徐であった症例をパターンB-1,0-IIc型陥凹内部でSM浸潤による0-I型隆起を形成した症例をパターンB-2,0-IIc型陥凹内部でさらに深い陥凹を形成しながらSM浸潤した症例をパターンB-3として細分類したところ,パターンB-2はより深部浸潤傾向が強く,短期間でSMに塊状浸潤を伴い,深部方向への発育進展速度が速くなっていた.発育速度を比較した場合,パターンA,Cの発育進展速度は速く,パターンB-1は最も遅いと推測され,パターンB-2はその中間に位置するものと思われた.パターンB-3は概ねパターンB-2に準ずるものと推定した.その発育進展形式や速度に影響する要因として,浸潤部位における中~低分化型扁平上皮癌という組織型が関連している可能性が考えられた.さらに,残りの42例のSM癌をこのパターンに当てはめて検討したところ,パターンB-2が最も多く,次いでパターンAという結果であった.
  • 樫村 洋次郎, 三宅 康史, 山下 智幸, 福田 賢一郎, 田中 俊生, 宮本 和幸, 門馬 秀介, 中村 俊介, 田中 啓司, 有賀 徹
    2012 年 72 巻 6 号 p. 649-655
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    東京都城南地区における重症熱中症の実態について調査し,その特性を把握する事を目的とした.昭和大学病院における2009年6月から2011年9月までの期間で,III度熱中症と診断された患者の年齢,性別,発症状況,合併症,予後などについて調査し,Heatstroke STUDY2010と比較した.本研究で対象とした症例は16例で,男女比は9:7で,平均年齢は73.8歳であった.発症状況に関しては,日常生活動作が15例(94%)であった.それらのうち,屋内での発症が11例(73%),歩行中が3例(20%),自宅内トイレが1例(7%)であった.合併症は,中枢神経障害が16例(100%),持続的血液濾過透析(CHDF)使用症例が1例(6%),播種性血管内凝固症候群(DIC)が7例(44%),肝機能障害が6例(38%)であった.予後については,死亡が1例(6%)あった.また,2010年の夏は記録的な猛暑であったが,昭和大学病院での症例から検討する限り,各年度の差異は少ないと考えられた.Heatstroke STUDY2010における発症状況の詳細については多彩な状況が見られているが,自宅内での発症は52%にとどまっている.合併症については,本研究での症例ではDICが多く見られた(44%).これは,高齢者の症例が多かったことと関連していると考えられる.一方で死亡率に関しては,Heatstroke STUDY2010では13%であったのに対して昭和大学病院では6%にとどまった.これは,全例が救命センターへ入室し集中治療を受けたことが奏功したと考えられる.今回の調査から,今後の城南地区における熱中症予防対策としては,特に高齢者における古典的熱中症の予防が重要と考える.現在の高齢者をとりまく社会事情には厳しいものがあり,地域のセーフティーネットが整備される必要があると考えられる.
  • 塩澤 佳, 吉本 信也, 三川 信之, 森山 浩志, 大塚 成人
    2012 年 72 巻 6 号 p. 656-661
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    顔面神経が顔面表情筋にいたる微小解剖,すなわち表情筋における顔面神経末梢枝の分布,交通についてはほとんど報告がない.今回われわれは,顔面表情筋,特に眼輪筋と口輪筋を支配する顔面神経末梢枝の分布と走行について精査を行ったので報告する.対象は日本人の成人解剖体20体の顔面片側20側,平均年齢87.36(60歳~102歳)で,その内訳は男性10体,女10体,左側10例,右側10例である.方法は顔面神経を耳前部皮膚切開より展開し茎乳突孔から同神経本幹を剖出し,末梢枝については,顕微鏡を用いながら表情筋にいたるまで走行を追い観察した.同神経の枝すべてについて観察を行ったが,特に頬骨枝と頬筋枝について眼輪筋と口輪筋への分布を中心にそれぞれの走行,分布について探求した.その結果,頬骨枝は眼輪筋にすべて分布していたが,25体中8体で口輪筋に分布していた.また頬筋枝も全例で口輪筋に分布していたが,25体中5体で眼輪筋への分布を認めた.顔面表情筋のなかでも,特に重要な働きをする眼輪筋と口輪筋は,教科書的には,眼輪筋が顔面神経の側頭枝と頬骨枝,口輪筋が顔面神経の頬筋枝(あるいは頬筋枝と下顎縁枝)が支配神経と記載されている.今回,顔面神経末梢枝の眼輪筋と口輪筋に停止する解剖と走行について精査を行った結果,従来の成書にはない多数の破格が認められ,その運動も代償している可能性が考えられた.
  • 岡安 理司, 吉江 和佳, 稲村 ルヰ, 鈴木 保良, 安本 和正
    2012 年 72 巻 6 号 p. 662-669
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    術前肺機能検査の施行は,術後肺合併症の対策の一つの手段として有用であるが,従来の検査法では測定時に被検者による最大呼出努力が必要であり,最大呼出が行われないと,誤った評価を受ける可能性がある.一方,インパルスオシレーションシステム(IOS)による肺機能検査は安静呼吸時に施行できるため術前肺機能検査に向いているが,従来の検査値との相関性はまだ明らかではない.この点を明らかにするため,20歳より89歳までの術前患者620症例において,IOSにより得た検査値と従来の肺機能検査値について回帰分析を行い,得られたR2値により比較した.以前施行した直線回帰分析では,IOSの5パラメータと従来の肺機能検査法により得られた13パラメータとの間の65組み合わせのうち45組で推計学的に有意な回帰式が得られ,相関性は強いと考えられたが,相関性を示唆するR2値は最高でも0.267であった.そのため今回は曲線回帰分析において同様に24組み合わせについて検討したところ,19組で推計学的に有意な回帰式が得られた.しかし,R2値は最高で0.293であり,直線回帰と比較して大きな増加はみられなかった.R2値では,直線回帰では0.2以上を示した組 み合わせは3組だけであったが曲線回帰では5組,0.15≦R2<0.20では10組に対し15組あった.直線回帰では有意差が見られた45組においてR2値が0.1に届かない組み合わせは22組とほぼ半数を占めていたが,曲線回帰では19組のうちわずか1組だけであった.曲線回帰分析を用いたIOSの各パラメータと従来の検査法のパラメータとの間の評価においては直線回帰分析よりも高い相関性が認められたが,IOSにより検査を代用する程の高い相関性は認めなかった.
  • 山崎 公靖, 村上 雅彦, 田嶋 勇介, 広本 昌裕, 加藤 礼, 山下 剛史, 有吉 朋丈, 五藤 哲, 大塚 耕司, 藤森 聡, 榎並 ...
    2012 年 72 巻 6 号 p. 670-673
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    教室では1999年より早期胃癌に対して腹腔鏡手術を導入し,手術手技の安定に伴い2005年より一部の進行胃癌にも適応を拡大してきた.また,導入当初は小切開を置いて胃十二指腸吻合を直視下に行う腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(Laparoscopy-Assisted Distal Gastrectomy,以下LADG)を行っていたが,2005年よりさらなる低侵襲を目的に自動縫合器を用いた体腔内Billroth-I法再建であるデルタ吻合を導入し,完全腹腔鏡下幽門側胃切除術(Laparoscopic Distal Gastrectomy,以下LDG)として現在までに137例に施行した.その治療成績をLADG62例と比較検討し報告する.LDGでは病理学的進行度の進んでいる症例が多かった.平均手術時間はLDGで有意に短く(219分 vs 287分,P<0.001),平均出血量も少ない傾向が認められた(86mL vs 121mL,P=0.0646).リンパ節郭清範囲,郭清リンパ節個数,術後合併症,術後在院日数は両群間で有意な差は認められなかった.現在教室で行っているデルタ吻合を用いたLDGの短期治療成績は良好なものであった.今後は長期治療成績の検討と進行胃癌に対するD2郭清を伴うLDGの定型化が重要であると考えられた.
症例報告
  • 矢川 綾子, 中村 俊紀, 宮沢 篤生, 阿部 祥英, 石川 良子, 北條 菜穂, 神谷 太郎, 今井 孝成, 板橋 家頭夫
    2012 年 72 巻 6 号 p. 674-679
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    初期治療に反応が乏しかった気管支喘息大発作の2症例に,硫酸マグネシウム(以下MgSO4)を点滴静注し呼吸状態などの改善が得られた.またMgSO4投与前と1時間後に血清総Mg値(total Mg:以下tMg)と血漿イオン化Mg値(ionaized Mg:以下iMg)および血漿イオン化カルシウム(ionaized calcium:以下iCa)を測定した.2症例ともMgSO4投与前後でtMgとiMgは上昇し,iCa/iMg比は低下した.作用メカニズムから特にiCa/iMgの変化はMgSO4投与の効果判定の指標となる可能性が示唆された.今後は症例数を増やしてその効果と安全性を明確にし,気管支喘息治療における位置づけを定めていく.
  • 大中 徹, 村上 雅彦, 渡辺 誠, 加藤 貴史, 青木 武士, 小澤 慶彰, 松井 伸朗, 藤森 聡, 榎並 延太
    2012 年 72 巻 6 号 p. 680-685
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    症例は82歳,女性.下血を主訴に当院を受診.下行結腸癌の診断で下行結腸部分切除術を施行した.吻合は自動縫合器を用いた機能的端々吻合(FEEA)で行った.病理診断では,Well(tub1>pap,muc),pT3(SE),N1,N0,M0,H0,P0,p-stageIIIaであった.初回手術後,2年間に3回の吻合部再発をきたし,その都度吻合部切除術を行った.吻合部切除後の再吻合はFEEAが行われた.吻合部再発は当教室では1.4%に認め,比較的まれな再発形式である.本例は初回根治手術後に3回の吻合部再発を認め,極めてまれな症例と考えられたため,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 古泉 友丈, 村上 雅彦, 青木 武士, 榎並 延太, 藤森 聰, 三田村 圭太郎, 山田 宏輔, 渡辺 誠, 大塚 耕司, 加藤 貴史
    2012 年 72 巻 6 号 p. 686-690
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    腫瘍の局在位置が横隔膜直下の領域に局在する肝腫瘍に対しては,腹腔鏡下のアプローチは難易度が高く工夫が必要である.本症例では横隔膜直下に存在する肝腫瘍に対し,術前シミュレーションを駆使し,適切なポート位置を選定して,胸腔鏡下経横隔膜経路にて肝切除を行った.横隔膜を切開後術中超音波にて肝を観察し,腫瘍の位置を同定,マーキング後ラジオ波凝固装置および前凝固後超音波凝固切開装置にて肝を離断し,腫瘍を摘出した.術前シミュレーションにて腫瘍への最適な到達経路を確認し,良好な視野確保を可能にした胸腔鏡下経横隔膜経由肝切除手術1症例を経験したので報告する.
  • 藤森 聡, 村上 雅彦, 青木 武士, 榎並 延太, 渡辺 誠, 大塚 耕司, 三田村 圭太郎, 古泉 友丈, 山田 宏輔, 加藤 貴史, ...
    2012 年 72 巻 6 号 p. 691-697
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    症例は77歳女性.突然の意識消失発作にて当院受診.術前の血清生化学検査,CTおよび選択的動脈内カルシウム注入法にて膵体部のインスリノーマと診断された.CTより仮想腹腔鏡を作成し,その画像データをiPadに転送,術野映像との比較確認を可能として腹腔鏡手術を行った.腫瘍は腹腔鏡観察下では同定不可能であったが,主要血管から仮想画像を参考にすることにより,適切な膵切離ラインを決定可能となり,腹腔鏡下膵体尾部切除を安全に施行.術後経過は良好で合併症なく退院した.仮想腹腔鏡を用いた手術支援は,手術のナビゲーションアイテムとして有用であり,特に肉眼上同定不可能な実質臓器の腫瘍切除においては,安全と質を確保する上で必須である.
  • 大中 徹, 村上 雅彦, 渡辺 誠, 加藤 貴史, 青木 武士, 茂木 健太郎, 古泉 友丈, Koji NOGAKI, 三田村 圭太朗, ...
    2012 年 72 巻 6 号 p. 698-702
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    神経鞘腫はSchwann細胞に由来する腫瘍で,消化管,特に大腸に発生することは稀である.今回,S状結腸に発生した神経鞘腫を経験したので報告する.症例は73歳,女性.検診で下部消化管内視鏡検査を受け,S状結腸に辺縁なだらかで表面平滑な隆起性病変を指摘された.生検では正常粘膜のみ観察されたが,間葉系腫瘍も否定できないため,腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した.術後経過良好で第8病日に退院した.病理組織学的には粘膜下層に繊維性被膜を有する腫瘤性病変を認め,S-100で濃染し,α-SMA陰性,c-kit陰性,Ki-67低率陽性であることから神経鞘腫と診断された.
feedback
Top