生体医工学
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55Annual 巻 , 4AM-Abstract 号
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抄録
  • 福原 真一, 渡辺 彰吾, 岡 久雄
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 252
    公開日: 2017/09/13
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    筋音図(Mechanomyoram : MMG)と筋電図(Electromyogram : EMG)を同時計測することにより、骨格筋収縮の正確な評価が可能となる。しかし、筋音図は身体を固定して計測しなければならない等の理由からこれまで用いられることが少なかった。そこで筆者らは、筋音図と筋電図の同時計測が可能なMMG/EMGハイブリッドセンサシステムを開発した。デバイス本体は小型軽量(47×34×24mm、34g)であり、簡便に皮膚に貼付できる。ハイブリッドセンサは、筋音/筋電センサ部、トランスデューサ部およびストレージ(SDカード)が一体となっていることから、付属装置を必要とせずに筋音/筋電計測を行うことができる。従来、センサの固定に微妙な調節が必要であったが、センサ形状に合わせた専用のベルトを用いることにより、簡単に取り付けが可能となった。また、センサと操作端末はBluetooth(R)を介して通信され、計測・制御ソフトウェアによって最大5台のハイブリッドセンサを一括制御でき、サンプリング時間や測定時間等の計測パラメータが設定できる。筋音/筋電波形はリアルタイムモニタリングされ,データはCSV形式で出力される。MMG/EMGハイブリッドセンサシステムの開発により、適用フィールドを問わず、誰もが容易に筋音/筋電計測を行えるようになった。謝辞 本研究の一部は、H28年度特別電源所在県科学技術振興事業(岡山県)の助成を受けた。記して謝意を表する。

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  • 花岡 正明, 林 良一
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 253
    公開日: 2017/09/13
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    生体信号の周波数スペクトルをアンサンブル平均することは,信号全体をフーリエ変換して得られる生の周波数スペクトルを平滑化することに相当する.信号全体を複数のセグメントに分割してアンサンブル平均した周波数スペクトルのバラツキは一般的には小さくなるため,セグメント数が大きくなるほどスペクトルは滑らかになる.一方,セグメント数が大きくなればセグメント当たりのデータ数は小さくなり,周波数分解能は低下する.このように,スペクトルの滑らかさと周波数分解能は互いにトレードオフの関係にあることから,両者のバランスがとれたアンサンブル平均が行われることが望ましい.しかしながら,周波数スペクトルをアンサンブル平均するときのパラメータであるセグメント数と重ね合せ率を決定する方法が存在しないため,実際には,アンサンブル平均したスペクトルの滑らかさを主観的に判断してパラメータを決めている.本研究では,表面筋電図の周波数スペクトルをアンサンブル平均したときの分散がセグメント数によってどのように変化するか,その傾向が大きく変わるブレイクポイント(変化点)を見つけることにより,周波数スペクトルのバラツキと周波数分解能のバランスがとれたセグメント数と重ね合せ率を決定する方法を提案する.また,この方法を表面筋電図に適用した結果を示す.

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  • 大倉 彩葵, 内山 孝憲
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 254
    公開日: 2017/09/13
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    筋の軸方向の固有周波数は,収縮方向の弾性を反映するが非侵襲的に計測することが難しい.一方,筋の径方向の固有周波数は,筋緊張計を用いて,非侵襲的かつ容易に計測できる.そこで,本研究では関節トルクと,筋緊張計を用いて筋振動を計測し,筋の軸方向と径方向の固有周波数を求め,軸方向と径方向の固有周波数の関係を明らかにして,筋緊張計を用いて筋の収縮方向の固有周波数を推定することを目指す. 安静時から100%MVCまで10%刻みで力を変化させ,電気刺激による誘発トルクと,筋緊張計を用いて筋振動を計測した.誘発トルクと筋振動を2次と4次モデルでそれぞれシステム同定し,伝達関数の極から固有周波数を算出した.固有周波数を2乗し,筋収縮レベルとの関係を調べた.トルクについては,70%MVC以上で,筋の収縮方向の固有周波数を算出できなかったことから,60%MVCまでの固有周波数と筋収縮レベルの関係を調べた.誘発トルクの固有周波数と筋振動の低い固有周波数は筋収縮レベルの増加に伴って増加した.このとき,回帰直線の傾きは,有意水準5%で有意に0から偏っていた. 筋の軸方向と径方向の固有周波数はどちらも筋収縮レベルに対して線形に増加した.この関係から筋の径方向から軸方向の固有周波数を算出できると示唆された.

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  • 松江 悠斗, 内山 孝憲
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 255
    公開日: 2017/09/13
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    歩行は日常生活において必要不可欠な運動である. 高齢者では歩行に必要な推進力を確保できず, 転倒しやすくなる. これは歩行において蹴り出しの役割を担っている腓腹筋が衰えて, 歩行が小股歩行になることが原因である. 推進力が変わると歩行速度が変化するため, 本研究では筋音図から, 歩行速度と腓腹筋のスティフネスの関係を解明することを目的とする. 被験者を健常成人男性8名, 被験筋を右脚内側腓腹筋とし, トレッドミル上を歩行させた. 歩行速度は2, 3, 4, 5 km/hとした. 腓腹筋の筋活動度の高い蹴り出し時に2回に1回電気刺激を経皮的に入力して, 歩行中の随意収縮による筋音図と誘発収縮を含む筋音図を交互に計測した. それぞれを同期加算平均し, それらの差を求めて誘発筋音図を抽出した. 電気刺激を入力, 抽出した誘発筋音図を出力として特異値分解法を用いたシステム同定により伝達関数を算出した. 伝達関数から非減衰固有周波数を算出し, スティフネスの指標とした. すべての歩行速度において誘発筋音図を6次の伝達関数で近似できた. 得られた3つの非減衰固有周波数のうち2つは歩行速度の増加に伴って増加し, 1つは歩行速度に依存しなかった. 増加した2つの固有周波数は筋の収縮由来, 歩行速度に依存しなかった固有周波数は皮膚または皮下組織由来であると考えられる. つまり, 内側腓腹筋のスティフネスは歩行速度の増加に伴って増加することが示唆された.

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  • 松岡 亮, 遠藤 卓行, 佐古田 三郎, 吉野 公三
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 256
    公開日: 2017/09/13
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    パーキンソン病(PD)の症状である筋強剛の診断は神経内科医がUPDRS partIIIに基づいて体感的に評価し,健常から重症(1~4)までの5段階で表される. 遠藤らは筋強剛の定量評価を目指し他動的な屈曲伸展運動に対する抵抗トルクを計測する装置(MTM-05,ピーアイシステム製)を開発し,抵抗トルクを肘関節角度で説明する線形単回帰モデルを基に拮抗筋の弾性係数を推定した.その結果,PD患者の筋強剛度の増加に伴う弾性係数の上昇傾向を報告した. しかし,筋には弾性要素だけでなく粘性要素と収縮要素があり,先行モデルでは考慮されていない.本研究では弾性要素に加え,粘性要素,収縮要素を考慮したモデルを構築し,その汎化能力を先行モデルと比較し最適モデルを探索した.次に, 筋の各係数を用いた筋強剛度評価の検証を行った.解析は国立刀根山病院で計測された重症度1~4のPD患者80名を対象とした.構築モデルについてそれぞれのAIC値を比較したところ粘弾性+収縮要素モデルのAIC値が最も低い試行の数が多く, 汎化能力が高いことが分かった.全ての運動相において,粘弾性+収縮要素モデルを用いて推定した粘性係数と収縮要素係数については有意差が見られなかったが弾性係数は筋強剛の重症度患者群間で統計的有意差が見られ,筋強剛進行過程において弾性係数は上昇することが示唆された.また, 重症度のロジスティック判別モデルの重症度,1と3以上の患者群間の判別的中率は90%であった.

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  • 渡辺 諒一, 瀧 宏文, 金井 浩
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 257
    公開日: 2017/09/13
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    病変が進行するとともに生体組織の硬さが変化するといった報告がされている。従って、組織の硬さの定量的計測は病変の存在やその進行度を知る指標となるといえる。本研究では筋組織を対象とした粘弾性特性の非侵襲かつ定量的な計測方法の開発を目的としている。周波数が僅かに異なる2つの連続正弦波信号を重ね合わせた超音波を対象物に双方向から照射し、発生する音響放射圧によって対象物を振動させる。この組織の振動の変位を解析することによって粘弾性の推定を目指す。本報告では設定する差の周波数の値を変化させることによる振動振幅への影響を生体組織を模擬したファントムを対象物として実験し、考察した。対象物変位の計測にはレーザ変異計を使用した。結果としては差の周波数10Hz~200Hzの範囲で変位のパワースペクトルが-40dB/decadeの傾きを持って減衰することが確認された。これは対象物の粘弾性モデルを適切に選択し、超音波加振による圧力周波数特性を考慮することにより応力-ひずみ関係を証明することができ、それぞれの特性から得られたパラメータから弾性と粘性を推定できる可能性をもつということを示唆している。

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  • 川村 勇樹, 大政 光史, 小林 孝之, 松藤 義人, 斎藤 誠, 宇和 由則, 鷲尾 宰司, 山本 衛
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 258
    公開日: 2017/09/13
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    変形性股関節症などに対する治療として,人工股関節置換術が実施されているが,術後の脱臼が大きな問題となっている.従来の人工股関節は半球殻状カップが寛骨臼に埋め込まれ,これに大腿骨と連結した球状骨頭が嵌めこまれるが,カップが半球殻か,それより浅いため,カップと骨頭の機械的な勘合力はなく,筋組織のサポートが弱ければ骨頭は比較的容易に脱臼を引き起こすことが課題となっている.近年,ヒトを対象とした医学領域だけでなく,獣医学領域でも人工股関節が実際に使用されているが,動物用人工股関節においては術後の行動制限が困難なため,脱臼発生が深刻な課題となっている.本研究では,イヌ用として開発中の脱臼防止機構を有する人工股関節の臨床応用を最終目標に定めて,その構造の最適化に関する指針を得る初期段階として,人工股関節カップ部に対する骨頭の引抜き力,すなわち脱臼防止力を有限要素解析によって評価した.解析技術のポイントはカップと骨頭の接触挙動であり,当該人工股関節の3次元モデルを対象として,接触解析機能が大幅に向上した有限要素法ソフトウェア(ANSYS 17.2)による弾性接触解析を行った.その結果,骨頭の引抜き過程におけるカップ側の変形挙動を示すアニメーションが得られるとともに,脱臼防止力とカップ構造パラメータとの関係が明らかになり,適切な脱臼防止力となる人工股関節の構造についての最適設計指針に関するデータを取得した.

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  • 鈴木 直樹, 服部 麻木, 北川 久, 橋爪 誠
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 259
    公開日: 2017/09/13
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    ヒトの様々な四次元現象のうち全身運動時に骨格筋や腹部臓器などの軟組織がどのように変形しているのかを計測、可視化することは現状難しい。そこでわれわれは全身のMRIデータから三次元再構築した全身モデル(体表面、骨格、骨格筋、主要臓器、血管系を含む)を用い、被験者のモーションキャプチャデータを用いて全身モデルの駆動を行なった。駆動に際しては軟組織が解剖学的に矛盾なくリアルタイムに変形しながら全身運動時の内部構造の変化を可視化できるようにした。現在、本全身モデルで用いている軟組織変形手法について、体表面の変形の評価、および目視できない骨格筋の変形の評価をMRI計測によって行なっている。MRI計測では大腿部の筋肉を対象とし、被験者がMRIガントリー内で歩行時と同様の負荷がかかった環境下で屈伸運動する際、運動に同期しながら筋肉の動態変化を高速に連続撮像する手法の開発を行なった。そして得られたMRIデータから三次元再構築した時系列の三次元モデルを用い、大腿四頭筋について運動時の筋長と最大直径の変化の計測を行なった。同様の動作をさせた四次元人体モデルでの大腿四頭筋の変化と比較した結果、被験者と人体モデルでは同じ傾向の筋変形を行なっていることが分かった。今後、MRI計測の空間、および時間分解能を向上させるとともに、計測対象の筋の種類を増やすことで筋モデル変形におけるパラメータを筋それぞれについて決定していく予定である。

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  • 生田 幸士, 石原 謙, 小林 康, 長倉 俊明, 佐久間 一郎, 橋爪 誠
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 260
    公開日: 2017/09/13
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    The purpose of this symposium is to discuss the significance and the strategy to found the department of bio-medical engineering in Japan. The symposium is the 2nd one after the last 55th conference of JSMBE which was held at Toyama. The department of bio-medical engineering has been already established in most of the leading universities in Europe and the United States of America since 1950, while there are a few institutes of the bio-medical engineering in Japan. Until now, There is an agreement at the last meeting toward a positive direction on the foundation of the department of bio-medical engineering by discussing the current problems and learning the history and the strategy from the founders. It is the mandatory issue to be solved in order to grow the young generation up to the international level in the field of biomedical engineering and to strengthen the international competition in medical industry.

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  • 長倉 俊明, 木戸 倫子, 山田 憲嗣
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 262
    公開日: 2017/09/13
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    [はじめに]我々はME研究をより実践的な局面から行ってきた。同時に病院と大学や企業の距離を縮める努力もしてきた。しかし日本の大学に本格的ME教育の場が広く根付いていないのは、まだまだかと忸怩たる思いである。一方で新しい取り組みを行っておりそれを紹介する。[目的]初等的ME教育を医療スタッフや、大学入学前の高校生や中学生に実践的教育を試みている。そこからME専攻学科創設に際し、ニーズ側とシーズ側の問題点を検討する。[結果]大阪大学医学部、大阪電気通信大学を中心に、初等的ME教育として心電図読解や超音波画像解析とそれに関する医学と工学的学習の実践からニーズ側の学生の参加した評判は良好である。さらに受講生が就職後に周囲とのクオリティ差を感じている。しかし、シーズ側とニーズ側も現場が評価しないことが大きな問題点である。さらに名古屋大学工学部大学院、東京工業大学大学院で医療機器の講義も行ったが、学生の関心はとても大きなものがある。しかし、将来に不安なようである。しかし、留学生は気にならず翌年の講義でME分野へ進むことを報告してくれたこともあった。[まとめ]ME教育の実践を通じてME専攻学科創設は、工学系の学生には相当数のニーズがある。そのためにはルートとゴールを示すことと、評価システムも必要である。これらの経験がME専攻学科創設の参考になればと思う。また最後に我々の取り組みへの意見も賜ればと考えている。

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  • 村垣 善浩
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 263
    公開日: 2017/09/13
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  • 武藤 学
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 264
    公開日: 2017/09/13
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     食道癌に対する化学放射線療法(Chemoradiotherapy, CRT)は、高い奏効率を示す一方、局所の遺残や再発が高く、治療不応例に対する救済治療の開発が急務であった。われわれは、タラポルフィンナトリウム(レザフィリン)を用いた光線力学療法(Photodynamic therapy, PDT)を食道癌CRT後の救済治療に応用するため、前臨床試験、第I相、早期第II相臨床研究を実施した。その結果を踏まえ、後期第II相の医師主導治験を行い、平成27年5月に薬剤と機器の同時薬事承認を得ることが出来た。治験における主要評価項目は、局所完全奏効割合。主な選択基準は、1) 50Gy以上の放射線照射が行われている、2)組織学的に癌が証明された遺残再発病変を認める、3)救済手術を希望しないか不可能、4)救済内視鏡切除は不可能、4)遺残再発病変が2カ所以内、深達度T2以下、長径3cm以下、周在性半周以下。参加施設は7施設で、目標症例数は25例とした。全26例が登録され、23例 (88.5%; 95%CI: 69.8-97.6)で局所完全奏効が得られた。4週以上のインターバルを置いた局所完全奏効割合も88.5%であった。深達度別のCR率は、T1b病変で、21/21(100%)、T2病変では、4/7(57.1%)であった。薬事承認後、6回の術者認定講習会を実施し、計200名以上の医師が資格を得ている。

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  • 福原 秀雄, 井上 啓史
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 265
    公開日: 2017/09/13
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    臨床における5-アミノレブリン酸 (ALA) を用いた光力学診断 (PDD) は正確な腫瘍の広がりを可視化し診断精度を改善させてきた。膀胱癌に対するALA-PDDは、従来の白色光で捉える事が難しかった微小病変や平坦病変(特に上皮内癌)を正確に診断可能となり、感度を向上させることで診断精度が改善した。診断精度の向上により、より正確なTURBTやBCG膀注療法の実施が可能となり、これまで高率であった術後の再発率を低下させて治療成績を向上させた。前立腺癌のALAを用いた光線力学治療(PDT)については、ヒト前立腺癌細胞株を用いて我々が行った検討では、ポルフィリン代謝関連酵素やトランスポーターの発現の相違によりALA-PDTの抗腫瘍効果が異なることを見出した。ポルフィリン代謝を正確に制御することにより、より高効率で安全性の高いPDTシステムの構築を実現することが可能となる。当教室で実施している前立腺癌に対するPDTについて紹介する。

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  • 野村 信介, 守本 祐司, 辻本 広紀, 小関 英一, 原 功, 正宗 賢, 長谷 和生, 山本 順司, 上野 秀樹
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 266
    公開日: 2017/09/13
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    【緒言】我々は高分子ミセル化ICG(ICGm)を開発し、腫瘍選択的な集積性と光線力学療法による高い抗腫瘍効果を報告してきた。ICGを用いた場合の抗腫瘍効果は近赤外光吸収による温熱効果によると考えられるため、今回、ICGmを用いて精密な検討を加えた。【対象と方法】BALB/cマウスの皮内腫瘍(Colon26)モデルにICGmを経静脈的に投与し、48時間後に近赤外光(808nm)を照射した。種々の照射強度、時間を設定し、腫瘍表面温度、照射後21日目の腫瘍体積を測定した。【結果】近赤外光照射により腫瘍表面温度は急激に上昇し、120秒以内に最高温度に達し以後漸減した。照射強度 (250-1000mW/cm2)と腫瘍表面温度は正の相関を示した。照射強度を一定として照射時間を変化(111-1000秒)させた場合には、抗腫瘍効果と照射時間との間には関連は認められなかった。次に腫瘍表面温度との関連を検討したところ、腫瘍表面温度が43℃未満であった場合には腫瘍が残存したが、43℃を越えた場合には、照射時間や照射強度によらず、21日目には完全に腫瘍は消失した。【結論】ICGmを用いた光温熱治療では、光照射中に腫瘍表面温度を43℃に到達させることにより、健常部位に与える影響を最小限にとどめ、最大の抗腫瘍効果を得ることができると考えられた。

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  • 荒井 恒憲, 小川 恵美悠
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 267
    公開日: 2017/09/13
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    発表者らは、光増感反応による一重項酸素産生を心筋組織の電気伝導遮断に応用する着想を得て、基礎研究から機器開発までを手掛けている。既に、大型実験動物を用いた実証的実験を150例以上行っている。電気伝導を経カテーテル的に治療するカテーテルアブレーションは、大規模試験による有効性検証が進み、不整脈治療として普及および適用を拡げつつある。電気伝導遮断方法は、熱あるいは冷凍融解による組織壊死を利用しているが、それぞれの原理的問題による治療の課題がある。発表者らは、上記反応を応用した非熱的な酸化による治療原理を考案した。この治療原理では光増感反応は主に間質で起こし、細胞膜上のイオンチャネルに直接作用するので、必要とされる即時的な電気伝導遮断が可能である。既存の仕組みに頼らず、大学発ベンチャーを中心とした取り組みで、この敷居の高い治療法の開発を行っている。

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  • 上村 和紀, 川田 徹, 鄭 燦, 李 梅花, 杉町 勝
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 268
    公開日: 2017/09/13
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    目的:敗血症性ショック状態からの循環蘇生には、大量の輸液療法と、適切な昇圧剤投与が必須である。しかし患者により薬剤応答が異なり、また患者個人でも時間経過で応答は異なるため厳重な循環のモニターと頻回の薬液投与量調節が必要であった。この問題を克服するため我々は、この薬剤投与をコンピュータ制御し、循環蘇生を完全自動化する治療システムを開発し、犬(8頭)の敗血症性ショックモデルにおいてその制御性能を確認した。方法:我々のシステムは血圧(AP)・心拍出量(CO)・中心静脈圧をモニターし、血管抵抗(R)・有効循環血液量(V)・心機能を指標化する。ノルアドレナリン(NA)によりRを、リンゲル生理食塩水(RiA)によりVを制御し、APとCOを制御する。8頭中4頭の犬では臨床応用を見据えAPとCOは非侵襲的に計測した。全ての犬において大腸菌内毒素を投与しショック状態(AP=42±5mmHg, CO=60±17 ml/min/kg)を作り、我々のシステムを適用した。結果:我々のシステムは起動後速やかにNAとRiAを投与開始、約40分以内にRiAによりVを、NAによりRを目標値まで改善した。これによりAPは70±2 mmHg、CO は 130±10 ml/min/kgまで改善し、4時間維持した。目標値からの誤差はAP (-1±4 mmHg) とCO (-3±10 ml/min/kg)でわずかであった。APとCOを非侵襲的に計測しても制御は良好であった。結論:我々の制御システムは敗血症性ショックの患者を救命する上で有用であると期待される。

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  • 大泉 健太郎, 田中 明, 吉澤 誠, 白石 泰之, 山家 智之, 本村 禎
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 269
    公開日: 2017/09/13
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    補助人工心臓を自己心に同期させて駆動させた場合,回転数一定制御に比べていくつかの利点が存在することが報告されている.しかし,拡張期に回転数を上げることで吸着,回転数を下げることで逆流といった異常事態が発生するリスクが存在する.これらの異常事態における臨床治験や動物実験の前段階の評価法として,計算機シミュレーションや模擬循環系が用いられているが,それぞれに利点欠点がある.そこで本研究では,計算機シミュレーションと模擬循環系を組み合わせたハイブリッドモックシステムを用いて,様々な異常事態発生時における人工心臓の制御法を評価することを目的とした.人工心臓の回転数を上げることで生体シミュレータ内の左心室容積が極端に小さくなった場合に,人工心臓のinlet側の圧力に負圧を発生させることで吸着の模擬を行った.その他にも,ポンプ内の逆流や生体側の異常として心機能の低下の模擬を行った.また動物実験を行い,これらの模擬した異常事態の振る舞いとの比較を行った.その結果,このシステムを用いて模擬した異常事態と動物実験の結果が同様な振る舞いをすることが確認された.これにより,実際の血液ポンプおよびコントローラを用いて異常事態発生時の制御法の調査や評価が可能である.一方で,発生圧の変化には限界があること,ポンプの前負荷および後負荷の追従制御に若干の遅れがあることが課題である.

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  • 神保 有紀, 田中 明, 吉澤 誠, 白石 泰之, 山家 智之, 本村 禎
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 270
    公開日: 2017/09/13
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    現在,植込型補助人工心臓が主流となっているが,短期の補助など体外設置型補助人工心臓が有利な場合もある.しかし,体外式補助人工心臓の場合,カニューレの太さや長さが補助流量に何らかの影響を与えることが懸念される.そこで本研究では,カニューレの太さや長さが補助流量に与える影響を調査するとともに,制御によって補償することを目的とした. ポンプの静特性であるHQ曲線は自己心の拍動成分の減衰や受動的な流量変化についての情報を持つ,本研究ではポンプと流入および流出カニューレを含めたHQ曲線を得た.また得られたデータから,HQ曲線を表すモデルを構築し,任意の動作点におけるHQ曲線の傾きを評価した.その結果,カニューレを細くした場合において,回転数を上昇させることにより流量を維持できるが,動作点付近のHQ曲線の傾きが急になることが示された.この時,収縮期に回転数を上げ,拡張期に回転数を下げるコパルス制御を行うことでHQ曲線の傾きは緩やかになり,カニューレを細くした場合においてもポンプ本体のHQ曲線と同等の流量特性が得られることが示唆された.

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  • 玉川 雅章, イ インミン, 山畳 悠司
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 271
    公開日: 2017/09/13
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    本研究では,濃度輸送を考慮したFDM法と凝集を考慮したDPD法の統合した方法を提案するものである.計算対象は,これまでに血栓の可視化を行ったオリフィス形状であり,計算は流れ場を用いて,化学種の濃度場を輸送方程式から計算する.これとDPD法を凝集の部分に適用し,結びつけることを行う.このDPDを導入することで凝集した活性化した血小板の数を評価できた.壁面での付着を確率を用いることで,壁面での凝集した活性化された血小板の数も得ることができた.これらの数とこれまでの実験の血栓生成率との比較を行った.

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  • 菅沼 佳央, 本間 理恵, 島崎 夏美, 小川 恵美悠, 荒井 恒憲
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 272
    公開日: 2017/09/13
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    発表者らは動脈硬化性狭窄に対する新しい治療デバイスとして短時間加熱型バルーンPhoto-thermo Dynamic Balloon (PTDB)を提案している。PTDBはバルーン内でのレーザ照射と潅流溶液によって血管壁を短時間に均一に加温する。加温によるコラーゲン熱変性を利用して血管壁に機械的損傷を与えずに軟化拡張を行う構想である。これまでのin vivo実験において血管拡張の際に中膜の平滑筋細胞が伸展固定されることが明らかになったが、伸展固定が平滑筋細胞に与える影響は調査されていない。本研究ではPTDBの慢性期治療効果を検討するために、加温と伸展を同時に負荷した際の平滑筋細胞のin vitroでの障害評価を目的とした。本研究では、増殖停止状態で伸展を負荷した平滑筋細胞における活性評価方法を検討した。ブタ大動脈由来の平滑筋細胞をストレッチチャンバーに4.0×104 cells/cm2で播種し、0.5 %の血清を添加した培地内で96時間培養することで増殖停止状態にした。チャンバーを伸展系に設置し、自動ステージを用いて0.7 mm/sで0-50 %の伸展を負荷した。伸展固定24時間後から4日間の細胞活性変化をWST-8溶液の吸光度測定により評価した。その結果、伸展固定によって細胞の活性が有意に上昇する傾向が見られたが、伸展率による活性の違いはなかった。細胞は伸展刺激によって活性が上昇することが報告されている。細胞増殖停止状態においても細胞の活性および増殖能を評価できると示唆された。

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  • 村田 雅登, 平山 貢大, 武内 新作, 小田 昌宏, 森 建策, 仁木 清美
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 273
    公開日: 2017/09/13
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    [目的] 3Dプリンタは手術支援の一つとしての期待が高まっているが、現在の汎用機で、どの位正確に病変を表すことが可能であるかに関して不明である。そこで本研究では、異なった3Dプリンタ造形法と素材を用いて心臓モデルを作成し有用性を検討した。[方法]CT画像から抽出した心臓データをstlファイルに変換することにより、3Dプリンタによる心臓模型をつくった。その際、二種類の3Dプリンタにおける造形法を試した。一つ目は材料にPLAを使用した熱溶解積層法、二つ目は材料にAR-G1Lを使用したインクジェット法である。[結果] 熱溶解積層法を用いて作成したものは、原寸大では印刷できず75%に縮小し印刷した。その結果、血管部分の樹脂が崩れてしまった、また、サイズが小さくなってしまったことに加え、モデル全体が単色であることから、血管がどこにあるかということが一目で分かりにくく、さらに材質が固く力を加えた際に壊れやすいという問題があった。インクジェット方式を用いて作成したものは熱溶解積層法とは異なり原寸大での作成が可能であった。病変部位を正確に表現できた。さらにゴム素材を使用可能でき塑性に富んでいた。[結論]インクジェット方式を採用し作成した心臓模型は塑性に優れ有用である。

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  • 磯野 裕貴, 八尾 武憲, 荒船 龍彦, 本間 章彦, 小関 義彦, 鷲尾 利克, 山内 康司
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 274
    公開日: 2017/09/13
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    心タンポナーデとは鋭的心壁外傷などの心臓の損傷により血液が心臓から流出することで引き起こされる疾患である.心臓とそれを覆う袋状の心膜との間に血液が貯留し,心臓の拡張を阻害するために心不全を引き起こし,数分の間に死に至る緊急度の高い疾患である.心タンポナーデは100ml程度の血液が貯留すると発生するとされるが,心膜外からの心嚢穿刺により排液すれば,症状は消失する.しかし穿刺しすぎると心臓を傷つけてしまうため,心タンポナーデ治療は難易度の高い術式である. 現在,様々な外科手技に対応した開胸型の手術トレーニングシステムは様々に製品化されているが,心タンポナーデを心膜の拍動や出血量まで再現したトレーニングシステムは開発されていない.我々は心タンポナーデ治療トレーニングシステムとして,心臓模擬装置,拍動流ポンプ,術者の器具操作計測系から構成されるシステムを開発している.本研究の目的は,心タンポナーデ治療トレーニングシステムにおける心臓模擬装置を開発し,評価することである.そこで本研究では,従来トレーニング手段がほとんど無かった心タンポナーデ治療のトレーニングシステムを開発することを目的とし,ブタの摘出心臓から,心膜,心室筋の粘弾性に関する物性値を計測および定量化し,そのパラメータをもとに心タンポナーデ治療のトレーニングシステムにおける心臓模擬装置を開発,評価を行ったので報告する.

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  • 佐藤 俊亮, 中村 彩耶, 小野 卓哉, 八名 和夫
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 275
    公開日: 2017/09/13
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    本研究では, 自然な環境下でホルター心電計により取得された24時間の長時間心電図データを用い心臓突然死リスク評価について検討した. 高リスクSCD-H 11例, 低リスクSCD-L14例, Control25例, 計50例の長時間心電図を使用した. QTIやRRIに基づく指標であるcRRI-QT, RRI-振幅と, T波に基づく指標であるARPを用いて心臓突然死リスクの評価を行った. cRRI-QT, RRI-振幅では, SCD-H vs Control, SCD-L vs Control間において有意差を認め, ARPではSCD-H vs SCD-L, SCD-H vs Controlにおいて有意差を認めた. これらの指標のうち単独での検定結果が良好であったRRI-振幅, ARP(0.05)を用いて散布図を基に感度と特異度を求めたところ, SCD-Hの感度が0.5, SCD-Lの特異度が0.6, それ以外の感度特異度は0.7以上と良好な値を示した. そこで, RRI-振幅, ARPの2指標を用い, ロジスティック回帰分析を行ったところ, SCD-Lの感度が0.7であるものの, それ以外は感度特異度ともに0.8以上という結果を得た. 特に, SCD-Hの感度は0.54から0.81へ大幅に向上した. さらにcRRI-QTを加え, 3指標のロジスティック回帰分析を行ったところControlの特異度は0.88から0.92へさらに向上した.

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  • 常盤 達司, ジミン レフ, 石黒 博, 山川 烈
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 276
    公開日: 2017/09/13
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    我々は,低侵襲外科治療を実現する凍結プローブの開発を行っている.凍結による外科治療では,確実に細胞を凍結壊死させるために,凍結速度・温度などが重要なパラメータとなっており,術中のプローブ先端温度の高精度な計測が必要不可欠である.従来様々な凍結プローブが開発されており,先端温度計測のために熱電対が使用されている.しかし,熱電対をプローブ先端に接着させるために必要な接着剤が,先端外壁と熱電対との間で熱抵抗として働くため,先端部位の測温精度が下がるという問題があった.そこで本研究では,従来プローブよりも高精度に先端部位の計測が可能な凍結プローブを提案する.提案構造では,従来プローブの基本構造である3重管構造を利用し熱電対を内蔵した.具体的には,3重管の外側と内側の管を異なる金属で設計し,それらを先端部位のみで溶接することで,構造的に熱電対を内蔵した.これにより,従来構造に不可欠であった接着剤が不要となるので,測温精度の向上が見込める.さらに,内蔵型であるので,従来構造で不可欠であった熱電対の配線が不要となり,配線が術野を傷つける恐れや断線の恐れが解消された.本発表では,提案構造の詳細を説明し,提案手法の有効性を示す実験結果を示す.提案プローブは,従来プローブよりも高精度に測温が可能で,熱電対の配線が不要なので,構造的・性能的に外科治療に適した凍結プローブであるといえる.

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  • 川崎 雄太, 細見 晃一, 山本 啓太, 原 伸太郎, 阿部 裕輔, 齋藤 洋一, 関野 正樹
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 277
    公開日: 2017/09/13
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    経頭蓋磁気刺激とはコイルから発生する磁場により,脳内に電場を誘導し,脳を刺激する脳神経疾患の低侵襲な治療法の一つである.我々は経頭蓋磁気刺激の新しい刺激コイル,ダブルDコイルを作製した.本コイルは,従来コイルと同等の印加電流,駆動装置を用いたまま,位置がずれた際であっても標的に誘導される電場が変わらず安定的に刺激できるよう,シミュレーションに基づき設計したものである.本研究では,被験者5名の脳を刺激し,作製したダブルDコイルのコイル位置を故意にずらした際の運動誘発電位の影響を評価することを目的とした. 比較には商用の8の字コイルを用い,各々のコイルを用いて左脳の一次運動野周辺を200点刺激し,各刺激箇所における右手の第一背側骨間筋の運動誘発電位を測定した.運動誘発電位は頭部での位置と対応するよう,グラフ上にマッピングし,最小二乗法を用いて二変量ガウス関数上にフィッティングを行った.得られたガウス関数の長軸,短軸の二方向で運動誘発電位の半値幅を算出した.短軸方向には全ての被験者で半値幅の拡大が見られ,平均で1.6倍となった.長軸方向では,ダブルDコイルを十分に移動することが出来なかった一被験者を除き,全ての被験者で半値幅の拡大を確認し,全被験者の平均でも1.5倍となった.ダブルDコイルが8の字コイルに比べてコイル位置による運動誘発電位の影響が小さいことを明らかとした.

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  • 野崎 利博, 片山 大輔, 安藤 努, 関野 正樹, 朴 啓彰
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 278
    公開日: 2017/09/13
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    脳底部への磁気刺激は海馬を疾患するアルツハイマー型認知症に対して有効な治療法となる可能性がある.本研究では基礎実験として,脳底部に極力近い位置から脳底部を刺激するための励磁コイル(口腔内コイル)を設計製作した.設計では口腔内に収まるサイズの条件下で,脳底部付近での磁束密度が極力大きくなるように口腔内コイルの仕様を最適化した.口腔内コイルに周波数3 kHz,最大電流1923 A(平均値)の単発パルス電流を印加した時,脳底部を想定した位置(海馬左右およびその周辺の視床左右,視床下部)に生じる磁束密度を計測した.ここではコイル角を変化させ,磁束密度に対する角度依存性を調べた.その結果,磁束密度は全ての脳底部位置について,口腔内コイル角が35~40 deg. 付近の時に最大値が得られた.また,頭部組織や器官ごとに磁気および電気的特性を与えた頭部モデルを用いて有限要素法による数値シミュレーションを実施した.その結果,磁束密度は全ての脳底部位置について,口腔内コイル角が35~40 deg. 付近の時に最大値が得られ実験結果との整合性がほぼ認められた.さらに脳の直接の刺激量である誘導電流密度を数値シミュレーションによって推定した.

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  • 高口 太郎, 清水 ふみ香, 花房 昭彦, 正宗 賢, 村垣 善浩, 伊関 洋
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 279
    公開日: 2017/09/13
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    脳腫瘍のなかでも悪性脳腫瘍は組織に浸潤するように発生するため,正常組織と腫瘍組織の境界が不明瞭であり,外科手術による全摘出は困難とされている.しかし,残存した腫瘍は再発・悪性転化する可能性があるため,腫瘍摘出率の向上が求められている.腫瘍摘出範囲は,手術中に複数の病理標本を採取し生検結果を基に決定するが,問題点として病理標本の数や採取位置によって摘出漏れが起こる可能性があることが挙げられる.この問題を解決するため,本研究では連続的な腫瘍摘出によって標本数を増やし,その生検結果を基に,摘出範囲をリアルタイムで決定可能なシステムの構築を目的とする.本研究で開発した連続的腫瘍摘出鉗子を用いて,腫瘍代替モデルの豚脳の切除・回収を行った.洗浄水と共に豚脳はカラムに回収されるが,この洗浄水が診断結果に影響を与える可能性があるため,洗浄水の脱水と腫瘍のカラムへの回収を可能とする等の要求仕様を満たす脱水機構の考案を行った.円弧状の流路の外側にフィルターを設け,洗浄水を分離する構造とした.CAD上にて機構を設計し光造形機で試作,鉗子と接続して脱水実験を行った.大部分の腫瘍は回収可能であったが,10試行中4回は一部の腫瘍が脱水機構に残った.また洗浄水の脱水率は70.24%であった.今後さらなる機構改良を行っていく予定である.

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  • 田中 綜一郎, 吉田 久, 宮内 正春, 中野 直樹, 加藤 天美
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 280
    公開日: 2017/09/13
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    本研究では難治性側頭葉てんかん患者の皮質脳波を用いて、てんかん発作初期段階における異常興奮脳波のコネクティビティ形態推定を行った。吉岡らの研究(2015)では、相互相関関数を用いた推定法と偏相関係数による推定法の提案・比較が行われており、後者の推定方の方がコネクティビティ形態を正確に捉えることができる可能性が示唆された。しかし、偏相関係数による推定法は時間遅れを考慮していない。そこで、本研究では偏相関関数によるコネクティビティ形態推定法の提案を行った。また、相互相関関数による推定結果と比較することでより正確なコネクティビティ形態を推定できると考え両者の比較を行った。その結果、両者の推定結果で側頭葉内側と前頭葉とのコネクティビティと側頭葉内側と側頭葉外側とのコネクティビティが見られた。また、偏相関関数による推定結果のみ側頭葉外側と前頭葉とのコネクティビティが見られた。今回解析に用いたデータにおいててんかん焦点は海馬にあることが分かっている。これらのことから、異常興奮脳波は海馬から側頭葉内側から前頭葉へ伝播し、そこから側頭葉外側へ、そして側頭葉内側へと伝播していくと考えられる。

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  • 山田 誉大, 木村 裕一, 永岡 隆, 花岡 宏平, 細川 知紗, 石井 一成
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 281
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    アルツハイマー病(AD)は、アミロイドβ(Aβ)が、脳内に蓄積することで神経細胞が不可逆的に破壊される疾患であり、認知機能の低下が起こる以前での早期診断・早期治療が重要である。そこで本研究では、Aβの蓄積量の測定のために必要となる、生理学的にAβが蓄積しない領域である参照領域(小脳灰白質)を自動的に設定するためのアルゴリズム (AutoRef) の提案を行ってきたが、本発表では、使用するPETデータの時間軸方向での限定と、クラスタ数による性能の変化を検討した。その結果、臨床データ86例(Aβの蓄積有43症例、蓄積無33症例、蓄積が疑われる10症例)に対してAutoRefを適用したところ、全例に対して参照領域の設定に成功し、小脳灰白質を良く特定できた。さらに、AoutoRefと脳神経核医学専門医が設定した参照領域とをAβの蓄積量で比較したところ、両者に差は無く(p<0.05)、差の最大は0.23であった。画像診断におけるADの鑑別閾値である0.4より小さかったことから、時間情報及び8クラスタでのAutoRefの有効性が示された。

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  • 杉野 寿樹, 吉田 久, 宮内 正晴, 中野 直樹, 加藤 天美
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 282
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    無言無動症は行動意思の欠如がみられる症状である。そこで我々は、 DMN の中で行動意思に関係し、運動野と体性感覚野に結合を持つ前部帯状回を関心領域に設定し、脳梁離断手術を受けた 5 名のてんかん患者にROI-based functional connectivity analysesを行なった。その結果、てんかん患者 5 名中、脳梁離断手術によって急性離断症候群を発症した 2 名中1 名は、手術前には運動野と体性感覚野に相関がみられたが、手術後にはこの2つの領域への相関が消失するという知見を得た。この知見を考察するために、一般の健常者の脳 fMRI データに対して同様の解析を行い比較した。その結果、一般の健常者では前部帯状回の運動野と体性感覚野への相関が見られたことから、上述の知見が脳梁離断手術によって急性離断症候群を発症する場合に起こるものと考えられ、急性離断症候群の発症は前部帯状回の運動野と体性感覚野への結合動態の消失が原因ではないかと考えられる。

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  • 野寄 史弥, 島田 尊正
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 283
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    喫煙による健康被害は世界中で問題視されている.現在,世界中でタバコのパッケージに喫煙に伴うリスクについて警告文または警告画像の掲載によって注意が喚起されている.2012年にはオーストラリアで,たばこの消費量を削減させる目的で施行された法律でタバコパッケージのデザインであるプレーンパッケージが規定された.人々の健康な社会を作り出すためには,確実な禁煙促進効果をもつ禁煙促進画像の作成が必要である.しかし,嗜好に関する評価法は従来,アンケートなど主観的な評価法が一般的であり,警告文や警告画像を客観的には評価されていない. 本研究では,脳活動を指標として,プレーンパッケージと従来のパッケージで,禁煙促進画像の持つ禁煙促進効果に違いが生じるかについて検証を行った.その結果、従来のパッケージを使用した実験では,喫煙欲求を促進する部位である眼窩前頭皮質に有意な賦活の差が見られ喫煙欲求を高める効果がある,あるいは先行研究で示されていたタバコ画像が持つ喫煙欲求を高める効果に比べて,弱い喫煙抑制効果しか持たない可能性が示された.プレーンパッケージを使用した実験では,痛覚認知に関わる一次体性感覚野に有意な賦活の差が見られ,被験者に喫煙を続けることによって生じるリスクを想起させ、症状の痛みに対する共感性が引き起こされたことにより一次体性感覚野に有意な賦活が生じた可能性が示された.

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  • 小塙 弘樹, 島田 尊正, 大木 武彦
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 284
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    炭素には遠赤外線放出の効果があることが知られている.遠赤外線は温熱効果を持ち,暖房器具などで広く応用され,医療分野では慢性疲労症候群,慢性の疼痛,けがの治療など幅広く用いられている.同様の遠赤外線放出効果を持つ絹雲母は医療分野でも痛みの軽減などの健康増進を目的に用いられており,絹雲母を使用したベッドを用いることで月経痛が軽減されるという報告がある.そのため,装身具に遠赤外線放出の効果を持つ炭素材を用いることで,他の金属やプラスチック等の素材で作成された製品に比べて,温熱効果が生理学的・心理学的な状態の改善をもたらす可能性がある.本研究では,通常装身具と炭素材装身具を被験者に身につけてもらい,生理学的影響及び心理学的影響について調査を行った.装身具として眼鏡と腕時計(株式会社 大木工藝製)を用い,肌に接触する部分に炭素材を用いた場合と,通常の素材を用いた場合で脳波のα波,β波,心拍周期の変動,唾液アミラーゼ活性,鼻部差分温度,血流による生理学的評価,心理アンケートによる心理学的評価を実施した.計測中,被験者は内田クレペリンテストを実施することでストレスを与えられた.その結果,通常の素材を用いた場合に比べ,炭素材を用いた場合に,生理学的評価においてβ波パワーの有意に低下し,ストレスが低下することが確認された.また,心理学的評価において緊張-不安が有意に低下することが確認された.

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  • Hiroshi Yoshida, Yasutomo Shimizu, Masaaki Shojima, Makoto Ohta, Tadao ...
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 285
    公開日: 2017/09/13
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    Intravascular surgery, such as coil embolization and stent placement, has been widely performed for treatment of cerebral aneurysms. Doctors must be skillful and sufficiently experienced to successfully manipulate and insert a guidewire and a catheter into the aneurysm via carotid and cerebral artery. Though blood vessel model is useful for training of the doctors in the field of the intravascular surgery, evaluation of doctor's skill and efficacy of training is insufficient. In this study, an ultrasound sensor was fabricated and equipped in the cerebral blood vessel model to measure the displacement of the vessel wall that is contacted and pushed by a guidewire or a catheter. It is confirmed that the fabricated ultrasound sensor could measure the displacement of blood vessel wall by the inserted catheter.

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  • Kaihong Yu, Yasutomo Shimizu, Simon Tupin, Masaaki Shojima, Makoto Oht ...
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 286
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Recently, with the increased popularity of endovascular therapy, blood vessel model become more important owing to its practicality in skill training and new device evaluation. To develop the appropriate model, it's necessary to understand how doctors evaluate the model. In this research, a doctor in NeuroEndovascular therapy was interviewed to analyze his evaluation structure of blood vessel. During the test, the doctor was asked to evaluate three different blood vessel models made based on a same realistic geometry of cerebral artery by using catheter. A sensory test methodology called evaluation grid method was used to analyze the evaluation structure of the doctor. Our results suggest that, the evaluation of a blood vessel model by a doctor is made based on the sensation given by the model through the catheter, including the friction of the inner wall, the similarity of the shape, and the confidence obtained by using the model.

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  • Soyaka Osaki, Tadao Matsunaga, Yasutomo Shimizu, Masaaki Shouzima, Hir ...
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 287
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    近年、脳動脈瘤の治療において血管内治療の1つであるコイル塞栓術が広く施行されている.しかし、この手法において瘤内でコイルが偏って留置された場合や,ネック部分の血流が充分に妨げられない場合,治療の効果が充分に得られないことがあり,コイル塞栓術の効果を定量的に評価することが重要と考えられる.ポリビニルアルコールハイドロゲル(PVA-H)で作製した脳動脈瘤付き血管モデルの動脈瘤内部と周辺の血管内における局所の圧力を多点計測できるようにし,塞栓コイル留置前後の圧変化を計測した.光ファイバを利用した極細径圧力センサを2本,動脈瘤モデルの外側から動脈瘤内に刺入,固定し,動脈瘤周辺血管の上流側と下流側にそれぞれ市販の圧センサを接続した.動脈瘤内の塞栓コイルを増やしながら圧を計測することで,動脈瘤内圧の変化を計測することができた.(356文字)

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  • Yasutomo Shimizu, Simon Tupin, Kaihong Yu, Soyoka Osaki, Hiroshi Yoshi ...
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 288
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Intravascular treatment is recognized as one of the most difficult skills to acquire for medical doctors and realistic in vitro training systems for endovascular treatment are increasingly demanded these days. Vessel model is a major part to construct the system with strong requirements of the reproducibility of both mechanical properties and haptic sense during catheter operation. In this study, the condition to fabricate realistic models and the training system imitating the environment of intravascular treatment were established and 4-coil occlusion in the aneurysmal model was performed by a skilled medical doctor. The coils are successfully inserted into the aneurysm and the doctor evaluates haptic sense during the operation is similar to realistic situations. The experimental result and the doctor's evaluation indicate the new developed system is beneficial to the training of intravascular treatment.

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  • 原 晋介
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 289
    公開日: 2017/09/13
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    今日では、無線技術によって、様々な生体センサをほとんどすべてのスマートフォンに簡単にしかも安価につなくことができるようになった。例えば、Bluetooth、WiFiやWiSUNがその無線ツールの典型例であり、これらはすべてIEEE無線標準規格に基づいている。本論文では、IEEE 802.15.1、802.11や802.15.4gといった毎日のヘルスケアに欠かせない無線通信の標準化動向を解説する。そして、本論文では、医療とヘルスケアサービスを提供するのに必要不可欠な高信頼性無線通信を実現できるIEEE 802.15.6規格を詳解する。

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  • 田中 宏和, 畠山 泰貴, 小森 達也, 松隈 剛
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 290
    公開日: 2017/09/13
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    医療・ヘルスケアIoTを実現するためのキー技術の1つである人体周りのシームレスな生体情報収集技術であるBody Area Network (BAN)、特に次世代BAN規格であるSmartBANの最新技術動向について紹介する。SmartBANは従来のBLEやIEEE802.15.6と比較して、シームレスなデータ収集に不可欠な4つの技術的要求、(a)超低消費電力化(Ultra-Low-Power MAC,Ultra-Low-Power PHY 技術)、(b)QoSの最適制御(様々な伝送レート、許容遅延、許容誤り率などをもつ入力信号を最適に伝送する必要性、医療アプリでは緊急信号の最適伝送の必要性)、(c)タイムリーな接続(Nodeの迅速な初期接続及び再接続、緊急信号の迅速な発信)、(d)システムの共存(他システムとの共存及び同じBAN同士が接近した場合の共存)において格段に優位性のある方式である。本発表では、SmartBANの最新の標準化動向とその技術的特徴を生かした事例の紹介を行う。

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  • 四方 博之
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 291
    公開日: 2017/09/13
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    本講演では、大量運動者からリアルタイムかつ高信頼にバイタルデータを収集するための無線ネットワーキング技術について議論する。特に、運動会でのバイタルデータ収集を考え、無線通信技術を用いて運動者の腰に装着したバイタルセンサで観測したデータを収集するシステムを提案し、その特性評価結果を示す。本システムのように、人体の遮蔽による減衰が存在する通信環境では、マルチホップ通信が必要となり、また大量の運動者からのデータ収集では、多ノードの同時通信に伴う輻輳を低減する必要がある。そこで、マルチホップ通信を実現するための通信プロトコルや輻輳を低減するためのマルチチャネル通信の適用を考え、これらの方式の特性をシミュレーションにより評価した結果を紹介する。そして、通信の信頼性を向上するための課題について議論する。

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  • 張 兵, 成瀬 康
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 292
    公開日: 2017/09/13
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    近年無線通信技術、センサ技術の急速な発展やデバイスの小型化技術の進歩などによって生体信号計測技術も新しい局面を迎えている。これまでの生体信号計測、特に脳波のような微弱・微細な生体信号計測は人体に大きな負担をかけるとともに、日常生活中での実時間計測が極めて困難であった。そこで、我々はフレクシブルなシート媒体に、医療用ペーストなしでワイヤレス計測可能な生体電位センサを配置することにより、誰にも使いやすく、どなたにもフィットする脳活動計測システムの開発を目指す。特に、柔軟なシート媒体を用いた脳機能計測システムをキャップのように装着することにより、場所・時間の制限を受けず、日常生活の中で脳活動状況を把握し、神経リハビリテーション、ブレイン・マシン・インタフェース、バーチャル・リアリティなどの幅広い分野への応用が期待できる。

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  • 瀬野 宏, 富井 直輝, 山崎 正俊, 本荘 晴朗, 柴田 仁太郎, 佐久間 一郎
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 293
    公開日: 2017/09/13
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    致死性心室性不整脈の原因として心臓内に発生する旋回性の電気的興奮波(Spiral Wave: SW)が知られている.先行研究において,心筋組織の局所を冷却した場合にSWが冷却領域の周辺を移動する事が報告されているが,その詳細な挙動原理は未だに明らかになっていない.一方で近年,定量的で詳細なSW解析手法として,位相分散解析が提案されている.そこで本研究では,局所冷却時のSWの挙動原理を明らかにすることを目的として,コンピュータシミュレーション上での局所冷却実験を行い,位相分散解析を用いてSWの挙動を詳細に解析した.その結果,SWが局所冷却領域の周辺を移動していることが観測され,また局所冷却の位置にかかわらず,SWは冷却領域の境界上を一定方向へ周回することが明らかとなった.冷却によって興奮後面が冷却領域の境界上で遅延し,冷却領域に侵入してくる興奮前面の伝播がブロックされることで,SWが冷却領域の境界上を移動していると考えられる.

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  • 門馬 むつ美, 谷田部 純弥, 富井 直輝, 柴田 仁太郎, 山崎 正俊, 本荘 晴朗, 荒船 龍彦
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 294
    公開日: 2017/09/13
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    不整脈の治療機器としてAEDやICDなどの除細動器があるが,現状の機器は通電電圧が高く催細動の可能性が捨てきれないなどの課題があり,より低エネルギー通電で確実な除細動が可能な除細動器が求められている.心筋組織への通電刺激によって通電を印加している間,電極から近傍数ミリの範囲内に脱分極と過分極領域が混在する,仮想電極分極現象(Virtual Electrode Polarization:VEP)が形成され,本現象が除細動の成否に大きく関与することが知られている.しかし従来のVEP解析研究では心外膜側での計測が主であり,心内膜側での計測の報告はほとんどない.本研究では光学計測を用いて,摘出心標本における心室内膜の心筋への点通電刺激時のVEPを解析し,心室内膜の通電刺激効果機序を解明することを目的とする.実験では,ウサギ摘出心よりランゲンドルフ灌流標本を作成したのち,膜電位感受性色素di-4-ANEPPSで染色して心室を切り開いた.刺激印加用の微小電極を心内膜表面に設置し,灌流液で満たしたTissue Bathに設置後,通電刺激による興奮伝播様態を計測した.心室内膜側で形成される点刺激誘発VEPは心外膜VEPと比較して,形状に対称性がなく,刺激の場所ごとに異なる複雑なパターンを形成した.その理由として心室内膜は外膜側と比べ解剖学的に複雑なひだ状の構造をしており,通電による電場形成が複雑になることが示唆された.

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  • 川島 圭太郎, 谷田部 純弥, 富井 直輝, 柴田 仁太郎, 山崎 正俊, 本庄 晴郎, 荒船 龍彦
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 295
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    心室頻拍(VT)および心室細動(VF)は心臓突然死につながる重篤な不整脈である.これらの成因は,心筋組織を伝播する渦巻き状の興奮波が異常に旋回し続けるスパイラルリエントリ現象(SWR)である.一旦発生した不整脈を止めるためには,異常な興奮波をリセットして正常洞調律に戻す電気的除細動治療が最も有効であるが,通電刺激が却ってVFを誘発する催不整脈性や通電に伴う苦痛などの課題があり,低侵襲かつ確実な不整脈治療を行う除細動器手法の開発が求められている.そのためには未だ発生機序の不明な点の多いSWRの解析が必要である.近年,3次元心室壁モデルを用いたシミュレーション研究により,貫壁性心室較差の存在がSWRの興奮伝播ダイナミクスに影響を与えることが報告されている.しかし動物実験において,心外膜側におけるSWR計測に関する研究は報告されているが,心内膜側におけるSWRの計測と解析は十分に行われていない. そこで本研究では心室内膜側における興奮伝播計測システムの開発と,それを用いたSWRの計測と解析を目的とした.ウサギ摘出心から作成した心標本の左心室を切り開き,膜電位感受性色素にて染色した.主波長 520[nm]の励起光を心標本に照射し,放射蛍光をロングパスフィルタ(600[nm])を介して高速度カメラ(512×512[pixel],1000[fps])で撮影することで心内膜側の興奮様態を計測した.計測後,解剖学的構造によるSWRの挙動について解析したので報告する.

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  • 谷田部 純弥, 富井 直輝, 柴田 仁太郎, 山崎 正俊, 本荘 晴朗, 矢口 俊之, 荒船 龍彦, 本間 章彦
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 296
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    心臓突然死を惹起する重篤な不整脈である心室細動は,旋回性の異常な興奮波が発生/持続するスパイラルリエントリ(以下SRと略称)が成因である.芦原らはシミュレーション研究によってSRを点通電刺激によって低エネルギーで制御するSpiral Shift法を提唱しているが実験的な検証は未だ十分ではない.我々の基礎的検討によりSRを制御するためには,通電刺激を行う場所とSRの旋回中心近傍の心筋線維走向が重要である可能性が示唆された.従来,線維情報の導出方法としてMRIやOCTを用いた手法や,心臓を染色し解剖学的な構造から評価する手法が報告されているが,前者は臓器の変形の影響を無視できず,後者は定性的な評価になり,SRとの位置関係を調べるのには不十分である.そこで本研究では,SRとの位置関係を正確に把握できる心筋線維走向導出手法を考案することを目的とした.ウサギ摘出心を活動電位感受性色素であるdye-4-aneppsで染色し心臓標本を作成,心外膜表面に設置した電極から複数の単相性通電刺激(-20[V],10[ms])を印加し,仮想電極分極現象を誘発後,心外膜表面の輝度値変化から活動電位を計測した.仮想電極分極現象は,心筋線維走向に沿って形成されるため,画像解析により電極直下の心筋線維走向を導出することが可能である.測定した多点の線維情報をもとに測定点以外の領域を補完することで,心筋線維走向を定量的に導出する手法を実現したので報告する.

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  • 宇野 優子, 小川 恵美悠, 荒井 恒憲
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 297
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    我々は、間質中で光増感反応を起こす治療において有効な治療を得るための条件を決定するために、間質中薬剤濃度変化を推定することを目的に、血漿-間質-細胞の3-コンパートメントを有するイヌの薬物動態モデルを開発した。我々の提案する治療は従来の細胞内光増感反応を用いた治療とは異なり、薬剤が細胞外の間質中に分布した状態で光増感反応を起こす。タラポルフィンナトリウム投与後、薬剤の分布は血漿から間質、細胞へと経時的に変化する。間質中薬剤濃度の知見はこれまでに無いため有効な治療を得る条件を決定することができない。そこで測定した血漿中薬剤濃度および、血漿・間質・細胞内薬剤濃度の混合情報である組織中薬剤由来の蛍光測定結果を用いて、血漿-間質-細胞の3-コンパートメントを構築することで、間質中薬剤濃度変化を推定した。各コンパートメントの濃度時間変化に関する微分方程式より求まる解と実測値の差の二乗和が最小となるようにフィッティングを行い、コンパートメント間の速度定数を決定した。構築した3-コンパートメントモデルにおいて実測値とのフィッティング動作をR2=0.98で確認した。このモデルを用いて、今までの知見では得ることができなかった間質中薬剤濃度を推定することができた。本手法により開発する計算モデルにより、間質中で光増感反応を起こす治療での条件設定を行えると思われる。

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  • 菅原 裕貴, 鵜川 成美, 齊藤 直, 新関 久一
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 298
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    起立ストレス時の静脈貯留を低減する上で重要な役割を果たしていると考えられているのは筋ポンプである。筋ポンプ効果が有効に働くためには静脈還流のタイミングと心周期の拡張期がカップリングする必要があるのではないかと推察される。これを検証するため,下腿部への周期的なカフ圧負荷(RCI)で筋ポンプを模擬し,心拍-カフ圧リズム間のカップリングと循環系動態との関連を調査した。13名の若年健常者をリクルートし,心電図,呼吸流速、血圧、およびカフ圧力を計測した。被験者は座位姿勢で3分間安静後、5分間起立,その後3分間座位姿勢を保った。起立時から120 mmHgの圧負荷でRCIを行った。静止起立を対照実験(CTL)とし,3種類の周期(6、8、10秒)でRCIを行う実験をランダムに行った。カップリングはカフ圧由来の心拍変動の位相コヒーレンス(&lambda)で評価した。心拍間隔(RRI)と一回拍出量(SV)を算出し,心拍変動から心臓自律神経活動を推定した。CTLでは座位から立位にかけてRRI短縮やSV低下を示したが、RCIはRRI低下を有意に抑制し,SV低下を軽減させた。8秒周期のRCIでは起立時の副交感神経活動の低下が最も抑制され、&lambdaは高値を示した。RCIによる副交感神経活動の亢進は静脈還流量の増加を示唆するものであり,カップリングは静脈還流量の増加に寄与しているものと推察された。

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  • 須藤 健, 鵜川 成美, 齊藤 直, 新関 久一
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 299
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    呼吸性不整脈(RSA)と呼吸リズム間の位相コヒーレンス(&lambda)は心理ストレスで低下し,心拍変動の副交感神経活動指標と正の相関を,交感神経活動指標とは負の相関を示すことが明らかにされ,&lambdaは自律神経活動の指標となり得ることが示唆されている。心拍変動から推定される自律神経活動と睡眠時の脳波&delta波活動には強い相関が見られることが報告されており,&lambdaはノンレム睡眠時に高くなると予想される。これを検証するため,&lambdaが睡眠時の脳波活動に依存してどのような変化を示すか調査し,&lambdaが睡眠状態の指標になり得るか検討した。被験者17名で睡眠時の心電図(ECG)と脳波(EEG)の同時計測を行った。EEGは周波数帯ごとに分類し瞬時振幅を算出した。ECGの振幅変調から呼吸リズムを推定し,心拍間隔変動を呼吸周波数帯域のバンドパスフィルタにかけRSAを抽出した。RSAと呼吸のヒルベルト変換から瞬時位相差を求め&lambdaを算出した。&lambdaは深睡眠時に現れる&delta波と最も高い正の相関が見られ(0.51±0.03),&lambdaの変化が&delta波の変化に平均で7.1±1.7分先行した。また,&lambdaの周期は平均89.8±3.5分であり,&delta波の平均周期85.5±3.5分と酷似していた。&lambdaと&delta波にそれぞれ閾値を設定し、2ステージの睡眠段階を推定したところ,一致率は64.5%であり,&lambdaは睡眠段階の指標になり得ることが示唆された。

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  • 井上 貴文, 中村 英夫, 上野 遥
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 300
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    心臓は自律神経によって支配されており,心拍数は心臓自律神経系活動の交感神経と副交感神経の活動によって増減が調節されている.運動終了後はエネルギーの消耗を低下させるために,交感神経より副交感神経活動が活発に活動すると考えられる.そこで本研究では,Tone-Entropy法を用いてランニング中と運動終了後の回復期について心臓自律神経活動の反応を評価し運動習慣の有無が回復期の心臓に及ぼ影響を考察することを目的とする.トレッドミル運動時の心拍数を20分間測定した.回復期の反応を測定するため安静時においての心拍数を計測する. 被験者は運動習慣有無で分け各10人ずつを計測した.アンケートにて身体情報を確認し実験の説明を行った.解析方法はTone-Entropy法を用いて解析を行った.運動習慣ありとなしでのEntropyは測定開始から運動終了の20分までは変化はないが,安静時開始から安静時終了まででは運動習慣ありではEntropyが1.99bitから3.28bitになり,なしでは2.13bitから2.21bitとなった.運動習慣がある人の方が最大心拍数は低く,心臓自律神経が活発なので,運動習慣がない人よりも心臓に負担が少ないと考られる.回復期の心臓自律神経系活動は運動負荷が上昇すると差があり,運動習慣の有りの被験者の方が運動習慣の無い被験者よりも活動が高かった.この結果から回復期において運動習慣がある被験者が副交感神経活動が優位であり心臓への負担は少ないと評価出来る.

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  • 辻本 裕, 三木 裕貴, 清野 健
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 301
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    呼吸周期が心拍変動に与える影響は,呼吸性洞性不整脈として知られている.呼吸性洞性不整脈では,吸気時に心臓の拍動間隔が短縮して頻拍となり,呼気時に拍動間隔が延長して徐拍となる.このように,心拍変動は主に呼吸周期を含む高周波数領域(0.15-0.5Hz)において呼吸と強く相関している.しかし,低周波数(長時間)領域では心拍変動と呼吸変動の間に有意な相互相関はみられない.本研究では,心拍変動と呼吸変動の振幅変調特性に注目し,両者の振幅の相互相関特性を分析した.実験では,若年健常人8名に対し,心拍変動と呼吸気流の同時計測を行った.また,相互相関特性の分析では,時系列にみられるトレンド成分の影響を軽減するため,Savitzky-Golayフィルタを導入したDetrended Cross-Correlation Analysis (DCCA) を新たに開発し,分析に用いた.我々が開発した解析法は,従来のDCCAよりも推定誤差が小さい利点がある.心拍変動と呼吸の振幅時系列の分析の結果,両者には長時間相互相関がみられることが見いだされた.長時間相互相関とは,相互相関関数が冪的に非常にゆっくり減衰する特性であり,おもに低周波側に相互相関が見られる現象である.心肺系に見られる長時間相互相関は,この系の非線形性を反映したものと考えられる.

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  • Yusuke Sakaue, Ayu Kodera, Naruhiko Shiozawa, Masaaki Makikawa
    55Annual 巻 (2017) 4AM-Abstract 号 p. 302
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Sleep quality is important for maintaining good health. However, many people are not satisfied with their quality of sleep. As a decline in sleep quality leads to a deterioration in attention and concentration during the day, the evaluation of sleep quality in daily life is necessary to improve sleep quality. In our previous works, smart-wear that could measure the electrocardiogram (ECG) in daily life was developed. The purpose of the present study is to measure the ECG during overnight sleep by using the smart-wear in order to evaluate sleep quality. The ECG of 15 healthy males was measured for 8 h during overnight sleep and stored on their smartphone. After the experiment, the measured ECG was evaluated by visual confirmation of R peaks at intervals of 60 s. The results show that the R peaks can be observed at 79.9 ± 10.5 % during overnight sleep.

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