生体医工学
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55Annual 巻 , 4PM-Abstract 号
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抄録
  • 井尻 敬
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 327
    公開日: 2017/09/13
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    精密な三次元心臓モデルの構築は,手術・治療法のシミュレーションだけでなく,心臓機能解明ための計算機シミュレーションや特殊な心臓疾患のデジタルアーカイブなど,幅広い応用先を持つ.著者グループは,精密な三次元心臓モデル構築のため,胸部造影CT画像から心臓領域を分割するための対話的領域分割ツールの開発を行なってきた.具体的には,境界が曖昧な心室筋領域を分割するため,輪郭線制約を指定する領域分割法を開発した.この手法では,ユーザが三次元空間に指定した輪郭線制約を通るように,画像のエッジを通るように,かつ,画像のぼけた領域では滑らかな形状となるように,境界面が自動的に計算される.また,造影された血液領域を正確に分割するため,空間的な影響範囲を指定できる領域拡張法を開発した.この手法では,ユーザは球と円筒を用いて影響領域を指定する.するとシステムは,その影響領域の中だけで領域拡張を計算する.これにより,局所的に異なる閾値を用いた領域拡張を適用でき,より正確な領域分割が可能となる.本講演では,著者グループの一連の成果を紹介し,その展望について議論する.

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  • 稲田 慎, 井上 優子, 柴田 仁太郎, 山本 剛, 芦原 貴司, 相庭 武司, 草野 研吾, 池田 隆徳, 三井 和幸, 中沢 一雄
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 328
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    心臓の電気的興奮は右心房にある洞結節から発生する.肺静脈などから発生する異常興奮は不整脈の原因となることがある.このような異常興奮の発生部位を同定する方法を確立することは,カテーテルアブレーションによる治療において必要とされている.本研究では,12誘導心電図から異常興奮の発生部位を同定するための解析システムを開発することを目的とした.開発したシステムは,12誘導心電図をベクトル心電図に変換し,ベクトル心電図を解析することで異常興奮の発生位置を検出するものである.健常者と不整脈を有する患者の心電図を解析した.ベクトル心電図の特徴より,健常者と患者とを分類することが可能であった.本研究で開発したシステムは,健常者と患者とを分類するために有用である.本セッションでは,開発したシステムと異常興奮の発生部位を同定する方法について議論する.

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  • 井上 優子
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 329
    公開日: 2017/09/13
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    心磁図は、心筋の電気的な活動によって生じる磁場を、高感度磁気センサー(超伝導量子干渉素子SQUID)を用いて計測、可視化する技術である。その高い空間および時間分解能、長時間の測定が可能という特徴を生かし、不整脈の原因部位の診断精度の向上や心室興奮の異常伝導描出が可能となりつつある。現在リスク層別化を含めた不整脈日常診療のゴールドスタンダードは心電図や加算平均心電図である。本セッションでは、(1) QRS幅正常の非虚血性拡張型心筋症における左室内伝導異常の心血管イベント予測、(2) 不整脈源性右室心筋症における右室遅延伝導の致死的不整脈イベント予測、(3) 3方向から撮影した心磁図による心室性期外収縮の起源同定などの点において、心磁図の非侵襲的検査として有用性に関して、最新の知見をレビュー・紹介する。

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  • 荒船 龍彦, 柴田 仁太郎, 山崎 正俊, 本荘 晴朗
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 330
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    心室頻拍・細動は心臓突然死に繋がる重篤な不整脈である.一旦発生した不整脈を停止させるには通電刺激を用いた除細動治療が最も効果的かつ唯一の手段であるが,体外式除細動装置や埋込み型除細動器はいずれも高い通電エネルギーを用いるため患者への負担が大きい.また除細動刺激が却って複雑な不整脈を誘発してしまう催細動の可能性がある.以上より,より低エネルギーで確実な除細動を実現する新たな治療手法の確立が急務である.そのためには不整脈の成因である旋回性の異常興奮Spiral Reentryの機序の解明と,確実な制御手法の確立が必要である.我々は摘出心臓標本と膜電位感受性色素di-4-ANEPPSを用いた心臓興奮伝播光学計測システムを開発し,心臓標本上に誘発したSpiral Reentryに対して微小電極アレイより点通電刺激を印加することで生じる興奮波への影響について計測と解析を行った.本研究により,心筋組織へ通電刺激を印加する事で生じる仮想電極分極現象によって新たに生成される旋回興奮と,不整脈興奮波であるSpiral Reentryの旋回興奮が相互作用することで旋回中心が移動するSpiral Shift現象の発生条件が,Spiral Reentryの旋回中心位置と微小電極位置,そしてこれら2つの位置関係と電極直下の心筋線維走向とが成す角度によって規定される事が示唆されたので報告する.

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  • Takashi Ashihara, Kensuke Sakata, Yusuke Okuyama, Tomoya Ozawa, Ryo Ha ...
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 331
    公開日: 2017/09/13
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    【背景】非発作性心房細動(Non-PAF)に対するカテーテルアブレーション治療戦略として,肺静脈隔離術(PVI)後にも心房細動の駆動力となっている旋回興奮波(AF driver)を修飾することが提案されている.しかし,AF driverの最適な検出方法は未解決のため,そのアプローチ自体の限界も指摘され始めている.【方法】Non-PAFの複雑な興奮波ダイナミクスを瞬時に映像化するため,最近我々はin silicoとAIを統合したオンライン-リアルタイム位相マッピングシステム(ExTRa Mapping)を開発した.本システムを24名のNon-PAF患者(64±9歳、持続3.5±4.3年)に適用し,非受動興奮が観察される時間割合(%NP)を指標にしたカテーテルアブレーションの有用性を評価した.【結果】(1) 8例ではPVI後にAF誘発性が無くなったため,ExTRa Mappingは実施しなかった.(2) ExTRa Mapping実施の16例では,AF driverを含むと考えられる高%NPの非受動興奮領域(NPA)でmultiple wavelets(12±5%)やmeandering rotor(30±7%)を多く観察した.(3) NPA標的アブレーション直後の再マッピングでは,%NPが65±12%から36±20%に減少していた(P <0.001).(4) 非再発率は 7.7±4.0か月のフォローで81%であった.(5) 難治性心房頻拍での再発は1例のみ(5%)と極めて少なかった.【結語】ExTRa MappingはAF driverの検出と修飾評価に有用で,Non-PAFアブレーションの長期成績を大幅に改善する可能性が示唆された.

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  • 保坂 良資
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 332
    公開日: 2017/09/13
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    看護は医療の最前線である。外来診察室・手術室・病棟など、医療の至る場面で看護は不可欠である。ここに有用な機器やシステムが投入されれば、医療および患者の安全性は飛躍的に向上する。中でも、ヒトやモノなどの個体の合理的管理は有効である。最近でも、誤薬や鋼製小物の体内遺残など、個体管理不備に起因して人命が危険にさらされた事例が報告されている。一方、ワイヤレスシステムの普及が進展している。無線通信はエネルギが不可視なため危険視する者もいるが、合理的に設計されれば安全である。ワイヤレスシステムを合理的に応用すればヒュ-マンエラ-を回避でき、これに起因するヒトやモノの個体管理による事故を未然に防止できる。著者はワイヤレスシステムの中でもパッシブRFIDに着目して、その有用性を実験的に検証してきた。その中でもUHF帯のRFIDタグは特に優れており、様々な個体管理に応用できる。最大認証域が大きく、水分との相性も問題ない。手術環境程度の湿潤状態ならば、問題なく動作することも確認されている。ただし最近の報告では、HF帯・UHF帯共に、手術室のような狭小な環境では大きな電界値が観測されている。ここでは、UHF帯パッシブRFIDの有用性を示すと共に、狭小環境下での安全な運用方法についても示唆したい。

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  • 星 善光
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 333
    公開日: 2017/09/13
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    ナースコールシステムは多くの病院に設置され、様々な情報の伝達手段として利用されている。情報には緊急を要する患者からの呼出や生体情報モニタからの信号の他、緊急性を要さない情報も多く含まれている。これらの情報は看護師が患者の状態を把握する上で有益だが、情報が多すぎると患者への対応を遅らせる要因になり得る。時間的な制約のため、同時に対応できない場合、優先順位を決めて対応する必要も生じる。ナースコールの運用記録を解析することで、病棟における看護の負荷や対応上の問題点を明らかにすることができるのではないかと考え、本研究を進めている。これまでに行ったナースコールログの解析に関する知見と、ナースコールログの活用についての今後と問題点を報告する。

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  • 脇坂 仁
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 334
    公開日: 2017/09/13
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    看護業務用携帯端末の導入にあたり、看護業務の省力化と医療安全の担保という方向性のかなり異なる2つの目的が考慮される。看護業務の効率化を行えば、それだけ各看護師の負担が軽減され、医療安全に注意を向けることができるだろうという消極的な観点から見られることも多い。医療安全担当部署からインシデントレポートから抽出されたリスクを分析することで提案された回避方法は、しばしば医療情報システム上で実現可能なものである。とりわけリスク低減策として提示される手法として情報デバイス上での警告による注意喚起がある。しかしながら様々なインシデントに対応して行くにしたがって、個々ののリスクに対してそれぞれ注意喚起を行うことによる「慣れ」による注意力の低下が懸念される。知識が無いことによるリスク発生は、警告表示による介入は有効であるが、内容を熟知した対象者に対しての警告表示はむしろ注力低下につながる可能性を考えるべきかもしれない。個別事例に対して注意喚起を行う方法ではなく、スタンダード・プリコーションのようにプロトコルを着実に実行することによるリスク低減方法を組み合わせることによって「警告慣れ」への対策とすることも有効だろう。今回情報端末だけでなく、医療情報システム全体として医療安全に積極的に寄与するためにはどのような仕組みが必要なのか、その方法論も含め考察を加える。

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  • 瀬戸 僚馬
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 335
    公開日: 2017/09/13
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    改正医療法や2016年の診療報酬改定では病床機能分化・連携の方向性が明確に打ち出され、いよいよ急性期に比重が置かれていた看護サービスの役割も大きく変わろうとしている。このような中、急性期病院の看護サービスも、継続看護を前提とした提供体制に大きく変わろうとしている。また、看護界では同年「看護実践用語標準マスター」が厚生労働省標準規格に採択され、看護情報が複数の病院をまたがっていくことが容易になってきた。他方で、看護部門におけるワークフローや業務手順にはまだ病院固有のものが多く、連携を前提とした看護サービスの支障になっている面もある。今後、生体デバイスや情報デバイスが普及していく際に、大きな支障になっていく可能性が高いと言わざるを得ない。こうした観点から、日本医療情報学会看護部会では2016年11月に病棟デバイスWGを設置し、これらの機材を活用した業務のあり方、例えば記録の自動生成をどこまで行えるか等のユースケースに関する議論を行っていくことになった。具体的な事例を挙げつつ、生体医工学との連携から生まれる看護情報システムの未来について議論を深めたい。なお、本報告で用いる事例は、科研費・基盤研究(C) 16K12222の成果の一部である。

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  • 中元 雅江
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 336
    公開日: 2017/09/13
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    病棟のフローでは、看護師は経過表,実測データ,看護記録などから患者の問題点を把握し,医師の指示に基づいた注射,処置を実施するとともに,今後の看護計画,看護介入の効果を判定する。患者の発する情報と他職種からの情報などを共有しながら患者を中心に医療・看護行為がおこなわれる。患者が発する情報は,生体デバイス及び可搬型情報機器(以下、病棟デバイスという)でリアルタイムに情報を発信できるようになった。現状は情報を伝える、記録の省力化に留まっているが、今後の病棟情報システムは患者の問題点の早期発見、迅速かつ適切な対応ができるように,医療行為を支援すること、情報を記録として残し、のちにフィードバックすることで医療・看護の評価などに役立こと期待される。そのためには、病棟業務で問題となてっていること(例えば処方の確認と実施記録方法、患者プロファイル、アセスメントの記録方法など)を明らかにし、正確にベンダに伝えることが重要である。多くの情報からどの情報に注目すべきかを伝える必要がある。多くの施設で実施されている業務で問題になっているならば、システム化されやすい。そして、多職種にも有用な情報であれば情報共有できる画面や,相手に知らせたい情報を気づかせるような情報の流れが必要である。看護師以外の医療従事者と共に業務改善を含めて病棟デバイスの活用を考える必要がある。

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  • 石井 香奈子, 石垣 恭子
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 337
    公開日: 2017/09/13
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    外来看護に求められるものは高度になる一方で益々人員不足は加速している。スマートデバイスの医療への導入は、業務体系を変える可能性があり、業務を効率化し、人員不足を補う運用が望まれる。そこでスマートデバイスを用いた看護系システムの研究数を文献検索し、その推移と内容の変化について検討し、これからの展開を考察する。医中誌・日本看護協会のWeb検索システムを用いて関連キーワードを含む文献を検索したところ、全301件が該当した。通信機器の発展を背景に携帯端末における技術開発と医療分野での利活用は大きなタイムラグなく参入できていること、連絡用ツールから健康管理ツールへと利用拡大しつつあることが明らかになった。また、アドヒアランスの向上を目指す治療へと変化する医療において、スマートデバイスの登場や利用が補助的役割を果たしていると言える。患者の受診行動の中で最も複雑な診療科の一つである眼科外来へのスマートデバイスの利用を検討する際、①導入で改善を狙う業務の切り分け、②新たなデバイスへの対応力の2点がポイントとなる。ICTの普及と共に利用可能なデバイスが形を変える。それを踏まえた上で、患者にとってベストな医療サービスを提供するための方法を検討する必要がある。

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  • 木戸秋 悟
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 338
    公開日: 2017/09/13
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    再生医療のために幹細胞を利用するにあたっては、必要な細胞に分化誘導を行うのと同等もしくはそれ以上に、その細胞試料の規格化・標準化が重要な課題である。例えば、間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell; MSC)は再生医療等の臨床応用に最も近い細胞医薬品資源として注目される幹細胞の一つであるが、採取方法や個体差の影響、および培養中の状態変化等に起因した細胞ロット間のばらつきが大きく、その品質を保証する評価基準と培養技術の確立が強く求められている。培養中のMSCの品質変化の一因として、培養環境の力学的環境の経験履歴の記憶の関与が近年報告され、MSCの品質保持培養における培養力学場の定義が課題となっている。この課題に対し我々は、細胞培養ゲルに対して微視的に弾性率の分布を刻みこみ、MSCがその上を自発的に遊走する過程で力学場のパターンから受けるメカノシグナルの入力を振動させるアプローチにより、MSCに未分化状態を保持させる培養力学場の設計を行っている。すなわち、硬・軟領域の周期的弾性場で間葉系幹細胞を培養すると、各領域間の非定住運動の過程で硬・軟領域それぞれにおいて対応する系統へと分化誘導される効果が抑制され未分化性が維持され得る(分化フラストレーション現象)。本講演では幹細胞の品質保持に関与する培養力学場の設計指針についてMSCとともにiPS細胞の系についても述べる。

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  • 山本 希美子, 神谷 暸, 安藤 譲二
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 339
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    近年、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多機能性幹細胞(iPS細胞)が組織を再生する治療の材料として注目されている。しかし、幹細胞を特定の細胞に分化誘導する技術はまだ十分発展していない。血管細胞に関してはES細胞に血管内皮増殖因子(VEGF)を添加すると内皮細胞に、血小板由来増殖因子(PDGF)を添加すると平滑筋細胞や周辺細胞などの壁細胞に分化を誘導できることが知られている。本研究では、血行力学因子である流れずり応力と伸展張力がES細胞の分化に及ぼす影響を検討した。PECAM-1をはじめとする成熟した内皮細胞の指標とSM-α-actinをはじめとする平滑筋細胞の指標の抗体を使って免疫染色を行った。ES細胞に流れずり応力を作用すると内皮細胞に分化した一方で、伸展張力を作用すると平滑筋細胞がほとんどを占めた。さらに流れずり応力によりVEGF受容体がリン酸化し、伸展張力によりPDGF受容体のリン酸化することが明らかになった。また、VEGF受容体リン酸化阻害剤(SU1498)とPDGF受容体リン酸化阻害剤(AG1296)を用いた細胞分化の定量解析により、ES細胞に流れずり応力が作用するとVEGF 受容体の活性化を介して内皮細胞に、伸展張力が作用するとPDGF 受容体の活性化を介して壁細胞にそれぞれ分化することが明らかになった。以上の結果から、力学的刺激が細胞内にその情報を伝達するメカノトランスダクションにより細胞の分化が選択的に誘導されることが示された。

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  • 高橋 賢, 王 英正, 入部 玄太郎, 松浦 宏治, 成瀬 恵治
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 340
    公開日: 2017/09/13
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    近年メカノバイオロジーを基盤とした研究手法は、様々な疾患の成因解明と治療法開発というメカノメディスンへと昇華し始めている。本講演はメカノ再生医療とメカノ生殖医療のトランスレーショナルリサーチの展開による、臨床利用可能な革新的次世代メカノ医療技術について紹介する。やけどなど皮膚の損傷に対し再生医療の応用が期待されている。我々は独自に開発した細胞培養器を用い、表皮角化細胞と皮膚線維芽細胞の共培養を行って伸展刺激を付加したところ、表皮層の増高と基底膜形成の促進が認められた。また心不全患者に対しては心臓再生医療の応用が期待されている。心臓再生医療では、幹細胞に対する伸展刺激は細胞分化能や生着性を変化させて細胞治療の効果を改善すると考えられてきたが、幹細胞より直接遊離するエクソソームが様々なパラクライン因子やmicro RNAを分泌することで、in vivoでの細胞移植治療の効果を向上させていることが明らかとなった。生殖補助医療においては、体外受精卵の生育率の低さが大きな問題である。我々は受精卵にメカニカルストレスを付加する傾斜胚培養システムを用いて受精卵培養したところ、受精卵の胚盤胞到達率が静置培養区と比較して向上した。遺伝子発現網羅的解析の結果から、この現象は胚盤葉上層の遺伝子発現変化に起因することが示唆された。今後も各分野における機械刺激応答のメカニズム解明に注力するとともに、メカノ医療技術の臨床応用を進めていく。

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  • 中島 友紀
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 341
    公開日: 2017/09/13
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    運動など力学的な負荷が増えると骨は丈夫になり、寝たきりや宇宙空間など力学的負荷が減ると骨は弱くなることを我々は経験的に理解している。しかし、その詳細な制御機構については、いまだ不明な点が多いのが現状である。生体の基軸である骨組織は、動的な恒常性を維持しながら統合的な運動機能を支えている。骨は破壊と形成の恒常的なバランスによって常に新しく作り替えられている。この再構築は“骨リモデリング”と呼ばれ、強靭な骨組織の維持のみならず、生命維持に必須なミネラルの代謝器官である骨を巧妙に制御している。骨リモデリングは、骨を構成する細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞の細胞間コミュニケーションによって厳密に制御されており、この破綻が様々な骨疾患に繋がる。破骨細胞と骨芽細胞が骨表面で機能する一方で、骨に埋没した骨細胞は、力学的刺激やホルモンなどを感知し、シグナル伝達を介し応答することで、骨リモデリングを制御していると考えられている。

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  • Hiroshi Asahara, Kensuke Kataoka, Yoshiaki Ito
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 342
    公開日: 2017/09/13
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    腱・靭帯は身体の各組織を繋ぐロープのようなもので、この組織が全身の動きを支え、力を伝えることで、“動く”ことが可能になる。その発生・再生のメカニズムはまだ不明の点が多く、腱・靱帯の損傷や疾病の完全かつ早期の治癒は未だ困難である。私たちは腱・靭帯の再生の要となる遺伝子Mohawk (Mkx)を同定し(1)、腱におけるマスター転写因子としての重要な機能を明らかにしてきた(2,3)。さらに詳細な生理学的、分子生物学的および医学的な研究のため遺伝子編集技術であるCRISPR/Cas9システムによるMkxラットノックアウトラットを作製したところ、全身の腱が脆弱になっていることがわかった。さらに、ノックアウトラットをさらに詳細に解析すると、出生後まもなくアキレス腱が骨化することが明らかになった(4)。このメカニズムとして、腱細胞に対する機械的な伸展刺激(メカノ刺激)が、Mkxという遺伝子スイッチを押すことで、腱・靭帯を守り、骨化を妨げることが示唆された(4)。さらに、このノックアウトラットから得られた十分量の腱細胞を用い、クロマチン免疫沈降と次世代シークエンサーを組み合わせた研究手法によって、腱を再生し維持する遺伝子のプログラムを詳細に明らかにした(4)。さらにこれらのツール、情報をもとに、力学的刺激(メカノ刺激)の分子メカニズムや腱の再生医療における新しい知見を得ることができた。1. Ito Y, et al. (2010) Proc Natl Acad Sci USA. 2. Koda N, et al. (2016) Development. 3. Nakakichi R, et al. (2016) Nat Commun. 4. Suzuki H, et al. (2016) Proc Natl Acad Sci USA.

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  • Kenji Watabe, Kayo Yoshimoto, Kenji Yamada
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 343
    公開日: 2017/09/13
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    消化管機能性疾患はよく遭遇する疾患である。診断の世界標準は内圧検査とバロスタット検査であるが、特殊検査であり我が国では普及していない。内圧検査の代用として超音波やMRIによる画像診断が使われるが精度は必ずしも高くなく、バロスタットの代用検査は存在しない。我々は、3D内視鏡を開発した。計測精度が高く内圧検査やバロスタット検査の代わりとなることが期待される。我々は3D内視鏡の基本性能として、面積、容積、運動を計測する機能を検討したので報告する。

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  • Kensaku Mori, Masahiro Oda, Masashi Misawa, Yuichi Mori, Shinei Kudo
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 344
    公開日: 2017/09/13
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    本講演では、機械学習を利用した内視鏡画像の自動診断手法について紹介する。特に、超拡大内視鏡画像を用いた大腸ポリープの類型判別の自動診断手法を例に挙げながら、内視鏡画像診断における機械学習の有用性について議論したい。パーセプトロン、統計的パターン認識に始まる機械学習は長年研究が行われてきたが、GPGPUなどに代表される手軽なハイパフォーマンスコンピューティング技術の発展により、非常に複雑なアーキテクチャを持つニューラルネットワークを用いたパターン認識などが可能となった。一方、内視鏡画像の診断には高度な技術が必要とされ、医師間の差による診断のブレも発生する。そこで、機械学習を用いた内視鏡画像の自動診断方法について2,3紹介する。一つ目の方法は、Hand-crafted特徴量(微分特徴量)などを求め、その特徴量により大腸ポリープの組織型をSVM (Support Vector Machine)による自動分類するものである。二つ目の方法は、CNN (Convolutional Neural Network)を用いて内視鏡画像の自動分類を行うものである。これらの手法について、技術的な側面に焦点をあて解説を行う。機械学習において重要な学習データ生成法についても合わせて議論したい。

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  • Kayo Yoshimoto, Kenji Watabe, Hideya Takahashi, Kenji Yamada
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 345
    公開日: 2017/09/13
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    内視鏡は視野が狭く、一度に消化管全体の情報を得ることができない。そのため、複数の腫瘍があった場合に位置関係を把握するのが難しい。CTを用いた仮想内視鏡により凹凸のある腫瘍の位置関係を把握することはできるが、仮想内視鏡では早期がんなどを含む凹凸の無い腫瘍を把握することはできない。そこで、立体内視鏡を用いて得られたステレオ画像から消化管を展開した画像を作成する手法を提案する。ステレオ画像から消化管の3次元形状を復元し、復元形状に円筒を当てはめることにより、消化管を切開したかのような展開画像を生成する。また、動画像から内視鏡の位置変化を推定し、つなぎ合わせることで展開像の範囲拡大と精度向上を狙う。内部にパターンを描いた紙を貼り付けた円筒を用いて基礎的な検討を行った。

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  • 横田 和幸, 船瀬 新王, 内匠 逸
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 346
    公開日: 2017/09/13
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    近年,ラットを用いた迷路課題が数多く行われている.しかし,ヒトに対しての迷路課題は検証されていない.本研究では,ヒトに対して迷路課題を行い,ヒトに対する迷路課題における難易度の要因を決定することを目的とする.ヒトの迷路難易度に影響するパラメータを決定することを目的とした実験を行った.本実験では,ディスプレイ上に迷路を表示し,キーボード操作により探索を行わせる.本実験は,二日連続で実施される.一日あたり15面の迷路探索を行い,二日間で合計30面の迷路探索を行う.同一の迷路に対して三回続けて迷わず迷路探索を終了することで別の迷路に切り替わる. 迷路作成時に設定する迷路のパラメータが二点存在する.一点目は,スタートからゴールまでの最短歩数である.二点目は,スタートからゴールまで最短ルートで進んだ際に通過するT字の個数である.上記の二点のパラメータ以外に,迷路全体のT字の個数を解析時に使用する.被験者ごとのデータから迷路の難易度を推定するためのパラメータとして,各迷路の探索を終了するまでの回数を設定する.迷路のパラメータと被験者ごとのデータを用いて相関係数を算出し検定を行う. 一日目の迷路では,最短歩数と終了までの回数に相関が見られた.同様に,ゴールまでのT字の個数と終了までの回数にも相関が見られた.二日目の迷路では,迷路全体のT字の個数と終了までの回数に相関が見られた.

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  • 濱中 臨, 田中 慶太, 内川 義則
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 347
    公開日: 2017/09/13
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    本研究は3次元迷路課題中のEEG計測を行い,空間認知とFmθ波の関連性の検討を行うことが目的である.EEG計測は国際電極配置法に基づき,増幅倍率20,000倍,アナログバンドパスフィルタ(0.5-100Hz)を介し,シールドルーム内で測定を行った.迷路課題は,迷路を記憶する記憶課題と,記憶した迷路を基に迷路のゴールを目指す試行課題の2つの課題とした.なお,迷路課題の難易度は,T字路と十字路の2種類の分岐点数を多くすることによって高めた.被験者は7名で事前にインフォームドコンセントを行った.信号処理としてはEEG波形のθ帯域を得るためにディジタルバンドパスフィルタ(4-8Hz)を用い,独立成分分析を用いて眼電図成分を除去した.さらに,時間周波数解析と特異値分解を用いて,Fmθの6Hz成分の出現区間を同定すると共に,Fmθ波に対する,各電極間の関連性を見るためにコヒーレンス解析を行った.その結果,Fzを中心とした前頭部領域近傍で高い相関が見られ,視覚領域である後頭部との相関は弱かった.今後は,さらに他の脳波成分との関連性の検討を行う予定である.

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  • 倉田 雅哉, 栢沼 一修, 松原 未来, 関 直人, 和田 賢弥, 竹原 大貴, 小野 弓絵
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 348
    公開日: 2017/09/13
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    私たちは脳卒中手指麻痺患者を対象として、Digital Mirror Box (DMB)というBMIリハビリテーションシステムを開発している。DMBでは患者が運動想起を行い、患側の運動野で事象関連脱同期(Event Related Desynchronization: ERD)が生じると手に装着した外骨格ロボットとタブレット画面により体性感覚と視覚フィードバックを与える。これまでにERDの検出と感覚フィードバックの制御部分が完成し、臨床研究を開始できるところまで確立されてきた。しかし運動想起に用いる手の動画は、被験者が運動想起を行うタイミングで、白色背景の固視点から黒色背景の手の動画へと画面が切り替わるデザインとなっていた。ERDの算出に用いる自発脳波は覚醒度や注意の切り替わりによってもその強度が変化するため、運動想起による自発脳波強度の変化と視覚刺激への注意が切り替わるタイミングが重なって計測される可能性があった。本研究では運動想起と視覚刺激がERD強度に及ぼす影響を調べるため、画面の切り替わり時の脳波の計測を行って視覚刺激による影響の少ない動画の提示方法を検討した。固視点からの画面切り替わり時には運動野μ波帯域の減衰がみられ、固視点画像後に手の静止状態を入れることで注意の変化の影響によらず、運動想起に由来するERD強度のみを適切に評価するシステムへと改善することができた。

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  • 和田 賢弥, 栢沼 一修, 松原 未来, 関 直人, 倉田 雅哉, 竹原 大貴, 小野 弓絵
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 349
    公開日: 2017/09/13
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    脳卒中手指麻痺患者の運動想起に伴う事象関連脱同期(Event-related Desynchronization: ERD)強度は麻痺からの回復の指標と考えられており、患側運動野のERDを増大させるトレーニング手法の開発が求められている。我々が開発したデジタルミラーボックス(Digital Mirror Box: DMB)は、手の運動映像を一人称視点で観察しながら運動想起を行い、発生するERDが閾値を超えた時に手に取り付けた外骨格ロボットを映像と同期して動作させ、多種感覚フィードバックを与えることで患側のERDの増大を導くブレイン・マシン・インターフェース技術である。本研究では手に自覚する運動障害のない若年成人11名に対し、6日間のトレーニングを行った。ERDは被験者の利き手側の運動野に配置した頭皮電極から記録し、訓練前後で運動想起課題を行ってERD強度の変化を計測した。結果として、全被験者の平均ERD強度が訓練前後で有意に増大した。また、訓練前のERD強度にばらつきがみられたためERD強度が0%以上の高ERD群と0%以下の低ERD群に分けた場合、低ERD群で特に高いトレーニング効果がみられた。これらの結果は視覚と体性感覚のフィードバックを与える本システムがERD強度を増強させるトレーニングとして有用であり、特にERD強度が低い被験者に対し効果が高いことを示唆している。

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  • 福島 裕介, 船瀬 新王, 内匠 逸
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 350
    公開日: 2017/09/13
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    近年,脳波を用いた脳機能の解明が進んでいる.しかし,運動の意思決定に関する脳機能は解明されていない.我々は,運動の意思決定時の脳活動の解明を目標とする.本稿では,運動の対象を眼球運動とし,運動あり・運動なし実験間で後頭頂葉にて観測される脳波変動に着目する. 本稿では運動課題として,Memory-Guided-Saccade-Task (MGST)を被験者に行わせる.被験者をディスプレイ前60[cm]の位置に座らせる.ディスプレイ上に3つの固視点を表示する.中央の固視点と左右の固視点との成す角度は10[°]とする.被験者には指示がない限り中央の固視点を注視させる.MGSTの流れを示す.1)ディスプレイ上の中央の固視点上に右および左の矢印状の視覚刺激を0.2[s]間呈示する.矢印状の視覚刺激呈示と同時に音刺激のTarget-Cueを呈示する.2)矢印刺激消失から2.5~3[s]後に音刺激のGo-Cueを呈示する.3)Go-Cue呈示後,被験者に矢印刺激が示す方向の固視点を注視させる.4)Go-Cue呈示1[s]後,音刺激のReturn-Cueを呈示する.5)Return-Cue呈示後,被験者には中央の固視点を注視させる.実験全体で矢印刺激を左右50回の計100回を無作為に表示する.MGSTで用いる音刺激は1000[Hz]の純音を0.1[s]間呈示する. 本研究の結果より,運動あり・運動なし実験間において右矢印刺激呈示後0.2[s]付近において観測される陽性の最大電位に有意な差を確認できた.

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  • 中川 拓哉, 福田 浩士
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 351
    公開日: 2017/09/13
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    認知機能のうち注意機能や運動遂行機能を評価するための神経心理学的な検査としてTrail Making Test(TMT)が広く用いられている.TMTでは最後のターゲットに到達するまでの要した時間を得点として評価するが,得点の低下・向上に影響すると考えられるターゲットの想起,探索,照合,運動実行のうち,どの機能が得点に影響しているかを明確にすることはできない.そこで本研究ではTMTにおけるターゲットの照合機能に着目し,ターゲットの照合に関する脳活動を調べることを目的とした.実験では,ディスプレイに呈示された手がかり刺激(Part A:「1」から順に「10」,Part B:「1」から順に「お」)に対して,被験者がTMTのルールに従ってターゲットを想起した後,被験者に正解または不正解の標的刺激を呈示した.課題遂行中に被験者から計測した事象関連電位を解析した結果,TMTのPartおよび標的刺激の種類にかかわらず標的刺激の呈示後300 ms付近にN2成分,450 ms付近にP3成分が認められた.更に,正解の標的刺激が呈示された条件と比較して不正解の標的刺激が呈示された条件では,N2成分,P3成分の潜時が延長し,振幅は増大した.また,Part Aと比較してPart BではP3成分の振幅が減少し,持続時間は延長した.本研究で観測されたN2成分,P3成分の潜時,振幅の増減はターゲットの照合に関する脳活動を反映していると考えられる.

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  • 石塚 健太, 古山 怜奈, 三宅 仁
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 352
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    H. Selye のストレス理論では、一般的にいうストレスは悪玉のディストレスであり、善玉ストレスをユウストレスと呼ぶ。また、ストレスを惹起する原因をストレッサーと呼ぶが、ユウストレスを惹起するものはユウストレッサーである。また、ストレス(ディストレス)対処法は大きく2つあり、絶対量の減少と対抗力の相対的増大である。後者が具体的にはユウストレスとなる。したがって、ユウストレッサーを把握し、積極的なコーピングをすることにより、ディストレス軽減が可能と考えられる。このような原理により、我々はこのユウストレッサーを把握するシステムの開発を行ってきた。この中でコーピング行動を取るにはシステム利用の継続が重要であることが分かり、そのための工夫として最近注目されている画像会話に着目し、従来法と比較を行った。従来は利便性を考慮してケータイによる文字入力を想定していたが、いわゆるスマホの普及により、emojiやLINEのスタンプ画像などによる画像を用いたコミュニケーションがより簡便であるという仮説を立てた。被検者17人(男15人、女2人、平均年齢21.82±1.38歳)による改良したシステムを用いた7日間の試行では、さらなる利便性の向上が確認できた。

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  • 松尾 太郎, 孫 光鎬, 榛葉 俊一, 桐本 哲郎
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 353
    公開日: 2017/09/13
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    心拍変動(HRV)指標は,交感神経および副交感神経活動を定量的に示し,うつ病を客観的に診断するバイオマーカーとして有用である.数字をランダムに発声させる軽い精神負荷状況で,うつ病患者はHRV指標に特有の反応を示すことが知られている.そこで本稿では,ニューラルネットワーク(NN)を用いたHRV指標による客観的なうつ病診断手法を提案する.NNは非線形判別が可能であり,個人差が大きいHRV指標を扱う点で有効である.静岡済生会病院のうつ病患者44名と健常者47名を対象とし,安静期・精神負荷期・回復期のHRV指標および心拍数を計測した.これらの指標をNNの入力とし,出力値から健常者とうつ病患者の判別を行った.NNの教師データとして臨床経験30年以上の精神科専門医の診断結果を用い,誤差逆伝播法による学習を行った.性能評価では,交差検証を用いて,うつ病患者の数だけNNの学習を繰り返し,その都度評価した.この結果から,未学習データに対して約76%の精度でうつ病患者を判別できることがわかった.また,誤判別したうつ病患者のHRV指標をみると,健常者が精神負荷に対して示す反応と類似していることが確認された.したがって,うつ病患者と健常者をより正確に差別化するHRV指標が必要である.今後は,うつ病患者の特徴量を増やすために,精神負荷に加え,副交感神経を刺激する呼吸統制を導入する.

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  • 熊澤 良太, 前田 崇斗, 榛葉 俊一, 孫 光鎬, 橋爪 絢子, 松井 岳巳
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 354
    公開日: 2017/09/13
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    うつ病は,女性で10-25%,男性で5-12%と高い生涯有病率が報告されている.うつ病の診断は,世界保健機構や米国精神医学会の診断基準(ICD,DSM)に基づいて問診により行われることが多いが,診断結果は医師の経験や患者の病識に依存する.我々は,種々の判別分析手法を用い乱数生成課題時の心拍数変動指標 (HRV: Heart Rate Variability)の変化から,うつを客観的に診断するための研究を行っている.本研究では客観的うつスクリーニングシステムの開発を目的に,乱数生成課題に言語流暢性課題を加え,さらに評価手法としてHRVと脳血流量変化を用いて判別精度検証を行った.静岡済生会総合病院精神科を受診し,同意の得られたうつ病患者12名(男性5名,女性7名,32±15歳),および健康な首都大学東京の学生と職員合計30名(男性17名,女性13名,37±17歳)を対象に計測を行った.HRVを計算するために心電図を100Hzでサンプリングし,脳血流量計測にはNIRS(日立ハイテクノロジーズ社,WOT-100)を使用した.「課題前安静」,「課題中」,「課題後安静」の各セクションで算出したHRVと脳血流量変化の平均値から線形判別分析を行った.乱数生成課題単独では感度83.3%,特異度93.8,言語流暢性課題単独では感度75%,特異度90パーセントであったが,二種の課題を併用により100%の感度,特異度でうつ病患者と健常者を判別できた.

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  • 山崎 まどか
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 355
    公開日: 2017/09/13
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    脳波は脳の神経活動に伴う電気信号を直接とらえる測定手法で、1929年にHans Bergerがヒトの脳波記録を報告して以来、脳神経疾患の診断などの臨床だけでなく、Brain machine interfaceなど医工学分野でも応用利用されている。脳波は非侵襲的ミリ秒の優れた時間分解を持つ脳機能測定法であるが、通常の臨床脳波で用いる20個の電極からの記録では空間分解能が5-10cmであり、空間分解能が低いため、臨床での利用がほとんどであった。正確な脳機能測定を行うには電極間距離は3cm以下が望ましい(Spitzerら 1989)とされ、Srinivasanらはこれを実現するには128個以上の電極が必要と報告している。しかしながら2000年代に入り、装着を簡便にした100個以上の電極を備えた高密度脳波が登場し、空間分解能が数cm以下となった。時間と空間の両分解能を高めた脳機能測定法として再び注目を集めている。本講演では高密度脳波測定法とその解析法と、その臨床応用として、てんかん患者におけるてんかん性放電の高密度脳波による信号源推定を提示する。また、非侵襲的脳機能測定法について議論していきたい。

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  • 菅野 巖
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 356
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Roy & Sherringtonにより1890年に示された脳活動に伴う脳血流の増加が、脳賦活時に局所レベルで起こることを1970年代になってLassenらが133Xeクリアランス法で初めて示した。Phelpsらはほぼ同時代に知覚刺激により糖代謝が増加することを18F-FDGのPET測定で示した。ところが、1980年代になりRaichleやFoxが15OガスのPETで脳血流と酸素代謝の同時測定で脳血流の増加に比べ酸素代謝の増加が低いことを示した。これはそれまでの脳血流と脳代謝は連動するという脳の生理学の常識を覆し、この脳血流と脳酸素消費の不一致こそが脳賦活時に血液中の酸化ヘモグロビン(OHb)と還元ヘモグロビン(DHb)の濃度比の変化を誘引しそれがfNIRSやfMRIの信号源として最近の脳科学の新しい潮流をもたらした。OHbとDHbの吸光特性や磁気特性の物理特性が異なるため、この変化が頭蓋外から非侵襲的に検出でき、その結果、脳機能活動の非侵襲イメージングが可能になってきた。ただ、fNIRSやfMRIの信号の物理学的なメカニズムは約10年の歳月を経て解明されてきたが、酸素代謝に比べ脳血流の過剰な増加の生理学的なメカニズムは、まだ未解明である。本演題では、脳賦活に伴う脳血流と脳酸素消費の測定の歴史的経緯、脳神経活動に伴う脳血流と酸素消費の変化に関する核医学を中心に得てきたこれまでの知見、さらに、二光子顕微鏡などによる最新の知見について報告する。

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  • 河内山 隆紀
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 357
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    過去20年にわたり、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)は脳活動計測実験に広く利用されてきた。その主な原理であるblood oxygenation level dependent(BOLD)効果は、血液内の赤血球に含まれる色素である還元ヘモグロビンを内因性の造影剤として用いている。還元ヘモグロビンは常磁性体であり、その周辺に磁場の乱れを生み、局所的なMR信号強度の減少をまねく。つまりMRI画像で「見える」のである。一方、脳の神経活動の増加は、脳酸素代謝量の増加に比べて大きな脳血流量の増加を引き起こす。その結果、単位体積あたりの還元ヘモグロビン量は減少し、MR信号強度はかえって上昇する。fMRI実験では、このような信号変化を画像化することで脳活動を評価している。BOLD信号は、原理上、脳血流量(CBF)、脳血液量(CBV)、脳酸素代謝量(CMRO2)などの複数の生理学的パラメータに依存する。また撮像シーケンスやMRI装置の磁場強度によって信号の起源となる毛細血管床や細静脈の関与の様式が異なるなど、信号の生成メカニズムは複雑である。fMRIを実験に有効に活用し、その結果を正しく解釈するためには、fMRI原理についての理解が不可欠である。本講演では、BOLD fMRIの生理学的・物理学的メカニズムについてできるだけ分かりやすく解説したい。

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  • 高橋 直志, 花房 昭彦, 林 英明
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 358
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    末梢神経ブロックとは,末梢神経やその周辺に局所麻酔薬を注入して痛みの伝達を遮断する麻酔方法である.その方法の一つに超音波ガイド法が存在する.この手技は,超音波画像上で常に針の位置,麻酔薬の拡がりを視覚化することが可能である反面,「超音波画像内での針先の十分な確認」,「標的部位に穿刺針を誘導する技術」などが術者に求められる.本研究は,麻酔科医の経験に関係なく,正確かつ安全に超音波ガイド法を行うために,針の進行経路予測と針先位置予測を行うシステムの開発を目的とした.本研究では,20mm,10mm毎に印しの付いた市販の穿刺針を使用した.2台の小型USBカメラで穿刺中の針を撮影して,画像処理により針を自動認識する.穿刺針の印しの位置を三次元計測し,穿刺針の進行経路予測と針先位置予測を行うために刺入位置と刺入角度の計測を行った.カメラの内外部パラメータは,キャリブレーションボードを複数枚撮影して取得しておいた.刺入位置に関しては,約0.38mmの精度で計測可能であり,刺入角度に関しては,刺入鉛直角度で約1.01°,刺入水平角度で約0.32°の精度で計測可能であった.本実験で得られた刺入鉛直角度の計測精度は,約5mmの末梢神経への穿刺支援では,不十分であるが,約13mmの神経叢への穿刺支援では,十分な計測精度であると示唆された.

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  • 秦 和也, 福岡 豊
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 359
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    人の直立姿勢は、重心の高い倒立振子のように不安定な姿勢である。高齢者やめまい患者の転倒防止や平衡機能評価機器の開発のために、姿勢制御系のメカニズムを研究することは重要である。直立をしているヒトの頸背部に振動刺激を与えた場合の身体動揺は、視線の方向に身体動揺が起こる。その身体傾斜方向が視線の影響を受ける被験者と受けない被験者が存在していることが報告されている。しかしその理由に不明確な点が多い。そこで本研究では、頚背部に振動刺激を与えている状態で、左右一方から聴覚刺激を与えた時の身体傾斜方向を計測し、視線による身体傾斜方向の結果と比較する。聴覚刺激によって起きた身体傾斜が、視線による身体傾斜と同様の結果が得られるとすれば、身体傾斜方向は視覚や聴覚よりも上位の中枢による影響を受けていると考えられる。被験者17名に対して二つの実験を行った。一つは視線を正面から移動させた際の身体傾斜方向の計測、もう一つは左右どちらか一方の音源から音を鳴らし聴覚刺激を行った際の身体傾斜方向の計測である。この二つの実験の結果を比較したところ、両方とも影響を受けた被験者は3名であった。そのほかに、視線のみ、聴覚刺激のみ、両方とも影響を受けないと被験者によって異なった。この結果から、現段階では身体傾斜方向が視覚や聴覚よりも上位の中枢による影響を受けているとはいえないことが示唆された。

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  • 奧 慎介, 大谷 尚平, 小濱 剛, 吉田 久
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 360
    公開日: 2017/09/13
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    特定の視対象を注視する際に生じる微小な眼球運動を固視微動と呼ぶ.固視微動と視知覚との関係を明らかにするために,網膜数理モデルを用いたシミュレーション研究もなされているが,固視微動の数学的なモデルが確立されていないため,シミュレーション結果に対する妥当性に関する評価が困難となっている.従来の固視微動のモデルには,固視微動の揺らぎが持つ平均2乗変位量特性を再現するものが提案されているが(徳留ら,2015),固視微動に含まれる微小なジャンプ運動であるマイクロサッカード(MS)が誤差関数を用いて記述されており,その特性が十分に再現されていない.そこで本研究では,よりリアリスティックな固視微動モデルの構築を目的として,MSの動的特性を再現する数理モデルを構築した.実際の固視微動データから,MSを含む一定時間の時系列データを抽出して加算平均を算出し,その動的特性の定式化を行った.MSの平均振幅は0.5deg程度であるが,振幅にはバラつきが大きく,注視視標の形状によっても平均振幅が変化するために,0.3deg刻みに振幅のカテゴリを設け,各カテゴリ間で加算平均を算出した.その結果,MSの動的特性は,振幅,オーバーシュート,視線の変位量をパラメータに持つ非線形関数の組み合わせにより記述することが示され,従来の固視微動モデルに組み合わせることで,より実測データに近い固視微動モデルが生成された.

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  • 中川 誠司, 保手浜 拓也, 神谷 勝
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 361
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    自動車空調音のサウンドデザインにおいては,騒音レベルの低減に主眼が置かれてきた.しかしながら,動作音が小さすぎると,機器の操作性や動作状態の了解性が低下するなどの問題が生じる場合がある.空調音の温冷感に着目し,スペクトル包絡を伸縮させた自動車空調モデル音に対する涼しさ感・暖かさ感を評価した.線形予測符号化を用いてモデル化した空調音のスペクトル重心を操作して,5種類の刺激音を作成した.それらの涼しさ/暖かさに関する聴感印象を,3種類の室温環境下でScheffeの一対比較法を用いて実施した.多くの被験者で,すべての熱環境条件において,スペクトル重心の高い刺激ほど,より涼しい印象を,逆にスペクトル重心の低いほどより暖かい印象を受けていることが示された.この結果は,暖色や寒色のような色によってもたらされる温冷印象[に似た現象であることを改めて示唆するものである.

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  • 尾股 定夫
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 362
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    バイタルサインの中で血圧値は極めて重要なパラメータであるが、手軽に、しかも連続的にセンシングできる血圧計は未だ医療機器として実現されていない。しかも今日のIOTやICTの急速な発展によって、カフ等の圧迫帯を利用しない手法で、血圧を連続的に、しかもリアルタイムに測定できる血圧計の実現が急務となっている。 現在、脈波の伝搬速度から血圧値に変換する手法や、手首に圧センサを接触させてカフ式血圧計で校正して血圧を求める手法等が研究成果として報告されているが、血圧をリアルタイムで、しかも非侵襲法で連続的に測定できる手法の実現は不透明である。しかも、血圧に関する概念が約200年前に認識されて以降、血圧と密接な関係にある脈波から血圧を直接、且つ連続的に測定できる血圧計の可能性については開発研究が十分になされていない。 このような状況の中で、約20年前から筆者らもカフ無しで連続的に測定できる血圧計の開発に挑戦してきた。初期の段階から非侵襲的な手法で簡便に血圧を測定できる計測原理の開発を行い、しかも校正を必要としない新しい測定手法の開拓に努めてきた。本研究では、非侵襲的に、しかも連続測定できる血圧計の試作開発に成功した「カフ無し血圧計の基本的な計測原理と血圧変換へのプロセス」について、研究成果の一部について、その概略を報告したい。

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  • 吉澤 誠, 杉田 典大, 阿部 誠, 田中 明, 本間 経康, 山家 智之
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 363
    公開日: 2017/09/13
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     ビデオカメラで身体を撮影した映像信号のうち,緑色成分の輝度平均値時系列から得られる映像脈波は,指先や耳朶から得られる光電容積脈波(PPG)と同様に,心臓の拍動とともに変動する信号である.光電容積脈波と決定的に異なる点は,一つのビデオカメラから遠隔・非接触的に2次元的な脈動情報が同時に得られることである. 心電図のR波から光電容積脈波の立ち上がりまでの時間である脈波伝搬時間(PTT),あるいは,心臓からの近位部(例えば耳朶)と遠位部(例えば指先)の2つの脈波の立ち上がり時刻の差(脈波伝搬時間差;PTTD)が,血圧に相関することがよく知られている.したがって,接触式の光センサを2つ使わなくても,映像脈波を用いれば遠隔・非接触的に血圧情報を推定できる可能性がある. 本発表では,PTTDを用いる方法ばかりではなく,映像脈波に基づく血圧変動推定のためのいくつかの方法について紹介するとともに,血圧変動は推定できるが原理的に血圧の絶対値は得られない点や,体動や照明環境の変化に弱いという映像脈波の難点とそれを克服する可能性について議論する.

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  • Arata Suzuki, Daisuke Fujita
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 364
    公開日: 2017/09/13
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    従来の血圧測定はカフによって上腕を圧迫し、動脈血を一時的に止めて行われる。そのためカフを用いた血圧測定法は連続的に測定ができない。またカフを使用するために、装着に手間がかかり、機器も大きくなる。連続的に測定ができ、機器も小型にできる光電脈波を用いたカフレス血圧測定法が注目されている。カフレス血圧測定法では脈波の波形形状から血圧の推定が行われる。その際、脈波は起伏が乏しく、基線が変動するため、微分した脈波が用いられる。しかし微分によるノイズの増大や、その影響を避けるためのフィルタリングによって、脈波後方の起伏が不明瞭になることがある。本研究ではこの問題を解決するために、従来の特徴量とは異なるレベルクロッシング特徴量を提案し、これによる血圧値推定を行う。

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  • Haruki Kawanaka, Koji Oguri
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 365
    公開日: 2017/09/13
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    夜間の血圧変動は心血管系疾患の発症率と関係が深く,就寝中の負担の少ない連続的な血圧モニタリングの実現が望まれている.本研究では,就寝時の連続的な血圧変動量推定を目的とし,計測時の姿勢(着座姿勢・寝姿勢)の違いによる影響に着目した.これまでの光電容積脈波の形状パラメータから血圧変動量を推定する手法において,姿勢の違いが脈波パラメータや推定精度にどのような影響を及ぼすかを調査した.まず,姿勢の違いを吸収するための脈波パラメータの規格化の効果を実験により調べた.次に,姿勢ごとに学習データベースを準備し,それぞれ専用の推定式を構築した.さらに,この寝姿勢の学習データベースを用いて,就寝時から起床時までの睡眠中の血圧変動量推定を試みた.

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  • 黒田 嘉宏, 永岡 隆, 塩澤 成弘, 福満 雅史, 荒船 龍彦
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 366
    公開日: 2017/09/13
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    若手研究者活動Working Group(WG)は,若手研究者が学会内で活躍する場がこれまで限られていたことから,「若手の,若手による,若手のための生体医工学プラットフォーム」をテーマに,2017年3月に活動を開始しました.現在の主な活動はサマースクールの企画・運営ですが,今後,医工連携を含む若手研究者どうしのネットワーク作りを行う仕組みを考え,定期的に活動を行っていきたいと考えています.本OSでは,キックオフとしてWGの設立経緯や目的,医・工学系双方の若手研究者の現状や悩み,今後の活動について今年のサマースクールでの取り組みを含めて紹介します.現在,手探りで活動を始めたところですのでオープンディスカッションにより広く議論を行い,今後の活動に反映できればと思っておりますので,学生や若手研究者の方には,是非ご参加いただき企画や組織づくりについてご意見をいただければと思います.<br>下記の内容を予定しておりますが,変更の可能性があります.1.黒田 嘉宏(大阪大学)若手研究者活動WGの設置経緯,目的,研究者連携の意義や事例 2.永岡 隆(近畿大学)サマースクールの目指すもの 3.塩澤 成弘(立命館大学)工学系からみた医工連携の魅力と難しさ 4.福満 雅史(国立循環器病研究センター)医学系からみた医工連携の魅力と難しさ 5.荒船 龍彦(東京電機大学)医工連携プラットフォームの魅力と立ち上げ方の事例

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  • Takaki Shimura
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 368
    公開日: 2017/09/13
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    厚生労働省の掲げる新オレンジプランでは、高齢者の介護を家で行う(在宅ケア)の方向性が示されている。家で介護を行うために、医療・介護の連携の必要性を分析し、今後の情報システムのあるべき姿について解説する。

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  • 髙柳 佳代子, 土井 利江, 奥山 恵理子, 志村 孚城
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 369
    公開日: 2017/09/13
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    半日運動能力向上運動を実施しているデイサービスの利用者を対象として、足指間力、タイムアップアンドゴーテスト、ファンクショナルリーチテストの関係を調査した。

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  • 山下 知子, 山下 和彦, 山田 憲嗣, 大野 ゆう子
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 370
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    地域の超高齢化が社会問題である.地域には,元気な高齢者から認知症やフレイルなど様々な特性を持つ高齢者が存在する.足元に着目すると巻き爪や外反母趾など足部や足爪に問題を抱えており,歩行機能が低下し,転倒リスクが高まる. そこで本研究では,足部や足爪の機能を維持・向上させることを目的にメディカルフットケアを行うことによる下肢筋力,足圧分布を含む身体機能の改善や行動の変化を調査した.対象は身体機能が低下した虚弱高齢者と軽度認知症者を含む認知症者82名(80.2±10.0歳)である. その結果,下肢筋力は1.1~1.2倍向上し,介入前に転倒リスクが高い対象者はメディカルフットケアにより,転倒リスクが低下した.さらに,足底部の筋骨格系の柔軟性が向上し,バランスのよい立ち方に変化していた.また,身体機能だけでなく,地域のボランティア活動,チャリティーコンサートに積極的に参加し,自らも地域の役に立つ,社会活動に参加するなど気持ちの面での変化を確認できた.

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  • 山下 和彦, 山下 知子, 安在 絵美, 太田 裕治, 佐藤 満, 山田 憲嗣
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 371
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    高齢者の認知症の一部は運動で改善や予防が期待と報告されている.認知症の対策を日常生活の支障が出てから行うのではなく,早期からモニタリングし対策することが望まれる.そこで本研究では,中高年者の活動度の情報の収集を目的に健康マイレージシステムを開発した.本システムは,参加する対象者にNFC付きの活動量計を配布し,市内26か所に設置した端末から歩数などの活動量,活動範囲の取得を目的に開発した.設置した端末は,駅などの活動拠点,スーパーなどの生活拠点,体育施設やコミュニティセンタなどの娯楽拠点を選定した.スーパーや駅などの利用頻度を中長期的に観察し,歩数などの活動量の変化を指標とすることで認知機能や活動度の定量的評価が可能となると考えた.対象者は1711人(64.8±11.5歳,40~88歳)である.評価項目として,下肢筋力,体組成,一部の対象者についてはHbA1cなどの血液組成分析,医療経済的分析のために国保医療費を解析した.その結果,歩数は男性の一例では40~64歳群が9212歩/日,65~74歳群が9439歩/日,75歳以上群が8384歩/日であった.下肢筋力はほとんどの群で有意に向上し,体組成について痩せ群はBMIが増加,肥満群はBMIが低下した.腹囲はすべての群で低下した.以上より,本システムを地域の健康づくりに導入した成果が確認された.

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  • 岩野 孝之, 山田 亨, 松田 圭司
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 372
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    近年関心を集めているfMRIによる脳のファンクショナルコネクティビティ(機能的結合性)解析やレスティングステートネットワーク解析をfNIRSでも行うことができるかを検討するため、ヒトの指タッピング実行時のfMRIとfNIRSによる同時計測データを用いて、fMRIとfNIRSそれぞれのデータからタッピング課題による活動部位を解析すると共に、fNIRSデータと相関が高いfMRIデータのボクセルを抽出し、また、fMRI信号を独立成分分析(ICA)してファンクショナルコネクティビティを解析して、その時系列データとfNIRSデータとの相関を計算した結果、fMRIによるファンクショナルコネクティビティ解析で得られる脳のネットワーク成分がfNIRSでも計測できていることが示された。また、fNIRSプローブから離れた位置にあって直接fNIRSで計測することが困難な部位の活動を、大脳運動野と小脳のように機能的結合の強いネットワークを介して間接的に推定することができる可能性を検討する。

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  • Ichiro Kuriki
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 373
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Color is one of the fundamental information in human vision. However, cortical representation of color information is not well understood. It is known that differences of cone responses represent color information at the lower levels of visual system and the higher order visual tasks, e.g., color memory, use categorical representation. We investigated the color representation in human visual cortex by measuring brain activities in adults and in infants. The fMRI study using differential phase encoding technique and adaptation experiments revealed that neural systems that selectively respond to intermediate colors are present at the level of primary visual cortex. The NIRS study in prelingual infants was conducted by investigating cortical response changes while presenting color pairs that span across a border of color category or that stays within a category. The result revealed that the categorical color representation is already. Implications from these studies will be discussed in the talk.

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  • 川瀬 哲明
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 374
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    聴覚系は、効率的かつ正確な音情報の伝達を実現するために、さまざまな高次情報処理機能を有している。他の感覚モダリティである視覚の利用はその一つで、より正確な音情報の認知が実現される(lip-reading 効果)。Lip-reading効果に代表される視聴覚マルチモーダル情報処理については、聴覚野、視覚野の両皮質からの投射を受ける左上側頭溝の重要性が以前より指摘されているが、最近では、上側頭溝より早期の聴覚処理部位である聴覚野においても、視覚の影響が認められることが明らかになっている。我々は、聴覚野で観察される視覚の影響について、聴覚野に起源を有すると考えられている脳磁図N100m反応を指標に、検討を行ってきた。脳磁図は、脳内の電気活動に伴って発生する磁場活動を記録するものであり、高い空間分解能を有する。PETやfMRIと比較し、数ミリ秒のより細かい時間軸上の脳内変化を解析できるのが特徴で、単音節刺激に誘発されるN100m反応は、視覚情報(発話顔画像)の提示により、潜時の短縮、振幅の低下を呈することが知られている。このN100m反応に認められる視覚の効果の大きさについて、特に心理音響学的な結果との比較から検討を加えたので、報告するとともに視聴覚統合処理における聴覚野の役割について考察する。

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  • 肥後 圭哉, 礒山 隆, 斎藤 逸郎, 原 伸太郎, 高井 まどか, 阿部 裕輔
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 375
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    シリコーン樹脂はその表面の高い疎水性に起因する血液凝固反応とそれに伴う血栓形成が生体適用時に大きな問題となっている。この問題を解決すべく創製されたP4ポリマーはMPC (2-Metacryloyloxyethyl phosphorylcoline)と疎水性モノマー MPTSSi (3-(Metacryloyloxy) propyltris (trimetylsilyoxy) silane)、シランカップリング剤MPTMSi (3-Methacryloxypropyl trimethyloxysilane)の3種類を組み合わせたランダムポリマーであり、この問題を解決することが期待されている。ポリマーの抗血栓性はin vitroにおいて証明されているが、in vivoについては未だ明確に証明されていない。そこで本研究ではin vivoにおけるP4ポリマーの抗血栓性を検討することを目的として、P4ポリマーを表面コーティングした人工血管をヤギの内頸静脈に挿入したところ、数日後に血栓で閉塞した。原因としては、断端部の処理に問題があった可能性が考えられた。そこで、現在、P4ポリマーを表面コーティングした補助人工心臓用カニューレでin vivo実験を計画中である。

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  • べ 志英, 伊田 百美香, 関根 一光, 河野 文昭, 浜田 賢一
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 376
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    本研究は,臨床に適した注入性を持ちながら高強度を示すリン酸カルシウム(CPC)を開発することを目的としており,今回はCPCセメントのin SBFとin vivoでの硬化後の性質を評価した.β-3リン酸カルシウム粉末(コントロールTCP:cβ-TCP)をボールミリングによりメカノケミカル的に改質した粉末(改質TCP: mβ-TCP)を作製した.両粉末はCaCl2水溶液次いでNaH2PO4 水溶液と練和し,粉液比は cβ-TCP は2.0, mβ-TCPは 2.5とした.硬化体の機械的特性は圧縮強さ(CS)によって調べ,その後X線回折法(XRD)で構造を解析した(set in air).in vivo実験下ではratの背中の内部筋層にCSの型のまま埋入して取り出した.さらに,硬化後の試料中の析出物の情報を得る目的で、擬似体液(SBF)中に浸漬させた.in SBFとin vivo実験後,set in airと同様に万能試験機でCSを調べた後,硬化体をすりつぶし, XRDで構造を解析した. set in air の結果, mβ-TCPセメントは臨床に適した注入性を持ちながら高い強度を持ったセメントが得られた.mβ-TCP硬化体のin SBFとin vivoでのCSの値の有意差はなかったがset in air時よりは低かった.しかし,β-TCPよりは非常に高い強度を持ち,動物体内でも高い強度を保つことができた.XRDのプロファイルは set in air ではβ-TCPピークは全てハイドロシアパタイト(HAp)に変わった.in SBFとin vivoではHApとβ-TCPのピークがみられた.

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  • Ariunbuyan Sukhbaatar, 堀江 佐知子, 高橋 哲, 森 士朗, 小玉 哲也
    55Annual 巻 (2017) 4PM-Abstract 号 p. 377
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    The Enhanced Permeability and Retention (EPR) effect is considered to be a landmark principle in systemic tumor-targeting chemotherapy. Chemotherapy is used for the treatment of lung metastasis in clinics. However, the EPR effect in the lung metastasis has not been fully investigated. In this study, we evaluate the EPR effect in a mouse model of lung metastasis.Luciferase expressing tumor cells were inoculated into MXH10/Mo/lpr mice to induce lung metastasis. Lung metastasis was activated by dissecting the subiliac lymph node. The EPR effect in the metastatic lung was quantified by accumulation of intravenously injected ICG liposomes. Luciferase activity as well as fluorescence intensity were measured using bioluminescence and biofluorescence imaging. The harvested tissues were analyzed by HE and anti-CD31 staining. Herein, we found that no ICG liposome accumulation was detected in the metastatic lung and the EPR effect was not observed in the mouse model of lung metastasis.

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