生体医工学
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抄録
  • 木村 雄亮, 池内 真志, 生田 幸士
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 447
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    MicroRNA発現解析は、がんの早期発見に重要である。しかし従来装置は巨大で設置箇所が制限される、また解析に高額な試薬を大量に使用しなければならないという欠点がある。これらの問題解決のため、これまで当研究室では、少量試薬でのRT-PCRを可能とするマイクロデバイスの開発に成功したが、発現定量には従来装置を用いる必要があった。そこで今回、サブマイクロリットルスケールサンプルで、qRT-PCRによるRNA発現量の定量解析までを可能とするマイクロデバイスの開発に成功した。本デバイスは手のひらに乗るサイズでありながら、1度に複数サンプルの同時発現解析を可能とする。デバイスはリアクタモジュール、スペーサモジュール、ヒータモジュール及びフォトセンサモジュールから成り、これらのモジュールを立体的に組み合わせることで構築される。これにより、加熱や蛍光観察が必要な範囲を最小限に抑え、反応施行に必要なエネルギーを大幅に削減した。リアクタは極めて薄いポリプロピレンフィルムより作製した。これにより熱伝導率や透明度を改善し、少量サンプルでの効率の良い反応、蛍光観察が可能である。また非常に簡単な手順で、かつ低コストでの作製が可能であり、ディスポーザブル性に優れる。本デバイス内でqRT-PCRを施行したところ、温度サイクル毎にサンプルの蛍光強度が増加する様子が観察された。

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  • 加藤 拓真, 中川 桂一, 芦葉 裕, 小林 英津子, 塚本 哲, 佐久間 一郎
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 448
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    生物の生命維持活動に関して,応力に対する細胞応答が強く関わっている.近年,この応答に細胞の粘弾性が関連していることが示唆されており,様々な瞬時周波数の刺激における応答の知見が求められている.そこで我々は,パルスレーザーでカンチレバーを駆動し,10kHz から 1 MHzまでの刺激を負荷できる瞬間刺激負荷システムを構築した.しかし,細胞応答を評価できるシステムが備わっていないため,この領域に対する応答は依然として未知である. そこで本研究では,我々が開発したシステムに対し,細胞応答として代表的なカルシウムシグナリングを評価できる蛍光観察系を統合し,撃力刺激後の細胞内のCa2+濃度の時間変化を解析した.本実験では,蛍光プローブとしてFluo4を用い,励起光はメタルハライドを用いて観察を行った.本システムにおけるカンチレバーの瞬間的刺激負荷のアライメントのためのイメージング系と,細胞応答の観察を行う蛍光観察系をともに無限遠光学系でセッティングした.そして,各系へのシフトを可能とするフリッパー後にリレーレンズを配置することで,双方の光学系での結像を実現した.開発したシステムを用い瞬間的刺激に対する細胞応答を観察した結果,刺激後の蛍光シグナルの変動を確認することができた.

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  • 榛葉 健太, 庄司 一真, 宮本 義孝, 八木 透
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 449
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    膜タンパク質は創薬における主要なターゲットである.膜タンパク質の機能を評価するためには,脂質二重膜内に膜タンパク質を挿入する必要がある.現在まで,様々な脂質二重膜の形成手法が開発されているが,簡便かつ高精度な脂質二重膜パターンの形成と挿入された膜タンパク質の機能維持を両立することは困難であった.本研究では,脂質二重膜の簡便かつ高精度な形成手法の開発を目指し,自発展開法と呼ばれる脂質二重膜の形成手法がハイドロゲル上においても有効であることを確認した.最初に,ポリジメチルシロキサンを加工して形成した鋳型を用いて,ストライプ状にアガロースゲルを成型した.次に,リン脂質DPhPCと蛍光標識したリン脂質Fluorescein-eggPCを混合した脂質塊をゲル上に塗布し,自発的に脂質膜が展開することを確認した.さらに,脂質膜内で分子の側方拡散が起こることを確認するために,形成された脂質膜において蛍光退色部位の蛍光輝度が時間経過に伴って回復する現象を,FRAP法を用いて評価した.以上の実験から,脂質二重膜がハイドロゲル上に形成されたことが確認された.本研究では,ハイドロゲルの形成に幅0.7mmの鋳型を用いたが,さらに小さなパターンを有する鋳型を用いることで,高精細な脂質二重膜パターニングを行うことができると期待される.

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  • 柳橋 隆全
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 450
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    細胞組織工学は細胞・生理活性物質・足場素材の3つの要素から成り立つ。この足場素材は細胞が生着・機能するだけの場ではなく、細胞に対して様々な影響を与えていることが示唆されている。近年、弾性を調整したアクリルアミドゲルを足場素材とし、組織の硬さに近いゲル上で培養された間葉系幹細胞は、その組織を構成する細胞に分化しやすいことが報告され、足場の力学特性が幹細胞の分化に及ぼす影響について注目されている。しかし、足場の弾性のみを独立して調整することは難しく、多くの報告では組成濃度の変化が混在している。そこで本研究では非線形力学特性を有する豚羊膜を足場とし、応力を印加して弾性を調整する装置を開発し、足場の力学特性が培養したラット胎仔線維芽細胞の挙動に与える影響について検討した。豚羊膜の弾性を30kPa(自然長状態)、500kPa、1000kPa、2000kPaに設定し培養を行った結果、線維芽細胞の生着率・単位面積・アスペクト比では低い弾性から高い弾性にかけて減少する傾向、増殖率では増加傾向が見られた。

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  • 高橋 優輔, 日野 遥, 橋本 成広
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 451
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    iPS細胞や幹細胞は様々な組織の細胞に分化する能力を持つ細胞である.分化後に組織の細胞毎に分離する必要がある.しかし,既存の方法では細胞に染色などによってマーカーをつける方法が一般的であり,マーカーによって細胞の性質に変化が起こる可能性がある.そこで,染色フリーの細胞分離技術への応用を目的に細胞の変形性に着目した.初めに,フォトリソグラフィ技術によって,円柱状のマイクロパターンを4列に作製した.円柱間の隙間幅は列ごとに25,20,15,10 μmとした.流路実験の前に酸素プラズマ処理を行い,流路内を親水化処理した.続いて,タンパク質の特異的接着を阻害するために,4%ウシ血清由来アルブミンを流路内に満たし,1時間コーティングを行った.細胞はC2C12とHepa1-6を用いた.両細胞ともD-MEM基礎培地にFBSとP/Sをそれぞれ10%,1%添加した培地を用いて培養を行った.培養した細胞をトリプシン処理によって剥離させ,細胞懸濁液を作製した.マイクロピペットにより,60 μlの細胞懸濁液を入口出口の圧力差を用いて流路内に導入した.位相差顕微鏡にデジタルカメラを設置し,動画撮影を行った.撮影した動画から細胞の速度,面積を算出した.結果,C2C12,Hepa1-6ともに細胞の直径と通過するまでの時間に相関が見られた.また,C2C12に比べてHepa1-6はスリットを通過するまでの時間が長かった.

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  • 長山 和亮, 佐川 千秋
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 452
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    紫外線や放射線などの外的ストレスによるDNA損傷は,がんや甲状腺異常などの様々な疾患の原因となる致命的な損傷である.このため,効果的な防御技術が切望されており,これまで主に医学・生物学分野の基礎研究が進められてきた.一方,ごく最近では,核内のクロマチン構造の物理的な凝集が,DNAの紫外線・放射線感受性に作用する可能性が指摘され始めている.しかし,そのメカニズムは全く未解明であり,生きた細胞のDNA凝縮を操作する方法は全く確立されていない.著者らは最近,直径や高さが数umオーダーの微細な円柱を並ばせて作製したマイクロピラー基板を用いて細胞を培養することで,細胞内の核を大きく変形させ,細胞の増殖を一時的に休止させることに成功している.このような工学的技術を応用すれば,核に力や変形を加えてDNAの凝集や分散を操作し,紫外線や放射線に対する細胞耐性を制御するといった全く新しい医工学技術を提案できる可能性がある.そこで本研究では,微細加工した細胞培養基板を用いて,生きた細胞内の核に変形を加えることで,紫外線由来のDNA切断損傷を効果的に抑制できるかどうか詳しく調査した.

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  • 塚田 海馬, 島田 幹男, 松本 義久
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 453
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    癌抑制遺伝子として重要な役割をもつ転写因子p53は、放射線などによるDNA損傷に応答して増加するとともに活性化し、p21、BAXなど細胞周期チェックポイント、細胞死関連遺伝子の発現を誘導する。p53の細胞内での存在量は通常時には主にMDM2によるユビキチン化とプロテアソームによる分解で低く維持されている。DNA損傷が生じるとp53はATMによるリン酸化を受け、これによってMDM2との結合が阻害される結果、分解を免れて蓄積する。本研究は、p53のこの制御機構を基盤として、p53と蛍光タンパク質を融合させることで、DNA損傷に応答したp53の存在量の変化を蛍光変化として捉え、細胞が生きたままでDNA損傷応答状態を可視化するためのシステムを構築することを試みた。まず、正常p53発現、変異型p53発現、p53欠損のヒトがん細胞にp53とGFPの融合タンパク質を発現するプラスミドベクター(pEGFP-C1)を導入し、存在量や照射後の変化をウェスタン・ブロット法やフローサイトメトリーによって解析した。さらに、内在性p53の発現量や照射後の変化をよりよく反映するため、CRISPR/Cas9システムを応用したゲノム編集技術により、ゲノム上でp53遺伝子座にGFP遺伝子を挿入し、融合遺伝子を作製することを試みているので、合わせて報告する予定である。

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  • 中西 宏貴, 稲葉 浩, 福武 勝幸, 福岡 豊
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 454
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    血友病Aは遺伝性疾患であり、血液凝固第VIII因子を生産する20万塩基程度の遺伝子が関係していることがわかっている。また、患者により変異が異なるため、重症度も異なる。そのため次世代シーケンサによる遺伝子配列の解析を通じた、血友病の重症度に関係する変異の特定が期待されている。遺伝子の変異の一種である逆位は検出が困難である。そこで、本研究では変異を解析するソフトウェアであるpindelを用いて数塩基から数百塩基程度の小規模な逆位の候補を予測する方法を確立することを目的とする。本研究ではまずpindelを用いて断片化された遺伝子配列中に存在する小規模な逆位を検出することができるかを確認する。そのため中間に人為的な逆位を含む遺伝子配列を使用する。最初に断片化された遺伝子配列の位置を特定するためにリファレンスゲノムを用いてマッピングをする。次に重複を削除し、pindelで解析する。解析結果から自作のプログラムを用いて変異該当部分をリファレンスゲノムから抽出する。その後、遺伝子配列と比較し、逆位の関係になっているかを確認する。人為的な逆位を含む遺伝子配列から逆位を検出できた。 pindelを用いて小規模な逆位候補を検出する方法の基礎を確立した。

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  • Nur shuhadah Abdul rahin, 志村 まり, 矢口 俊之 , 荒船 龍彦 , 本間 章彦
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 455
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    難治がんの治療へ向けて分子標的の同定が様々な方法で進まれているが、完全に治療することはまだ困難である。難治がんに大事な免疫システムは抗体を生産し、ウィルスや外来細菌のような外部の脅威から身体を保護するように設計されている。しかし、いくつかの癌細胞は、免疫系の攻撃から脱出する。現在ではがん細胞と戦う従来の抗がん剤がある。 従来の抗がん剤は主にがん細胞と戦う薬であるが、Opdivoは、がんとの戦いで免疫システムを助けることができる免疫療法治療であり、免疫に作用するまったく新しいアイデアです。 人間の抗体産生細胞および癌細胞の戦いの間、反応は未知の因子を生じる。 反応のメカニズムは依然として不明である。本研究ではエレクトロスピニング法にて作製したセグメント化ポリウレタン製繊維表面に、非晶質炭素膜を被膜し、繊維上に存在する細胞の個々の運動形態を非侵で評価した。既存の生体材料の特性を保持したまま生体適合性に優れた材料表面を付加できる表面改質技術である。先行研究では、原料ガスとしてメタンのみで作製したa-C:H 膜とCH4 に窒素をドープして作製したa-C:H 膜を、生体内の構造を模擬している繊維性スキャフォルド上に成膜し、スキャフォルド繊維上において単一細胞の挙動を解析することで細胞に及ぼす窒素添加の影響について検討した。画像処理にて細胞の個々の移動速度、繊維接触率と増殖の細胞数を評価できるシステムを開発する。

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  • 川口 拓之, 谷川 ゆかり, 岡田 英史, 星 詳子
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 456
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    拡散光トモグラフィ(DOT)は生体内の光学特性値の空間分布を得ることができる。光学特性値は局所の血管密度や細胞構築を反映していると考えられ、頭頸部においては甲状腺がんの検出や治療の評価への応用が期待されている。DOTでは体表上に装着した複数の光ファイバにおいて近赤外光を入射・検出することで得られる計測データと同様な系での光伝播シミュレーションの結果を比較することで画像再構成をするため、計測時のファイバの装着位置や角度を数値計算に組み込まなければならない。そこで、被験者本人の前頸部にフィットする装着再現性が高いファイバホルダであれば設計時のパラメータから装着状態を推定できると仮定し、そのようなホルダを作成した。被験者の頭頸部の解剖学的MRIを計測し、頸部表面と甲状腺の位置を抽出した。モルフォロジカルフィルタを用いて、頸部表面の形状を忠実に反映した曲面板データを生成し、光ファイバ挿入用に35箇所の穴を開けた。熱溶解積層方式の3Dプリンタでポリ乳酸樹脂を用いてホルダを造形した。作成したホルダのファイバ挿入用の穴に硫酸銅水溶液を封入した円筒状容器をマーカーとして穴に設置した。これを被験者に装着した状態で解剖学的MRIを2度撮像することで、ホルダ装着位置の再現性を評価した。このときのマーカーの位置および角度のずれはそれぞれ2.2±0.8 mm、1.7±1.0 度であり、装着再現性の高いホルダを作成することができた。

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  • 土屋 大, 土肥 徹次
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 457
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    近年,MEMS技術を用いた小型かつ高感度なMRI信号受信用コイルの研究が行われている.高いSNRの画像計測を行うためには,コイルの巻き数を増加させることが求められる.しかし,巻き数を増加させると寄生容量が増加するため,自己共振周波数が低下する.そこで,本研究では巻き数を増加させても自己共振周波数が高いコイルを実現するため,キャパシタでコイルを分割したMRI用マイクロコイルを提案する.キャパシタ分割コイルは,3次元冶具と平面コイル配線を組み合わせ,ソレノイドを形成し,キャパシタを挿入することで試作した.コイルの特性を評価するため,インピーダンス計測を行った.また,分割コイルと同じ設計値でキャパシタを挿入しない非分割コイルを試作し,比較した.非分割コイルの自己共振周波数が156 MHzであるのに対し,分割コイルは179 MHzとなり,自己共振周波数を約15%向上することができた.次に,MRI用コイルとして使用可能かどうかを判断するため,SWR計測を行った.分割コイルのSWRは1.2,非分割コイルは3.1となった.非分割コイルはMRI用コイルとして使用困難であるが,分割コイルは同じ巻き数でありながら使用可能であることが確認できた.最後に分割コイルを用いて食用油脂のMRI画像計測を行った.計測画像より算出したSNRは64であり,MRI画像化のための十分なSNRを持っているといえる.以上より,高感度なMRI画像計測が可能なキャパシタ分割コイルを実現できた.

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  • 神山 英昇, 北間 正崇, 清水 久恵, 山下 政司, 横山 徹, 小島 洋一郎, 清水 孝一
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 458
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    人工透析療法では多くの場合,前腕部に内シャントを設ける.しかし,種々の物理的ストレスにより狭窄や閉塞が発生しやすく,日常的な管理が重要となる.これに対し我々は,生体内拡散光を用いた非侵襲的な内シャント観察システムを提案し,その実現に向け検討を行っている.これにより,血管内径の継続的な経過観察が実現すれば,狭窄や閉塞の早期発見が可能となる.本報では,血管内径計測精度の向上をめざし,複数波長光源を用いた画像間差分の効果を調べた.第1段階として,2波長に対応する吸収係数変化を可能とする試料を用い,差分演算の効果を検証した.実験では,ヒト前腕部を模擬する固体ファントムを作製し,血管内を液体で流体化させ,血液部のみの吸収係数変化を可能とした.内シャント光イメージングの条件で,2種吸収係数の血液部透視像を撮影した.これらの画像に対し差分処理を適用し,処理前後の画像を解析した.その結果,差分処理により血液部以外の透視像が相殺され,血液部と周囲の輝度値コントラストが大幅に改善された.これにより,血液部境界のシャープネスが55%改善され,輝度プロファイルの変化率で評価した血管内径推定誤差が28%から4%へと顕著に減少した.このような解析を通し,血管の光透視における画像差分処理の有効性が明らかとなった.これにより,光透視による内シャントイメージングの臨床応用に向け,一歩前進したと考える.

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  • 有吉 洸希, 磯山 隆, 原 伸太郎, 阿部 裕輔
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 459
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    【目的】現在、日本では約32万人が血液透析治療を受けており、年々増加傾向にある。現在の透析治療は患者にとって物理的、肉体的および精神的な苦痛が大きいという問題点がある。本研究の最終目標は、慢性腎不全患者を維持透析治療から解放するために体内埋込式人工腎臓を実現することである。現在行われている人工透析は透析膜を使用しているため、膜の劣化により長期の持続透析はできず、体内埋め込みは難しい。そこで、新しい方法として、体内埋込式連続血液遠心分離装置を開発し、分離された血清成分を用いて尿成分を生成し、膀胱から排出することを考えた。【方法】基本原理は、連続して血清成分を得ることができるようにディスク型遠心分離を採用した。ディスクを高速回転させて、血球成分やタンパク質を分離させることで、尿の元となる血清成分を生成する。しかし、G(加速度)が高いと凝固系が活性化して血栓の発生が危惧される。そこで、二段階遠心分離を採用し、一次分離では低Gで血球やフィブリノーゲンを分離し、凝固、溶血の恐れがない二次分離では高Gかつ長時間の遠心分離によってタンパク質を分離する。始めに、一次側の血液用分離器を作製し、豚血液を用いて、モーター回転数1000rpmの条件で分離実験を行った。【結果と考察】連続で50 mL/hの血漿を得ることに成功した。血栓は確認されなかったが、溶血が確認された。溶血は、軸のVシールが原因であると考えられた。

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  • 清野 公宏, 鈴木 郁斗, 野川 雅道, 五十嵐 朗, 内藤 尚, 小川 充洋, 山越 憲一, 高田 重男, 田中 志信
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 460
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    これまで我々は腎・尿路系疾患発見に重要な指標である尿成分を全自動で計測可能なトイレ内蔵型尿成分計測システムの開発を最終目的として,近赤外光を用いた尿糖計測法について基礎的検討を続けてきた.具体的には糖尿病の早期発見に有用なグルコースをメインターゲットとし,蛋白摂取量の指標である尿素,塩分摂取量の指標である塩化ナトリウム,尿中成分の排出量測定に有用なクレアチニンの4成分について,糖尿病が疑われる成人男性等から採取した尿(高尿糖随時尿)などを対象に各4成分の濃度推定を行ってきた.その結果計測波長範囲(750-2500nm)の中から各成分の感度波長を4種類選定し重回帰モデルを構築することで,実用に供し得る精度で濃度予測が可能であることを確認した.今回は実用化に向けて,多波長LEDを光源とした場合の測定精度を次のような方法で検証した.すなわちFT-IRで得た透過光強度スペクトルに対して,中心波長の重みを1,半値幅を200nmとしたガウス関数を乗じることで,LEDのブロード状の発光特性を模擬し,上述の重回帰分析を行った. その結果,グルコース,クレアチニンについてはγ=0.7前後で濃度予測精度の更なる向上を要するものの,尿素,塩化ナトリウムについてはγ>0.8以上となり,多波長LEDを光源として用いることの妥当性が確認できた.

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  • 田村 昂雅, 山下 諒祐, 小林 千尋, 森 晃, 平田 孝道
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 461
    公開日: 2017/09/13
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    現在の日本において、3大疾患(ガン・心疾患・脳卒中)が死因確率の約半数を占めるため、これらの早期発見・治療を円滑に行うための日常的検査・診断によるモニタリングが必要不可欠である。特に注目されているのは、外部からは直接的に得ることが出来ない心臓や脳内の血管内部の状態を視覚化する技術である。そこで、「生体の窓」と称される生体を透過する波長領域(波長範囲:700~1400 nm)に該当する近赤外線領域を用いた血管イメージング技術の応用を考えた。以上の背景から本研究では、生体透過性を有する近赤外線を用いた血管内血流の計測を目的とした近赤外線 反射/吸収/蛍光 型血管内血流イメージングシステムの開発に関する実験とその評価を行っている。具体的には超高輝度LEDと冷却CMOSカメラを用いて血管イメージングの最適条件を把握するための実験を行った。実験は、以下の通りである。1.ヒトの親指・小指を対象部位とした血液量の比較、2.短波長光と複数波長光による比較、3.近赤外線波長以外の光に対する影響、4.血管の閉塞・潅流時における動脈・静脈の識別。実験の結果、血管イメージングを行うためには血流量・光量が大きく影響しているということが判明した。さらに、より感度が高く、明瞭なイメージングを実現するには、血流量の増加、光量の増加、造影剤の投与などが必要であると考えられる。

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  • 山澤 賢悟, 片桐 崇史, 渡邊 健一, 松浦 祐司
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 462
    公開日: 2017/09/13
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    咽頭などの口腔粘膜の粘膜水分量を非接触測定することが可能な光ファイバプローブの実現について検討した.製作したプローブは,中央部に配置した白色光を照射するため複数の石英ガラスファイバとその周囲に配置したサンプルからの拡散反射光を検出するためのファイバから構成されている.まず,ゼラチンをファントムとして用いた実験により,波長1450 nmの吸収ピーク強度が含水量と共に線形的に増加されていることが確認できた.次に行った人間の舌を対象としたインビボ実験の結果では,提案された手法によって,拡散反射光を検出することにより,含水量の測定が可能なことが示された.

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  • 石井 耕平, 遠山 皓介, 平岡 延章
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 463
    公開日: 2017/09/13
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    在宅医療における遠隔モニタリング用ウェアラブルデバイスとして、付け爪型脈波計を開発中である。付け爪型脈波計の利点は爪には汗腺、感覚神経が無いため計測装置の装着に伴う不快な装着感が無い点である。また付け爪の要領で爪に固定することにより数週間にわたる強固な固定を確保できる。さらに人体には20枚の爪があることから、多点同時計測が可能である。一方、指の曲げ伸ばしや物体との接触に伴う外乱により、脈波計測が妨げられることが課題として考えられる。 本研究では、付け爪型脈波計を生活環境下で使用した場合の外乱の影響を検討した。実験のために小型の反射型光電脈波計測回路を試作した。光源の波長は530nmとし、回路の大きさは11mm×11mmである。計測回路は紫外線硬化樹脂にて包埋することで防水構造とした。計測回路は接着剤を用いて左手親指の爪に固定した。電源およびデータロガーは左腕に固定しケーブルにより計測回路と接続した。実験時間は24時間、サンプリング周波数は1kHzとした。実験中は入浴、睡眠、食事を含む普段通りの生活を送ることとした。得られた脈波はLabChartの心拍数算出機能を用いて、心拍数に変換した。実験結果より日中の活動時間帯については、休息をとっている間は心拍数を得ることができたものの、その他では外乱の影響が大きく、心拍数の算出ができない時間が多かった。睡眠中について安定して脈波を計測することができた。

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  • 銭 正ヨウ, 竹澤 好樹, 下川 賢士, 伊藤 圭汰, 西野 悟, 清山 浩司, 田中 徹
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 464
    公開日: 2017/09/13
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    "脈拍は健康状態の指標として非常に重要であり、日常的に脈拍を計測できることが望ましい。現在、指輪型や腕時計型など種々のウェアラブルPPG (Photoplethysmography)計測装置が提案されている[1,2]。これはLEDを光源とする光を生体表面に入射し、脈拍に応じて変化する血量を光の反射・吸収量の変化としてフォトダイオード(PD)で検出することで脈拍の情報を得るものである。本研究はLED ドライバ回路、光電変換用PD、PPG信号処理回路を1チップに集積し、小面積と可搬性を兼ね備えた集積化PPG計測システムを開発することを目的とする。また、本システムを用いて爪下の血管から正確かつ簡便な脈波計測を実現することを目指す。今回設計した計測回路には、LEDドライバ、600μm角のPD、I/V コンバータ、20~40 dBまで4段階増幅可能な増幅器、高周波ノイズを除去するLPF、デジタル信号に変換するADCを搭載している。この計測回路を0.18μmCMOS技術を用いて試作し、要素回路が正常動作していることを確認した。回路の詳細な測定結果等は学会大会にて発表する。[1] 石井他, 第55回日本生体医工学会大会3T6-2-9 (2016)。[2] Yu Sun et. al., IEEE Trans. on Biomed. Eng., Vol. 63, No. 3, 2016."

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  • 中澤 春奈, 土井 万理香, 小川 恵美悠, 荒井 恒憲
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 465
    公開日: 2017/09/13
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    本研究は、従来の組織の光学定数測定で薄切試料作成に伴う誤差が乗りやすいことに注目し、バルク組織に光ファイバー穿刺し、開口数 (NA)を変化させながら減衰係数を測定することと、光線追跡計算を組み合わせた光学定数測定方法を提案する。生体組織の光伝搬計算には吸収係数、散乱係数、非等方性パラメータなどの組織の光学定数を入力する必要があるが、文献によって個体差を超えたばらつきが存在する。一般的な光学定数の測定では組織を薄切し分光光度計で透過率、反射率を求め、光学定数を算出する。この算出には、一般にIAD法が使用されている。生体組織の薄切により、生体液の漏出、乾燥とそれに伴う表面の不均一化が生じ光学定数に影響を与えている。そこでバルク組織を用いた測定方法を提案した。具体的には、穿刺針中に設置した光ファイバー先端の深さを変化させ、同時に受光NAを変化させてバルク組織内の光強度測定を行い、見かけの減衰係数を求めた。モンテカルロ法を用いた光線追跡シミュレーションで実測結果を説明するよう吸収係数と等価散乱係数を調整して、これらの光学定数を求める。この測定法をブタ心筋バルク組織で実測を行った結果、見かけの減衰係数はNAに依存して変化した。対照実験として薄切とIAD法による光学定数の算出を行った。薄切試料を10分間放置することで吸収係数が41%,等価散乱係数が9%増加し、薄切の光学的測定における影響が確認された。

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  • 藤井 麻美子
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 466
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    無侵襲レーザ組織血流計により深部の組織血流を測定する手法について検討するため、多層構造体のモデルを用いたモンテカルロシミュレーションによってドップラー信号を推定した。対象組織の幾何学構造が既知で光学パラメータが変動しなければ,深部組織血流の評価が可能であるという結果が得られた。

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  • 草場 志帆里, 牟田 英里香, 勝木 泉妃, 福本 悠斗, 小柳 貴寛, 松尾 勇輝, 李 知炯, 山越 健弘
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 467
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    緑光を用いた耳部における光電容積脈波(photoplethysmogram; PPG)計測法は,日常生活中で簡便に脈拍数(pulse rate; PR)をモニタリングできる実用的手法としての可能性が秘められている.というのも,緑光を用いて計測したPPGと耳部におけるPPGは体動アーチファクトが相対的少ないからである.さらに,耳の周辺には浅側頭動脈などの外頸動脈の分枝が豊富であり,イヤホンを用いることによって簡便に着用してPPG計測が可能となるかも知れない.しかしながら,緑光を用いた耳部におけるPPGについてはこれまで検討されてこなかった.本研究では,20名の健常男女参加者(21.7 ± 2.7 歳)に対して0,2,4,6 km/hの歩行課題を実施し,心電図から得た心拍数(heart rate; HR)と,近赤外光(波長810 nm)と緑光(波長525 nm)を用いた耳部PPGから得たPRの関係性について調べた.耳部におけるPPGは,左右の耳介前と耳珠前で計測を行った.Bland-Altman plots結果,緑光を用いて耳介前と耳珠前におけるPPGから得たPRと心電図から得たHRの誤差は,それぞれ,0.99 ± 7.95 (2 SD) bpm,1.26 ± 5.96 bpmであった.さらに,これらの間におけるピアソン相関係数は,r = 0.98,r = 0.97で強い相関関係が認められた.これらの結果により,緑光を用いた耳部におけるPPG計測法は動作中でも高精度の PRモニタリングが可能であり,日常生活における実用的PPG計測法として利用可能性が示唆された.

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  • 大崎 拓也, 原田 一平, 飯田 智貴, 柿野 千晶, 樺島 将吾, 松村 健太, 太田 雅規, 李 知炯, 山越 健弘
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 468
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    近年,国内における心疾患と脳血管疾患の患者数が増加傾向にある.これらの症状は動脈硬化によりもたらされる.そのため,日常的に血管の硬化度(血管年齢)を知り,年相応な硬化度を保つことが重要である.血管年齢は光電容積脈波の二次微分波形である加速度脈波におけるパラメータb/a比に反映されると報告されている.また,情報技術の進歩によりスマートフォンのフラッシュを光源,CMOSカメラを受光素子として光電容積脈波が計測できる技術が構築されつつある.そこで,その光電容積脈波を利用して血管年齢が推定できれば,日常的な簡易チェックの端末機器として大きな意義があると考えた.しかし,スマートフォンのカメラを押し付ける指尖圧力によってパラメータb/a比が大きく変化してしまっては血管年齢が推定できないのは明らかである.そこで本研究ではiPhone 7を用い,指尖接触圧を想定される範囲内で変化させ,パラメータb/a比との関係性について調べた.本研究では,12名の健常男子参加者(21.7 ± 2.7 歳)に対して4種類の条件(緩め,普通,少し強め,強めに持った場合)でパラメータb/a比を比較した.その結果,強め以外の条件ではb/a比に有意差が無いことを確認した。この結果より,通常の接触圧範囲であれば,血管年齢を推定可能なことが示唆された.

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  • 武内 新作, 仁木 清美, 平山 貢大, 村田 雅登, 菅原 基晃
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 469
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    [目的]高血圧症には末梢血管抵抗が大きく関係している。近年、循環動態の詳細な解析方法としてWave intensity(WI )が注目されている。WI(WI=(dP/dt)(dU/dt) P:血圧,U:流速)は心血管系の動作状態の変化に対応して変化するので、心血管系の解析手段として有用な循環動態指標である。WI波形において駆出初期の陽性波に続いて生じる陰性波は反射波の優位性を表し、その出現時相および反射波面積(NA)はそれぞれ反射の出現部位と大きさを示すことが推測される.本研究では末梢血管抵抗に注目し、末梢血管抵抗を変化させた際にどのように反射波が変化するかを検討した。生体で末梢血管抵抗を変化させることは困難であるため心血管系を模擬した循環モデルを用いた。[方法]擬似弾性血管が組み込まれた循環モデルを作成し、超音波診断装置を用いて末梢血管抵抗の大きさと位置を変化させた時のWIを計測した。シリンジポンプによりドップラー擬似血液材を循環させ、末梢血管抵抗の大きさはクランプでチューブを潰す事により変化させた。[結果]末梢血管抵抗を増加させるとNAの深さと面積が増大し、反射点の位置を変化させると反射波の出現時相が変化した。末梢血管抵抗とNAの深さや面積、出現時相は高い相関関係を示した。[結論]WIのNAは末梢血管抵抗の強さと反射波の出現時相を表す有用な指標である。

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  • 鵜川 成美, 齊藤 直, 新関 久一
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 470
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    日常生活の様々な場面において無拘束で血圧を計測するため,カフレス血圧計測機器のニーズが高まっている。脈波伝搬速度や脈波伝搬時間からの血圧推定の試みが数多く報告されているが,精度の面でまだ実用化には至っていない。本研究では,脈波到達時間(PAT)及び脈波上で血圧の重複突起に相当する時間までの積分値(PSA)の2つの指標を用いて,血圧推定が可能か検討した。被験者胸部に心電図用電極,左手人差し指にフィナプレスセンサ,左手中指に圧脈波センサを装着した。安静座位30秒後,被験者は起立し,起立姿勢を30秒維持,その後再び座位姿勢をとり安静を保った。測定データから,最高血圧(SBP),PAT,およびPSAを求めた。圧脈波は減衰時定数を持つ全波整流積分処理を行い,フィナプレスと同等の波形を得た。比較のためにフィナプレス波形からもPATとPSAを求め血圧推定を行った。SBPに対するPATとPSAの回帰パラメータは,座位-起立-座位への姿勢変化を含む前半の90秒のデータから部分最小二乗法で求めた。検証には後半90秒の安静座位のデータを用いた。SBPとPAT間には負の相関が,SBPとPSA間には正の相関が認められ,PSA指標を加えることでPAT単独よりSBP推定の精度が向上した。指尖脈波が安定して計測できればPATとPSA指標からSBPの推定が可能であると示唆された。

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  • 工藤 広太, 金井 浩, 小林 和人
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 471
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    血管内皮機能障害の早期診断のために、橈骨動脈の血圧と血管径を異なる位置で計測し、血管壁の粘弾性を評価する技術が開発された。しかしながら、この手法においては測定された波形にわずかに時間的なずれが存在し、それにより粘弾性特性の正確な評価が難しいという問題があった。そこで、本研究においては血圧と血管径を同位置で計測するために、血管径の測定と同一の超音波診断によって血圧を測定する手法の提案を行う。In vivo実験において測定された結果より、血管に特有のヒステリシス特性が得られた。

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  • 大塚 誠也, 黒崎 奏澪, 小川 充洋
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 472
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    近年、Oculus Riftや PlayStation VRなどの3Dヘッドセットを用いた比較的安価なバーチャルリアリティ (VR) 環境が実現され、普及しつつある。VR 鑑賞中やVR環境下での労働時の生体計測のために、本研究では 3D ヘッドセットに組み込める生体計測を提案する。ヘッドセットを着用するだけで生体計測が可能となれば、VR環境下では必ず生体情報を取得可能となる。今回、最初の試みとして、VRヘッドセットに内蔵可能な光電脈波プローブを用いた脈波計測を行ったので報告する。光電脈波計測のために、小型の反射型プローブを開発し、被験者の前額部から脈波の導出を試みた。被験者は、光電脈波計測と同時にVRヘッドセットを着用した。計測に用いる光源には緑色LEDと近赤外LEDを試行した。結果、いずれの波長においても光電脈波を観察することができたが、近赤外を用いた光電脈波では、被験者の自発的な瞬目時に大きなアーチファクトを観察し、脈波を観察することができなかった。一方、緑色光電脈波においては、瞬目時においても安定した計測を達成することができた。また、緑色光電脈波において、VRモニタの明滅や被験者の呼吸などの影響を受けずに、脈波ピークを観測することが可能であった。以上の結果から、VRヘッドセットを着用しただけで計測を意識することなく光電脈波を計測可能なシステムの可能性が示されたものと考えられた。本研究の一部はJSPS科研費 15H02798の助成を受けたものです。

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  • 田河 賢治, 木下 賢吾
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 473
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    [背景と目的]ここ数年において日々の歩数、消費カロリー、睡眠時間等を記録する活動量計が急速に認知、普及し始めている。特に最近では、加速度と比べより正確な運動強度バロメーターとなる心拍数を計測できる活動量計が市場に出回り始めている。本研究では、心拍数が計測可能な光学式心拍計内蔵型活動量計の様々な活動時における心拍計測精度を、従来の電極式心拍計と比較し評価することで市販されている光学式心拍計の信頼性を検討する。[手法]被験者11人を用いた1kmの平坦路でのランニング実験を行い、被験者ごとの平均誤差及び被験者間における平均誤差の差異を調査した。被験者の平均年齢は22.27±1.05(age±SD)で、全員男性を用いた。光学式心拍計はPolar社製A360,さらに比較対象のリファレンスとしてPolar社製H7を用いた。これらのデバイスの毎秒ごとの心拍値データから誤差を算出した。[結果]平均絶対誤差は最も大きな被験者で20.54±13.64(bpm±SD)、最も小さい被験者で2.50±3.65となった。また、被験者全体の平均絶対誤差は8.41±6.47であった。更に、全体の平均絶対誤差は走行中の速度の標準偏差と平均絶対誤差において強い相関が見られた(ピアソン相関係数r=0.87, p<0.001)。[結論]光学式心拍計において、計測誤差補正には走行速度の変化を利用することが重要であることが示唆される。

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  • 田中 元志, 寺田 顕麗, 齊藤 勝俊, 新山 喜嗣
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 474
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    ヒトの生活シーンに応じた快適な照明空間の構築が求められている。心電図(ECG)から得られるRRIとストレスの関連の検討は多く,快適性の評価にRRIの利用が考えられる。本研究では,カラー照明を用いた空間を対象にして,心地よさについての主観評価試験とECG測定を行った。有機ELパネル6枚のカラー照明Aと,1枚の照明Bを用意した。被験者の前方と両脇を高さ1.8 mの白板で囲い,補助灯としてLED照明を長手方向の両壁中央に下向きに設置した(中央での照度約3.5 lx)。被験者正面の壁中央(距離約2.7 m)に照明Aを,壁の両隅床上に照明Bを配置した。補助灯を常時点灯させ,カラー照明を消灯/点灯/消灯(各約100 s)させたときの脳波を,標本化周波数1 kHzで取り込んだ。照明の色を8色変えて,各々についての心地よさを7段階で主観評価させた。被験者は健康な男性12名(20~55歳)であり,同意書を得たうえで測定した。RRI時系列からRMSSD,およびLF成分(0.015~0.15 Hzのパワー)とHF成分(0.15~0.4 Hzのパワー)の比LF/HFを求めた。5つの色の場合については,心地よいと評価した被験者のうち半数以上においてLF/HFが減少し,RMSSDが増加した。副交感神経優位となる(リラックスを示唆する)所見であり,カラー照明を用いた空間の評価へのRRI利用の可能性が示唆される。

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  • 山田 恒夫, 謝 継香
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 475
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    健康寿命の延伸の重要性が指摘されている今日、高齢になっても質の高い生活をおくるためには身体活動を生み出す諸機能を一定水準以上保持し続けることが望まれる。あらゆる身体活動は、筋肉骨格系、呼吸循環系そして神経系の正常な機能の発揮が必要である。老化に伴う筋肉骨格系、呼吸循環系そして神経機能を数量的に把握することにより、実年齢とは別の身体年齢を見える化することができ、さらにどの機能を訓練することで身体年齢を若返らせることができるかのシミュレーションも可能となる。 身体年齢算出のため健康スコアリング技術のひとつであるトータルボディスコア算出技術を活用して、企業の部長以上の実年齢と身体年齢を比較し、運動能力や身体組成、身体寸法、身体活性を分析した。トータルボディスコアは、もともと3次元ボディスキャンやCT、血液分析などの430項目の各種測定値の相関等を研究して身近で計測可能な16項目から身体年齢を算出できるようにしたものである。 ある企業の42名の部長以上の管理職・役員を測定したところ、平均実年齢52歳に対して平均身体年齢39歳という結果となった。過去1年間で様々な1000名の被験者の測定結果では平均実年齢と平均身体年齢はほぼ一致していた。このことから、部長以上に昇進する社員は、健康に対する自己管理が一般の人よりも優れているということがうかがえる。

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  • 栗原 修平, 三田 隆広, 小山 裕徳, 川澄 正史
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 476
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    近年,スマートフォンなどのタッチパネル操作を必要とする端末の利用が増加している.特に,スマートフォンのような手に収まる端末は,利用者のうち約50%が片手で端末操作を行っていることが報告されている.また,片手操作の約70%が母指での操作であることが報告されている.母指によるスマートフォン操作は複数の指を使用するキーボード操作に比べ,負担が母指に偏る.そのため,片手操作者は母指の屈曲,伸展の繰り返しにより,腱が肥厚し,腱鞘と摩擦が生じることで炎症を起こす腱鞘炎を発症するリスクが高いと考えられる.特に母指側の腱鞘に発症する腱鞘炎はド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)と呼ばれ患者数が増加している.また,過去に腱鞘炎はパソコンの普及に沿って発症患者数が増加したことから,近年のスマートフォンの普及により患者数増加が予測される.腱鞘炎は,健常な生活や仕事の妨げとなるため日常でのスマートフォン操作での母指負荷を検討する必要があると考えられる.母指負荷の検討をするためには基礎的な要件として,タップ操作時やスワイプ操作時の関節角度,操作速度等からスマートフォン操作の特性を検討する必要があると考えられるが,そのような研究はまだ少ないのが現状である.そこで本研究では片手スマートフォン操作時の母指の関節角度,速度,および筋電位等の計測など基礎となるデータを収集および解析から母指操作の特性を明らかにすることを目的とした

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  • 神谷 幸宏
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 477
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    ドップラーセンサを用いた非接触による生体計測は,ドップラーセンサの製品としての市場投入の開始に伴って注目を集めている。ドップラーセンサはレーダーの一種であり,電波を放射して人体で反射された信号を受信する。この際,体表面の変動によって反射波にドップラー効果が生じる。ドップラーセンサ出力は,送信した電波と受信した電波を比較して得られる周波数偏差に比例したアナログ信号である。これをサンプリングし,ディジタル信号処理を施すことによって,心拍・呼吸・体動といった生体信号を検出できる。このディジタル信号処理の手法として,これまで,次のような特徴を有する方法の原理を提案してきた。すなわち,(1)複数の人体に対して同時に生体計測が可能,および(2)これら複数の人体の方向を推定が可能,の2点である。これら2つの特徴は,他に類を見ない。本稿では,計算機シミュレーションによって,様々な環境での性能を明らかにする。

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  • 藤田 壌, 岸田 邦治, 飛松 省三, 清野 健
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 478
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    生体信号の分析に基づく臨床検査において,ピーク位置の検出や波形形状の判別が必要とされる場面は多い.そこで,本研究では,多重スケールSavitzky-Golay(S-G)フィルタを用い,生体信号に現れるピーク波形形状を解析する方法を提案する.S-Gフィルタとは,移動平均フィルタを一般化したもので,移動平均の計算で用いる定数フィッティングを,多項式フィッティングに置き換えたものである.S-Gフィルタでは,多項式の次数dと,それをフィッティングする移動区間の幅(スケール)がパラメタである.S-Gフィルタの利点は,高次多項式を観測波形にあてはめることで平滑化されたピーク波形の歪みを低減でき,効率的にノイズを除去することができることである.さらに,d次S-Gフィルタでは,フィッティングされた多項式を微分することで d次以下の微分係数も同時に求めることができる.本研究では,S-Gフィルタのスケールを固定せず,ウェーブレット解析のようにスケールを変化させて適用することで,波形形状や周波数特性が異なる複数の波形の特徴量を分類することが可能になることを示す.さらに,脳波や心電図解析への応用について議論する.

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  • 濱 献吾, 加瀬田 裕斗, 永井 秀直, 若林 哲, 八名 和夫
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 479
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    2015年度の日本人の平均寿命は男性が80.5歳で第6位,女性が86.8歳で第1位,男女平均では83.7歳で第1位となっており我が国は長寿国としての地位を確立した.しかし平均寿命が延びる一方で高齢者の総人口に占める割合は年々増加しており,国内の高齢化が問題視されている.平均寿命が世界で最も高い日本は平均寿命ではなく健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間である健康寿命をいかに延ばすかという課題に直面し,治療と同程度まで予測予防医療の重要度が高まっている現状である.またありとあらゆるものに通信機能を付加し,インターネット接続や相互通信が可能となる仕組みであるIoTの普及とウエアラブル端末の登場により,生体信号などのパーソナルデータを誰でも容易に計測できる環境が整いつつある.予測予防医療への関心の高まりとIoT普及の背景が重なることで近い将来個人が日常的に健康状態を把握するシステムの誕生が期待される.システム実現に際して留意することはさまざまな機器で計測された生体信号や種々の情報を一体かつ効率的に記録するための記述規約が必要だということである.そこで本稿では計測された情報を一体かつ効率的に記録するための標準フォーマットを提案する.最終目標としては個人の健康管理を行うことができる仮想パーソナルドクターの役割を果たすシステムの一部として本稿が利用されることを期待する.

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  • 道脇 幸博, 菊地 貴博, 神谷 哲, 外山 義男, 羽生 圭吾, 高井 めぐみ, 越塚 誠一
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 480
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    行政等の注意喚起にも関わらず、高齢者や乳幼児が食品や玩具で窒息する気道閉塞(窒息)事故は、後を絶たない。しかも、窒息事故は、再現実験ができないため、可視化とメカニズム解明は困難である。本研究の目的は、嚥下の数値シミュレータSwallow Visionを使って、玩具や食品による窒息事故を可視化すると共に、生体と窒息物の関係を明らかにして、窒息事故の予防に役立てることである。生体モデルの基礎データは、頭頸部のCT画像と嚥下造影画像(VF)である。食品や玩具の大きさや、密度、ヤング率などは実測と実験にて測定した。これらのデータを粒子法解析ソフト上で統合して、解析した。その結果、窒息物の大きさや弾性によって、咽頭腔を閉塞するタイプと声門を閉塞するタイプの2型に分類できることが明らかになった。ゼリーのような弾性のある食品であっても、破断応力が高いと、食塊が変形しながら咽頭壁面に密着して管腔部を閉塞し、咽頭腔を閉塞するタイプの窒息が起こることが分かった。また玩具では、口腔内と咽頭の体積のギャップが大きいため、口腔で弄んでいるうちに、喉頭内に吸い込まれるように落ち、それを排出できないのではないかと思われた。今後は生体モデルと窒息物モデルの種類を増やして解析をすすめ、窒息事故の予防に役立てたいと考えている。

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  • 平 恭紀, 白石 泰之, 井上 雄介, 山田 昭博, 坪子 侑佑, 荒川 友哉, 弓場 充
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 481
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    嚥下機能の評価は嚥下造影検査、反復唾液嚥下テスト、聴診所見などによって行われている。これらの機能性評価は、外部からの詳細を観察することによって行われる。嚥下挙動時には、味覚や食味といった感性要因も作用する。本研究では、食物の性状や特性が及ぼす嚥下時の咽喉挙動の変化を非接触画像解析で行い、食味食感を嚥下動作中に解析した。深度情報取得が可能な非接触カメラを用いて食物摂取時の咽喉部を外部から計測し、得られた深部情報を含む動画像を解析し、咽喉部皮膚表面形状の変化から嚥下動作の検出を試みた。健常成人を対象として、室温の飲料水と生理食塩水の飲水時の嚥下挙動を観察した。さらに、パンのペーストとしてオリーブオイルおよび調整した食用ゼラチンを塗布した食品サンプルの摂食時の嚥下挙動を非接触で計測した。計測した3次元深度画像情報を解析し、対象領域について15fpsの深度変化を調べ、咽喉部皮膚の形状変化が嚥下動作と一致する結果を得た。さらに、嚥下動作に伴う咽喉部皮膚の形状変化を周波数解析し、摂食時の流動性と官能評価に基づく食味に対して、嚥下挙動の変化の検出を定量的に示しうることが示された。

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  • 高橋 大志, 田口 洋介, 相田 武則
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 482
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    我々はこれまでに悪性腫瘍に対する新たな治療法として、凍結手術と温熱療法を併用実施できる凍結加温手術装置を開発してきた。本手術装置は、手術用プローブとスターリングクーラを取り付けた冷媒循環システムで構成される。手術用プローブの作製では、手術用プローブチップを取り付けたペルチェ素子を、樹脂のパイプに取り付けた金属板に固定することで手術用プローブを作製した。冷媒循環システムの作製では、冷媒チャンバをスターリングクーラに固定し、チャンバには循環用チューブを取り付けた。この循環用チューブと手術用プローブを接続することで凍結加温手術装置を作製した。実験では、冷媒として予冷した液体エタノールを用いた。手術装置の性能評価では、エタノールを循環させた状態でペルチェ素子に電力を供給し、手術用プローブの温度を経時的に計測した。無負荷条件における実験の結果、プローブ温度は-46.6℃まで到達した。また、プログラム温調器を用いて、手術用プローブの温度を冷凍-加温サイクルを3回繰り返すように設定し実験を行ったところ、自動的に温度サイクルが実行されたことを確認した。また、動物実験委員会に承認された動物実験では、手術後の組織を光学顕微鏡下で観察したところ壊死像が確認され本手術法の有効性が示唆された。

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  • 中野 祐樹, 柳沼 ひかる, 鈴木 孝司, 千葉 慎二, 鷲尾 利克, 清水 大輔, 矢野 智之, 荒船 龍彦
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 483
    公開日: 2017/09/13
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    患者のQOLの観点から,失われた乳房形状を再現する乳房再建術が癌治療と同時に実施されている.しかし現在の乳房再建術において再建乳房の三次元形状に関する定量的な評価指標が確立されていないことから,術中・術後の再建具合について客観的な評価が困難という課題がある.そこで我々は, KinectV2センサー(Microsoft社)と3D画像処理を用いた定量的な乳房形状評価指標の提案と,この指標を導出し,形状差分画像として可視した情報を患者体表に術中に提示する手術支援システムを開発することを目的とした.術前・術中・術後に,Kinectを用いて乳房形状を3D計測し,その後に計測した乳房形状データを細かくグリッドに分割して体表座標上に仮想マーカを設置し,術前と術中・術後のボリューム差分を求める.ここでボリュームが増加している箇所を赤,減少している箇所を青,変化がない箇所を白のグラデーションで塗りつぶしを行うことで得られるカラー2Dマップを形状差分画像として出力する.さらに,術前術後の差分情報をヒストグラムとして定量的に術者に提示する.形状差分画像は,導出後プロジェクタにて患者体表面に投影され,術者にとってシームレスな提示を行う.本研究においては,本システムにより導出された結果を医師による再建結果とオフラインにて比較,検討を行った.

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  • 山家 智之
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 484
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

     日本の七つの帝国大学は、ほぼ日露戦争の前後の時期より各地に設置され始めており、仙台の地に最初に建築されたのは、東北帝国大学理科大学の建物であった。ペリー来航を機に進められた維新では、当然のことながら、「黒船」の設計を視野に置いて「帝国大学」の設置を進めており、新政府の念頭にあったのは、一番に、軍事技術開発。と、言う時代背景であった。戦艦大和は世界一の巨艦と謳われ、零戦の技術は、大戦当時、世界一だったと伝えられている。このような、軍事技術の発展には、当時の帝国大学の最先端技術が集中されていた。例えば、零戦の戦闘機を見ても、機体は東北帝国大学の金属材料研究所で開発された超ジュラルミン素材と、ライセンスアウトされた住金の超々ジュラルミンであり、プロペラの技術は高速力学研究所で研究され、これは戦艦の技術も研究されている。また、空母へ向かう特攻機は、逆に、東北帝国大学工科大学で、発明されていながら、英米に先に実用化された八木アンテナの技術によりレーダーで感知され、撃ち落とされている。すなわち、不幸にして、東北帝国大学で開発された先端技術と先端技術が、太平洋上で、日米両国の軍事技術として激突していたことになる。科学技術は、人殺しに使うものではない科学技術は、人の命のためにある。

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  • 岡本 英治
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 486
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー
  • 生田 幸士
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 487
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー
  • Noritaka Yamamoto, Kiyohiro Ichida
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 488
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    本研究では,膝関節の腱・靭帯を構成するコラーゲン原線維の引張試験を行い,これらの引張特性について比較・検討した.実験には,ラットの膝蓋腱,前十字靭帯,後十字靭帯,内側側副靭帯を用いた.各腱・靭帯の線維束を蒸留水と共に試験管に入れ,試験管ミキサーで攪拌した.原線維が分離し,綿状になった試料をスライドガラス上に取り出し展開した.引張試験は倒立顕微鏡のステージ上で,暗視野下で行った.ステージ上に固定したマイクロマニピュレータに取り付けたマイクロ針を用いて,スライドガラス上に展開した試料から原線維単体を取り上げた.この原線維の他端をもう一方の針の先端に吸着させ,マニピュレータを操作して,原線維の両端をマイクロ針に巻きつけた.次に,原線維を巻きつけた状態で生理食塩水中に浸漬した.その後,一方の針は静止させたままで,もう一方の針は原線維が破断するまでマニピュレータを用いて移動させた.試験中,原線維はマイクロ針の先端に固定されてすべりが生じることはなく,2本のマイクロ針の間で破断した.得られた応力-ひずみ関係は,すべての原線維でほぼ直線となった.各腱・靭帯の間で,引張強度,破断ひずみ,接線弾性係数に有意差は認められなかった.以上の結果から,異なる力学的性質や構造を持つ腱・靭帯においても,構成しているコラーゲン原線維の引張特性に有意差はないことが明らかになった.

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  • 仲井 正昭, 新家 光雄
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 489
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    医療用金属材料の研究分野では、応力遮蔽による過剰な骨吸収を抑制するためのチタン合金の低弾性率化が精力的に研究されている。しかし、用途によっては、必ずしも低弾性率が望まれず、ある側面(例:脊椎固定器具)では高弾性率のほうが有利となる。そこで、高低両弾性率の要求を満たすため、変形誘起相変態を利用し、変形部分のみ弾性率が上昇し、その他の部分は低弾性率となる脊椎固定器具の開発を進めている。本講演では、この開発の中で得られたTi-Cr合金に関する知見について報告する。 Ti-Cr合金(Cr濃度は10~14%)に塑性変形を加え、変形前後におけるそれらの組織解析を行った。その結果、高Cr濃度側では変形による組織変化が認められなかったが、低Cr濃度側では変形誘起ω相変態が生じた。次に、変形前後の弾性率を測定した結果、低Cr濃度側では変形により弾性率が上昇したが、高Cr濃度側では変形前後の弾性率がほぼ同程度となった。組織解析の結果と併せて考えると、変形によるこれらの合金の弾性率の上昇は、変形誘起ω相変態が生じたことに起因すると考えられる。 脊椎固定用ロッドへの適用を考えた場合、変形前の弾性率は低く、変形後にはなるべく高い弾性率が得られるのが理想的である。本研究中では、変形前の弾性率が最も低く、変形による弾性率上昇量が最大となるTi-12Cr合金が脊椎固定用ロッドへの適用には最も適していると考えられる。

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  • 東藤 正浩
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 490
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Bone is often regarded as a composite material consisting of mineral particles and organic matrix (mostly Type I collagen) on a microscopic scale. The mechanical properties of bone tissues at a macroscopic scale depend on the structural organization and properties of constituents in the microscopic scale. It is the interaction between the mineral and organic material that determines the mechanical properties. However, both mechanical behaviors of mineral and collagen phases are not clear yet. In this study, to clear both mechanical behaviors of collagen matrix and apatite crystals in bone, the cortical bone samples were collect from bovine femoral diaphysis. The microscopic mechanical behaviors of both mineral particles of apatite and collagen matrix in bone tissues were observed by wide angle X-ray diffraction (WAXD) and small angle X-ray scattering (SAXS), respectively. In combination with micro-tensile device, both strains of mineral and collagen phases were measured.

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  • 東藤 貢, 米澤 郁穂, 小屋 祐希
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 491
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    加齢にともない骨粗鬆症が進行すると骨強度が大きく低下するために、骨格の様々な部位で簡単に骨折が生じることが問題となっている。その中でも椎体の圧迫骨折は低荷重状態でも生じることが知られている。最近、骨折後の治療方法として骨折部をバルーンで拡張し骨セメントを注入するバルーン椎体形成術(BKP)が行われているが、BKP後にも圧迫骨折が生じる危険性は存在しており、BKPがその危険性に対してどの程度の効果を有しているのかは明らかになっていない。そこで本研究では、2名の骨粗鬆症患者のBKP前後のCTデータよりFEモデルを構築し、損傷モデルを導入したFEMにより解析を行うことで、続発性圧迫骨折に及ぼすBKPの影響について、定量的評価を試みた。骨折が生じた椎体を中央に計5個の椎体でFEモデルを構築した。椎体間には椎間板が挿入してあり、底面を固定し上面から圧縮荷重を負荷する境界条件を与えた。また、骨折部位の上下の椎体を単独で抽出したモデルを作成し、それぞれ計算機上で圧縮試験を試みることで、各椎体の強度および骨折条件を評価した。BKP前後での5椎体モデルによるFEAの結果と、単独椎体のFEAの結果を重ね合わせることで、続発性圧迫骨折の発生開始荷重を予測した結果、BKPにより骨折の危険性が低下することが明らかになった。

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  • 鈴木 治, 穴田 貴久
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 492
    公開日: 2017/09/13
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    骨形成過程ではリン酸八カルシウム(OCP)などのハイドロキシアパタイト(HA)の前駆体がまず形成され,続いて骨アパタイト結晶が成長することが示唆されている.私達は人工合成のOCPを骨補填材として用いることでOCPが骨石灰化メカニズムを模倣して骨形成を促進することを報告してきた(Jpn Dent Sci Rev 49: 58, 2013).OCPの骨形成メカニズムを解明するため,骨芽細胞あるいは硬組織関連細胞のOCPに対する応答性を分析する以下の方法を開発した.すなわち,1)OCP粉体を培養皿にコーティングして細胞が直接接する環境下で応答性を調べる方法(Biomaterials 27:267, 2006; Tissue Eng Part A 14:965, 2008);2)OCPが生理的pH下で誘導する無機イオンの化学環境を模倣した培養環境で培養・分析する方法(Dent Mater J 33:242, 2014);3)OCPと三次元細胞スフェロイドとの複合体を作製して細胞応答を調べる方法(Regen Therapy 3: 58, 2016)である.これらの方法に加え,並行してOCPの生理的環境下における挙動を材料工学的に分析することで,OCPは骨芽細胞など硬組織関連細胞を活性化する物理化学的なメカニズムを有する可能性が示唆された(RSC Adv 6: 57475, 2016ほか).

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  • 佐伯 壮一, 小谷 一馬, 長谷川 貴一, 池渕 充彦, 中村 卓, 中村 博亮, 新実 信夫, 塚原 義人
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 493
    公開日: 2017/09/13
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    高齢者の多くは関節軟骨の磨耗による変形性膝関節症(OA)を発症しており,超高齢化社会を迎えた日本ではOA診断法の確立が求められている.現在の変形性膝関節症の診断法は関節軟骨の変性が既に進行し軟骨厚さが減少した末期状態を評価しており,OA初期の組織変性状態を捉えたものではない.本研究の目的は,マイクロスケールの分解能を有する断層可視化法,Optical Coherence Tomography (OCT)を用いた関節軟骨の変性評価診断手法の確立である.OCT断層像から瞬間のひずみ速度分布を連続断層可視化するDynamic OCSAを,応力緩和試験および動的粘弾性試験に適用したSR-OCSAとDMA-OCSAを構築した.コラゲナーゼ酵素処理を行ったブタ軟骨や前十字靱帯切離術による家兎OA軟骨に構築システムを適用し,軟骨組織の粘弾性変形挙動から変性度診断の効果について検討を行った.また,粘弾性評価の妥当性を示すために,一般圧縮試験による応力緩和曲線から粘弾性パラメータ推定を実施し比較考察も行った.実験結果より,開発システムは粘性と弾性のバランスをマイクロ断層検出しており,OA診断に有効であることが分かった.

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  • 前田 祐佳, 関根 正樹, 田村 俊世, 水谷 孝一
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 494
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    動脈硬化に起因する循環器系疾患の予防には,日中,夜間の血圧状態をモニタリングし,高血圧症の早期発見を行うことが重要である.そこで本研究では,低拘束で連続的な計測が可能な脈波に注目し,夜間高血圧症などの早期発見を念頭に置いた,睡眠時の血圧変動モニタリングシステムの開発を目的としている.提案システムは脈波計と心電計より構成され,クッション上に複数の脈波センサを配置したクッション脈波計と,布電極を用いた布電極心電計を作製し,心電図―足首脈波PWV計測デバイス及び頸部―足首脈波計測デバイスを開発した.20代の被験者10名を対象に,作製したデバイスの測定精度を検証した結果,第II誘導心電図を基準として,クッション脈波計による頸部脈波のピーク間隔誤差率は2.9%,足首脈波は1.9%,また布電極心電計による心電図のピーク間隔誤差率は0.5%以下であった.また20代の被験者10名を対象にした昇降運動による血圧上昇実験において,作製したデバイスを比較した結果,頸部―足首脈波PWV計測デバイスの方が心電図―足首脈波PWV計測デバイスより血圧の推定精度が高く,PWVと血圧の相関係数が収縮期血圧,拡張期血圧,平均血圧でそれぞれr = 0.68,r = 0.75,r = 0.78と有意な相関関係が得られた.提案システムにおいて測定したPWVと血圧の間に有意な相関が確認されたことから,提案システムによる血圧変動検知が可能であることが示唆された.

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  • 城戸 孝士郎, 黄 銘, 田村 俊世, 吉村 拓巳, 金谷 重彦, 植野 彰規
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 495
    公開日: 2017/09/13
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    本研究では電極を直接皮膚に貼る必要のない容量結合型心電計を用いて就寝中の心電図を測定し、異常心拍の検出方法について検討した。電極は帯状で、被験者が仰臥位時に、+極は臀部の裏側に-極を肩甲骨の裏側に、アースは腰上部の裏側にくるようの配置し、測定時は自由姿勢とした。健常と期外収縮が確認される対象者の心電図信号を40分間取得した。同時に表面電極からECG信号を測定し比較した。本実験は倫理委員会の承認を得て、実験の詳細説明ののち、被験者からの同意を取った。計測後バンドパスフィルタ(1-40Hz)と閾値処理によるR波検出を行った。 健常者では解析可能区間20分間、1396拍中1393拍(99.8%)を、また期外収縮が確認される対象者は14分間、1162拍中、1146拍(98.6%)を検出できた。期外収縮は32拍中31心拍を検出することができた。また形態はノイズの程度にも影響されるが、P、QRS、T波の識別も可能であった。ノイズ除去、寝る際の姿勢による各波形成分の振幅変動など懸念すべき点はあるものの、R波の検出、各波形成分の形態の判別が可能であるため、深層機械学習で異常心電図の検出も可能であると考えられた。

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  • 高野 万由子, 山口 雅史, 植野 彰規
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 496
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    本報では,心電図・呼吸・脈動・体位・離着床の複数生体情報を、非接触無拘束同時計測する集約型In-bedシート電極センサについて、脈動の検出精度向上を目的に行った検討結果について報告する。ベッドシーツの下に設置したシート電極センサには、仰臥位被験者の心臓を挟むよう上背部と下背部の直下に帯状電極が心電図計測用に配置されている。心電図計測用電極はドリブンシールドとグラウンド(GND)で囲われており、更に心電図用電極の上段の肩部直下と下段の腰部直下に脈動検出用1次帯状電極センサが配置されている。また、GNDは脈動検出用の2次電極センサを兼ねる。初期試作電極では、GND-背部間の容量結合面積が不十分で、脈動の検出精度が悪かった。そこで、心電図計測用電極の間に、脈動検出用2次帯状電極センサを追加し、精度向上を図った。追加電極センサの幅を10、30、50 mmとした場合について、被験者1名の20分間安静仰臥位計測を行った。各計測結果において最も安定していた10分間を対象に脈動ピークを検出し、参照心電図のR波のタイミングを基準に検出精度を算出した。結果、上背部の脈動は10、30、50 mmの順にそれぞれ17.7、30.7、77.5 %であった。腰部の脈動は、13.2、35.6、53.2 %であった。以上より、追加電極センサの幅を50 mmとした場合に、脈動検出精度が最も向上すると示唆された。

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  • 竹内 智一, 田中 裕幸, 藤岡 英二, 植野 彰規
    55Annual 巻 (2017) 5PM-Abstract 号 p. 497
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    本研究では,容量型電極センサを用いて,ベッド上で心電図と脈動を非接触同時計測する装置について基礎的な検討を行った。検討システムでは上背部の2ヶ所に敷いた導電布電極により,衣類を介して心電図を計測した。また,腓腹部と踵部の下に導電布を敷くことで,シーツを介して導電布-衣類-体表面からなる容量結合を形成し,脈動による結合容量の変化を検出した。ただし,従来システムでは脈動信号のS/Nが悪く,計測が不安定であった。新システムではセンサ形状の変更(2つのセンサ面積比の変更)によりS/Nの向上を図った。20代の男性3名を対象に市販の寝間着(綿100%)を着てもらい,仰臥位で心電図と脈動の同時計測を行った結果,新システムでは脈動のS/Nが平均で約15%向上した。

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