日本が抱える環境問題のひとつとして, 国内最大級の産業廃棄物の不法投棄事件といわれる豊島問題がある.この不法投棄問題を巡って, 1990 年代に入ってから, 豊島住民と香川県の間で調停がなされ, 豊島の処分地周辺の将来までにわたる環境保全の万全を期すとともに, 問題を早期解決するという2 つの観点から中間合意がなされた. これにより, 「香川県豊島廃棄物等処理技術検討委員会」が設置され, 本格的な廃棄物処理作業が始まった. 豊島廃棄物等処理事業(以下, 豊島事業という)は, 国や香川県, 豊島住民等のステークホルダーが共に参加・協働し, 新たな関係や価値観を創って問題を解決するという「共創」の理念のもとに進められている. 本研究では, 事業の可視化・定量評価および視覚的に理解しやすい情報共有手法の構築をめざし,GPS 測量による処分場の3D モデル化による事業の進捗状況の可視化と, 豊島事業の環境性・経済性の定量評価を行った.
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