2012年1-12月に採集された都市ごみ焼却飛灰のモニタリングと改定13号試験を行い、放射性Csの溶出量を定量した。焼却灰から溶出した放射性Csの土壌へ吸着量を推定するため、安定Csを添加した模擬溶出液を用いていくつかの土壌・鉱物試料への吸着量を算出した。
モニタリングの結果
134Cs,
137Csの放射能濃度は若干の変動があるもののほぼ一定の範囲内の変動に収束しており、この変動はフォールアウトに起因すると考えられる。
模擬溶出液中のCs
+の各吸着剤への吸着量を算出した結果、五斗蒔粘土、水簸土壌では上澄み液中からCs
+が検出しなかった。今回の吸着量を
137Csの放射能に換算すると 8,000 Bq ≒ 2.5 ngであるので、1.4 gの五斗蒔粘土を用いた場合、8,000 Bq kg
-1である都市ごみ焼却灰1,000 kgから流出した放射性Csを全量吸着することが可能であることが示された。
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