本研究では、埋立層の中間覆土として高炉スラグを用いて、処分場廃止後に飛灰から溶出する鉛を不溶化することを想定し、スラグの吸着剤としての利用可能性について、以下のことを明らかにした。 ①蒸留水を用いた場合、pH8-13でスラグによる鉛除去はヘンリー型の吸着等温線を適用でき、未洗浄スラグでpH11で
Kdは最大値をとり5,600(L/kg)で、洗浄スラグではpH10で最大値をとり2,100(L/kg)であった。 ②廃止後に想定される浸出水のpH8での
Kdは高い値であることから、廃止後の中間覆土で十分な吸着性能が期待できる。 ③高炉スラグによる鉛除去メカニズムは、スラグ溶出物と鉛による沈殿ではなく、イオン交換による吸着であると考えられた。 ④実飛灰から溶出した陽イオンが鉛吸着を妨害した可能性が考えられた。
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