一般廃棄物由来の焼却主灰の早期安定化を目的として、筆者らはこれまで散水・通気処理により焼却主灰の溶出特性へ与える影響について評価し、その効果について報告を行った。本研究ではさらなる処理期間の短縮を目指し、散水処理と炭酸ガスを用いた通気処理(促進炭酸化)について検討を行った。促進炭酸化処理の試験として、CO
2の供給量、供給するCO
2濃度について、それぞれ処理区を設けたカラム試験を行い、焼却主灰中の塩類と重金属類の挙動について調査を行った。処理後の焼却主灰の溶出液濃度から、本試験ではCO
2供給量が29g/kgDW時に、溶出液中のpH、Pbの低下が見られた。NaはCO
2供給量の影響は受けずほぼ一定であり、Clは供給量の増加と共に溶出液中濃度も増加した。CO
2濃度10%まで希釈した処理区でも100%処理区と同様に、Pb, Caの低下が確認された。
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