廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
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A1 ごみ発生抑制・性状分析
  • 山川 肇
    セッションID: A1-1-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    本研究では、消費者の使い捨てプラスチック削減行動の全国的な実態と啓発によるその受容可能性を明らかにすることを目的として、インターネット調査を実施した。その結果、家でお茶・水・コーヒーを飲むのに使い捨て容器をほぼ使わない人は5割程度、スポーツ飲料は1割弱だが、ある程度使わないことが可能な人はスポーツ飲料が約4割、その他7割強であること、職場・学校でマイボトル等をほぼ利用する人は約3割、マイボトルへの水の補充をほぼ給水器・水道等からする人は約1割だが、ある程度できる人はマイボトル等の利用が6割弱、補充が約4割であること、レジ袋を台所やトイレ以外のごみ箱にほぼ使用しない/繰り返し使う人は2割程度だが、ある程度以上できる人は5~6割程度であること、ストローやテイクアウト時のカトラリー、宿泊時の歯磨きセットをほぼ断る人は1~3割、ある程度断れる人が6割以上いること、などが明らかとなった。

  • 佐伯 孝, 森田 雄大
    セッションID: A1-2-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    製品プラスチックの分別回収を実施している自治体を対象に、回収対象、回収方法、回収頻度、回収物への異物混入状況、回収拠点でのトラブル事例などについてアンケート調査を行った。その結果、回収方法として製品プラスチックを容器包装プラスチックと同じ袋で回収し、燃えるごみを出している場所で袋の指定をせず回収する方法が最も多くの製品プラスチックを回収可能であることを明らかとした。異物としては、金属類の混入が多く、分離することを前提とした製品設計がされていないことが原因で市民が排出時に分別することが困難であると考えられた。富山県射水市における一括回収を想定した場合、現在の容器包装プラスチックの回収方法と同様と仮定すると製品プラスチックを年間102t回収可能であると試算された。収集・運搬車両への負荷が増加することが予想されることから、一括回収開始時には注意が必要であることも明らかとなった。

  • 那波 夏美, 山川 肇
    セッションID: A1-3-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    マイボトルの利用は容器包装廃棄物、温室効果ガスの削減つながる。コーヒーはマイボトルで購入できる場合もあるが、茶系飲料のパッケージフリー販売は常設ではほとんど見当たらない。本稿では、コンビニでのドリンクディスペンサー販売を想定した①消費者の茶系飲料のパッケージフリー販売に対する評価、②その選択要因を明らかにすることで、実現可能性の高い茶系飲料のパッケージフリー販売の方法とその利用促進について考察することを目的とする。コンジョイント分析の結果、ディスペンサーの機能では、濃さや温度の調節機能の限界支払意思額が約36円と最も高くなった。また、マイボトル選択にはマイボトル選択意図、保冷/保温便益、マイボトル利用頻度が直接影響した。マイボトル選択意図は、主にマイボトルへ補充したいというニーズ、保冷/保温できる容器で得られる便益、おしゃれであるという見た目の評価の影響が大きかった。

  • 熊丸 博隆
    セッションID: A1-4-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    本研究は、秋田市における生活系ごみに対する家庭ごみ有料化政策が与えた影響をDID法と合成コントロール法を用いて分析を行った。 得られた結果では、秋田市における一人当たりの生活系ごみ排出量は、有料化実施前に比べて年間およそ40kg減少したことが分かった。 これは秋田市の生活系ごみの17%削減に相当し、秋田市のる家庭ごみ有料化政策に一定の効果が存在したことが確認できた。

  • 三成 映理子, 山田 一夫, 遠藤 和人, 大迫 政浩
    セッションID: A1-5-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    福島第一原子力発電所事故後に行われた除染作業によって発生した放射性廃棄物は、2045年までに福島県外での最終処分実現が計画されている。最終処分の対象である廃棄物、その中でも仮設灰処理施設で溶融処理された熱処理飛灰はセシウムが濃縮されるため、放射能度が高く、処分・処理のシステムの在り方が検討されている。著者らはこれまで、現在研究開発が進められている再生利用等の中間処理技術減容化技術を対象とし、技術オプションの選択と最終処分場の施設成立性の関係を整理してきた。本報では、合理的な処理・処分方法を検討するため、熱処理飛灰の減容化シナリオを設定し、減容処理技術の組み合わせのオプションの効果の推計を行った。その結果、減容化技術の導入に伴い、処分対象廃棄物量は顕著に減少したが、二次廃棄物の適正処分等の課題も明確になった。

  • 金子 紋子, 長谷川 亮, 鈴木 隆央, 三輪 芳和, 土村 萌, 稲葉 陸太, 大沼 進, 大迫 政浩
    セッションID: A1-6-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    海洋に流出しているプラスチックごみのうち、約8割は陸域由来のプラスチックごみと言われている。また、陸域由来のごみは、意図的・非意図的なものを含めたポイ捨て・散乱ごみの一部が河川を通じて流れており、ごみ回収団体等による陸域でのごみ回収は、海洋へのプラスチック排出抑制に関して効果的であると考えられる。しかし、活動の主体・内容や回収ごみの量及び質の実態に関する調査研究事例は少ない。

    本研究では、ポイ捨て・散乱ごみとその回収の実態を把握するための基礎研究として、自治体やボランティアを含む活動団体等による活動の類型化及び回収ごみ量の原単位推計を試みた。

  • 飯室 舞, 田畑 智博
    セッションID: A1-7-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    本研究は、コロナ禍とそれ以前でのフードデリバリー&テイクアウトサービス(FDTS)の需要の変化によるプラスチック(プラ)容器包装廃棄物の環境影響を分析した。コロナ禍とそれ以前でのFDTS利用状況の変化を把握するため、大阪府民223人を対象にアンケート調査を実施した。Web調査の結果、FDTSの需要はコロナ禍において5.8%増加したことがわかった。次に、FDTSに関連する年間プラ容器包装廃棄物排出量とそれに対応するプラ容器の製造に伴うCO2排出量を推定した。FDTSに伴って消費されるプラ包装廃棄物の年間量は、コロナ禍で5,280t(4,531〜6,497t)、プラ容器の製造と廃棄物処理によるCO2排出量は年間65,900tCO2(55,300〜81,000tCO2)と推定された。コロナ禍におけるFDTS利用に伴い、プラ容器包装廃棄物とCO2排出量は1.36倍増加したことがわかった。

  • 山田 正人, 石垣 智基, 河井 紘輔, 多島 良
    セッションID: A1-8-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    一般廃棄物(ごみ)の収集事業は社会生活を支える重要なライフラインの一つである。特に新型コロナウイルス感染症のようなパンデミック時には、市中からの速やかなごみの排除という防疫の機能が発揮される。したがって感染が拡大し社会の活動が停滞する時期においても滞りなく事業を継続させる必要があり、円滑な収集作業の実施とバランスのとれた効果的な感染防止対策を導入する必要がある。ごみ収集事業を所轄する自治体にアンケート調査を行って、2020年から始まった新型コロナウイルス感染症流行時にごみ収集の一連の作業で取り入れた感染防止対策を調べた結果、飛沫感染が主な感染経路である特性に応じて、自治体によるごみ収集作業においても「密閉」、「密集」、「密接」いわゆる3密の回避と車内などの消毒が感染防止対策として取り入れられていた。

  • 恒松 雅, 大下 和徹, 塩田 憲司, 高岡 昌輝
    セッションID: A1-9-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    現在、日本の都市ごみ焼却施設から排水経由で排出されるマイクロプラスチック(MPs)の排出状況調査が数例実施されている。プラント排水中や洗煙排水中には多種多様なMPsが含まれ、それらのほとんどは排水処理プロセスによって除去されていることが分かっている。本研究では、日本のプラスチックリサイクル関連施設に注目し、MPsの個数濃度、種類、排水処理プロセスでの除去挙動や排出状況の把握を目的とした。結果として、排水処理プロセスに流入するMPs個数濃度は 6.00×10³個/L、流出するMPs個数濃度は4.24個/Lとなり、排水処理により99.9%以上のMPsが除去された。本施設から排水経由で下水中に排出されるMPs個数濃度は他の文献で示された下水処理場へ流入するMPs個数濃度と同程度であり、本施設からのMPs排出が下水に与える影響は、現状の排水処理設備により低く抑えられていることが分かった。

  • Suchul Yoon, Hyeonjun Cho, Jinseok Yeom, Minsung kim
    セッションID: A1-10-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    In this study, measurements were conducted on one ranch to investigate the actual status and characteristics of odor substances generated from livestock manure. In addition, the concentration of odor substances emitted from the ranch was implemented as a heatmap by hour, day, and month to evaluate the odor generation characteristics at a specific time. Among the 22 odor-Causing substances, the concentration of Trimethylamine, Toluene, Xylene, and Ammonia was particularly high at the ranchin this study. As a result of the hourly heat-map, there was no result of discharging odorous substances over a specific time, but in the daily heat-map results, Trimethylamine, Xylene, and Ammonia were discharged at high concentrations in the middle of the month (10-17) and horses (24-30). As a result of the monthly heat-map, the concentration of the rest of the substances except Toluene was significantly higher in 2023 than in 2022, especially all substances in February and April, which is believed to be affected by temperature. Therefore, additional seasonal analysis is needed, and since the target ranch in this study has a large number of cow, future studies will need to investigate farms with a large number of pigs or chickens.

A2 ごみ発生抑制・物質フロー分析
  • 松本 青虎, 原田 禎夫
    セッションID: A2-1-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    プラスチック汚染は、地球規模の環境問題となっている。特に、海洋のプラスチック汚染は深刻で、生態系にも大きな影響を与えている。こうした海洋のプラスチックごみの大半は、陸域から河川を通じて流出したもので、ペットボトルやレジ袋などの使い捨ての生活ごみが大半を占めている。本研究では、海や川で回収されるプラスチックごみの中でも特に多くを占めている飲料用ペットボトルの削減に効果的なマイボトルの普及促進に向けて、マイボトルの利用実態やどのような給水スポットを消費者は望んでいるのか、コンジョイント分析をもとに考察した。その結果、既存の自動販売機に代わる、水だけではなく清涼飲料水も補給できる給水スポットに対して高い支払意思額を持ち、多くの人が支持する結果となった一方で、水や炭酸水だけを補充できる安価なサービスに対しても一定の支持があることが明らかになった。

  • 小城 直也, 島岡 隆行, 杉﨑 康弘
    セッションID: A2-2-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    古紙の再資源化は、廃棄物の削減や脱炭素化において重要な課題である。福岡市ではごみ減量政策の一環として古紙の分別に取り組んでいるが、中小企業では大企業と比較して古紙の分別が進んでいないという現状がある。本研究では、分別の負担軽減による分別率向上を目的として、CNNと呼ばれる深層学習を用いた画像認識技術により、古紙分別支援を自動で実施するシステムを試作し、その構築について検討を行った。6種類の古紙と4種類の燃えるごみによって構成される10種類の紙製品の分別において、1000枚の学習データを用いて学習させ、100枚の検証データを用いて推論を実施した結果、層の深い大規模な事前学習済みモデルを用いることで、画像認識による推論の正解率が88%となることが分かった。また、燃えるごみと古紙として大別した場合の正解率は、それぞれ9割を超える結果となることが分かった。

  • Hakyun Song, YongChul Jang, Kyunghoon Choi, Byeonghwan Kim, Youngsun K ...
    セッションID: A2-3-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    Jeju Island has shown a trend of rapidly increasing the amount of waste discharged as related industries are activated, centering on the tourism industry. As of 2020, the average daily MSW waste per person in Jeju Island was 1.89 kg/person/day, which is about 1.6 times higher than the national average (1.16 kg/person/day). For the continuous development of the tourism industry, which is a representative industry of Jeju Island, policies for waste reduction and decarplastic society are needed. To this end, it is necessary to investigate the types and amounts of MSW waste in major tourism industries with many visitors from the tourism industry in the province, and establish policies for waste reduction and recycling based on this study.

  • Afif Faiq Muhamad, Ryo Tajima
    セッションID: A2-4-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    Metropolitan cities in developing countries that featured rivers flowing through them often need to face riverine issues, including waste management in the riverside community. Jakarta City, Indonesia, for example, is intersected by multiple rivers, including the infamous Ciliwung River, which poses risks to thousands of households living along its banks. Kampung Melayu Subdistrict, the third most densely populated subdistrict in Jakarta with over 30,000 inhabitants, serves as an important case study for understanding waste management challenges in riverside communities. This research study was conducted in its riverside community to present a comprehensive waste flow analysis by employing a mixed-methods approach, combining qualitative and quantitative data collection techniques. Three segments of the waste flow analysis (river waste, in-land waste, recyclable materials) picturized the generation patterns, recovery, and existing management practices. It was found that 23% of the generated waste leaks into the environment, either staying on land or into the river. This waste flow analysis with the integration of both qualitative and quantitative approaches was found to provide valuable insights into the general waste flow in riverside communities. This research also found that uncertainty of illegally dumped waste amount, including river waste, calls for further verifying analysis.

  • 大久保 伸, 松本 亨, 藤山 淳史
    セッションID: A2-5-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    本研究は、廃プラスチックの処理フローを地域特性に応じて定量的に把握できるようにするための手法を検討した。その後、具体的に福岡県の特定の市町村に検討した手法を適用することで、廃プラスチック処理フローを求めた。

  • 石橋 文也, 中山 裕文, 清野 聡子, 島岡 隆行
    セッションID: A2-6-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    本研究では、プラスチック流出量の調査法として、漁業者による操業日誌を用いた調査と、漁業者へのアンケートと購買記録を組み合わせた調査の2つの手法により、種類別のプラスチック漁具使用量と流出量を推定、比較した。調査対象とした漁法は、漁船漁業の中で、漁獲量当たりのプラスチック漁具の使用量が比較的多かった延縄漁を対象とした。2つの手法によるプラスチック漁具の海洋流出量の推定に当たり、1経営体当たり、漁獲 1 トン当たり、操業 1 日当たり、延縄漁の幹縄 1km 当たりのプラスチック海洋流出量原単位を算出した。プラスチック漁具の海洋流出量原単位は、例えば漁獲量1t 当たりで見ると、操業日誌調査が平均 18kg/t(1.9~34kg/t)、アンケート・購買記録調査が平均 14kg/t(5.4~21kg/t)であり、平均値は操業日誌調査の方がやや大きい値であったが、両者はおおむね近い値となった。

  • 齊藤 由倫, 石村 雄一
    セッションID: A2-7-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    生活系ごみの減量化を目的とした様々な普及啓発施策が全国で行われているが、その実態や施策効果に関する知見は限られる。これまで我々の研究では、人口5万人以上の全国の自治体を対象にアンケート調査を行い、把握した施策実施状況に人口・社会統計データを加えた最小二乗法(OLS)からごみ排出と有意な相関を示す4施策を見出した。今回はこの4施策について、傾向スコア・マッチングを用いた統計的因果推論によって因果関係の検証を試みた。比較のために行った有料化施策に対する分析では有意な処置効果が示され、それはOLSから示された限界効果よりも高かったことから改めて減量効果の堅牢さが確認できた。4つの普及啓発施策については、2施策は統計上の有意性が確認されない結果となったが、『廃棄物減量等推進員の活用』と『携帯アプリ等の活用』については、有料化施策と同様にOLSで推定された限界効果よりも高い処置効果が有意に示された。

  • 程 天顥, 劉 軽寒, 小嶋 大樹, 小野田 弘士
    セッションID: A2-8-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    現在、廃プラスチック問題は、日本国内の関心が高まっており、「循環型社会」の構築に向けて重要な課題となっている。また、日本は少子高齢化・人口の地域的な偏在の加速化等が進み、環境保全の取組にも深刻な影響を与えている。したがって、ごみ収集の効率化やリサイクル高度化が求められている。本報では、ごみ回収・分別状況を中心にして、各国のスマートごみ箱の利用現状に関する論文を調査し、日本における利用状況および課題を整理した。また、事業系一般廃棄物の排出現場で現場調査やヒアリング調査を行い、それらの結果を踏まえて、リサイクル方法に応じたご合理的な分別方法の検証実験を設計・試行した。

  • 朝倉 賢, 山口 勝透, 阿賀 裕英, 丹羽 忍, 福田 陽一朗, 永洞 真一郎, 小野 理
    セッションID: A2-9-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化、諸外国による廃棄物の輸入規制等への対応のため、国内でプラスチックの資源循環を促進していくことは重要な課題となっている。プラスチック資源循環の促進を検討するためには各地域での廃プラスチックの処理フローを把握することが重要である。本研究では、一般廃棄物処理実態調査結果などの統計データや市町村へのアンケート調査結果を用いて、北海道における一般廃棄物中のプラスチック処理フローを推計した。その結果に基づき、北海道内の地域ごとのリサイクル率が大きく異なることを明らかにするなど、北海道における一般廃棄物のプラスチック資源循環に関わる課題を分析・考察した。また、本研究で実施した一般廃棄物中のプラスチック処理フローの推計における既存の統計データおよび推計結果に関する課題を整理した。

A3 住民意識・環境教育
  • 篠木 幹子, 阿部 晃士
    セッションID: A3-1-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    ごみの減量行動に影響を与える要因として、個人の環境問題に対する態度や価値観、規範意識等さまざまな要因の影響が検討されている。本報告では、ごみの減量行動を対象とし、社会における他者の行動がごみの減量行動にどのような影響を与えるのかに焦点をあてて検討した。分析に用いたデータは、我われが実施した「環境問題に関する意識と行動:2023 年全国 Web 調査(B票)」である。分析の結果、(1)他者の行動に関しては、地域の5割程度がごみの減量に協力していると推定している人が最も多く、協力している人が少ない、またはほとんどの人が協力している、と推定する人は少ない、(2)他者行動の推定値とごみ減量行動に関しては、他者行動の協力率の推定値が高くなるほど、自分のごみの減量行動の実施数も多くなり、フリーライド志向の強弱によって、推定値とごみ減量の関連が異なる交互作用効果はみられないことがわかった。

  • 香山 実希, 本田 泰崇, 中野 裕, 梅本 司, 桂木 格
    セッションID: A3-2-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    循環型社会の推進には、資源としての循環利用を推し進めることが必要不可欠であり、より正確な分別により実現される。一方で、ごみ処理分野における廃棄物の選別作業では、少子高齢化による労働力不足が課題となっており、また異物の除去等で作業負荷が高くなることもあるため、選別作業の効率化の他に、地域住民の分別意識の向上が求められている。 これまで当社では、資源化施設の手選別作業に対する支援を目的として、協働ロボットを適用したAI搭載資源ごみ選別作業支援システム(K-Repros®)を開発した。2022年度より岩沼東部環境センターのガラスびん手選別作業に導入している。2023年度では、地域住民のごみ分別意識の向上を目的として、本システムを通じた地域児童向けの見学設備を充実させることで教育活動を展開している。そこで本稿では、K-Repros®ならびにそのシステムを通じた教育活動について事例紹介する。

  • 田中 大介, Sébastien M. R. Dente, 橋本 征二
    セッションID: A3-3-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    プラスチック製品の環境負荷低減策としてマテリアルリサイクルが望まれる。しかしながら、バージン材に比べて再生材が高価である場合に、国内再生材を利用する経済合理性に欠けることが指摘されており、企業や消費者等によるコスト受容が重要である。

    本研究では、再生プラスチック製品かつ日用品を対象に、エコマーク及び付帯する資源循環情報の消費者行動への影響を分析した。具体的には、設問により区分したサンプルごとにコンジョイント分析を通じてMWTP(限界支払意思額)の算出および考察を行った。

    その結果、エコマークの表示によるMWTPが大きく、再生プラスチック投入率の有無と上昇によるMWTPも水準は低いがプラスであった。また、個人属性(性別等)のほか、製品特性による影響の差異も見られた。同じ日用品の中でも、製品区分の粒度次第でエコマークや資源循環情報の効用の程度が異なる可能性がある。

  • Aura Amca Diputra, Fumitake Takahashi
    セッションID: A3-4-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    Internet and technology advancement over the years made Scholars embraced online video sharing platform as a tool for interaction and engagement with public in modern society. Geopolymer as an environmentally friendly material became one of the topic disseminated through internet video sharing platform. Youtube is one of the most comprehensive online video sharing platform on the internet that provide publicly available data for data mining purposes. This research presents an in-depth and systematic perceptive structure analysis of waste-derived geopolymer material analysis on the features of Youtube videos on geopolymer issues utilizing 100 of the most popular Youtube videos. The comment section available in youtube videos were analyzed using sentiment analysis which defined as the study of analyzing user opinions, assessments, polarity, and subjectivity as they are expressed on the Youtube comment section. The sentiment analysis were provided based on Natural Language Processing (NLP) in order to study the internet user response to geopolymer in order to get the overall acceptance of the masses.

  • Loren Chloe Denna Balaoing, Naoya Abe
    セッションID: A3-5-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    Awareness regarding environmental issues has been increasing over the years, especially with the visible effects of climate change. Pressure from supporters and other stakeholders about sports events drives international sporting organizations to incorporate sustainability when holding large-scale sporting events. With this pressure, the athletes are put in a special position to act on the environmental impacts that may have been directly or indirectly caused by sports. It may be unclear to the athletes where they lie in solving the environmental issues in sports. Literature review and semi-structured interview survey to athletes relating to environmental concerns in sports like waste management, energy use, climate change, and sustainability is carried out descriptively. Academic journals about sporting organization’s perspective on climate change and sustainability have been increasing, however, there is still a lack of research on the athlete’s perspective regarding these environmental issues. Athletes can use their platforms to voice out concerns about the environment. The results of this is helpful in identifying the awareness, actions, and best practices of athletes about waste and environmental concerns because of activities related to their sports.

  • 松井 康弘, 因幡 亮汰, 高川 晴名
    セッションID: A3-6-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    本研究では、スーパー・デパート等の食品売場にライブカメラを設置し、その中継画像(静止画像)の配信及び画像内の商品名・価格・割引率等のデータを提供するスマートフォン用アプリを開発・配信し、アプリ利用者による割引食品の購入を喚起した。本アプリを適用した食品ロス削減キャンペーンの名称は「のこり福キャンペーン」とし、食品ロス削減月間の令和4年10月8日~31日の期間に実施した。アプリの登録者数は467名(10/4~10/31の期間)であり、学生が91名、その内81名(89.0%)が岡山大学であった。前年10月比で4社中3社で食品ロスの削減効果が認められ、キャンペーン翌月の11月においても4社中3社において食品ロス削減効果が継続した。また、アプリ利用実態データ等に基づいて食品ロス削減効果の信頼区間を推定した。

A4 食品ロス
  • Erdenekhuu Unurjargal
    セッションID: A4-1-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    Food loss is a significant challenge in the milk supply chain, impacting both Japan and Mongolia. Accurate quantification of food loss remains difficult, leading to limited understanding of causes and solutions. This study presents case studies of the milk supply chain in Japan and Mongolia, aiming to enhance the quantification method of food loss. It employs a case study methodology, combining primary data collected through interviews with key personnel in the dairy industry and secondary data from official reports. The study proposes Information and Communication Technology (ICT)-based solutions, including the use of IoT devices and blockchain technology, to address the challenges. The case study in Mongolia highlights issues such as inefficient transportation, poor infrastructure, and reliance on imports, while in Japan, there are challenges related to demand-supply imbalances and limited data on milk loss. The proposed ICT solutions offer potential to improve efficiency, minimize waste, and ensure product quality. Collaborative efforts and data collection improvement are crucial in mitigating milk loss. These findings contribute to a more sustainable and resilient milk supply chain, not only in Japan and Mongolia but also in other regions facing similar challenges.

  • 瀬田 康子, 山川 肇, 岡山 朋子, 渡辺 浩平, 野々村 真希
    セッションID: A4-2-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    食品ロスは世界的な問題で、日本でも食品ロスの約半分が家庭から排出されている。本研究では、食品ロス量の計測にクラウド型自動計量システムを用い、20~70代の2人以上の世帯、29世帯を対象に合計5週間の家庭系食品ロス削減実験を行った。被験者には食品ロス分別と専用ごみ箱への投入を依頼し、介入期には冷蔵庫内の食品をターゲットとして、「調達」、「保存」、「管理」場面での食品ロス削減行動を支援する5つのツールを介入に用いた。23世帯を介入群とし各世帯にツールを割り当て、残り6世帯を対照群とした。食品ロス量は、介入群で介入前後期の2週間平均で213g減少し、3か月後で5週目のフォローアップ期にリバウンドも発生しなかった。また、混合計画の二元配置分散分析による分析では、交互作用は危険率10%未満で有意となり、介入の効果が示唆された。ただし介入期よりもフォローアップ期に違いが現れる結果となった。

  • 岡山 朋子, 中村 崇, 渡辺 浩平
    セッションID: A4-3-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
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    消費者が外食において、何を食べ残しと認識し、それを発生させることに対してどのような意識を持っているかを把握するために、質問紙調査をオンラインで行った。食べ残しの頻度が多いのは女性・高齢者という階層であった。それに対応してこの層では食べ残しをすることへの抵抗感が若干低い傾向が見られた。調味料や料理のツマを残した場合に食べ残しとするのは3割前後であったが、残した「お通し」も半数近くが食べ残しと認識していないという結果となった。「無理して食べるべきではない」という意見も多かった。食品ロス削減にあたってはこういった意識への対応が必要である。

  • 岡山 朋子, 本間 薫
    セッションID: A4-4-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    飲食店の食べ残しは、飲食店から削減アプローチをかけることは難しい。そこで、ナッジ手法を用いて、客が意識せずに完食することを促進する社会実験を試行した。

    具体的には、大学食堂で定食のご飯の食べ残し削減をターゲットとし、茶碗の底面におみくじをつけて完食を促した。

    その結果、介入前には1人1日あたり5.48gのご飯を食べ残していたが、介入後は1.70gまで削減することが確認された。

A5 産業廃棄物
  • 鴇田 稔, 筒井 雅行, 平田 貴博, 小島 淳一, 野口 真一, 西川 美穂
    セッションID: A5-1-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    ため池底泥土を廃石膏ボード由来の再生石膏粉によって改質し,農業分野に再利用する新技術の研究開発に取り組むにあたり,底泥土採取予定地の2つの異なる地方公共団体の環境部局に,底泥土の取扱いについて事前に相談に伺った. 厚生省の通知によれば,「港湾,河川等のしゅんせつに伴って生ずる土砂その他これに類するものは,廃棄物処理法の対象となる廃棄物ではない.」とされている.これに対し,ため池底泥土を対象としたY県では「ため池底泥土は廃棄物処理法で規定されている産業廃棄物(汚泥)である.」との見解を示し,一方,貯水池底泥土を対象としたN県では「貯水池底泥土は廃棄物処理法の対象となる廃棄物ではない(土砂).」との見解を示した.池の規模や分類に相違はあるものの,同一カテゴリーである底泥土に対して,それぞれの地方公共団体環境部局は真逆の判断をした.本報は,当該事案について考察するものである.

  • 佐々木 基了, 藤原 博良, 佐々木 いづみ
    セッションID: A5-2-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    中央環境審議会循環型社会部会で見直しが進められている次期循環型社会形成推進基本計画では、マニフェストの使用により産業廃棄物の適正な処理を確保することが示されているほか、各種デジタル技術を活用した取組みを実施するなど、動静脈連携の促進に努めなければならないとすることが追記される予定である。そのデジタル技術の一つである電子マニフェストは、2023年5月現在の普及率が約78%となっているが、基本計画では、適正処理の確保、情報管理の合理化の観点から、さらに電子マニフェストの使用の促進を図るとしている。 電子マニフェストの普及が進んでいる現状であるが、産業廃棄物処理業者における電子マニフェストの利用状況把握と課題抽出を目的に、電子マニフェストを運営する(公財)日本産業廃棄物処理振興センターが実施した加入者へのアンケート調査結果の考察を行ったので、その結果を報告する。

  • 佐々木 いづみ, 藤原 博良, 佐々木 基了
    セッションID: A5-3-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    産業廃棄物の排出事業者に求められる適正処理の知識は多岐にわたる。(公財)日本産業廃棄物処理振興センターでは、排出事業者における環境や廃棄物処理に関する社内研修の実施状況や開催形態について調査を実施し、その結果を広く周知することで、排出事業者における社内研修の円滑、かつ効果的な実施に貢献することを目的にアンケート調査を実施した。本調査から、排出事業者は社内研修を自社で対面により実施していることが多いが、参加しやすいと考えている開催形態は外部機関がオンラインにより実施する研修であることが分かった。これは排出事業者が自社の力だけで社内研修を行っていくことに時間・知識の面で困難があるためであると考えられる。

  • 上野 大樹, 高村 秀紀
    セッションID: A5-4-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    新築住宅における省エネ性能の向上により断熱材の使用量が増加しており、施工時における断熱材の端材発生量の増加が予想される。既往研究ではプラスチック断熱材を用いると端材発生量が多くなることが明らかとされおり、発生量の削減対策に向けた詳細な分析が必要である。そこで実測データに基づき、断熱仕様が断熱端材の発生量に与える影響を分析した。また、削減対策としてプレカット材の活用が挙げられるが削減量の定量化が行われておらず、定量化によるプレカット材利用の促進を目指す。対象工務店における基礎部分の発生重量は基礎内断熱と比較して基礎外断熱の物件に多く発生した。これは断熱材の規格と施工方法に要因があり、使用時のカットによるサイズが規格に近い基礎内断熱の発生量が少なくなることを明らかにした。またプレカット材利用による発生量の削減も明らかとなったが、データ数が少ないことから定量化にはデータの拡充が必要である。

  • 椎名 基貴, 中尾 晃揮, 稲積 真哉, 野崎 鉄也, 早尾 清司, 土屋 弘子
    セッションID: A5-5-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    建設業は、他の産業に比べて膨大な量の資源を消費し、大量の廃棄物を生み出すため、SDGsの1つのゴールである「つくる責任・つかう責任」の項目において、果たすべき役割は大きいと考えられる。現在、建設業で生じる廃棄物のうち、建設汚泥は焼成処理や溶融処理して固化、粒状にすることによって埋め戻しや裏込め材などの土質材料として再利用されているものの、その種類の多様性や統一的な評価基準が無いこと等によって再資源化率が低い値にとどまっている。そこで本研究では建設汚泥に脱水処理を加えた改良土の有効な再生処理として、曝気養生という二酸化炭素の固定化技術を提案し、その特性を分析した。曝気養生は大気中の二酸化炭素と水酸化カルシウムが反応し、建設発生土のpHを中和することで改良土のリサイクルを可能にする。曝気養生試験を行い、曝気養生の特性の分析を行った。また理論式との比較を行い、二酸化炭素の固定量を算出した。

  • 舘山 大輝, 日置 和昭, 山本 剛一, 中岡 明, 服部 健太
    セッションID: A5-6-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、廃棄物資源循環という観点から、廃ガラスカレット(以下、GC)をインターロッキングブロック舗装(以下、ILB舗装)の敷砂として有効利用するため、粒径の異なるGCやILB舗装の敷砂として適用実績のある一般砂を対象に、骨材のふるい分け試験、突固めによる土の締固め試験前後における骨材の微粒分量試験を実施し、GCの敷砂としての適用性について実験的考察を行った。その結果、GCは一般砂よりも細粒化抵抗性に優れており、交通区分IL3(交通量の少ない道路)に対するILB舗装の敷砂として適用可能であること、また、粗粒率が3未満のGCは、細粒化に対する抵抗性が特に優れており、交通区分IL4(交通量の多い道路)に対するILB舗装の敷砂としても適用可能であることが明らかとなった。

  • 福田 陽一朗, 朝倉 賢, 山口 勝透
    セッションID: A5-7-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    北海道では2021年までに約20万tの太陽光発電パネル(PVパネル)が設置されたと推計されており、2030年代以降使用済みパネルの排出量の増加が予想されている。本研究では、道内のPVパネルと管理型産業廃棄物最終処分場の設置箇所およびそれぞれの諸元情報をGISデータベースへ統合し、経路解析によってパネルを処分場へ搬入した場合の残余容量への影響を試算した。結果として、パネルと処分場の設置箇所の空間分布には偏りがあり、処分場の残余容量への影響は地域差が大きいことが把握された。特に釧路総合振興局管内は処分場の残余容量が限られているため、影響が大きいことが明らかとなった。受け入れ余力が十分でない場合は他地域の処分場へ輸送されることとなり、輸送コストの増大を招く可能性が示唆された。今後、設備の放置や不適正処理を防止するためにも、地域の状況を踏まえたリサイクルの推進や受け入れ体制の整備が望まれる。

B1 廃棄物管理・計画(1)
  • 橋本 治, 宇於﨑 勝也, 金島 正治, 三橋 博巳
    セッションID: B1-1-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、「防災機能を持つ市街地清掃工場の立地に関する研究」の一連の研究であり、本稿は渋谷清掃工場周辺住民に対して行った住民意識調査の報告である。渋谷清掃工場は渋谷駅南500mの繁華街に隣接する業務地に建設された工場で2001年に竣工した。 地域住民の属性は、居住形態と職業に特色がみられ、居住形態は一戸建て持ち家の割合が極めて低く、集合住宅が高い。職業は、個人事業主の割合が他6工場平均の2倍以上高く、繁華街の事業主が多く居住する特徴がみられた。 住民の清掃工場に対するイメージは好意的な住民は半数以下であるが、否定的な住民も少なく、中間的な住民が半数近くであった。一方、9割近くの住民は工場が防災支援施設となる必要性を感じており、防災支援施設化は工場のイメージが好意的に変化することも示された。

  • 山根 雄, 橋本 康平, 國政 瑛大, 竹田 航哉
    セッションID: B1-2-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    近年、自然災害が激甚化・頻発化しており、国は自治体に対して、災害発生時における災害ごみへの対応策を事前に定めることを求めている。そこで、災害発生時においても地域のごみ処理を継続し、大量に発生する災害ごみを適正かつ円滑・迅速に処理する必要があり、自治体には広域的に連携する体制の構築が求められる。広域連携を実現するためには、災害ごみを各施設で受入れる分担量の計画の立案に加え、追加のごみ搬入に伴う、各施設の処理計画の見直しが必要である。 これら計画を立案するには例えば、サポート拠点を立てて、この拠点に各施設の情報を集約し、計画を立案することが考えられる。しかし、各受入れ施設の運転上の制約がある中で効率良く災害ごみを処理するための計画を人力で作成することは大変な労力を要する。そこで本稿は、災害ごみを地域で受入れ、連携する4施設へ分担することを想定し、効率的に計画を自動立案する手法の適用例を紹介する。

  • 松本 慎治, 郡司 駿, 岩下 信治, 瀬戸口 稔彦, 髙橋 克博, 林 慶一, 寺沢 良則, 江草 知通
    セッションID: B1-3-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    三菱重工環境・化学エンジニアリングと三菱重工業は、近年の自然災害リスクの増加、労働人口減少、流動化等の社会環境の変化に対し、廃棄物焼却発電プラントの操業安定化、運用効率化、省人化に対し、総合的な取り組みを進めている。この中で、日々変動する廃棄物の持込量や質の変動に対して、廃棄物ピット内でのクレーン操作で、適切に受入、撹拌、焼却炉ホッパ投入を自動で制御するピットクレーン高度自動運転システム(以下、本システム)を開発した。本報告では、岩手中部クリーンセンターにおいて実証試験を開始したので、その状況を報告する。

  • 沼口 遼平, 奥村 雄志, 西部 祥平, 山口 貴大, 熊田 憲彦, 成相 俊文, 菊永 拓馬, 岩村 宗千代, 竹田 航哉
    セッションID: B1-4-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    CO2の排出削減は、2050 年カーボンニュートラル実現に向けてごみ処理施設においても重要な課題となっている。当社は現在、燃焼後排ガスを対象に、固体吸収材を用いたCO2回収技術であるKawasaki CO2 Capture, KCCを開発している。KCCは 60 ℃程度の低温排熱を用いた運転が可能な点が特徴であり、従来よりも省エネでのCO2回収が可能である。本技術は石炭火力発電所を対象に開発を進めており、ごみ処理施設からのCO2回収にも展開する計画である。本発表ではKCCの概要と商用化に向けた実証試験の取組状況ついて述べる。

  • 西村 富男, 橋本 岳, 吉川 克彦, 秋元 真也, 坪田 潤
    セッションID: B1-5-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    メタネーションはごみ焼却由来CO2の利用方法として期待されており、化石資源由来のメタンを廃棄物由来のカーボンニュートラルな合成メタンで置き換えることで都市ガス・熱利用分野の脱炭素化を推進できる。本研究では、バイオガス化及びメタネーションを付帯する清掃工場のモデルを設定し、バイオガス化比率等について感度分析を行うことで、メタン製造ポテンシャル及び環境性を評価した。メタネーションを行うモデルはバイオガス化のみのモデルに比べメタン製造量が約1.4~1.9倍に増加し、近畿2府4県において2050年までの累積の施設更新需要を満たすようバイオガス化等を付帯する清掃工場を整備した場合、最大で年間約1.5億Nm3のメタンが製造可能である。メタネーションに必要な水素を余剰電力から製造するモデルと外部から制約なく水素を調達するモデルは優位性を持つ場面が異なり、系統電力の排出係数等に影響されることが判明した。

  • 樋口 壯太郎
    セッションID: B1-6-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    我が国の廃棄物処理技術は対症療法的、事後処理的対応により、試行錯誤をしながら形成され、発展し現在に至っている。しかし廃棄物管理全体を見たときに今回、述べたような様々な歪を生じ始めている。焼却施設は排ガス規制と灰の熱灼減量を遵守することが求められ、その目的達成のため技術開発がなされてきた。最終処分においては廃棄物の最終処分の場としての考え方から、埋立ごみ質にはあまり関心がなく、上流側のシステムが変わることにより問題に気づき対応策の検討を行ってきた。すなわち「廃棄物管理システム」は機能していなかった。廃棄物管理システムを機能させるためにはシステム並びに各ユニットプロセスのテクノロジーアセスメントが必要である。

  • 黄 楠, 小川 聡久, 小野田 弘士
    セッションID: B1-7-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    廃棄物処理施設では、主に発電を通じたエネルギー回収が行われている。しかし、現在の施設の発電効率は低いままであり、将来的には廃棄物リサイクルとバイオマス発電の普及により、廃棄物焼却による発電効率を向上させることは困難である。この背景から、熱利用が廃棄物処理施設のエネルギー利用効率低下の問題を改善する有効な手段として注目されている。しかし、現状では、熱利用の普及が施設の立地条件の影響を受けることや熱利用を評価するための適切な基準が存在していないこと等が普及が進んでいるとは言い難い。本研究は、廃棄物処理システムのエネルギー利用率の向上に向けて、インフラ連携を注目して、その効果の定量化を目的とする。既存の廃棄物処理施設のエネルギー利用状況を理解する上でインフラ連携を提案し、先行事例の環境性・経済性評価を行った結果を報告する。

B2 廃棄物管理・計画(2)
  • 立田 真文, 関藤 良子, 高部 芳基, 渡辺 正志
    セッションID: B2-1-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    下水道の普及で、現代人は健康的で文化的な生活を享受しているが、下水施設から発生する課題は、現代において も根本的に解決されていない。下水汚泥の継続的な排出による処理コストの負担は、経済の疲弊と共に地方自治体へ 大きくのしかかる。そこで、キャピタルコスト、ランニングコスト共に低いとされる自己酸化法で汚泥を削減すべく、 自己酸化槽を実際の処理場に併設し、その効果を検証してきた。前回の発表では、完全クローズド自己酸化法が中止 になったところまでの報告であったが、今回は、完全クローズド自己酸化法が中止になり、本体の下水処理施設のシ ステムが正常に回復するまでの汚泥引き抜きまでと、完全クローズドの実験が再開されるまでの、ワンサイクルまで の検証を行ったので、ここで報告する。

  • 叢 日超, 藤山 淳史, 松本 亨
    セッションID: B2-2-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、ライフサイクルの視点から二酸化炭素(CO2)の削減量が最大となるように発生源と再資源化拠点のマッチング手法を提案し、三重県で発生した廃ポリ塩化ビニル(PVC)を対象に適用する。廃プラの前処理施設は計40箇所、再資源化技術としてマテリアルリサイクル(MR)とケミカルリサイクル(CR)、エネルギーリカバリー(ER)の施設は計62箇所を対象とした。線形計画法を用いた結果、現状ケースにおいてPVC前処理施設は40箇所のうち8箇所へ配分され、MRは全ての施設へ、CRは13箇所のうち9カ所へ、ERは配分されない結果となった。CO2の削減量としては、MRによる削減量が222.6千トン、CRによる削減量が24.5千トンと推計された。将来ケースにおいては、配分された施設数の変化は小さいが、CO2の削減量が大幅に増える結果となった。

  • 藤山 淳史, 永松 弥歩, 松本 亨
    セッションID: B2-3-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、北九州市で2020年10月より実施されている乾式オフィス製紙機を用いた「紙の循環から始める地域共創プロジェクト(KAMIKURUプロジェクト)」を対象に、社会的投資収益率(SROI)を用いることで、その社会的インパクトを評価し、さらにSROIのアウトカムの情報を活用することで、SDGs達成への貢献度評価を行う手法を提案することを目的とする。SROI値については、金銭代理指標を用いる方法と、支払い意思額を用いる方法で算出を行い、SDGs貢献度についてはSROI値の各アウトカムとSDGsの各ゴールの関連性を問う重みづけのアンケートを実施することにより算出した。SROI値を算出した結果、いずれの方法においても投資額に対して3倍程度の社会的価値を創出することが推計され、本プロジェクトの有効性を確認した。また、SDGs貢献度評価の結果からは目標4と目標17への貢献が高いことが示された。

  • 和田 万里奈, 経沢 正邦, 杉山 浩平, 髙橋 史武
    セッションID: B2-4-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では機能性ゴミ箱(SmaGO®(株)フォーステック)を用いて2022年7月における東京・表参道での廃棄物回収量を調査し、同区間での人流データ(KDDI Location analyzer®)を用いることで,ペットボトル・缶を対象に1人1日あたりの回収量を求めた。回収量分布は対数正規性を示した。そこでゴミ箱までの距離を変数とする対数正規型の回収量予測モデルを試したが、実測データを再現できなかった。廃棄物回収量は天気や気温,曜日によって統計的有意な影響を受けることから、ゴミ箱までの距離を対数化し、天気、気温および曜日の影響も線形的に加味した修正距離を用いたところ、実測データを精度良く再現できた。モデルの改善に向けて、晴天や気温が低い条件の影響をより適切に評価することでモデルの過小評価を改善できる反面、過大評価については異なる要因を考慮する必要があることを見出した。

  • 川原 ゆい, 石井 一英, 落合 知, はむ ぐよん, 岸 邦宏
    セッションID: B2-5-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    近年、収集日カレンダーなど従来から行われている日本語の紙媒体の各戸配布以外にも、住民の多様性に応じた情報提供手段や支援制度を導入する市町村が増えつつある。しかしこれらの施策の実施状況について網羅的な調査・分析は行われてはいない。そこで本研究では、市町村において多様な住民を対象とした情報提供や支援の実施状況を調査・分析を行い、その現状と課題を明らかにすることを目的とした。

  • Fernando Chamila Jeewanee, Toshiya Aramaki
    セッションID: B2-6-O
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    The agricultural sector has emerged as a hub of opportunities for the production of organic fertilizer under the organic farming policy in Sri Lanka. But it has become more challenging to bridge the supply-demand mismatch in paddy growing. As the first empirical study on analyzing the possibility of using Municipal Solid Waste as an organic fertilizer supplement, this study examined the paddy farmers' perception of Solid Waste Compost (SWC) as a supplement for organic paddy farming that is sustainable. The Attanagalla Divisional Secretariat has been chosen as the study region, and from March to May 2023, face-to-face interviews with paddy farmers were conducted using a standardized questionnaire. Data from 254 respondents were gathered and tabulated. Using a 5-point Likert scale, the established 9 Key Performance Indicators (KPIs) were analyzed and compared. Overall the results demonstrate that farmers adopt SWC for their rice cultivation, they do, however, have a strikingly unfavorable opinion of SWC's prompt availability. We contend that for the SWC production to be improved and delivered with official certification, robust government involvement, including a framework and financial assistance, is necessary.

  • Rania Elsadig Ahmed, Toshiya Aramaki
    セッションID: B2-7-P
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/11
    会議録・要旨集 フリー

    The objective of this research is to investigate the potentiality of the waste generated by tea and coffee street sellers in Khartoum to use for compost production and help farmers by providing high-quality natural fertilizer with affordable prices. The examination of this study depends on the quantitative methodology. The target populations are compost factories, agricultural field workers, and tea and coffee street sellers. The survey result shows the existing resource for raw material is not enough to cover the compost factories’ demand. The compost option for farmers is determined according to the price and availability. Price is the most factor that affects to purchase of fertilizer purchase. The street seller's monthly income is less than 200$. The estimated number of street sellers in Khartoum is about 23,000. The expected amount of waste per day =345 to 690 tons/month. This amount can add a new source of raw material will help to reduce the obstacles in obtaining raw materials for compost factories and lead to reduce the organic fertilizers price for the farmers. That will create a new source of income for street sellers to increase their income. Besides improving the waste management practices and recycling system of the city.

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