JSMDレビュー
Online ISSN : 2432-6992
Print ISSN : 2432-7174
2 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
依頼論文
  • 池尾 恭一
    原稿種別: 依頼論文
    2018 年 2 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/10/29
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    本稿では,大きな環境変化のなかで,日本企業にとって新興・途上国中間層市場の重要性が高まっていることを再確認したうえで,この市場に焦点を当てたフルーガル・イノベーションやリバース・イノベーションとはいかなるものであるかを検討する。そのうえで,フルーガル・イノベーションがリバース・イノベーションという形で先進国市場に逆流したとき,いかなる条件のもとでいかなる事態をもたらすかを説明するための理論枠組みが提示される。そこでは,購買特性としての購買関与度と製品判断力が注目され,対応する需要のこれらの購買特性により,リバース・イノベーションが受け入れられる条件が変わってきたり,さらには既存製品との共食いを引き起こしたりすることが示される。

  • 高嶋 克義
    原稿種別: 依頼論文
    2018 年 2 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/10/29
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    品揃え形成において投機的局面と延期的局面のどちらを重視するかという問題は,小売商が品揃えを決定するときに,供給条件を重視した意思決定になるのか,それとも消費者の需要を重視した意思決定になるのかを表すものである。そして,投機的局面や延期的局面を重視することで蓄積される知識は,在庫形成の投機化と延期化に対応し,それぞれにおける競争優位をもたらすことが導かれる。さらに,投機的・延期的局面に関わる行動は,小売商が形成する品揃えを特徴付けることが説明される。

投稿論文
  • 古川 裕康, 寺﨑 新一郎
    原稿種別: 一般論文
    2018 年 2 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/10/29
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    本研究の目的は,原産国イメージ研究を認知的要因の観点からサーベイし,認知的要因の研究が黎明期にある背景と,それを発展させる鍵概念に着目し,論じることである。

    サーベイの結果,認知的要因は消費者の購買意思決定に関する成果指標と直接的に結びつきづらいことや,認知的要因と成果指標との間を,ブランド・イメージが媒介することが明らかになった。さらに,サーベイにおいて検討したブランド・イメージの定義を,便益ベースのイメージという概念に紐づけることで,本研究領域に新しい理論的貢献が期待できることが示唆された。

  • 石井 隆太
    原稿種別: 一般論文
    2018 年 2 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/10/29
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    マーケティング・チャネルにおける対立,すなわち,チャネル・コンフリクトは,古くから数多くの研究者たちが関心を寄せてきたトピックである。既存研究は,今日に至るまで,チャネル・コンフリクトの原因,解決策,および,結果に焦点を合わせながら,新たな知見を産出し続けてきた。しかしながら,近年,これらの研究知見を展望した論文は刊行されていない。そこで本論は,チャネル・コンフリクトに関する2つの研究潮流,すなわち,チャネル・コンフリクトの規定要因に関する研究潮流,および,チャネル・コンフリクトの結果に関する研究潮流について概観する。そして,それぞれの研究潮流に対応して,(1)デュアル・チャネルにおける対立に着目するということ,および,(2)組織能力を考慮に入れるということを,今後の研究が進むべき方向性として提示する。

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