日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
1 巻
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  • 高倉 倫子, 森山 美知子
    2006 年 1 巻 p. 56-61
    発行日: 2006年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    大腿骨頚部骨折急性期治療に焦点をあて,アウトカムの差を生み出す要因を,日米の治療プロセスを詳細に比 較検討することによって明らかにした.更に,日本の整形外科医13名を対象に,医学的に実施可能な理想的治療 プロセスの構築を目的としデルファイ法による調査を行った.結果,アウトカムの差を生み出す要因として,退 院時ゴール設定とリハビリテーション等, 6つの相違点が抽出された.また, 1患者1入院の診療報酬の違いも顕 著であり,術前および抜糸後の入院期間の発生とその期間中の処置が,米国よりも日本の医療費を高くしていた. また,わが国の整形外科医が構築した理想的治療プロセスは,現行の治療に比較して,約423億円~ 305億円の 医療費削減効果が認められた.わが国においても診療ガイドラインの使用の普及や看護師による治療プロセスの 見直しにより,医療費の削減とともに患者アウトカムの向上を図ることが可能となると考察された.
  • 阿部 恵, 梅津 はるみ, 熊谷 裕子, 寺前 昌子, 鈴木 美登里
    2006 年 1 巻 p. 62-64
    発行日: 2006年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    当院では脊椎・人工股関節の手術が多く行われ, DVT予防の1つとして段階式圧迫システム(以下SCDと略す) を施行している.そこでSCD施行後の血流の変化を調査し,SCDの効果発現時間および持続時間を明確にする研 究を行った結果, SCD開始1~2時間で急激に血流は増量し, 2時間後以降は緩やかに増羅するのみであることが わかった.また, SCDをoffした後は短時間で急激に減量することがわかり, SCDの持続効果時間はほぼ40分で あると考えられた.このことから, SCDにより得られた血流を維持するための看護ケアを提供することが重要で あると考える.
  • 足立 理恵, 宮脇 佳代子, 鎌塚 尚子
    2006 年 1 巻 p. 65-68
    発行日: 2006年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    平成15年7月8日から平成16年7月31日までに入院した整形外科疾患患者111名のうち, A群:大腿骨頚部骨 折術後患者, B群:変形性股関節症術後患者, C群:変形性膝関節症術後患者,とした下肢の疾患3群39名を対 象に術後約1カ月(入院時)から退院時までのFIM (機能的自立評価法)を用いてADLの変化を実態調査した. その結果, 3群とも入院時と退院時のFIM合計得点と運動項目の合計得点は有意に上昇し( P>0.001 ) ADLの向上が認められた.運動項目を項目別に個別にみると,多くが上昇を認める中で,数値の低い患者や変化の少ない患者がいた.これらの患者は,慢性関節リウマチ・認知症・脳血管障害を合併している患者であった.合併症を 有する患者を除く3群は,運動項目の入院時から退院時の得点の変化は共通しておりADLの傾向が同じであるこ とがわかった.
  • 佐藤 真紀子, 鴇田 朱美, 菅本 亜伊, 深澤 さやか, 中嶋 佳子, 大塚 昌美, 廣島 直美
    2006 年 1 巻 p. 69-72
    発行日: 2006年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    当院では年間約60例の関節鏡視下腱板修復術を施行しており,ほぼ全例で術後約3週間の前腕支持装具が用い られる.術後早期は患肢を下垂すると,疼痛や再断裂が生じる危険性がある.そのため,入浴の際は肩関節外転 位を保持できる,装具の代用が患者の疼痛や不安を取り除く上で必要であると考え,タオルやペットボトルを腋 商に挟んで使用してきた. しかし,患者から「不安定」などの意見があった.そこで,従来の代用装具の問題点を 分析し,改良型代用装具を作成した.そして,代用装具と改良型代用装具を用いて,保持できた肩関節の外転角 度(客観的評価) と,装具の安定性・安楽性(主観的評価) について,従来の装具と比較検討した.その結果, 改良型代用装具は,安楽性は十分改善できた.
  • 小川 ゆかり, 戸田 美奈子, 藤本 敦子
    2006 年 1 巻 p. 73-77
    発行日: 2006年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    平成15年1月から平成16年9月までに当院で膝前十字靭帯再建術を行った48名のスポーツ患者のうち若年層 (24名)と中高年層(24名)の術後2週間の入院中の身体状態の推移とリハビリテーションに対する意欲につい て比較検討した.身体状態では若年層の方が術後早期の患部腫脹が強く,有意差を認めた. リハビリテーション 意欲は,中高年層は若年層より,リハビリメニューの実施回数, 実施時間も多く,意欲が高かった.
  • 戸田 美奈子, 小川 ゆかり, 藤本 敦子
    2006 年 1 巻 p. 78-81
    発行日: 2006年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    平成16年1月~6月に受診した学生スボーツ患者303症例の指導者に当院独自に作成した情報提供書を用いて 情報提供を行った.180名の指導者にアンケート調査を行い(回収率66%)情報提供書の有用性を検討した. 89%の指導者が治療方針に従い,復帰までの期間も83%が短縮した.情報提供書は,アンケート回答を得た 100%の指導者に有用であった.
  • 藤本 敦子, 戸田 美奈子, 小川 ゆかり
    2006 年 1 巻 p. 82-84
    発行日: 2006年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    スボーツ患者258症例を対象に競技種目やレベルによる治療内容の違いに対し,その競技特性で治療の理解度 は変わるのか調査した.競技別での治療の理解度は,低年齢であるサッカーを除いて80%以上と,競技特性によ る理解度の特殊性は認めなかったが,レベル別での理解度については,競技レベルは高い理解を得られ,障害を 克服する意欲が高いためだと思われる. レクレーションレベルは楽しむことが優先であり,治療・診断に対する 関心が低いため理解度は低かったと思われる.
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