日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
12 巻
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  • 池田 鮎美, 渡部 節子, 斉藤 邦子, 坂本 裕美
    2017 年 12 巻 p. 52-
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    人工股関節全置換術(以下THA)の術後歩行能力に対する術前下肢筋力トレーニングの有効性を検討す る目的で,初回THAを受ける患者を対象に調査を行った.調査ⅠでA群は術前3ヵ月前より下肢筋力トレーニ ング(足開き,膝伸ばし,足上げ,お尻上げ)を開始し,B群は従来通りに術前トレーニング未実施とした. その結果,A群はほとんどの症例で術前の下肢筋力は開始後1ヵ月でピークとなったが,入院時には筋力が低 下し,術前下肢筋力トレーニングの有効性は認められなかった.そこで,別の患者を対象とした調査ⅡではC 群は術前1ヵ月前より,1回の回数及び1日の回数を減少させ,さらにトレーニング内容も外転筋力増強に向け て「足開き」を中心に「足挙げ」の2点に絞って下肢筋力トレーニングを実施し,D群は調査Ⅰと同様にトレー ニング未実施とした.その結果,調査ⅡではC群の全症例で下肢筋力は入院時にピークとなったが,術後の歩 行能力に対する有効性は認められなかった.尚,下肢筋力の評価は,患肢及び健肢における下肢伸展挙上筋 力と股関節外転筋力を徒手筋力計マイクロFET(株式会社日本メディックス)で計測した.以上より本研究に おいて,術前下肢筋力トレーニングは筋力増強になるもののTHAの術後歩行能力に対する有効性は認められ なかった.
  • 川瀬 淑子, 吉川 洋子, 平井 由佳
    2017 年 12 巻 p. 60-
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は人工膝関節全置換術術後患者の初回の離床に関する臨床判断を熟練看護師は何を手がか りとして行っているか明らかにすることである.人工膝関節全置換術を行っている病院の整形外科病棟勤務経 験5年以上の熟練看護師8名を対象とし,半構造化面接を行い,結果を質的記述的に分析した.結果,【治 療上の制約】,【術後の患者の身体症状】,【食事摂取状況】,【患者の運動機能】,【患者の特性】,【患者の心 理状態】,【看護師の経験知】,【看護師の看護観】の8つのカテゴリーが抽出された.熟練看護師は治療に関 わる身体的状況だけでなく患者の特性や心理状態といった情報を多面的に捉え,培われた経験知や看護観を 活かしながら,離床の判断をしていると考えられた.
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